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お散歩日和 ♪

「山歩き」「街歩き」と「酒」の日々・・・

街歩き(北浜・天満)

2023-08-26 15:34:34 | うだつ会

 

本日の最低気温25.8℃ 最高気温35.7℃ 晴れ 今日も猛暑日。

今日は、ボーリング大会に参加のF君・N君・U君と天満で待ち合わせ。

私は腹ごなしに北浜から歩く事にした。

 

「難波橋」の途中から「中之島公園」に降りる。

「バラ園」を歩き「天神橋」に上る。

 

ここでN君からラインが来た。

すでに天満の飲み屋に到着して待っているとの事。12:00に関大前のボーリング場を出ると聞いていたので、13:00頃の到着と思っていた。先を急ぐ。

 

「天神橋筋一丁目」

「天神橋筋二丁目」

「天神橋筋三丁目」

天満駅裏の迷路のような細い路地に入る。

 

1軒目「寿司の奥田」に到着。無事に合流できた。(ここでRunkeeperの計測終了)

ビールをコップに1杯だけもらって、次の店へ。

 

2軒目「焼とんya たゆ たゆ 」(特上ガツ・上シロ・合わせ味噌のモツ煮込み・瓶ビール・山ねこお湯割り)

 

3軒目「ビッグエコー天満駅前店」

 

4軒目「焼肉万両天神橋店」(塩タン・上ロース・ハラミ・白天宝山お湯割り・マッコリ)

 

店を出て更に商店街を南下。南森町でU君が離脱。

 

「大阪天満宮」参拝。御神酒笑姿(オミキエビス)様にも参拝。

 

5軒目「和酒バル101」(いぶりがっことマグロの酒盗とクリームチーズの二種盛・赤武冷酒)

 

6軒目「上等カレー」(ビーフカレー・瓶ビール)

 

これにて終了。南森町駅で解散。

 

 

 

 

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街歩き(府大・二サンザイ古墳・百舌鳥八幡宮・御廟山古墳・大仙公園・仁徳天皇陵古墳・堺東)

2021-11-20 17:07:57 | うだつ会

「緊急事態宣言/1回目(大阪)」の解除より548日目(土曜日)

昨日の夜、飲んだ帰りの電車でN君から「明日、娘の受験の付き添いで府大に行く」と言う事を聞いた。

そして今朝LINEが来た。

白鷺門を入った所で落ち合う。

私は「府大から古墳を巡って堺東で昼飯を食おう」と提案。N君も異存は無いとの事で早速出発する。

本日の最低気温13.7℃ 最高気温20.1℃ 快晴 この時期にしては少し気温が高いが、風も無く歩くには最高のコンディションだ。

8.76km

元来体力のあるN君だが、久しぶりに歩くとの事なので少し心配だった。

そんな心配をよそに、府大、二サンザイ古墳、百舌鳥八幡宮、御廟山古墳、大仙公園、仁徳天皇陵古墳、西高野街道・竹内街道分岐を経て、11:00前に無事堺東に到着。

到着後まずトイレを借りに堺市役所に寄る。ここで、21Fの展望ロビーからの景色が実に良いと言う噂を思い出した。私も上った事が無かったので、この機会に訪問しようと言う事になった。ところが現在、展望ロビーは新型コロナウイルスのワクチン接種会場に使用のため立入禁止との事。何もそんな景色の良い所でワクチン接種しなくてもいいと思うのだが仕方ない。

 

諦めて商店街に向かう。商店街には昔の闇市の風情を残すような一角があり、立ち飲み屋などが営業している。

そんな中の一軒「花鳥風月」に入店。昼酒をやる事にする。

まず「ほろ酔いセット(生中・麻婆豆腐小鉢・スパサラ小鉢)」¥550を注文。

歩いた後の「生中」は体に染み入る。二人とも「クゥ~!」とお決まりのセリフが出る。この後、各々「生中」2杯づつと「鳥カラ」を追加。かなりいい気分になる。

 

店を出て同じ通りの「中華そばムタヒロ」に向かう。ここは東京から大阪(福島)に出店して話題になった店で、以前一度覗いたことがあるのだが行列だったのでやめた経験がある。

今回も列が出来ていたが4~5名だったので並ぶ。

まず先に食券を購入。私は「瓶ルービー」¥550と「鶏そば」¥800。N君は「瓶ルービー」と「鶏特製そば」¥1000。大食いのN君。流石だ。

しばらくして4名掛けのテーブルに通された。

ビールは「サッポロの赤星」。うれしいことにツマミに「穂先メンマ」が出てきた。

そうこうしている内にラーメンも運ばれてきた。

澄んだ鶏スープに細麺。好みのタイプだ。スープも麺も満足の味。ごちそうさまでした。

 

ここからはRunkeeperをセットし忘れでGPSデータは無し。

N君はここからJR三国ヶ丘駅まで歩くとの事。私も付き合うことにした。

 

途中、堺東駅の踏切のたもとに酒蔵(有限会社利休蔵)の直営店を発見。

試飲できるかもしれない。酔った勢いもあり厚かましくも入店。とは言うものの、流石にこちらから「試飲させてくれ」とは言いにくい。商品を見ている振りをして店内をウロウロする。しばらくすると店のおじさんから「試飲できますよ」と声が掛かった。「やった!」という気持ちを押し殺し平静を装ってお願いする。(おそらく下心は見透かされていたに違いないが)

まず、「千利休」の純米酒・特別純米酒・純米吟醸酒の3種類がでてきた。

どれも辛口でなかなか美味い。

次に「千利休 純米吟醸 愛山 ひやおろし」

「ひやおろし」だけあって先の3種類より味が乗っている気がする。私はこちらの方が好みだ。

 

蔵の場所を聞くと、南海本線堺駅の近くで醸造しているとの事。そんな街中で水はどうしているのか気になるが、金剛山から運んでいるとの事だ。

 

この後、ついでと言うと失礼になるが「反正天皇陵」と「方違神社」を見学。

けやき通りを歩いてJR三国ヶ丘駅に到着。ここで解散した。

今日は昼からすっかり気分がよくなってしまった。

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「若草山」

2019-05-04 21:57:20 | うだつ会

2019年5月4日(土) Icon_walk_ss17.744km

累積標高(+)759.950m(-)-759.950m

 

今年もGW恒例の山歩きを開催する事になった。GWと言っても今年は特別で、10連休と言う過去に経験のない長期休暇である事。それ以上に、連休中に「平成」から「令和」への改元と言う歴史的な出来事がある事。特に改元などは今後経験する事は無いと思われる事である。
メンバーの日程を擦り合わせた結果、4/30に決行する事に決定。期せずして「平成」を締めくくる最後の山歩きになる。
ところが、天気予報をチェックしていると、どうも天気が芳しくない様だ。ギリギリまで様子を見たが、日程の変更を余儀なくされる。
再度、日程を擦り合わせて5/4に変更する事にした。「平成最後」が「令和初」の山歩きになってしまった。
行先についてだが、今回 N君の誘いでU君・Aちゃん親娘が初参加する事になり、Aちゃんの足でも登れる山と言う事。それとF君が最近仏像に興味あるとの事などを考えると「奈良」がいいと言う事になり、「若草山」に決定。
しかし、さすがに正面から登ったのでは大人には物足りない。我々は「柳生街道」「春日奥山ドライブウェイ」経由で裏のルートを登り、「二重目」でU君・Aちゃん親娘と合流する事にする。


9:00に近鉄「奈良」駅の改札で集合。


ところが、 N君から「体調不良の為欠席する。」とのラインが入る。

連休中に飲み過ぎたのだろうか。「奈良は初めてだ」と楽しみにしていたので残念だが仕方ない。


この後F君・S君とは無事に合流。予定通り定時にスタートする。
「ひがしむき商店街」のアーケードを南に向かい、「猿沢池」に出る。


池越しの新緑の中に建つ「興福寺・五重塔」。テレビのシーンでも馴染みの景観。テレビでは、ここで「ゴーン」と鐘が鳴るのだが、そう上手くはいかない。


歴史を感じる町屋の中の細い道路を歩く。

ところどころに洒落た店舗が点在しているのだが、まだ開店していない店が多い。そう言う事もあり心配していた混雑はなく、閑静な中を歩く事が出来た。


まず最初に目指すのは「今西清兵衛商店」。奈良町にある酒蔵だ。F君・S君には申し訳ないが、ここを訪問するのは私の個人的な都合である。「若草山」で飲む「春鹿」を購入するのが目的である。
程なく、「今西清兵衛商店」の歴史を感じる重厚な建屋が現れる。

引戸を開けて店舗の中に入る。中には先客が数名いて、試飲などをしている。我々は試飲は遠慮しておく事にした。
商品棚の前に行き品定め。実は以前ソロで「若草山」に登った際にもここで酒を調達した。前回(2015/11/21)は「春鹿 純米 超辛口 」300mlだった。
今回は色々と迷った末に、春らしい物と思い「春鹿 さくらラベル 純米酒」300ml を購入。


無事に酒を調達して、次はいよいよ今回の目玉の一つである「新薬師寺」に向かう。奈良町の古い町並みの中、緩やかな登りの道を東へ進む。


途中でU君から電話が入る。一瞬「U君も都合が悪くなったのか」と思いドキッとする。しかし心配をよそに「昨日、潮干狩りで獲った貝を持参すれば焼いて食べれるか?」と言う確認だった。仮にも「若草山」は火気厳禁。貝などを焼くと目立ち過ぎる。U君には申し訳ないがNGである事を伝える。


道標に従い右折すると、石垣と土塀の何とも風情ある小径が続く。

この道は「山辺の道」の一部になっている。


少し歩くと「新薬師寺」の「南門」の前に出る。拝観料¥600を支払って門をくぐる。

敷き詰められた白砂の中央に石畳が続く。その先に石灯籠が立ち、更にその先に「本堂」の白壁となだらかな曲線が美しい瓦屋根が見える。天平建築の典型とも言える簡素ながら美しい佇まい。真っ青な空の下で更に美しさが映える。

ふと左手を見ると、境内の片隅に古びた石仏が並んでおり、古寺の雰囲気を醸し出している。

白砂を踏みしめて「本堂」左手入口の前へ。
強い紫外線が降り注ぐ境内から仄暗い堂内に入る。一瞬何も見えなかったが、すぐに目が慣れて眼前に荘厳な仏の世界が広がる。本尊の「薬師如来坐像」を中心に、本尊を守護する「十二神将立像」が周りを取り囲む。まずは本尊の前へ歩を進める。堂内には静寂が漂いひんやりとして、身が引き締まる思いがする。


ここで静寂を引き裂く様に機械的な音声が堂内に鳴り響いた。驚いて音のする方を見ると、そこにはS君の姿があった。「Jog Note」の音声案内が犯人の様だ。しかも音量設定がやけに大きい。S君はこう言うシーンで不思議と何かやらかしてくれる。


気を取り直して先へ進む。次は「新薬師寺」を代表する仏像(いや日本を代表する仏像の一つと言えるだろう)「伐折羅(バサラ)大将」に対面する。目を見開き大きく口を開けた憤怒の表情。正に「怒髪天を衝く」を絵に描いたような頭髪。何度見ても迫力に圧倒される。
「十二神将」は干支の守神でもあるとの事。「辰」の守神である「波夷羅(ハイラ)大将」にロウソクをお供えする事にした。

新薬師寺HP → http://www.shinyakushiji.or.jp/


堂内を一通り見終えて「本堂」を出る。


小ぢんまりとした古寺ではあるが見どころは多く、思いの他時間を費やしてしまった。

「新薬師寺」を後にして次の予定先「春日大社」へと急ぐ。
立派なお屋敷の立ち並ぶ一帯を歩き、瀟洒な佇まいの「志賀直哉旧居」の前を通り過ぎる。坂を下って右折すると「飛火野」の前に出る。


広大な芝生の広場が広がり、これから向かう「春日山」から「若草山」の山並みが望める。ここは「ルリセンチコガネ」の生息地として有名な場所なので期待したが、出会う事は出来なかった。

またここはドラマ「鹿男あをによし」(原作 万城目学)のロケ地でもある。真ん中に立つ大木の前で主人公と鹿が話す場面が何度となく登場する。いくら待っても喋る鹿が現れる訳はないので先を急ぐ。
「春日大社」の参道に入ると、流石に人出が多くなる。特に西洋・東洋入り混じって外国人観光客が非常に多い。雑踏に混じって進んで行く。


「萬葉植物園」はこの時期約200本の藤の花が見頃の様で長蛇の列が出来ている。

大きな鳥居をくぐり、「伏鹿手水所」で手を清めてから本殿に向かう。やがて「南門」に到着。

真っ青な空に朱色の門のコントラストが目に眩しい。

「幣殿・舞殿」の前に進み、本日の山行の無事を祈願する。

「御本殿」の参拝は有料だったので今回は失礼させて頂く。
「本殿」を後にして「上の祢宜道」を歩き「柳生街道」を目指す。

両端に石燈籠が並ぶ砂利道を過ぎると、立派な樹木が目立つ様になってくる。この辺りは「春日山原始林」の一部になる。
舗装路に出て緩やかな登りをしばらく歩くと「柳生街道(滝坂の道)」の入口に到着。

ここからは、新緑が綺麗な沢沿いに石畳の道が続く。

緩やかな登りで、山登りと言える様な物では無いのだが、それでもキツイ。考えてみれば昨年11/18(編笠山)以来約半年振りの山歩き。身体が鈍りきってしまった。こんな状態の時は、これくらいの登りがリハビリに丁度良い。


途中にある磨崖仏「夕日観音」「朝日観音」の前を通り過ぎ、「首切り地蔵」の前に出る。

この辺りで丁度お昼になった。休憩所では多くの人がお弁当を広げている。我々もそろそろビールを飲みたい衝動に駆られるが、ここは堪えて先を急ぐ。
ここで「柳生街道」に別れを告げて「春日山遊歩道」に入る。すぐに「春日奥山道路」に合流。舗装路と砂利道の入り混じる自動車道歩きになる。この辺りも「春日山原始林」に属する地域で、巨木や新緑が美しい。

しかし何故、原始林の中にこの様な道路を通したのだろうか?交通量は少ないのだが、たまに自動車に遭遇すると興ざめする。
U君・Aちゃんとは「若草山」の二重目で13:00に待ち合わせているのだが、12:30の時点でとても間に合わない事に気がつく。30分程遅刻する旨をLINEする。「了解です????着いてますのでビール????飲んどきます????」との返信が来た。
「若草山」の山頂を目指しているのだが、延々と下りが続くのは違和感がある。この後心配した登り返しも無く「若草山駐車場」に到着。

少し登って「鶯塚古墳」のある「若草山」(341.6m)山頂を踏む。

「三笠山三等三角点」もチェック。

山頂は360°の眺望が素晴らしい。奈良の市街地越しに「生駒山地」から「大和葛城山」「金剛山」もクッキリと見える。


しばし眺望を楽しんだ後、U君・Aちゃんが待つ「二重目」へと急ぐ。「二重目料金所」で入山料(¥150)を支払って山道を下る。


「二重目」でU君・Aちゃんと無事に合流。Aちゃんは相変わらずの元気振りで、野芝の草原を駆け回っている。さて、昼食の場所選びだ。「若草山」も観光客でごった返しているのではと心配していたが、思いのほか人出は無く、目的の場所に陣取る事が出来た。ここは「興福寺」の五重塔や「東大寺」の大仏殿の大屋根などが一望できる最高の場所だ。

待望の昼食

(本日のメニュー)

・ラ王(豚骨)
・(ラーメントッピング用)豚肉・ネギ
・サバのオリーブオイル漬け(レモン・バジル味)「Ça va?」
・缶つま ミックスオリーブ
・サッポロ ラガービール(瓶)500ml
・月桂冠300ml
・春鹿 さくらラベル 純米酒300ml

まずはビールで乾杯!



今回初めてサッポロの「赤星」の瓶を持参。こんな所にまで瓶を持参しているのを見て(ビール党の)U君に呆れ顔をされたが、やはり瓶は美味かった。
ここでF君がリュックから「あらびきフランク」なる物を取り出した。さすがはF君「粒マスタード」も持って来ており抜かりがない。

S君のバーナーで焼いて食べる事にする。ジュージューと焼き色がついて、いい匂いが漂う。熱々を頬張ると肉汁が溢れ、それをビールで流し込む。至福のひとときである。

缶詰や唐揚げなど皆で持ち寄った物も広げて宴たけなわになる。

Aちゃんは可愛いらしいお弁当を持参していた。U君はお弁当箱の蓋を「ニンニクの醤油漬け」の皿がわりに使っていたが、お弁当を食べ終えたAちゃんに「早く返さないと片付けられない」とお説教されていた。

Aちゃんはその後も、元気に駆け回っている。

私は途中で調達した「春鹿 さくらラベル 純米酒」を燗しようと思いバーナーをセットする。
点火しようとした時、背後から「ここは、火気厳禁ですよ!」と声が掛かった。監視員の方に見つかってしまった様だ。そこまでする必要があるのかと思うのだが証拠写真まで撮影された。
先にも触れたが、実は「火気厳禁」である事は事前に調べて判っていた。それでもバレなければ「バーナー」位はいいだろうと都合よく解釈していた。しかし、こうあっさりとバレてしまうとは。ここで揉めるのは大人気ない。注意を素直に聞いて「バーナー」を片付ける。

燗を試せなかったのは残念だが「春鹿」は常温で飲んでも美味かった。

詳しくは「NomuNote(47)」にて。

(ここで一句)

おおてらの 甍を照らし うらうらと
三笠の山で 春鹿に酔う

もう一つ残念なのは締めのラーメンを食べる事が出来なくなってしまった事だ。仕方なく持ち帰る事にした。
締めがなくて少し小腹が空いた感じだが、飲む方はしっかり飲んでいい感じになって来た。そろそろお開きにする。

荷物をまとめて出発。「一重目」まで下り、そこから「南側登山道」に入る。

ここでもAちゃんは元気で、F君を従えて走る様に下って行く。U君もその後を追っていった(U君は昨日の潮干狩りの後遺症で筋肉痛に悩まされており気の毒だ)。残されたS君と私は諦めてゆっくりと下る。登山口で待ってくれていたAちゃんに、歩みの遅いS君と私は「カタツムリ」と言われていた様だ。
登山口付近には鹿が沢山群れていた。「鹿せんべい」を売っていたので購入。Aちゃんに半分渡して二人で鹿にあげる。「鹿せんべい」を見た鹿は結構な勢いで迫ってくるので怖いくらいだ。あまり焦らすと鹿が怒ると聞いていたのですぐに食べさせる。最近、鹿が凶暴化しており(これは人間の方に問題がある様だ)、特に外国人観光客とのトラブルが発生しているらしい。

奈良公園を「東大寺」方面へ歩く。

右手に「大仏殿」が見えて来る辺りで左折して「南大門」をくぐる。

「南大門」では天才仏師として名高い運慶・快慶作の「金剛力士像」を見る事が出来る。

何度見てもその大迫力に圧倒される。この様な物が無料で見れるのは得した気分だ。

「南大門」のそばに歴史を感じさせる佇まいの奈良漬店を発見。

「森奈良漬店」と言う屋号で明治2年創業だそうだ。

土産に「うり奈良漬」(¥650)を購入。

「奈良国立博物館」の前を通り「興福寺」の境内に入る。

今朝、「猿沢池」から見た五重塔の下から境内を横切り「ひがしむき商店街」に出る。

本来なら「興福寺・国宝館」に立ち寄って「阿修羅像」などを見たかったのだが、酒を飲むと面倒になってしまった。

「近鉄奈良駅」から難波行の電車に乗る。

途中、「西大寺」でU君・Aちゃん親娘と別れて、F君・S君・私の三名は「日本橋」で下車。

「末広湯」で汗を流して、反省会の場所を探して「裏なんば」をブラブラする。結局、以前一度訪問した事のある「豪快 立ち寿司」に決定。しかし、満席との事で断わられる。仕方なしに他を探していると、店員が追いかけて来て「テラス席が空きました」との事。とにかく早く飲みたい我々は席などどこでもいい。店員について店に戻る。「テラス席」などと言うとカッコいいが、入口の横に簡易なテーブルと椅子を置いた「待合場所」の様なスペースだ。しかしこれが、不幸中の幸いと言うか、この時季の夕暮れ時は非常に爽やかで居心地がいい。落ち着いたところで乾杯!気候がいいとビールもうまい。あと「マグロの盛合せ」が特筆すべき美味さだった。この後、同じビルの2Fの「鉄板野郎」で二次会。この店は先日テレビで「ポテサラが美味い」と紹介されているのを見た。偶然である。しっかりと飲んで食べて解散。

 

それと、この日は長年愛用していたリュック「deuter TRANS ALPINE 30」の引退山行だった。ポケットのファスナー部分がとうとう破けてしまった。2013.3月から6年間頑張ってくれた事に感謝する。

 

後日、お土産の奈良漬を刻んでクリームチーズで和えて見た。

日本酒に合わせると美味である。

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愛宕山

2018-08-12 09:21:35 | うだつ会

2018年8月12日(日) Icon_walk_ss10.0km

今回、Jog Noteの「計測終了」押し忘れの為、歩行距離・歩行時間は手入力。GoogleMapは無し。

累積標高(+)1035.838m(-)-1035.838m

 


お盆休みがやって来た。今年も恒例の「耐暑登山」を実行する事になった。
思い返すと、グループでの山歩きのきっかけとなったのは、2013/8/15にF君と二人で「六甲山最高峰」に登った事である。その後、毎年お盆休みにはどこかしらに登っている。
毎回、暑さとの戦いなのだが、今年は更に過酷な状況が予想される。
と言うのも、気象庁が8/10に「異常気象分析検討会」の臨時会を4年ぶりに開催し、今夏の猛暑が異常気象である事を認定した。
それ程の異常な猛暑が続く中での「耐暑登山」である。
当日は天気は曇りながら、最高気温は37℃を記録した。
メンバーはF君と私の2名。 N君は私用、 S君は帰省の為に欠席となった。
行先は、今回も私の希望を聞いてもらい「愛宕山」に決定。

阪急「嵐山」駅に8:30に集合。
梅田から阪急の快速急行に乗車。時間が早いせいか余裕で座る事が出来た。「桂」駅で嵐山線に乗り換えの為にホームで待っているとF君が現れた。二人で「嵐山」駅に向かう。
「嵐山」と言うと観光客で混雑しているイメージが強いが、時間が早いせいなのか、あるいは季節的な理由なのか、駅前は閑散としている。
到着してすぐにF君はコンビニに直行。それと言うのも、車中でF君からビールを凍らせて来た事を聞いたからである。凍らせると山頂に到着するまでに溶けないかもしれないし、味も変質する可能性がある。念のためにビールを買い足してバス停に向かう。
バス停も空いており、登山客が我々を含めて5〜6名、一般の乗客と合わせても10名位だろうか。楽々と座る事が出来た。
「嵐山」駅前から8:42発の京都バスで「清滝」まで約20分のバスの旅。「渡月橋」を渡り「天龍寺」「化野 念仏寺」の前を通って、バス一台がやっと通れる交互通行のトンネルを抜けると「清滝」バス停に到着。

バス停から登山口までは、下りの舗装道路歩き。「さあ〜登るぞ」と身構えていたのだが、いきなり肩透かしだ。
下って行くと川の瀬音に混じって子供たちの賑やかな声が聞こえてくる。下り切ると右手に駐車場があり、沢山の車が停まっている。500円で一日停めれるようだ。ここまで車で来て川遊びなのだろう。バーベキューのいい匂いも漂ってくる。清流で水遊びして、バーベキューにビール。考えただけで極楽だ。それにひきかえ、我々がこれから向かう辛い登りを想像すると、何ともバカバカしく思えてくる。

「桂川」の支流「清滝川」に架かる橋を渡ると

「愛宕神社参詣表登山道」の立て看板がある。赤い鳥居をくぐると、早速急坂が現れる。「登山道」とあるが、どちらかと言うと神社の参道の風情が色濃い。まだ登り始めたばかりなのだが汗が流れ落ちる。

右手に登山者の心得を書いた看板が現れる。「登山者の皆様へ 山上の神社まで四キロ余の山道で、気温の差は約十度もあります。自分で登り、自分で下山する他、手段はなし。花・草木を採って持帰る不心得な者は上山を禁止します。愛宕山は、公園でなく、一三〇〇年前から続く「愛宕さん」の総本宮です。尚山上には、雨水のみで水道などありません。又便所は社務所横一ヶ所です。」「自分で登り、自分で下山する他、手段はなし。」と言う厳しい言葉に気持ちが引き締まる。

しばらく登ると、登山道脇に「お助け水」と呼ばれる湧水が湧き出ている。飲んで見る。流石は天然水だけに雑味が無く冷たくて美味い。「お助け水」と言うだけあって何となく登る力が湧いてくる気がした。昼食のラーメン用に持参した水道水(ペットボトル500ml)を捨てて湧水を汲む。

まだまだ序の口で先は長い。再び登り始める。この辺りから一段と傾斜がきつくなってくる。

登山道には丁石地蔵様や嵯峨消防団設置の距離標示板があり山頂までの距離を知らせてくれる。(表示板は100mごとに1/40から40/40まで設置されている)
火燧権現跡(ひうちごんげんあと)の祠と石碑の前を通り、「壺割坂」と呼ばれる坂を進む。「壺割坂」とは、昔山上に宇治の茶を貯蔵して江戸幕府に献上していたが、ある時この辺りでその壺を割ってしまったと言う出来事が由来らしい。

道中でメタリックな輝きを放つ昆虫に遭遇。「ルリセンチコガネ」だ。昨年、比叡山を訪れた際にも見かけた事を思い出す。

この後、休憩を入れる。F君は凍らせて来たポカリスウェットとビールの溶け具合をチェック。全く溶けていないのでクーラーバッグから出して溶かす事にする様だ。実は私も昨年の「荒地山」にポカリスウェットを凍らせて持参して同じ失敗をしている。この事はF君も知っていると思ったのだが。

更に登ると石垣と東屋が見えて来た。

説明板によると「なかや」と言う茶屋があった場所の様だ。

先を急ぐ。

程なく、再び東屋が見えて来た。

東屋には「五合目休息所」の札が。

それにしてもここまで全くと言っていい位に平坦な道は無く、登りの連続だった。これでやっと五合目と言う事は、この後まだ同じだけ登らなくてはならないのか。後半戦の事を考えるとゾッとする。事前にネットで色々な方の山行記を拝見していて「標高の割にキツい」と言う情報はあったのだが、納得できる。ここで休憩を入れようと思ったのだがF君が「もう少し進んでおこう」と言うので先へ進む。

この後、我々の心配をよそに、嘘の様に平坦な道になる。気温も登山口の看板にあった通り、少し下がったのか涼しく感じる。足取りも軽くなり快調に進む。

しばらく歩くと登山道脇に、伏見の酒「神聖」の菰樽が無造作に置かれている。

こんな山中に何故だろう。調べて見ると、この場所は「大杉大神」の祠があった場所らしい。昨年の台風で倒壊したらしい。

ここまで展望らしき物は全くなかったのだが、ここで初めて西側の展望が開けた。

京都の街並みを縫う様に流れる桂川。遠く霞んで見えるのは西山から北摂の山並みだろうか。

立派な杉の大木が立ち並ぶ平坦な道を更に進むと、「七合目休憩所」がある。この場所は昔、落語の「愛宕山」の題材になった「かわらけ投げ」が行われていた場所になるらしい。
しばらく割と平坦な道を快適に歩いて来たが、このまま頂上まで快適な道が続くはずもなく、この辺りからまた勾配がキツくなってくる。

左手に東屋が見えてくる。

「水尾分かれ」に到着。ここで、ゆずの産地として有名な「水尾」からの道が左手から合流してくる。

更に登ると「ハナ売り場」なる小屋がある。火伏せの御神符としての樒を販売していた場所になる。

四十四丁の辺りから通称「ガンバリ坂」と呼ばれる登りが始まる。

しばらく登ると「黒門」が見えて来た。

「黒門」とは、平安時代に愛宕山に建立された「白雲寺」という密教系の寺院の門の名残りで、「白雲寺」は明治の「神仏分離令」の際に破却された。
「黒門」を過ぎれば山頂は近い。

ところが、ここでF君の脚に異変が。「左ふくらはぎ」「左腿」「右ふくらはぎ」が連続して痙攣すると言う非常事態が発生する。F君のポテンシャルからして、これ位で異常が発生するはずは無いのだが、体調が万全ではないのかも知れない。何とか歩ける様ではあるが、キツそうだ。
さて、どうするか。ここまで来て引き返すのも簡単ではない。根拠は無いが、山頂まで行けば何とかなるだろうと判断。休憩して先へ進む。

「黒門」をくぐると石の階段の上りになる。F君は一歩一歩慎重な足取りで登る。

程なく、石灯籠が立ち並ぶ平坦な場所に出た。

「愛宕神社」の境内に到着である。

F君の脚も何とか持ちこたえてくれた。

ここまで来ると、やはり千三百年続く信仰の場所である事を納得させる独特の雰囲気が漂う。
社務所の前には杉木立に囲まれた広場があり、ベンチで昼食を食べる人々で賑わっている。我々もお参りを済ませて昼食にしよう。

しかし、この後眼前にとんでもない階段が現れた。

見上げても拝殿が見えない位に階段が続いている。神様が、酒を飲む為に登ってくる様なふとどき者に試練を与えているのか?
登るか否か?F君の意思を確認する。
私としては余り無理をしない方がいいと思ったのだが、F君は登る決断をした。

一段一段ゆっくりと登る。

黒い鳥居と立派な木造の門を通り抜けると拝殿が見える。

厳かな雰囲気が漂う拝殿に入り祭壇に向かう。この後の山行の安全を祈念。

当然かもしれないが、境内には「愛宕山」の山頂を示す表示はどこにも無い。念のため神職の方に確認すると、ここが山頂に間違いないとの事。「愛宕山」山頂(924m)到着である。(後から調べると「愛宕三等三角点・890m」が少し離れた場所にあった様だ)

参拝を終えて先程の階段を下っていると、年配の男性のソロハイカーに声を掛けられた。これからJR「保津峡」駅方面に下るとの事で同行を誘われるが、F君の脚の事を考えるとマイペースで下りたいので丁重にお断りする。

階段を下りきり、先程の社務所前の広場に出る。

話がそれるが、現在社務所のある場所は、その昔愛宕五坊の一つである西坊威徳院のあった場所にあたる。ここで明智光秀が本能寺の変の直前に連歌会を興行し、「ときは今 あめが下しる 五月かな」と謡ったと言われているとの事だ。

社務所前には自動販売機があり、F君がポカリスウェットを買うと言うので付き合う。

500ml ¥200 と少々お高いが山上なので仕方ない。

さあ、お待ちかねの昼食だ。

空いているベンチに陣取る。

この頃になると曇っていた空に晴れ間が見えてきた。

(本日のメニュー)

・マルちゃん正麺(旨塩味) 
・(ラーメントッピング用)豚肉・ネギ
・アルトバイエルン
・十勝ボーノ切り出し生チーズ(チェダー)
・ サッポロ黒ラベル500ml
・プレミアムエビス500ml
・FRONTERA CHILE (白)300ml

何はともあれ、まずはビールで乾杯!



(ここで一句)

神宿る 祈りの山の 樹々の下
青き空見て 飲む黒ラベル

 



ビールのお供には茹でたアルトバイエルン。

ワインに合わせてチーズを持って来た。このチーズは初めて購入したのだが濃厚で美味い。

私にとって山での酒は熱燗が基本なのだが、さすがにこの猛暑なので冷やしたワインを選択。

F君が持って来てくれた「サバのオイル漬缶」をつまませてもらったが、これまたワインに合う。


締めはラーメン。今回は銘柄を変えて「マルちゃん正麺」にしてみた。

腹が減っていたので、慌てて完成写真は撮り忘れ。

F君の凍っていたビールは無事溶けたのだが、やはり美味くなかった様だ。

食事中に今度はF君の背中が痙攣。心配したが、食事が終わる頃にはすっかり元気を取り戻していた。


ここからは「月輪寺」方面に下る。

下りへの分岐からは京都の市街地が一望出来た。

表参道とは違い、こちらは登山道らしい道。傾斜も結構きつい。F君の脚が心配だが、何とも無い様子。ビールが効いたのだろうか?驚くべき回復力だ!

山中を下って行くと視界が開けて、斜面にへばりつく様に建つ建屋が見えて来る。704年創建。法然、空也上人ゆかりの由緒ある古刹「月輪寺」だ。

いかにも山寺らしい趣きをたたえた小ぢんまりとした寺院だ。狭い境内には参拝者は一人もおらず静寂に包まれている。

片隅に「龍奇水」なる湧水が湧き出ている。

例のごとく夜のお湯割用に採取(500ml×2)

「月輪寺」を後に再び山道を下る。

九十九折の急坂を下るのは疲れた脚にこたえる。

黙々と下って行くと、渓流と舗装道路が見えてきた。

最後の階段を下り「月輪寺登山口」に降り立つ。

この辺りで「梨ノ木谷」と「大杉谷」が合流し、「堂承川」と名を変える。「大杉谷」を遡ると「空也滝」「ヒグラシの滝」などの滝があるが今日はパス。「堂承川」沿いの平坦な舗装道路を「清滝」方面に向かう。

やがて「堂承川」は「清滝川」に流れ込む。ここで「清滝川」沿いに続く「東海自然歩道」に合流。

この「東海自然歩道」は、我々が踏破に取り組んでいる「京都一周トレイル」の一部と重なっており、ここに「北山コースNO.93」の標識が立つ。

この場所は何時かまた再訪する事になるのだろう。

「東海自然歩道」を歩き、今朝ほど渡った橋を逆に渡って、坂を登ると「清滝」バス停に到着。

一時はどうなるかと思ったが、F君の脚も嘘の様に回復して無事に下山する事が出来た。

数日後、「愛宕山でハイカーが遭難」と言うニュースがラジオで報じられるのを聞いた。低山とは言え決して侮れない山だと痛感した。

「清滝」からバスで阪急「嵐山」へ、阪急電車で「桂」経由で「梅田」。梅田には残念ながら銭湯がないので「ニュージャパン」で汗を流す。

この後は第2ビルの地下の居酒屋「なじみ野」さんで反省会。

天ぷらが売りの様なので、一番高い「穴子の一本揚げ」(¥280)を注文したのだが、とても残念な代物だった。

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大和葛城山

2018-05-05 07:03:51 | うだつ会

2018年5月5日(土) Icon_walk_ss8.180km

累積標高(+)855.264m(-)-855.264m

 

近年、我々の間ではG.Wの山歩きが恒例になっている。今年も5/5に決行する事になり、行先の検討に入る。

第1候補は2015/5から2017/11に掛けて4回に渡り取り組んでいる「京都トレイル縦走」の第5弾だった。しかし5/5はN君が都合が悪く欠席するとの事。N君は第1弾も欠席しており、これ以上置いていくのは可哀想だと思い別の候補地を考える。

最終的には私の希望を聞いてもらい「大和葛城山」に決定。

「大和葛城山」は大阪府最高峰であり、一度は山頂を踏んでおきたい山だった。しかし、アクセスの悪さもあり、なかなか実現出来ないでいた。今回、F君・S君は私以上にアクセスが悪いのだが快諾してくれた。

ただ今回心配だったのは混雑具合だ。「大和葛城山」はツツジの名所である。本来なら見頃はもう少し遅いのだが、今年は季節の進みが早く丁度見頃を迎えている様だ。我々の目的はあくまでも「大阪府最高峰」登頂でツツジでは無いのだが、時期が重なってしまった。

「近鉄御所」駅8:40発のバスに乗車する為、駅前に8:30集合予定(バスは一時間に一便しか無く遅刻は厳禁だ)。近鉄「大阪阿部野橋」7:20発の急行に乗り「尺土」駅で乗り換える。この時点で既に車内の登山客比率は非常に高い。そのほとんどが「尺土」で下車。皆行き先は同じ様だ。

「近鉄御所」行きの電車を待っているとF君が現れた。S君の姿は見えないが、セレブなS君の事、次の特急で来るのだろう。

F君と私は「近鉄御所」に8:04に到着。

バスの時間まではかなり余裕があるのだが、今日の状況を考え早めにバス停に向かう。この判断は正解でバス停はあっという間に長蛇の列に。
「尺土」で特急に連絡している列車が8:20に到着。バス停の列が更に伸びる。S君がこの列車に乗っているはずなのだが姿が見えない。S君は過去に遅刻歴があるので、心配になって列の後方を探す。改札の前でキョロキョロしているS君を発見。「我々は前に並んでいるので、後程「葛城ロープウェイ前」で合流しよう」と伝える。

この長蛇の列がバス一台に乗れるとは到底思えない。しかし先程からバス会社の方が乗客のカウントを始めており、恐らく臨時バスが手配されるのだろう。同じ様な事は過去に「岩湧山のススキ」の際に経験している。「大和葛城山」もツツジの時期にこうなる事はバス会社も想定内の事と思われる。

そうこうしているとバスが一台やって来た。F君と私は早めに並んだ甲斐あって着席できた。バスはあっという間にすし詰め状態になり、定刻より早く出発。残された列の中にS君の姿があった。

御所の長閑な田園風景を車窓に見ながらバスは走る。途中「櫛羅(くじら)」と言う珍しい地名の交差点を通る。因みに、建物は見えなかったが、近くに「千代酒造」と言う酒蔵があり「櫛羅」と言う銘柄の日本酒を醸している。

葛城山は山頂までロープウェイが通じている。マイカーを駐車場に停めて、ロープウェイで山頂のツツジ見物に向かう観光客も多い。麓に近づくにつれ車が多くなって来た。あちこちに臨時駐車場も開設されている。


約20分のバスの旅で「葛城ロープウェイ前」に到着。下車してロープウェイの「葛城登山口」駅前のベンチでS君の到着を待つ。ここも想像以上の人出の多さで、山頂を目指す人々がベンチの横をひっきりなしに通り過ぎて行く。

思っていた以上に時間が経ってから、臨時バスが二台連なってやって来た。S君と無事合流。

S君を待っている間にF君がロープウェイ駅の売店で日本酒を販売しているのを発見したと言う。出発前に覗いて見ると、なんと「篠峯」のワンカップを発見!「篠峯」は前述の「千代酒造」の酒である。実は前々から「大和葛城山」登頂の際には山頂で「篠峯」を飲もうと計画を温めていた。大阪の酒販店でも「篠峯」を手に入れる事は不可能ではない。だが今回計画を諦めた訳は、探す時間が無かった事もあるが、なにより大阪で販売している物は小さい物でも四合瓶で、ザックの容量を考えると収納が難しいと判断した事にある。ワンカップは180ml ¥450と高価ではあるが迷わず購入する。

それにしても最高の山歩き日和になった。

ロープウェイ駅から山頂方面を見上げると、雲一つない快晴の空の下、新緑が眩しい。この日の最高気温は23.8℃。動くと汗ばむがカラッとしていて気持ちいい。

ロープウェイ駅横の急坂をしばらく登り、イノシシ除けの鉄柵を越えると山道に入る。緩やかな傾斜の道を進むと分岐が現れる。

右折すると「北尾根コース」、ここは直進して「櫛羅の滝コース」に入る。

「櫛羅の滝コース」は昨年の台風21号の被害で通行止めが続いていたが、直前の4/27に迂回路が開通したとの事。

しばらく行くと、白い岩と土砂が堆積する河原に出る。

正面奥には落差約10mの「櫛羅の滝」が流れ落ちている。

しかし、事前にネットで見ていた風景とは様変わりしていた。これも台風の影響なのだろう。

ここから先は丸太階段の急登が続く。

それにしても人が多い。ゾロゾロと連なって階段を登る。序盤はまだ元気なので他愛の無いお喋りをしながら歩く。山陰のシイタケやオニエビの話の他、面白かったのはF君の「キノコ食愛好家と昆虫食愛好家の対談番組」の話だ。しかし登るにつれて口数が減って行く。

やがて前述の通行止め箇所に差し掛かる。

ロープが張られて侵入出来なくなっており、迂回路を示す立て看板が立てられている。指示に従い迂回路に入る。迂回路は所々ぬかるんだ粘土質の箇所があり歩き難い。

何時もの様にS君が遅れ始める。我々の間のルールとして、あくまでもマイペースで登り、適当な地点で休憩しながら、遅れた者を待つ事に決めている。ルールに従いF君と私がS君を待っていると、目の前をS君が通過して行く。相当キツいのか、周囲が全く見えていない様だ。まるで収容所で強制労働させられている囚人の様な顔に見えた。S君を呼び止めて休憩する。ここでS君持参の行動食のチョコレートをお裾分けしてもらう。日頃甘い物は食べないのだが、こう言う時に食べると美味い。S君もエネルギー補給して生き返った様なので出発する。
この後、迂回路は終わり本来の「櫛羅の滝コース」に合流。

更に進むと、大規模な地滑り箇所に差し掛かる。

斜面の樹木を巻き込んで大量の土砂が流出している。これが「櫛羅の滝コース」通行止めの原因の様だ。登山道はここを横切るのだが、下を覗き込むと足がすくむ。

この先の登山道脇の木立ちから、野鳥の美しいさえずりが聞こえて来た。目を凝らすと、一羽の野鳥の姿が。「オオルリ」だ。暗いので背中は黒く見えたが、飛び立つ瞬間に美しい瑠璃色の背中が確認出来た。F君・S君にも居場所を教えたが、F君には見えなかった様だ。この後、「この山域に生息する野鳥」の案内板を発見したF君は、そこに「オオルリ」の名が無いのを見て、私の言う事を疑っている様だ。しかし、私は「岩湧山」や「金剛山」でも姿を確認しており間違いない。                                        

更に登り木橋を数カ所渡ると、風景が一変する。

これまでの単調な植林帯が終わり、新緑が眩しい自然林に覆われた広場に出る。脇に小川が流れている。この辺りは、先程の「櫛羅の滝」の上流、「安位川」の源流部になる様だ。                                      

ここに道標を兼ねた町石がある。

「左・竜王宮」「九丁」の文字が読める。「竜王宮」は?、「九丁」は山頂までの距離であろう。一丁は約109m、山頂までは1km弱という事になる。

                                                                                            

分岐があり、直進すると「葛城山山頂・ロープウェイ葛城山上駅」方面。ほぼ全ての登山客が直進して行く。

我々は「ツツジ群生地」を経由して山頂を目指すべく左折する。「安位川」に架かる木橋を渡って「自然研究路」に入る。自然林の中静寂に包まれた気持ちいい登山道が続く。      

                                                                     

 しかしおかしな物で、今まで余りの混雑に辟易していたのだが、急に全く人気が無くなると今度は不安になってくる。不安と言うのは、道を間違えているのではないかと言う事だ。F君とは過去に「六甲山」で道に迷い大変な目に遭っている。F君は「今日も同じ臭いがする」と嫌な事を言う。しかし、そんな不安を打ち消してくれる様に前方から女性3名のグループが下って来た。これで一安心だ。          

先程から、どこからともなくホラ貝を吹く音色が聞こえてくる。さもありなん、かの修験道の開祖「役小角」はこの葛城山の麓に生まれ、一帯は修験道の行場になっている。しかし、怒られるかもしれないが、この日のホラ貝はなんとも下手で笑える。

 やがて、「自然研究路」は「ダイヤモンドトレイル」に合流。

左折するとすぐに、息を飲む様な絶景が広がる。

雲一つない真っ青な空、新緑をまとった「金剛山」の威容を誇る山容、眼下一面に広がるツツジの絨毯。遠く大峰の山々の連なりまで見渡せる。冒頭に今回の目的はツツジではないと書いたが、この景色を見ると混雑の中登って来てよかったと素直に思える。                                                                             

ここにはベンチや木製のデッキなどもあり、大勢の人が弁当を広げている。本来なら我々もここで昼食といきたいところだが、山頂一帯は「火気厳禁」になっている。これは今回下調べ済みだ(「大文字山」の出来事が教訓になった)。                          

 ここからダイヤモンドトレイルを下るとツツジの中を歩く遊歩道がある。しかし当然の事ながら、下ると登り返さないといけない。F君とN君に確認するが乗り気ではなさそうだ。特にS君は「自分は待っているので2人で行って来てくれ」などと言っている。諦めて山頂を目指す。

山頂までは「葛城高原ロッジ」の前を通って、草原の中の道を行く。

見上げると吸い込まれそうな程、澄みきった空が広がっている。

同じ事(空が綺麗な事)ばかり書いて恐縮だが、それ程にこの日の空は特筆すべき物だった。

途中、奈良盆地方面が望める。

奈良三山(畝傍山・耳成山・天香久山)や、以前登った事のある「高取山」「若草山」まで見渡せる。

程なく、大和葛城山(958.9m)山頂に到着。

山名板の前は、記念撮影待ちの行列が出来ている。我々も並ぶ事にする。360度遮る物のない山頂は、風が強く長袖でも肌寒い。

記念撮影の後、山名板の隣の「篠峰山二等三角点」もチェック。

これで本日の主目的も無事達成。今度こそ昼食といきたいところなのだが、この辺りも残念ながら「火気厳禁」エリアになっている。火器の使用は山頂の「キャンプ場」に限られている事は下調べ済みだ。山頂までくれば案内板があるだろうと思っていたのだが何も無い。地図を頼りに探し当てたが、少し苦労した。

「キャンプ場」はこの時間やはり先客で混雑している。入場料は¥220(大人一名)と聞いていたのだが、料金所も無ければ管理人らしき姿も見え無い。立て看板に「白樺食堂」又は「葛城高原ロッジ」で受付と書いてある。しかしここで「先客は本当に皆、入場料を支払っているのだろうか?」との疑念が頭をよぎる。協議の結果、結局F君が「白樺食堂」に行ってくれる事になった。

その間にS君と私で場所取りである。テーブルやデッキなど良い場所は既に占領されている。地べたで適当な場所を探すが、なかなか良い場所は無い。ウロウロしていると幸運にも5〜6名の団体さんが撤収してテーブルが空いた。しかも「キャンプ場」の中で最高と思われる場所だ、すかさずキープする。この様にいいタイミングで最高の場所を確保出来たのは「やはり真面目に入場料を支払ったからこそだろう」。そんな事を考えていると、F君が戻って来た。

さてさて、待望の昼食にしよう。

(本日のメニュー)

・中華三昧(四川風味噌拉麺) 
・(ラーメントッピング用)豚肉・ネギ
・いなばライトツナフレーク   
・マヨネーズ   
・缶つま匠 ラムタン香草焼風  
 ・ サッポロ黒ラベル500ml
・キリンクラシックラガー500ml
・「日本盛 淡麗辛口」300ml

・「篠峯純米」180ml                 

まずはサッポロ黒ラベルで乾杯!

                                                                                    

一品目は定番中の定番「ツナネギマヨ」。

F君とS君にも試してもらおうと思い大きめの缶にして見た。やはり何度食べても間違いない味だ。

たまには少し変わった物をと思い「缶つま匠 ラムタン香草焼風」なる物を持参。それなりの味だった。

その他、F君・S君が持参してくれた「サンマ蒲焼き缶」「空豆」「コーンポタージュ+パン」「唐揚げ」などもつまませてもらう。

この日F君はワインを準備していた様だが、持ってくるのを忘れたと嘆いていた。

クラシックラガーを飲み干して、日本酒にチェンジ。

今日は図らずも「篠峯」のワンカップに出会えたと言う事で、諦めていた計画を実行出来る事になった。(大阪府最高峰登頂と共に)本日のメインイベントだ。計画を企てた理由や味のについての感想は「NomuNote(32)」を参照していただきたい。

(ここで一句)

つつじ燃ゆ 篠峯山の 頂で    
恵の水の 篠峯を飲む
 

締めのラーメンは少し贅沢して「中華三昧」にした。

それにしても周りを見渡しても酒盛りしているのは我々くらいのもので、皆食事が済むと引き上げて行く。気がつけば混雑していたキャンプ場も閑散としてきた。バスの時間(14:50、15:50を過ぎると17:15まで無い)もある事だし我々もそろそろ撤収しよう。

ここからは「ダイヤモンドトレイル」を歩いてもいいのだが 、「自然研究路」を選択する。

「自然研究路」には「カタクリ」が自生しており、運が良ければ出会えるかもと期待していた。しかし残念ながら時期的に少し遅かった様だ。更に、絶滅が危惧される「ギフチョウ」の生息地でもある。「ギフチョウ」にも出会えるチャンスがあると思っていたが、こちらも願いは叶わなかった。それでも「自然研究路」はなかなか良い道で気持ちよく歩ける。

ところが、途中でまさかの「通行止め」。これは完全に下調べ不足だった(後でネットで調べると記載があった)。今更仕方ないのだが、「自然研究路」は2ルートあったので別ルートにすべきだった。指示に従い、結局「ダイヤモンドトレイル」に迂回する事になる。

ダイトレを北上し、案内板のある分岐を右折「北尾根コース」に入る。

「北尾根コース」は自然林が多く美しい。急坂ではあるが「櫛羅の滝コース」とは違い、嫌な丸太階段などは無く歩き易い。個人的にはこちらを登りに使えば良かったと反省している。

かなり下ったところで視界が開けて、ベンチのある展望スポットに到着する。

ここからは眼下に御所市、見上げると先程まで居た大和葛城山山頂方面が見渡せる。

更に下ると登山道脇に人だかりが見えた。近づくと登山道から少し下の茂みに年配の男性が座り込んでいる。おそらく滑落して怪我をされているのだろう。気の毒ではあるが、見たところ、痛そうな表情ではないし軽傷だと思われる。既に救援を呼んでいる模様で、先程から聞こえていたサイレンがそうなのだろう。この後、レスキュー隊とすれ違う。

急坂を下り切り「櫛羅の滝コース」に合流、朝登ってきた道を「葛城登山口」駅方面に下る。

バス停に到着すると、やはり臨時バスが運行されており、定時を待たずにやって来た。すぐに乗り込み「近鉄御所」駅へ。運良く「大阪阿部野橋」まで乗り継ぎなしの直通急行に乗る事が出来た。

後は定番コース、「湯処あべの橋」で汗を流して、「正宗屋」で反省会。

 

 

 

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「京都一周トレイル④」(北山コース) 比叡山〜大原・戸寺

2017-11-04 15:05:49 | うだつ会

2017年11月4日(土) Icon_walk_ss10.216km

累積標高(+)1073.527m(-)-1527.700m

 

今年5月に「京都一周トレイル(東山コース)」を踏破して、いよいよ次は(北山コース)に取り掛かる。当初、10/28に決行の予定だったがあいにくの雨模様で中止。一週延ばして本日決行することになった。
話はそれるが10月は本当に雨が多かった。(以下ニュース記事を引用)「気象庁は1日、10月の地域平均の降水量が、近畿、中国、四国、九州北部の各地方で1946年の統計開始以降、10月として過去最多だったと発表した。日照時間も記録的に少なく、近畿地方は10月で過去最少だった。秋雨前線の停滞や台風21号、22号の接近が影響し、西日本を中心に全国的にぐずついた。」という訳で、先週を含めて週末は3週連続で雨模様。歩く事も出来ず(一日だけはレインウェアを着て強行したが)足がすっかり鈍ってしまった。

8:30に叡山電鉄の「出町柳」駅に集合。快晴とはいかないが、まずまずの日和になった。

今回はF君・N君・S君・私のフルメンバーが遅刻無しに無事集合。N君とS君は「京都一周トレイル 北山コース」の地図を購入したとの事で気合いが入っている。

予定通り8:37初の電車で終点の「八瀬比叡山口」駅に8:51着。

乗客のほぼ全員が足早に乗継ぎの「ケーブル八瀬」駅に向かう。初訪問で事情を把握していない我々は、呑気に駅舎を撮影。F君がコンビニに缶詰を買いに行こうとしたが、乗継ぎ時間が9分しか無い事はわかっていたので、さすがに諦めてもらう。

「ケーブル八瀬」駅に向かうには「高野川」の橋を渡るのだが、ここがまた見事な景観で撮影タイムになってしまう。

両岸の紅葉し始めた樹々の間を、非常に透明度の高い清冽な水がとうとうと流れる。京都の市街地からこのように近い場所で、このような清流に出会えるとは思わなかった。

と言う訳で、「ケーブル八瀬」駅に到着した時には、想定外の長蛇の列が出来ていた。

最後尾に並ぶが、小さなケーブルカーに全員が乗車出来るのか不安になる。下調べでは、乗り過ごすと次は30分後の発車になる。しかし、紅葉シーズンの臨時ダイヤが組まれており15分後に便がある事を知り、少し安心する。

改札で「ケーブル比叡」駅までの片道切符(540円)を購入。すでにケーブルカーはスシ詰め状態。四人が同じ乗車口から乗る事は不可能で、三つある乗車口に分かれて何とか乗車。ドアが閉まってゆっくりと動き出す。先ずは一安心だ。

車窓からは、紅葉した樹々や植林のスギなどが目を楽しませてくれるが、その斜面は恐ろしい程の傾斜だ。そんな事は無いだろうがケーブルが切れた場面を想像してしまう。「 高低差は日本一の561m、比叡山中腹までの1.3kmを9分で結びます。 」と車内放送が入る。前回のトレイル歩きであれ程苦労して登った山をたった9分で登ってしまうのだ。途中、斜面を駆け回るニホンザルの親子に歓声が上がる場面などもあり、あっと言う間に「ケーブル比叡」駅に到着。

ここからロープウェイで山頂に向かう人とトレイルを歩く人に分かれるが、ロープウェイの人が圧倒的に多い。

駅舎を出ると、そこには下界とは別世界の風景が広がっていた。谷底からガスが吹き上げられて一面霧の中。景色は全く見えない。それと予想はしていたが、予想以上に寒い。たった9分でこれ程状況が変わるとは、やはり低山を侮ってはいけないと再認識させられる。

駅のすぐそばに、前回のトレイル歩きの際に訪れた、見覚えのある道標がある。北山コースのスタート地点「京都一周トレイル 北山 1」。

ここから「スキー場跡」までは前回山頂を目指した際に歩いたのと同じルートを歩く。

最近、全国各地でクマの出没情報が多く聞かれる。N君がいつの間にか熊鈴を購入しており、念のために鳴らして歩く事にする。

紅葉が霧に霞む幻想的な風景の中、広い砂利道を落葉を踏みしめて登る。季節や天候の違いで、前回と同じルートとは思えない。

「スキー場跡」で右手に山頂への分岐を見送って直進。しばらく登ると石塔や石仏が並ぶ広場に出る。

天気が良ければさぞかし景色が良いだろうと想像出来るが、前述の通りの天候で真っ白である。ここから長い下りが始まる。

スタートの時から、我々のグループの前を別のグループ(男3・女1)が歩いていた。この辺りで追いついて挨拶を交わす。我々よりかなり年配のグループだが、我々の目的地より遠方の「鞍馬」を目指しているとの事。感服する。この後、このグループと何度か抜きつ抜かれつを繰り返す事になる。

下り道の左側には石柱の柵が並ぶ。柵のこちら側は延暦寺の敷地内になる様だ。途中からは、標高が下がった事もありガスが晴れて日差しが出て来た。左手に小川が現れ、川沿いを進む。小さな橋が架かっている箇所に道標を発見。橋を渡る様だ。危うく見逃して直進するところであった。

橋を渡ると正面に古びた石段があり小さなお堂が見える。

延暦寺の塔頭の一つ「山王院」だ。

石段の横には案内板が立てられており、「山王院」についての説明の他に三つのQRコードが記載されている。英・中・韓3カ国語の説明文を見る事が出来る様だ。流石は世界遺産だけの事はあると感心する。試しにF君と二人でスマホのQRコードリーダーをかざしてみるが、読み取らない。感心して損をした。

「山王院」は小さなお堂なのだが、ここから、杉の古木が林立する大寺院顔負けの風格のある立派な石段を下る。

ところがこの石段が思いの外厄介で、段差が尋常ではない。差が大きい所では50〜60cmはあろうかと思われ、膝にこたえる。

石段を下ると正面に、赤や黄色の綺麗な紅葉に彩られた、瀟洒な寺院が見えてくる。「浄土院」だ。

後で調べてみると、最澄の御廟所で、延暦寺の中でも特別な場所である事が分かった。事前に調べておけば良かったのだが悪い癖だ。

門が開いており庭に入る事が出来た。

苔と白砂の枯山水の庭に(楓であろうか)鮮やかな黄葉が映えて美しい。

「浄土院」からは、全国各地の信者から寄進された灯籠が立ち並ぶ広い砂利道を歩く。

しばらく行くと小屋の前に男性が立っているのが見えて来た。近づいてみると小屋は料金所であった。この先に進むには入山料(¥700)を支払う必要があるとの事。全く想定外の事態にうろたえる。¥700が惜しいと言うよりも、道を間違えているのではないかと言う事が頭をよぎる。N君が男性に確認して戻って来た。案の定道を間違えていた様だ。しかし幸い傷は浅かった。数十メートル戻った所に道標があり、右下の方に細い山道が続いている。N君は、道を間違えた事について男性にかなり偉そうに言われた様で、不快感を露わにしていた。すぐにまた分岐が現れる。ここには道標もなく、どちらに進むべきか思案していると、頭上から道を指示する声が聞こえて来た。見上げると先程の男性が、上の道路から道を教えてくれている。N君は前言を撤回して「ええ人や」と言っていた。

ここからは道が急に細くなり、進んで行くに従い本当にこの道で間違いないのか不安になってくる。

その時視界が開けて、この様な不安を打ち消すには余りある立派なお堂が眼前に現れる。

「釈迦堂(転法輪堂)」である。現存する延暦寺の塔頭の中でも最古の建造物らしい。延暦寺は「西塔」「東塔」「横川」と大きく三つのエリアに分けられる。この中で「西塔」エリアの本堂にあたるのが「釈迦堂」になる。先程の料金所からの道とここで合流する事になる。トレイルを通ればここまで無料で来る事が出来る訳だが、流石に無料で参拝するのは気が引ける。境内に入って写真だけ撮らせてもらう。境内からは「常行堂・法華堂(にない堂)」の姿も見る事が出来た。このお堂は有名で、同じ形の建物がふたつ並んで渡り廊下でつながっており、弁慶がこの渡り廊下をてんびん棒にしてお堂をかついだという伝説が伝えられている。

「釈迦堂」を後にトレイルを進む。人一人がやっと通れるくらいの小さなトンネルで「奥比叡ドライブウェイ」の下をくぐる。

ここから右手にドライブウェイを見ながらの道になる。少し興ざめだが仕方ない。

しばらく我慢するとドライブウェイから離れ、気持ちいい山道になる。

先日の台風の影響だろうか、この辺りから倒木が目立つ様になる。結構な大木が根元から、もしくは根こそぎ倒れている。

しばらく行くと路傍に「横川 元三大師道」と記された道標が立つ。

元三大師をネットで検索すると「平安時代の天台宗の僧。諡号は慈恵大師。一般には通称の元三大師の名で知られる。第18代天台座主であり、比叡山延暦寺の中興の祖として知られる。 」との事。「元三大師道」は「大原」から元三大師の眠る「横川」までを結ぶ古道らしい。どうでもいい話だが、F君とN君は道標に記された手に指が7本あると言って不気味がっていた。

この後、再度ドライブウェイに合流した後いよいよ本格的な山道になり、「玉体杉」に到着。

立派な杉の古木が立つ開けたスペースで、展望も良い。

ここは、比叡山の山中を巡る「千日回峰行」の行場の中でも特別な場所らしい。回峰行者は、この「玉体杉」から御所に向かって、天皇(玉体)・国家・国民の安寧を祈る玉体加持を執り行う。

西側には京都市街北部の「御所」「鴨川」「下鴨神社」

南側には今日のスタート地点の「比叡山山頂付近」

東側には「琵琶湖」の一部が望める。

ここでの昼食を考えていたのだが、いかんせん時間が早い。「山と高原地図」のコースタイムを参考にして11:30頃の到着を予定していたのだが、10:40に到着してしまった。それに、よく考えると神聖な行場で酒など飲むと罰が当たりそうな気がする。

昼食は断念して先へ進む。

 

お地蔵様が並ぶ十字路を直進。

本日初めての登りらしい登りが始まる。(冒頭に書いた通り)鈍りきった足にムチを打ってゆっくりと登る。

しかしここで後方よりのプレッシャーを感じる。前述のグループがグングンと迫ってくるのが見える。抜かしてもらえばいいのだが、変な意地が出てくるのが人情で、こちらもスピードを上げる。何とか頂上に先に到着した。疲れた。

「横高山」(767m)
山頂でお互いの集合写真を撮りあった後、先にスタートしてもらう。

山頂からはこれから向かう「水井山」の姿が見えるのだが、なかなか手強そうだ。「水井山」を片付けてから昼食にしようと決めて出発。

登りに入るが、幸い予想していた程きつくない。登り切るとビールが飲めると思うと気合いも入る。そう言えば恒例のN君の「ビール節」が今日は何故か聞こえない。

そうこうしている内に「水井山」(794m)山頂に到着。

後で調べて分かったのだが、意外にも「水井山」山頂が京都トレイル全コース中で最高標高地点らしい。

さあ昼食と思ったがここも強風が吹きすさぶ。山頂付近で良い場所を探すが中々見つからない。林道で山頂の東側に回り込み、やっと風裏のポイントを発見。日当たりは余り良くないが風が無いだけでも良しと判断して決定。

まずはビールで乾杯!



(本日のメニュー)
・アヒージョ材料
オイルサーディン缶
キノコ(マッシュルーム、エリンギ、マイタケ)
オリーブオイル
S&Bシーズニングミックス(アヒージョ)
バゲット(メゾンカイザー)

・ラ王(豚骨 極細ストレート麺)
・(ラーメントッピング用)豚肉・ネギ
・プレミアム エビス500ml
・サッポロ黒ラベル500ml
・月桂冠 辛口燗酒300ml

今回は秋らしいメニューという事で「キノコのアヒージョ」に初挑戦した。

焦がさずに上手く出来るか不安だったが、まずまずの出来に仕上がった。味見してみるとキノコだけで十分美味かったので、あえてオイルサーディンは入れないでおいた。昨日、阿倍野の人気パン店「メゾンカイザー」で購入したバゲットもなかなかの物だった。

この他、皆で持ち寄ってくれた缶詰や唐揚げ、S君のお手製の黒枝豆など、おすそ分けしてもらう。

それにしても風裏とは言えじっとしていると冷え込む。楽しみにしていたビールも思いのほか進まない。

ここでF君が持参してくれた赤ワインのフルボトルが登場。これまで飲んだ事が無いし、飲みたいと思った事も無かったホットワインにして飲んでみる。これが体に染み渡る様に美味かった。

ホットワインの後、私はカップ酒を燗して飲む。

一本しか無いので少し飲みづらかったが、冷え込んだ中で燗酒はやはり美味い。

(ここで一句)
比叡より 風に吹かれて 尾根伝い
こごえた指に 燗酒美味し

話は変わるが、毎回着々と装備を充実させているN君が、今回とうとうバーナー(プリムス115フェムストーブ)とクッカーを持参。缶詰を温める際には、まだ不慣れな事もありバーナーの火力調整が上手くいかず、数秒で缶詰が煮え立ってしまうという珍プレーもあった。

最後は定番のラーメンで締める。

F君とN君は二人揃って偶然にも「カップヌードル リッチ 」なる物を持参。味はそれぞれに「贅沢とろみフカヒレスープ」と「松茸薫る濃厚きのこクリーム」。美味いらしい。

通常ならこれで温まってお開きというところなのだが、この日はいくら温かい物を飲み食いしてもすぐに冷えてくる。秋の装備で来た事を後悔する。京都北山を甘く見ていた。震えながら撤収する。

「水井山」山頂から下って「仰木峠」(573m)に到着。

ここで仰木(滋賀)と大原(京都)を結ぶ古道「仰木峠越え」と交差する。牛若丸もこの道を歩いて鞍馬から奥州に下ったとの説もあるらしい。

ここを左折して大原方面へ。ここからの道は整備された「東海自然歩道」の一部になっている。

しかしすぐにトレイルの道標があり、左手に細い山道が続く。ここで「東海自然歩道」に別れを告げて、植林帯の中の結構傾斜のきつい下りを行く。今回はスタート地点の標高が高かった為に、基本下りが多いのは当然なのだが、余り続くと勘が狂うし、飲んだ後には少々辛い。

下り切って平坦になった道をしばらく歩くと「旧若狭街道(鯖街道)」の説明板がある。

鯖街道と言えば有名な古道だ。しかしネットで調べる限りでは、ここが「旧若狭街道(鯖街道)」である事を確認できる資料が見つからない。残念だ。

イノシシ除けの鉄柵を通過すると民家が見え始める。大原戸寺の集落だ。昼食前まではかなりハイペースであったが、結局この辺りで帳尻があって、いい時間になった。

鄙びた集落の中の細い道を歩いて「戸寺」バス停を目指す。

本来なら大原の里も少し散策したいところだが、今回は計画時点から心配事があった。紅葉シーズンの大原からの帰りのバスの混雑状況の事だ。事によっては「戸寺」から始発の「大原」まで歩く覚悟もしていた。

「戸寺」バス停が見えてくる辺りで、目の前をバスが通り過ぎて行くのが見えた。混んではいるものの乗車出来そうだ。慌ててバスを追いかけて飛び乗る。ホッとしたのも束の間、予定とは行先の違うバスに乗車した事に気付く。「出町柳」に行きたかったのだが、乗車した「国際会館駅前」行は「出町柳」は通らない。しかし、幸い「八瀬駅前」バス停で叡山電鉄に連絡している事に気付く。

見覚えのある「八瀬比叡山口」駅から今朝と逆ルートをたどり「出町柳」駅に到着。京阪電車で「京橋」へ。

この後は定番の「白玉温泉」「徳田酒店 片町店」コース。さらにF君・S君・私の3名でもう一軒行ったらしいが記憶に無い。

この日F君は「三田」で電車が無くなってしまった。

 

「京都一周トレイル③」(東山ルート)浄土寺橋〜比叡山

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荒地山・東おたふく山

2017-08-12 11:01:27 | うだつ会

2017年8月12日(土) Icon_walk_ss16.709km

累積標高(+)1589.953m(-)-1602.418m

 

今年も恒例の「お盆の耐暑登山」を決行する事になった。行先は六甲山系の「荒地山」「東おたふく山」。

レギュラーメンバーの内、N君は予定が詰まっているとの事、S君は帰省で欠席。F君と私、2名での山行となった。思い返すとこの「耐暑登山」も、そもそも数年前(2013/8/15)に今回の2名で「六甲山最高峰」に登った事に端を発している。その際には下山の途中でルートをロスしてしまい、止む無く自動車道を歩いて下ると言う屈辱を味わっている。今回も計画では、下山に敢えて同じルートを選択、リベンジを狙う事にした。


8:30に阪急電車「芦屋川」駅で待ち合わせ。

改札を出るとF君が先に到着して待っていた(阪神電車の「芦屋」駅から約1km歩いて来たとの事)。早速登山口を目指し、芦屋川右岸の高級住宅街の中、舗装道路の急坂を登る。幸か不幸か曇りがちで、真夏の照りつけは無いが、湿度が高く汗が流れる。この道は前述の「六甲山最高峰」登山の際を含めて二度歩いた事がある。

直進すると「高座の滝」から「ロックガーデン」への登り口になるが、今日は途中で右折して「城山(鷹尾山)」方面に向かう。

少し歩くと舗装道路が途切れて山道になる。それ程キツい傾斜では無いが、単調なつづら折れの道が続く。何だか延々と同じ場所を歩いている様な錯覚に襲われ、精神的に疲れる。F君は最近、腰の不調などで運動不足らしく、結構辛そうだ。蝉時雨が降り注ぐ中、黙々と高度を上げて行く。やがてNHKの電波塔が見えて来る。

ベンチのある広場になり「城山」(272m)の山頂に到着。神戸市内から淡路島方面の展望が開ける。

最近めっきり見なくなった「ニイニイゼミ」にも遭遇出来た。しばし休憩の後再スタート、「荒地山」を目指す。

この後、JogNoteのスタートの押し忘れという大失態をしでかした事に気づく。これまでにも同様のミスは何度も経験している、それに今年は距離のノルマを設定していない事も有り、それ程の動揺は無い。ここでスタートを押す。

ここからしばらくは基本平坦な尾根道を行く。しかし、その様な気持ちのいい道がいつ迄も続く訳もなく、前方に「荒地山」の威容を誇る山容が姿を現す。

山頂付近から中腹にかけ、緑の木々に混じって、まるで鎧を纏う様に巨岩が点在する。この先厳しい道程が待ち受けている事が容易に想像出来た。覚悟を決めて麓に取り付く。

道は麓からいきなり岩登りの様相を呈してくる。遠景では木々に混じって所々に岩が見えていたが、近づいて見ると隠れていた部分も岩で、正確には岩山の所々に木々が生えていると言った方が良いのだろう。

やがて、眼前に垂直の岩壁が立ち塞がる。傍らに「岩梯子」と書かれた案内板がぶら下がっていた。

実際は垂直では無いのだろうが、目視では垂直に見える岩壁を登る。鎖もあるのだが、基本に従い、なるべく鎖に頼らないでよじ登る。登りきった所で、後続のF君が登って来るのを待つ。先程自分が登って来たのだが、他人が登るのを上から見ていると、高度感があり恐ろしく思えた。

難所を通過してホッとしている暇も無く、今度は狭い岩穴の通り抜けが行く手を阻む。

ザックを担いだままだと支えて通れない。ザックを先に通してから、這い上がる様にして通り抜ける。

その先には巨岩のステージが現れた。絶景を一望出来る巨岩の上でひと休み。F君に頼んで記念撮影してもらう。

実は(F君には話してはいないのだが)今回の計画に「荒地山」を組み込んだ事の発端。それは某雑誌に掲載された(この場所で撮影された)写真を見た事に始まる。「同じ場所で写真を撮りたい」という自分勝手な思いが計画の根底にあったのだ。もちろん、同じ場所で、同じポーズで撮影してもらった。

ここでビールを飲めばさぞ美味しいのだろうが、まだ先は長い。思い直して先へ進む。

更に岩場を登って「荒地山」(549m)山頂に到着。山頂は展望も無いただの広場。

素通りして先へ。岩登りがいい準備運動になったのかF君も調子が出て来た様だ。

ここで持参したポカリスウェット(500ml×3)の内一本が空になる。残り二本は冷凍してクーラーボックスに保存している。取り出すとまだ溶けていない。早めに出しておけば良かったと後悔するがどうしようもない。

ここからは下りになる。あらかじめ地図で確認していたとは言え、想定していた以上に下りが続く。下り切ると見覚えのある道に合流する。

六甲山系の数あるルートの中でも指折りのメジャールートだ。ここまで2〜3人のハイカーにしか出会わなかったが、ここからは急に人影が増える。過去二回の「六甲山最高峰」登山の際に歩いた道だ。ここから「雨ケ峠」までは同じルートになる。

緩やかなアップダウンを進み、イノシシ除けの扉を開けて、「芦屋カンツリー倶楽部」のコースを横切る。

ここからは傾斜が急になる。休み休み登るが汗が流れ落ちる。やっとの思いで「雨ケ峠」に到着。

左に進めば「本庄橋跡」「七曲り」を経由して「六甲山最高峰」への道。今日は右に進み「東おたふく山」へ初めて歩くルートを行く。

階段を登って行くとやがて空が開けて、熊笹の草原の中の気持ちの良い平坦な道になる。

周囲の山並みには「六甲山最高峰」の電波塔が望める。綺麗な風景に心癒される。ただ山並みの上には発達した雲が掛かっており、雨に見舞われないかと言う事が気掛かりだ。

この辺りで昼食にするつもりだったが、「東おたふく山」山頂を目指して先を急ぐ事にする。しかし歩いていると、幸い気になっていた雲は山の向こう側へと消え去った。こうなると、やはり先程通り過ぎた景色の良い草原で昼食にしたい。来た道を引き返す。絶好の木陰があったので陣取る事にした。



待ちに待った 乾杯!



(ここで一句)
笹原に 涼風吹きて ざわざわと
奏でる音色 聴き黒ラベル

(本日のメニュー)
・ラ王(豚骨)極細ストレート麺
・(ラーメントッピング用)豚肉・ネギ
・サバのオリーブオイル漬け(パプリカ・チリ味)「Ça va?」
・ムール貝のビネガーオイル漬け
・サッポロ 黒ラベル500ml
・キリン クラシックラガー500ml
・白ワイン小瓶?ml

F君持参
・家バル 鶏肉とオリーブのトマト煮
・缶つま☆レストラン 厚切ベーコン プレーン



今回のツマミは、事前に打ち合わせた訳ではないのだが、それぞれ缶詰を2缶づつと言うラインナップになった。この中で、私が持参した「ムール貝のビネガーオイル漬け」は残念な代物だった。他の3品は満足の行く味わい。中でもF君の「家バル 鶏肉とオリーブのトマト煮」は特筆すべき美味さだった。甘酸っぱいトマトソースにトウガラシのほのかな辛味とバジルの香り。今日は定番の日本酒では無くワインを持参したのだが、正解だった。

ここでちょっとした事件があった。
食事をしながらの話題で、F君が「昨今のマダニによる被害の恐ろしさ」について熱弁を振るっている時、目の前のテーブルに何やら不気味な小虫が歩く姿が見える。いや昆虫では無い。八本足。ここまで書くと察しがつくと思うが、話題の「マダニ」の現物が目の前に現れたのだ。

ネットで調べてみると「タカサゴキララマダニ」だと言う事が判った。https://www.niid.go.jp/niid/ja/lab/478-ent/4682-testudinarium.html
F君は、地べたに新聞紙を敷いて腰掛けていたのだが、テーブルのマダニを退治して座ろうとした時、新聞紙の上にもいるのを発見。この後、中腰の姿勢で食事をする羽目になる。

この様な騒動もあったおかげで昼食に約二時間も費やしてしまった。時間には余裕を持たせているが、流石にあまりゆっくりはしていられない。店じまいして出発する。


すぐに「東おたふく山」(697m)山頂に到着。ここも案内板以外に特に何がある訳でもない山頂。山頂から、左に進めば「土樋割(どびわり)峠」を経由して「六甲山最高峰」、右に進めば「東おたふく山登山口」バス停方面。今日は右に進む。

少し下ると大阪湾や大阪平野が一望できる見事なパノラマが広がる。もし改めて訪れる事があれば、是非ここで昼食にしたい。

ここからは下りが続く。広い林道に出て、更に下ると舗装道路が現れる。しばらく行くと「東おたふく山登山口」バス停に到着。

いよいよここからが冒頭に書いたリベンジの始まりになる。前回ルートをロスした道路脇から、今回は芦屋川沿いの正規のルートを下る。高級そうな店構えの蕎麦屋「芦屋川 むら玄」の所で「芦有ドライブウェイ」の下をくぐる。ここで再びルートが途切れる。辺りを捜索して、それらしい道を発見。地図で確認して間違いないと判断、前進する。所々にテープの目印がある。目印に従って、芦屋川の支流の八幡谷の右岸を登る。地図によると、途中で対岸へ渡渉しなくてはならない。しかし急傾斜の登りがかなり続く。おかしい。再度地図を確認。明らかにルートを外している。F君は何も言わないが、相当登って来ただけに落胆は隠せない。来た道を下って渡渉箇所を探し砂防ダムを渡るが、またルートが途切れた。辺りを探索して道を発見。更に下ると細い舗装路に合流。左折してしばらく行くと、道の真ん中に道標が破損して倒れていた。超マイナールートなので修理もされずに放ったらかしなのだろう。先へ進む。

木漏れ日の差す平坦な舗装路は、今迄の山道と違って気持ち良く歩ける。どれくらい歩いただろうか、快適な道は終わり、右手の芦屋川に向かって急な下りになる。地図によると、この後芦屋川を渡渉するはず。しかし、信じられない事に無情にも再びルートが途切れてしまう。目の前が真っ暗になった。というか本当に辺りが薄暗くなって来た。時計を見ると午後5時前。F君と協議の結果、残念ではあるがここで今回のリベンジは断念。ここはひとまず「芦有ドライブウェイ」に出なくてはいけない。眼下にドライブウェイが確認出来るが、急斜面に道は無く、更に鉄柵が行く手を阻んでいる。来た道を引き返すしか無い。下って来た急坂を登り返す事を考えるとゾッとするが、観念して、重い足取りで坂を登る。気持ちのいい舗装路を引き返しながら、見落とした分岐を探す。地図を見ながら何度も行ったり来たりするが見当たらない。倒れた道標の所まで戻って、細い下り道がある事に気付く。この道標が分岐を示していたのだ。何故気付かなかったのかと思うと、自分に腹が立つ。薄暗い山中を下り芦屋川の左岸に出る。川は水量豊富で流れも早い、おまけにすぐ下流は結構な落差の滝になっている。岩を飛んで右岸に渡渉するのだが少し怖い。川を渡ると「芦有ドライブウェイ」に出る。

今回も再び屈辱の自動車道歩き。おまけに不覚にもここで飲料水を飲み切ってしまう。街に出れば販売機があるだろう。喉の渇きに耐えながら、重い足を引きずって下る。しかし、信じられない事に街に出ても販売機が見当たらない。芦屋の高級住宅街に販売機は必要無いのだろう。結局「芦屋川」駅の近くまで来て、やっと販売機を発見。水分を補給。なんだか生き返った気がする。


この後、JR「甲南山手」駅まで歩いて「湯あそびひろば森温泉」で汗を流す。更に1kmほど歩き阪神電車「深江」駅前の「炭火焼鳥はる 」で反省会。

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「京都一周トレイル③」(東山ルート)浄土寺橋〜比叡山

2017-05-03 22:49:05 | うだつ会

2017年5月3日(水) Icon_walk_ss17.984km

累積標高(+)3577.544m(-)-3552.498m

 

今日は、2015/5/3の「京阪伏見稲荷駅〜蹴上(東山1〜東山30-2)」2016/11/26の「蹴上〜浄土寺橋(東山30-2〜東山52-1)」に引き続き「京都一周トレイル(東山ルート)歩き」の第三弾。「浄土寺橋〜ケーブルひえい」駅(東山52-1〜東山74)」を歩いた後、「比叡山山頂」を目指す。メンバーはF君・N君・S君・私の4名フルメンバーが揃った。

京阪電車「出町柳」駅に8:00集合。の予定だったが、F君から「おはようございます。今淀屋橋ですが、8時14分到着になります。申し訳ないですm(._.)m」とのラインが入る。まあ今回はバス利用でも無いし大した問題では無い。

駅を出てN君・S君と合流し、F君の到着を待つ。

待っている間に、昨日N君が購入した「京都一周トレイル(東山ルート)」の地図で、今日のルートの再確認。その時にN君から「とんでも無い事実に気づいた」との発表があった。前回の「蹴上〜浄土寺橋(東山30-2〜東山52-1)」で「大文字山山頂」から後歩いたルートが、トレイルから外れていると言うのだ。確認するとN君の言う通りだった。この問題をどう処理するかは、後日話し合いたいと思う。

そうこうしている間にF君も無事到着。晴れ予報だったが天候は薄曇り。快晴とはいかないが、かえって涼しくて歩き易い。今出川通を東へ進む。

するとF君が今度は「酒を買いそびれた」と言い出した。F君ともあろうお方が、我々の山歩きで酒がなくてどうするのだろう。「百万遍」の交差点角にコンビニがあったので立ち寄る。

「京都大学」の前を通って、洒落た飲食店が立ち並ぶ通りを銀閣寺方面に更に進む。

白川通との交差点にトレイルの道標「東山52-1」がある。

ここから今回の「京都一周トレイル(東山ルート)歩き」の第三弾をスタート。

道標に従って、「志賀越道」の閑静な住宅街の中を歩く。乘願院の門前を左折して御蔭通に入り、すぐ右折。ここから山道になる。

小さな沢沿いの気持ちいい山道。

クリンソウが一輪、可憐に咲いていた。

市街地から歩いてすぐの場所にこの様な清流が有るのが京都のすごい所だ。

道標「東山56-2」で分岐が現れる。右が本道の様だが、左がどうも気になる。メンバーの疑いの声を浴びながら左に進む。少し不安はあったが、しっかりした踏み跡が続いていて安心した。

しばらく登ると、苔生した大きな岩塊がゴロゴロと転がっている。良く見ると灯籠の台座の様な物も見受けられる。案内板が立っており、ここが昔、この山域で採掘される銘石、「白川石」の中間作業石置き場だったと分かった。

この後、江戸時代の伝説的な人物、白幽子(はくゆうし、1646-1709)が使っていたという井戸跡(白幽泉、長命水)や白幽子が晩年に過した白幽子寓居跡を経由。

途中、樹々の切れ間から目的地の「比叡山」を遠望できた。想像以上に遥か遠くに見える姿に、気を引き締める。

この辺りで長袖は暑くなりTシャツに。

さらに進むと「瓜生山」(301m)山頂に到着。

山頂には「狸谷山不動院」さんの奥之院の祠があり、祠の裏には以前「勝軍地蔵」が祀られていたという石室が残る。奥之院で今日の山行の無事を祈願。

山頂は南側の展望が開けており、「清水山」(第一弾で登頂)や「大文字山」(第二弾で登頂)の山並みが連なって見える。「ここを歩いて来たのか!」とこれまでの道程を回想して感慨に耽る。

ふと振り返るとそこには、そんな事は意に介さずとばかりに、大きなおにぎりを頬張るS君の姿があり、現実に引き戻された。まだまだ先は長い、一休みして出発。

ここからは下り。以前であれば不満の声が上がる場面だが、さすが経験を積んだメンバー。今回はその様な事は無かった。

しばらく下ると新緑が気持ちいい比較的平坦な道が続く。

平坦な道は歩き易く、山歩きしていて一番楽しい場面だと思う。しかし、おかしなもので余りに長く続くと、この後どれ程の険しい登りが待っているのだろうと疑心暗鬼になってくる。

道中出会う人は、前回もそうであったが(前回以上に)ハイカーは少なく、やたらとランナーが目立つ。

やがて前方が開けて、石の鳥居と灯籠が立つ広場に出る。

「無動寺大弁財天」の「二ノ鳥居」だ。

ここから「音羽川」の谷に更に下る。地図を見て「この下りはキツそうだ」と予測していたが、それ程でもなく助かった。

沢に降り立つと、清流に架かる木橋を渡って対岸に渡渉。

少し歩くと、「雲母坂」の登山道に合流する。

ここで一休み。N君が持参した行動食のチョコレートを皆に分けてくれた。糖分を補給して、この後に予測される険しい登りに備える。

意を決して出発。「雲母坂」の登山道は人気のルートで、急にハイカーが増えて賑やかになる。しかも国籍もバラエティに富んでいる。単調な植林帯の中を延々と登る。休んでは登り、休んでは登りを繰り返す。修行の様な時間が一時間弱続く。

やっとの思いで登り切ると、視界が開けて、京都の街が一望できる大パノラマが広がる。うっすらとではあるが、遥か「金剛山」の勇姿も望めた。

絶景にここまでの疲れが吹っ飛ぶ思いがする。

ここから「ケーブルひえい」駅までは、しばし平坦な道を歩く。

駅の前に、トレイル(東山ルート)最後の道標「東山74」がある。

これで(東山ルート)の踏破達成という事になる。(但し冒頭に書いた、大文字山四つ辻「東山45 」〜浄土寺橋「東山52-1」の問題はあるが・・・)。

駅の反対側に廻ると(北山ルート)最初の道標「北山1」がある。

次回の京都一周トレイルのスタートは、ここからになる訳だが、地図で見る限り(北山ルート)はかなり手強そうだ。

今日は「比叡山」山頂を目指して(北山ルート)のごく一部分だけを歩く。車が通行出来る位の広い道幅の未舗装道を登る。

途中でメタリックな質感が美しい「ルリセンチコガネ」に出会った。

閉鎖になった「比叡山人工スキー場」跡の辺りでトレイル(北山ルート)に別れを告げ、コンクリート舗装の急傾斜を登る。疲れた脚にはかなり堪える。それでももう少しで山頂だと思うと我慢出来る。恒例のN君の「ビール」コールも飛び出した。

ところが、なんだか様子がおかしい。「ガーデン・ミュージアム」の門の前から、明らかに山頂とは違う方向に向かって下り坂になる。するとN君が、山頂への案内板を発見。手書きの簡易な案内板で、分かりづらいが、とにかく今登って来た道を戻らなくてはならないのは間違いなさそうだ。さすがにメンバーからは、道迷いに対する不満の声があがる。F君からは「ここを頂上という事にしておこう!」などと乱暴な意見も出る有様だ。我々が騒いでいるのを見て、通りがかりの男性が道を教えてくれた。頂上が近付いた事に浮かれていて、分岐を見落とした様だ。

どれ程戻らなくてはいけないのか、不安に思いながら歩く。幸い100m程戻ると分岐が現れた。ミュージアムの満開の「石楠花」を横目に進むと、すぐに「比叡山ドライブウェイ」の比叡山頂パーキングに到着する。

わざわざ辛い思いをして山道を登らなくとも、車でここまで来る事が出来るのだ。売店などもあり、深山に特有の秘境的な趣は皆無だ。これは「高野山」もそうなのだが、個人的には「比叡山」の様な歴史的な宗教の聖地で、「千日回峰」という様な荒行の行場でもある山に、ドライブウェイなどは無い方が良いと思う。

そんな事を考えながら、ハイヒールを履いた女性を横目に見て、リュックを担いだオッサンの集団が山頂を目指す。

ここから山頂はもう目と鼻の先で、舗装道路を少し登ると芝生の広場にコンクリート製の大きな立方体(水道施設)がある。横を通り抜け「朝日放送・関西テレビ比叡山中継基地」「読売テレビ比叡山中継基地」の前まで来るが、三角点が見当たらない。全員で手分けして捜索。すると水道施設の壁に、山頂を案内する矢印を発見。矢印は元来た方向を示している。どうやら我々が通り過ぎて来た、水道施設の手前の、茂みの中が山頂の様だ。

茂みに隠れて気付かなかったが、中は周囲より小高くなっており、最も高い場所に「大比叡」(848.1m)山頂がある。

知らなかったが比叡山は、「大比叡」と「四明岳」(838m)からなる双耳峰だそうだ。「四明岳」山頂は、先程一悶着あった「ガーデン・ミュージアム」の園内にある。

「大比叡」山頂には「比叡山一等三角点」がある。久しぶりの三角点チェック。

全員で記念撮影をして、いよいよお待ちかねのビールタイムだ。

山頂一帯は展望こそ無いものの、草芝の広場になっており、人気も少なく静かで、店開きするには絶好の場所だ。どうぞテーブルに使って下さいと言う様な丸太の切れ端も転がっていた。準備完了。

乾杯!

食料について事前に打合せはしていないのだが、今回は見事な缶詰大会になった。

しかも偶然にもメニューのカブリは無く、バラエティに富んだメニューになった。

(本日のメニュー)
・ラ王(豚骨醤油)もちもち極太麺
・(ラーメントッピング用)豚肉・ネギ
・サバのオリーブオイル漬け(レモン・バジル味)「Ça va?」
・牡蠣スモークのアヒージョ缶詰
・サッポロ 黒ラベル500ml
・キリン クラシックラガー500ml
・月桂冠300ml

(F君・N君・S君持参の缶詰)
・(缶つま)シャコのアヒージョ
・(缶つま)赤貝 どて煮風 山椒入り
・牛すね肉の赤ワイン煮
・KING OSCAR オイルサーディン
・さんま蒲焼

ここで、一つ残念だったのは、前日にF君が京都に用事があり、人気の食パン専門店「乃が美 京都店」でパンを買っ来ると言ってくれていたのだが、定休日で調達出来なかった事だ。皮肉にもパンが欲しくなる様なメニューになったが、パンが無くても美味しい事に変わりは無い。

もう一つ、これは個人的に残念な出来事。缶詰を温めて食べようと、バーナー「プリムスP-2253A」を取り出す。しかし、着火装置を押してもカチッと言わず、着火しない事態が発生。長年愛用していただけに、何ともショッキングな出来事だ。幸いS君もバーナーを持参してくれていたので最悪の事態は回避出来た。

あと缶詰以外にも、S君がお手製の「出汁巻」を持参してくれる事を事前に聞いていた。果たしてリュックからそれを出した瞬間、不自然な沈黙の時間が流れた。これには理由がある。昨日、S君以外のメンバーで話していた事なのだが、一昨日に大量に作り置きした事を聞いて「腐りやすいこの季節に、一昨日作った物を山に持ち運んで大丈夫なのか?」。S君には誠に申し訳ない話なのだが、皆が疑っていた。しかし、酔った勢いで箸を付けて見ると大丈夫だ。と言うか、かなり美味い。美味いとなると、現金な物でアッと言う間に売切れてしまった。改めて、S君にはお詫び申し上げる。


それぞれに持ち寄った酒を飲み、N君は芝に横になって「シエスタ」のルーティンをこなし。最後は、F君が麓のコンビニで買った赤ワインのフルボトルのご相伴に与り、相当いい感じに出来上がる。

(ここで一句)

「御仏の 宿りし山に 夏草の 風にそよぎて 昼酒美味し」

結構長居していい時間になってしまった。片付けをして下山に取り掛かる。


ここから「水飲対陣之跡」の石碑が立つ場所までは、登って来た道を戻る事になる。

「ケーブルひえい」駅が近づくと、N君が「ケーブルで下山しよう」といい出した。冗談だとは思ったが、念のため「ケーブルで下りたのでは、比叡山に登頂した事にはならない」と説明。それでも言ってくるので、こちらも酔っ払っているし、面倒くさくなり無視して進む。後から思うと大人気ない対応だったと反省している。

時間も無いので、先頭に立ちハイペースで下る。「水飲対陣之跡」に到着。ここまでくれば下山路も中間地点を過ぎている。心に少し余裕が出来る。ここからはペースダウンして進む。

この先、両側が背丈より高い壁になっており、壁の間は人一人がやっと歩ける程のスペースしか無い。

水流により侵食されたのだろうか、独特の地形が続く。足元は落ち葉で滑る。

酒のせいだろうか、珍しくF君が二度程しりもちをついていた。

しばらくすると、この様な山中にも関わらず、右手に延々と続く柵が現れる。何だろうと思っていると宮内庁の名が記された立札があった。ここでこれは「修学院離宮」の広大な敷地の一部である事に気付く。

「きらら坂・登山口」の道標が立つ三叉路で無事下山終了。

「音羽川」沿いの一般道を進む。

せっかくここまで来たのだから、「修学院離宮」の門前を通って帰ろうと言う事になり右折する。

すぐに左手に石垣と紅葉の新緑に包まれた「禅華院」の山門が見える。

二階が鐘楼にっており、小ぢんまりとしているが趣がある。

「修学院離宮」の門前から少し中の様子をうかがう。

ここから叡山電鉄「修学院」駅に向かう。

「修学院」駅から叡山電鉄で「出町柳」駅へ。京阪電車に乗り換えて「京橋」駅で下車。行き着けの「ユートピア白玉温泉」さんで汗を流した後、こちらも最近京橋では定番の、川沿いの「徳田酒店 片町店」さんで反省会。

→「京都一周トレイル②」(東山コース)蹴上〜大文字山〜浄土寺橋

→「京都一周トレイル④」(北山コース)比叡山〜(大原)戸寺

 




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「京都一周トレイル②」(東山コース)蹴上〜大文字山〜浄土寺橋

2016-11-26 11:39:53 | うだつ会

2016年11月26日(土) Icon_walk_ss14.446km

累積標高(+)665.539m(-)-650.582m

 

今日は、二ヶ月程前から計画を練っていた「京都トレイル第二弾」を決行する。

実は昨日まで、行先を変更するかしないかを皆で思案していた。というのも、F君が最近京都を訪れた人たちから情報収集してくれた結果、今年の混雑ぶりが異常だという情報が数多く収集されたからだ。「人気の観光地の道は歩けない程の人出だ」「高台寺に入館するのに二時間並んだ」「途中で入館を諦めた」「大文字山の山頂も混雑している」等々、悩ましい情報が並んだ。やはりこの時期に京都は無謀かとも思ったが、最終的には「話のタネに混雑ぶりを見学するのもいいだろう」と開き直って決行を決定。第一弾では伏見稲荷から蹴上まで歩いた。今回は蹴上から先を歩く。蹴上までは、せっかくなので京都らしい情緒を味わえるルートを設定した。

 9:00に京阪電車「祇園四条」の南座前に集合。階段を上って地上に出ると、素晴らしい快晴。この日の気温は最低4.8℃/最高16.1℃を記録。この時間は少し肌寒い位だが清々しくて気持ちいい。絶好の日和になった。集合場所に到着すると、S君が一番乗りしていた。そこにN君が阪急電車「河原町」から歩いて到着。程なくF君も合流し全員集合。

早速スタート、四条通を八坂神社方面に向かう。心配していた混雑は無く、まずは一安心だ。

「一力亭」の角を右折し、石畳の道の両側に老舗の料亭やお茶屋が立ち並ぶ花見小路通に入る。

京情緒たっぷりの通りを気持ち良く進むと「建仁寺」の裏門に突き当たる。ここも是非拝観したい寺院なのだが、残念ながら10:00開門という事なので通過。

東に緩やかな坂道を登り東大路通の交差点に出る。ここに我々と関連の深い会社の旧京都支店の建物が健在だったが、当然の事ながら今は別の会社が入居していた。

ここは直進し三叉路を左折してすぐの所に、うっかりしていると見落としてしまいそうな「石塀小路」への入口がある。

石畳と石垣の路地を挟んで、民家の中の所々に隠れ家の様な店舗が並ぶ。

 ここは私も大好きな人気のスポットで、混雑がひどく迂回せざるを得ないかもと予測していたが、予測を裏切り貸切状態。絵になる場所が随所にあり、自然とシャッターを切る回数も増える。しかし、ふと気付くと「撮影禁止」の表示があちこちにある。最初は「ここで撮影禁止は酷だろう」と思ったが、住人からしてみれば、大勢の観光客が訪れて写真撮影するとシャッター音だけでも迷惑だろう。

考え直して静かに通り抜けると、「高台寺」の門前に出る。計画段階で今回どこか一軒位は寺院を拝観したいと考えていたが、冒頭に書いた様な混雑情報が入っていたので半ば諦めていた。しかし、候補の一つに上がっていた、ここ「高台寺」は大丈夫そうだ。拝観する事に決定、入口に向かう。

5分も並ばずに、拝観料¥600を支払って入場。

いきなり、風流な庵と、見事に紅葉したモミジが出迎えてくれる。

「書院」に入ると「秋の特別展」という催しが開催されており、色々と興味深い物が展示されていた。中でも同寺院所蔵で初公開という、松尾芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」の軸が展示されていた。残念ながら直筆の物なのかどうかは説明が無く不明。

「方丈」から枯山水の「方丈前庭」を眺めた後、二つの池を中心とした小堀遠州作の庭園を歩き、「開山堂」から「霊屋」へ向かう。

道中見事な紅葉に目を奪われる事しきり。今回紅葉はピークを過ぎているだろと、余り期待していなかっただけに嬉しい誤算だ。

「霊屋」はねねの墓所にあたる建物で、秀吉とねねの木像が安置されていた。

この後、茶室「傘亭」「時雨亭」を見学して出口へ。

「高台寺」は想像以上に見応えがあり、大勢の観光客が列を作るのも納得がいく。我々も少々時間を費やし過ぎた、先を急ごう。

マンドリン奏者のN君が学生時代に舞台に立ったと言う「円山公園音楽堂」の前を通り公園に入る。入るとすぐに、東山魁夷の絵で有名な枝垂れ桜がある。当然の事ながらこの時期は花の咲いていないただの枯木なのだが、それでも何故かS君は写真に収めていた。

この辺りで、すれ違う東洋系外国人観光客が、やたらとリンゴを丸かじりしながら歩いている事にN君が気付く。

公園を抜けると、右手に「知恩院」の荘厳な三門が現れる。何度見てもその威容には圧倒される。

この三門前に地方の果物を販売する屋台が出ており、青森産のリンゴが売られていた。先程N君が発見した光景の謎が解けた。しかし、何故京都で青森産のリンゴなのかは謎のままだ。

「青蓮院門跡」の楠の巨木を右手に見ながら、緩やかな坂を下ると、前方に「平安神宮」の巨大な赤い鳥居が見えてくる。三条通を右折して蹴上に到着。

そろそろ観光客の団体さんが目立つ様になってきた。そんな喧騒を尻目に、この後我々は静かな山道に向かう。いよいよここからが今日の本題「京都トレイル」歩きになる。

レンガ造りのトンネル「ねじりまんぽ」でインクラインの下をくぐる。

前回は直進して「南禅寺」に向かったが、今回は右折してインクラインを歩き「日向大神宮」に向かう。

到着すると、ここがまた素晴らしい紅葉で、予期していなかっただけに何だか凄く得した気分になる(調べてみると知る人ぞ知る紅葉スポットらしい)。

この様な素晴らしい紅葉なのに人出が多くないのは、有名社寺が居並ぶ、ここ東山にあってはやはり穴場的な存在なのだろう。

拝殿の前を通り過ぎて、山道に入る。少し歩くと「天の岩戸」と称される岩をくり抜いたトンネルがある。ここまで来て、紅葉に見惚れていて、お参りを忘れていた事に気付く。何とも罰当たりな話だが、今さら戻る気も起きない。仕方なしにトンネルの中に祀られた祠で道中の安全を祈願する。

木の根が張り出した緩やかな勾配を登る。都市部に近く気軽に歩けるトレイルだけにハイカーに出会う頻度も結構多い。しかし、それ以上にトレランのランナーが異常に多い。と思っていると、こんな山の中に近々開催予定のトレランの大会の案内がぶら下がっていた。おそらく皆さん練習で走っているのだろう。

しばらくすると目の前に五差路の別れ道が現れる。「七福思案処」だ。地名の通り、ここはスマホを取り出して「山と高原地図」を見ながら思案する。

最短ルートを選んで前進。500mほど歩いた地点で、どうも変だという事に気付き、再度地図を確認。結局、三人(正確にはF君とN君の二人)から矢の様な非難を浴びながら五差路まで引き返す事になる。N君などは「自分は正しい道を提案したのに取り合ってくれなかった」などと全く記憶にない事まで言ってくる始末だ。

気を取り直して、正しい道を進む。この辺りから少し勾配が急になってきた。気温は高くないのだが汗が流れる。ジャンパーを脱いで調節する。F君は既に三枚脱いでTシャツになっていた。何時もならこの辺りでN君の「ビール〜」の念仏が始まりそうな物だが、今日はそこまで暑くはない。それよりもF君の「鍋〜」の念仏が多い。この日もS君は時々隊列から離れるが、今日ばかりは一番重い荷物を背負って貰っているのだからやむを得ないだろう。

尾根筋に乗り上げた所で「山科」からの道に合流、しばらくは平坦な道を気持ち良く歩く。

再び登りが始まり程なく大文字山(465.44m)山頂に到着。

「鹿ケ谷三等三角点」をチェック。

京都の市街を一望できる絶景ポイントなのだが、山頂の面積は広くはない。即ち混雑するのは必定で、大勢のハイカーが昼食タイムだった。

時間的に我々も相当空腹なのだが、諦めて当初の計画通り「大文字の火床」を目指す。

すぐ近くだと思っていた火床は、心配になる位に結構下る。やがて目の前がパッと開けて無事到着。山頂よりも更に絶景である事は予想していたが、想像以上である。

しかし、景色に感動していられたのは束の間で、ここでとんでもない事実が判明する。

なんと大きな立て看板があり、そこに明記されている「この山での火気使用厳禁」の文字。本日のメインイベント「大文字山で鴨鍋を食す」の企画が台無しになってしまう。下調べ不足と言われればそれ迄なのだが、「直火は駄目なのは分かるがバーナー位使わせてくれてもいいのに!」と逆ギレしたくなる。しかし今さら、そんな事を言っても致し方無い。かと言って中止するのは寂し過ぎる。山頂ではバーナーを使用している人も多くいたし、火床以外ならいいだろうとここは都合のいい解釈をして、人目に付かない森の中で場所を探す。

絶景を眺めながら鍋を食べる計画だったが、こうなっては贅沢は言っておれない。斜面の中でも比較的平坦な場所に陣取る。それでも多少の傾斜があるので、バーナーを水平に設置するのには苦労した。

(本日のメニュー)

【鴨鍋材料】共同購入
・鴨肉(解凍・整形)
・九条ねぎ
・セリ
・舞茸
・豆腐(木綿)
・蕎麦
・出汁(カツオ・昆布/S君作)
・七味(美々卯)
【酒】個人購入
・サッポロラガービール 500ml
・月桂冠 月 900mlパック
【おつまみ】F・N・S君購入
・オイルサーディン
・本まぐろホルモンのにんにくオリーブ油漬
・広島県産かき燻製油漬
・鳥唐揚げ

非常に豪華なラインナップになった。

鍋の準備が出来るまでの間に、持ち寄ってくれたおつまみを肴にビールで乾杯!

F君とN君はそれぞれ何やら国産のプレミアムなビールを用意していた。

S君が自宅で引いてくれた出汁(S君曰く、味付けには自信がないとの事で醤油は別に持参)を、これまたS君持参の雪平鍋に入れてバーナーで沸かす。醤油で味を整えて、まず豆腐・九条ねぎ・舞茸を投入、森の中に出汁と九条ねぎのいい香りが漂う。火が通った所に鴨肉、美味しそうな油が出汁に浮く。最後にセリを入れて完成。食べる時に入れる七味がまたいい仕事をしてくれる。

バーナーで熱燗をつける。陽の当たらない森の中でじっとしていると流石に肌寒い。冷えた体に鍋と熱燗が染み渡る。

ここで一句

「錦秋の 落葉踏みしめ 熱燗の 温もりうれし 送り火の山」

日本酒5合は多過ぎるかと思ったが、綺麗に飲み干した。シメの蕎麦も完食・全汁。安物の鴨肉だったので一抹の不安があったが、予想外に美味かった。腹も満たされたところで撤収。

再び火床に戻り下山に取り掛かる。

途中に「中尾の水」と呼ばれる湧水があるので、何時もの通り、自宅でのお湯割用に採取(500ml)。

禁断の日本酒を飲んだN君は、下山の道中、何だかおかしな事を喋っていたが、何とか全員無事下山。

「慈照寺」の前に差し掛かると、参道には行列が出来ている。久しぶりに「銀閣」も見て見たいと思っていたが見る気が失せた。

今出川通を西に向かう。「京都大学」の脇を通って「百万遍」へ。しかし、この辺りを歩いている若者は皆賢く見えるから不思議だ。

更に西に向かいゴール地点の京阪電車「出町柳」駅に到着。

初冬の日の入りは早く、辺りは薄暗くなっていた。

今回の計画は、全員怪我無くゴールできたのが何よりだが、心配していた混雑も無く、諦めていた紅葉も観れて、絶景を眺めながらとはいかなかったのは残念ではあったが、美味しい「鴨鍋」も食べる事が出来た。まずまず成功だったと言っていいと思う。


この後、残念ながらN君とは「四条」で別れ、F君・S君と三人で「京橋」まで戻る。何時もの「白玉温泉」で汗を流し、大川沿いの「徳田酒店・片町店」で反省会。

 

→「京都一周トレイル①」(東山コース)伏見稲荷~蹴上

→「京都一周トレイル③」(東山ルート)浄土寺橋〜比叡山

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茶臼山(真田丸 他)

2016-09-17 21:14:15 | うだつ会

2016年9月17日(土) Icon_walk_ss10.762km

累積標高(+)308.307m(-)-304.066m

 

今日は土曜出勤で棚卸だったが、午前中に作業終了し無罪放免となった。毎回、棚卸後は歩いたり走ったりするのが恒例になっている。

今回は歴史探訪という事で「真田信繁ゆかりの地」を巡る事にした。歴史探訪と言うと聞こえはいいのだが、半分はビールを美味しく飲む為の準備運動の様なものである。

メンバーはF君と私の2名。N君は止むを得ない事情がある様で事前に欠席を申し出ていた。S君は何時もの様に理由不明のまま帰ってしまった。

しかし、何故か最も参加不可能なはずのU君が残っている。地下鉄「森ノ宮」まで出てスタートする予定の為、最寄りの駅に向かう。道中でU君が「自分も途中まで歩く」と言い出した。途中までと言ってもどうするのだろうか?よくよく聞くと(我々は我慢したのだが)差し入れのビール(350ml)を飲んだとの事。それが呼び水になり、もう少し飲みたくなった様だ。気持ちは痛いほど良く分かる。駅に到着。U君も何とか思いとどまった様で、逆方向の電車で帰って行った。

「森ノ宮」で地上に上がる。心配していた天気は、曇り空で時々薄日が漏れるまずまずの天気。それでも最高気温は31.6℃で蒸し暑い。

まずは大阪城に向かう。「大阪城野外音楽堂」の前を通ると、何かイベント開催中の様で賑やかだ。今日もF君はポケモン探しに余念がない。「コダック」がいた様だ。階段を上り「玉造口」を通って内濠沿いを北に向かう。

「極楽橋」を渡り「山里丸」に入ると「刻印石広場」がある。

 

徳川時代の大阪城再築石垣普請の際に、役割を担った諸国の大名等の家紋などが刻印された石が展示されている。説明板が立ち並ぶ前を今までにも幾度となく通り過ぎているが、不思議な事に存在に気付かなかった。今回、ふとした事で知って訪問してみた。

ここから、「本丸」「桜門」「大手門」を通過。毎回感じる事だが、城内は今日も西洋・東洋入り混じって外国人観光客で溢れていた。

大阪城を後に「真田丸跡」を目指す。KKRホテルの脇の歩道橋で中央大通と阪神高速東大阪線を横切り、「難波宮跡公園」の草原を縦断。それにしても蒸し暑い。この辺りで既に、ゴール後の銭湯の話題が出始める。

長堀通を渡りしばらく歩くと目的地に到着。まずは「心眼寺」を訪れる。

古地図で「真田丸」の東端に三軒並ぶ寺院の内、最も北側の寺院にあたる。

 門には六文銭の紋章と解説板があった。

道路を挟んで隣の「明星学園」の敷地が「真田丸」の中心部になる。そこには「真田丸顕彰碑」が建立されていた。「心眼寺」「明星学園」共に北側は高い段差になっており、往時の地形を偲ばせる。

「つぎに真田信繁終焉の地と言われる「安居神社」に向かう。

西に向かって上町筋を渡り「空堀商店街」を歩く。最近気になっている居酒屋「スタンドそのだ」さんの前を通過。今日も昼飲みを楽しむ客で賑わっていた。谷町筋を渡り、更にアーケードを進む。老舗の昆布屋さんや、昔ながらの八百屋さん・魚屋さん・たこ焼き屋さん・お好み焼き屋さんなど、そこに最近流行りの町屋を改装した洒落た店舗が混在する。映画「プリンセス トヨトミ」のロケ地になったお好み焼き屋さんもある。中々楽しい商店街だ。                               

途中で商店街を離れて左折して南下する。「高津宮」を通り抜け、千日前通を渡ると前方に「あべのハルカス」が見えて来る。

「生國魂神社」の前を通り、天王寺七坂の一つ「源正寺坂」の石畳の階段を下り、松屋町筋を南へ向かう。「口縄坂」を通り過ぎ、裏道に入り「愛染坂」「清水坂」「天神坂」を過ぎる。

目の前に「安居神社」への石段が見えて来る。

本殿に参拝した後、「真田幸村戦死跡之碑」を見学。

やはり大河ドラマ効果なのだろう、碑を見学する人々が数人いた。

境内を散策していると、ふてぶてしい態度で寝そべっている猫に遭遇。

鋭い眼光、右眼は眼帯をしているかの如く黒い。もしや独眼竜政宗の生まれ変わりか?有り得ない妄想をするのもほどほどにして、神社を後にする。

「一心寺」の門前を通り過ぎて「茶臼山」へ。

大阪冬の陣・夏の陣で、それぞれ家康・信繁が本陣を構えたとされる場所だ。折角なので山頂(標高不明)を踏んでおく。

「大阪市立美術館」の前を通って無事ゴール。

すぐに何時もの「湯処 あべの橋」さんへ直行。最近お世話になる事が多いが、それにしても銭湯の廃業が相次ぐ中で有難い存在だ。

汗を流して、毎回満員で入店出来ない阿部野ルシアス地下の「恵美寿屋」さんへ。外から覗くとカウンターに二席の空席がある。しかし見るからに窮屈そうで、風呂上がりにゆっくりしたい気分にマッチしない。F君とも意見が一致。

これまた、休業や満席で入れた事がない「正宗屋」さんに向かう。

こちらは座敷が空いていたので、迷わず滑り込む。

何はさておきビールで乾杯!

一杯目のビールが美味いのは当たり前なのだが、今日のビールは何時にも増して美味い!過去にも、F君との「六甲山」登山後の反省会で同じ様な事があった。何かビールが美味くなる方程式があるのだろうが、それは謎である。

ともあれ、今回の「歴史探訪」の目的の内、少なくとも半分は成功である事がこの時点で確定した。ごちそうさまでした。

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