2015年11月21日(土) 14.996km
累積標高(+)763.027m(-)-749.363m
せっかくの3連休だが、懐の具合も寂しいし、おとなしく過ごしておこうと思っていた。しかし、こんな時に限って早く目が覚めてしまう。カーテン越しに陽射しが差し込む、どうやら外はいい天気の様だ。二度寝しようと思うが悪い虫が騒ぎ出して眠れない。布団の中で葛藤していたが馬鹿らしくなり、思い切って以前より目論んでいた計画を実行する事にした。
近所のダイエーで食料の買い出しをして、電車に乗り込む。
近鉄「奈良」駅で下車、猿沢池の畔りから「ならまち」に入る。
歴史を感じさせる町屋が軒を連ねる一帯には、洒落た店舗も多く、案内図を持った老若男女の観光客で賑わっている。
私は一度訪ねて見たいと思っていた古刹「元興寺」の前に足を運んだ。東門越しに、本堂の立派な瓦屋根が見える(残念ながら飛鳥時代の物と言われる瓦はここからは見えない)。色々と事情があり拝観はまた次回と言う事で先を急ぐ。
実は今回「ならまち」を訪問した一番の目的は、もちろん散策したいと言う事も有るのだが、「今西清兵衛商店」で今回の「目論み」に必要な物を調達する事にある。
明治時代創業とあるが、店舗の建屋は更に歴史を遡る物に思える。重厚な引戸を開いて、古めかしくも美しい店内に入る。試飲コーナーや酒器の販売コーナーの奥にボトルが整然と並べられている。今回は予め銘柄を下調べしており、売切れだけが心配だった。
「春鹿 純米 超辛口300ml」
●アルコール:15.0~15.9
●原料米:五百万石
●精米歩合:60%
●日本酒度:+12
● ¥572
計画通り調達に成功!
クーラーボックスの一番底の良く冷える場所に慎重に格納する。
ここから少し遠回りになるが、飛火野の芝の草原を横切って春日大社を目指す。
参道では神獣である鹿達が出迎えてくれた。
それにしても、ここも西洋・東洋入り混じって外国人観光客で大盛況だ。本殿の前では綺麗な紅葉や銀杏を見る事が出来た。ここも今回は失礼ながら参拝せずに素通りさせてもらう。
「上の禰宜道」を新薬師寺方面に抜けて、東海自然歩道「滝坂の道」に入る。ここは「柳生の里」に至る「柳生街道」の一部になる。
神聖な春日山原始林の中、落葉の降り積もる石畳の古道を歩く。春日山原始林は春日大社の神山と言う事で守られて来ており、全くの手付かずと言う訳では無いらしいが、その名の通りの原始的な姿を留めている。立派な杉の古木や磨崖仏など、雰囲気のあるいい道だが、残念ながら紅葉はそれ程ではなかった。
進んで行くと、路傍に巨大なお地蔵様が現れる。近づくと私の背丈より大きな石仏の首の辺りに切断された様な跡が残る。剣豪、荒木又右衛門が試し切りしたとの伝説が伝わる「首切り地蔵」だ。
ここで柳生街道に別れを告げて、春日奥山道路方面に向かう。
ここから砂利土の道(一部舗装路もある)になり道幅も広がる。標高が少し上がった為か、綺麗な紅葉が見え始めた。やはりこの季節、ハイカーの団体さんも結構多い。紅葉を愛でながら緩やかなアップダウンを進んで行く。
この後、ちょっとしたトラブル発生。若草山頂駐車場に到着、時間確認の為にスマホを取り出したところ、何とバッテリー切れで画面が真っ暗!慌ててモバイルバッテリーを接続して、立ち上げる。すると「JogNoteで計測中のワークアウトが有りますが継続しますか?」と聞いて来たので継続する。しかし残念ながら途中のGPSデータはおかしくなってしまった。
気を取り直して若草山に向かい、鶯塚古墳の有る山頂(342m)を踏む。
若草山は山頂からの眺望もいいのだが、私は東大寺大仏殿の大屋根や興福寺五重塔が望める二重目がお気に入りなので下る事にする。ゲートで入山料¥150を支払い入山。
静かな場所を探して陣取る。
冒頭に書いた「目論み」とは、若草山で麓の酒蔵の酒「春鹿」を飲む事。いよいよ実行する時が来た。
〈本日のメニュー〉
・サバのゴマ味噌煮缶
・マルちゃん正麺(豚骨味)
・ラーメン用 (煮卵、煮豚)パック
・ハイネケン缶350ml
・春鹿 300ml
これで¥1,000強と言うお財布に優しいラインナップ。
まずはハイネケンで喉を潤す。
この後は本日のメインイベント。サバ缶をつまみに「春鹿」を飲む。
ここで一句
「あをによし 奈良の京を 見晴らせる
野芝に座して 春鹿を唎く 」
景色を眺めながらチビチビ飲っていると、思いの外時間が経ってしまった。シメのラーメンを食べて撤収する。
下山して、東大寺方面へ向かう頃にはだいぶ陽も傾き始めていた。
晩秋のこの時間帯に歩く奈良公園もなかなか風情がある。大仏殿を右手に見て西に向かう。
大仏池の畔りに立つ。ここもお気に入りの場所で、池の水面越しに見る大仏殿や若草山が美しい。
この後、興福寺の境内を通り抜ける。
薄暮の中、五重塔の上に月が浮かぶ、まるで一幅の絵の様な光景に心が和む。
予定時間をかなりオーバーして近鉄「奈良」駅に到着。