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観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

富江 最終章~禁断の果実~

2006年08月25日 | Weblog
監督:中原 俊
企画:武内健、加藤東司
プロデューサー:清水 俊、尾西要一郎、東康彦
原作:伊藤潤二(朝日ソノラマ刊)
脚本:藤岡美暢
撮影:鈴木一博
美術:金田克美
編集:宮島竜治
音楽:TATSUYA
製作担当:小松 功
主題歌:安藤希「羽根」(日本クラウン)
キャスト:
安藤 希(富江)
宮崎あおい(橋本登美恵)
國村 隼(橋本和彦)
藤本由佳(京子/登美恵の友人)
二宮綾香(恵/登美恵の友人)
太田千晶(智子/登美恵の友人)
渡辺 哲(鈴木/和彦の上司)
斉藤亮太(橋本和彦/回想)
藤間宇宙(田島雅夫/和彦の友人)
田村泰二郎(管理人)

2002/日本/1h31m  ☆☆★

 富江tomie (1999)、富江replay (2000)、富江re-birth (2001)、富江 最終章 ~禁断の果実~ (2002)、富江 BEGINNING (2005)、富江 REVENGE (2005)と続く『富江』シリーズ第4弾の本作は、前3作で菅野美穂、宝生舞、酒井美紀が演った富江を、『さくや妖怪伝』等の出演や歌手としても活躍している安藤希が演じている。また、富江に憑かれる少女・登美恵役には『EUREKA ユリイカ』『害虫』等の演技や、雑誌、CMやテレビドラマで人気上昇中の宮崎あおいが登用されている。その二人に翻弄される登美恵の父親を『萌の朱雀』等の名脇役、國村隼が演じる。監督はポルノから『櫻の園』『12人の優しい日本人』『コンセント』等の幅広い作品層のある中原俊。「テーマはロリータとレズビアン」とは監督の弁。
 25年前、富江という名の美少女に魅せられたことを忘れられず、娘に登美恵と名付けた橋本和彦。その娘・登美恵は殻に閉じこもりがちな、いわゆるいじめられっ子の高校生だった。そんな登美恵の前に、富江と名乗る左目の下にほくろのある美少女が現われる。女王様然とした富江の奔放な振る舞いに不思議と惹きこまれる登美恵。二人が親密になるのに時間は要らなかった。ある日、そんな富江と出くわした和彦に25年前の富江と同人物と告げられる。何故そこで信じてしまうの?と思うが、 富江と言えば、富江(化け物)の魅力に吸い込まれて、抜け出せなくなる馬鹿な男の子、という図式が思い起こされる。美しさというものは、自分勝手で我が儘で矛盾に満ちた化け物までをも愛情の対象にさせてしまう。 がしかし、前作までの若い男は簡単に現実を捨て、美しさを追い求めたが、和彦は25年来の富江への愛情を露にするが、富江の悪意ある我が儘が自分が守るべき現実という領域を侵し始める(妻の位牌の焼却や登美恵への殺意)と、富江を捨て去り、現実を選択する。また登美恵も「育てる事が出来ない」というあまりにも現実的な理由で美しさ(富江)を捨てる。つまり家族愛がこれまで独走してきた化け物・富江の存在を否定するのである。だから~最終章~なのかな。
p.s.上に挙げた6作品以外にオリジナルビデオ作品で『富江アナザフェイス』もあります。


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