2016年7月31日(日) 14.625km
累積標高(+)1854.233m(-)-1854.233m
今シーズン2度目の夏山歩き。最高気温35.1℃で昨日に続いて猛暑日となった。
決行を決めたのが昨日の夜だったので、買い出しはしていない。まずはダイエーで食料・飲料を調達してから、「中百舌鳥」駅に向かう。
8:51発「和泉中央」行の泉北高速鉄道線に乗る。「和泉中央」9:07到着。ここから「父鬼」行のバスに乗り継ぎだが、発車時刻は9:54でかなり時間がある。
私にしては早起きをしたので、余裕のある行程になった。駅のベンチでのんびり時間潰し。約2分遅れでバスが来たので乗り込む。
最近の南海バスはPITAPAが使えるようになり便利になった。
クーラーの良く効いたガラガラのバスに揺られて「槙尾山口」の停留所に到着。
下車するのは私一人だけだった。
ここから「施福寺」までは約4kmの車道歩き。猛暑の中の車道歩きは体にこたえる。
以前は「施福寺」の登り口まで南海バスがあったのだが、廃止路線になった。今でも和泉市が運営するコミュニティバスが走っている様だが、今回はあえて車道歩きを選択した。
何故かというと、今現在この場所ではダム建設計画が進行しており、いずれは道路もダム湖の底に沈んでしまって歩けなくなる。完成が何時なのかは知らないが景色も見納めかも知れないので、今の内に歩いておく事にした。
上を見上げると、はるか山の中腹辺りに、新しい付け替え道路が半ば完成していた。
以前訪問した時には、この一帯の自然環境の保護とダム建設反対を訴える看板を目にしたが、その様な看板は全く見られなくなっていた。
沿道には施福寺への道程を示す古い丁石地蔵の石仏が点在している。これらのお地蔵様も湖底に沈んでしまうのだろうか。
子供達を連れた大勢の家族が川遊びに興じる声が賑やかな「槙尾山グリーンランド」の前を通過。
「西国第四番霊場槙尾山施福寺」の石柱の建つ登り口に到着。
ここで車道歩き(約4km)は終わり。
ここからは「施福寺」の参道になり、急激に勾配がきつくなる。
沢沿いの木陰の道なので、気温は低く感じるが、息は切れるし汗が流れ落ちる。しばらく歩くと「仁王門」が見えてくる。
それほど大きくはないが、緑に囲まれて建つ姿は古寺の風格を感じさせる。
「仁王門」を過ぎると参道は石段になり、道幅も狭く更に急勾配になってくる。
猛暑のこの季節、さすがに人は少ないが、時折参拝者とすれ違う。お年寄りが多いが、やはりこの勾配はかなりきつそうで、見ていて気の毒になる。
私も少し登っては休み、水分補給してはまた登る。本堂までの登りでポカリスエット500mlを一本消費した。
「空海」が得度して剃髪した場所と伝えられている「愛染堂」や、その毛髪を祀るとされる「弘法大師御髪堂」を過ぎると、本堂に到着。
本堂で今日の山行の無事を祈願。
本堂前の広場からは、眼前にそびえる岩湧山や少し北側には金剛山が望める。絶景を前にしばし休憩。
ここは「ダイヤモンドトレール」の終点(起点は屯鶴峯)にあたる為、参拝者に交じってハイカーも多い。
ここまで来ると山頂に到着した気になるのだが(参拝者の人々にとっては「本堂」が最終目的地になる)実は「槇尾山」の山頂はここからまだ登らないといけない。
一息ついた所で「本堂」を後にする。
登って来た参道とダイヤモンドトレールの分岐点に「(右) 堺・大阪・葛井寺/(左) 高野山・粉河寺」と漢字交じりのカナ文字で標された、古い道標が残っている。
ここ「施福寺」は西国三十三所の第四番札所で、第三番が「粉河寺」第五番が「葛井寺」になる。この道標はその昔に巡礼者のために建てられたのだろう。
この分岐を左(高野山・粉河寺・ダイヤモンドトレール方面)に進む。
少し下ると再び分岐がある。左がダイヤモンドトレール、右が「粉河寺」に続く巡礼道「桧原越」。
赤いよだれ掛けのお地蔵様に見送られて、右の「桧原越」を進む。
ここからは登りが続く。蝉の声と鳥の声しか聞こえない静かな山道を歩く。谷から吹き上げる風が心地よい。
途中、登山道からほんの少し逸れた所に、小じんまりとした絶景ポイントを発見。
谷を挟んで目の前には、日本昔ばなしに登場する様な山容の「猿子城山」。この時季、まだ緑が鮮やかな「岩湧山」山頂のカヤトの草原。それらの向こうには湧き立つ夏の雲。
昼食は頂上を踏んでからにするつもりだったが、絶好の場所なので予定を変更。
(本日のメニュー)
・中華三昧(担々麺)
・(ラーメントッピング用)豚肉・ネギ
ラー油
・一味唐辛子マヨ
・シーチキン L
・アサヒスーパードライ500ml
・常盤野ネストビール(バイツェン)
330ml
今回の目玉「常盤野ネストビール(バイツェン)」
詳細は下記の通り(HPから引用)
モルト: Larger, Wheat
ホップ: Chinook, Tettnang
初期比重 (OG): 1.055
アルコール度数: 5.5%
IBU: 12
色合い: ヘイジー・オレンジ
アルコール度数以外の意味はよくわからない。難しい事はさておき、最近流行りのクラフトビールと言うやつだ。確か¥380程する高級品。変に濃い飲口だと嫌だなと思っていたが、予想以上にスッキリしていて香りもいい。泡がクリーミーで美味しかった。
ここで一句
「昼蝉の 気だるき声に 美味い泡
峰に湧き立つ 夏雲眩し」
前回の「二上山」ではまってしまった「シーチキンねぎマヨ」、今回は一味唐辛子マヨがあったので試してみた。美味。
今回、麺は少し贅沢に「中華三昧」に持参のラー油で辛さプラス。
ずっと座っていたいところだが、ここまで来てゆっくりし過ぎて、山頂を踏まずに帰るのも嫌なので撤収。
桧原越の山道に戻り先へ進む。しばらく歩くと、少し分かりづらいが山頂への分岐がある。
尾根道を進み「槇尾山」(600m)山頂に到着。
以前に訪問した際には、全く展望は無かったが、今は西側の展望が開けており大阪平野が一望できた。
逆に以前に訪問した際にあった「山名板」は一切無くなっていた。不思議に思いネットで調べてみると、登山者のマナーの悪さに施福寺からクレームがついたのが原因のようだ。完全な入山禁止にならなくてよかったものだ。
頂上から、元来た尾根道を桧原越まで引き返す。
この後「五ツ辻」への分岐で桧原越に別れを告げて下りに入る。
滑りやすい急勾配を下って行くと、左手の谷底から水音が聞こえる。地図で確認したところ滝がある様だ。
道標はないが、おそらく滝へ通じていると思われる細い道があった。時間には余裕があったので、寄り道してみる事にする。
結構下った所で道が無くなり、急斜面や岩場を、取り付けられたロープを頼りに下る。とんでもないルートになってきた。地図に(危)マークが記されていたが、その通りで足を滑らすと一巻の終わりだ。寄り道した事を後悔するが、登り返すのも嫌なので進む。
やっとの思いで沢に下り立つと眼前に岩壁がそそり立ち、少し水量は少ないが見事な滝が流れ落ちている。
「清水の滝」だ。
岩肌には「イワタバコ」が群生していた。
ここから側川渓沿いに下るが、ここもロープ場の連続で苦労する。
下流には美しい滝壺を持つ「開明の滝」がある。
更に下ると林道の終点に飛び出した。
少し登り返し「五ツ辻」から「根来谷」を下る。
途中に水場があるのでペットボトル(500ml×3)に採取。
谷を下り切ると、今朝歩いて来た車道に出る。
ここからはまた約4kmの車道歩き。朝は暑くて辟易したが、この時間になると日陰が増えて歩きやすい。
途中、草叢に潜むウリ坊に遭遇すると言ううれしいハプニングもあった。
ヒグラシの大合唱を浴びながら「槙尾山口」停留所まで歩く。
「槙尾山口」(16:48発)バス→「和泉中央」(17:21発)泉北高速鉄道→「中百舌鳥」。
帰宅後、「根来谷」の水場で採取した水でお湯割りを飲む。なかなか柔らかくて美味しい水だった。
※後日知ったのだが「槙尾川ダム」は2011年に橋下大阪府知事が建設中止を決定したとの事。ちょっと拍子抜けしたが、あの「丁石地蔵さま」が湖底に沈む事なく、また会う事が出来ると思うとホッとした