mapio's STREETS OF MOVIE

観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

初めまして。自己紹介代わりの夏に見た映画評。

2005年10月24日 | Weblog
 劇場で久し振りに邦画『亡国のイージス』を観た。セットの精密さといいスケールといい最後までグイグイ引っ張っていく演出といい感激した。でも私、やはり夏は怖い話がいいと思うのでビデオで観たのを順次列挙したい。仕事があるので見るのは夜中。だから一日一本である。記憶なので日付は適当である。
 先ず、8月1日“NIGHTMARE SISTERS”(1988;83分)はR指定映画だが、何の事は無い。もてない女性3人に好色な悪魔succubusがとりつくと突然、セクシーな美女に変わり男を餌食にしていくといったleering horror。主演Linnea Quigley。
 翌日はTobe Hooper監督の“ファンハウス惨劇の館 THE FUNHOUSE”(1981;96分)。これもR指定。さすが『悪魔のいけにえ』のフーパー、スリル一杯で面白かった。閉園後のお化け屋敷で殺人を見たために、殺人鬼に追い回される密室劇としては、この映画の前年に製作された『テラートレイン』よりも秀作。『スターウォーズ』等のリック・ベーカーが特殊メイクだからかな。
 翌日は“SAVAGE STREET”(1985;90分)を観た。『エクソシスト』のLinda Blairが女性ストリートギャングのリーダーで男性グループとの抗争の話。最後は彼女が『エイリアン2』のリプリー顔負けのごっつい格好して戦いを挑む。女性版『ロサンジェルス』のチャールズ・ブロンソン。
 4日は“死霊のしたたり2 BRIDE OF RE-ANIMATOR”(1989;90分)。前作に続き首だけで生きているヒル教授役のDavid Galeは、毎年東京で開かれているファンタスティック映画祭の90年の最終日『シンジェノア SYNGENOR』上映の際にゲストとして招かれていたのを見たが、好感の持てる紳士だった。面白かったが、やはり2作目となると新鮮味は無く前作ほど感銘は受けなかった。残念。
 さて、ここらで刺激が欲しいので、ひとつ聞いた事も無いのをと思い、“リンダ・ブレアのグロテスク GROTESQUE”(1987;93分)を5日に見た。両親と女友達と一緒に週末に山荘へ行き、そこでサイケ・パンク風のギャング達に襲われ、家族や友を殺されると、今度は何かがギャング達を殺し始める。全然怖くない。けれどもラストが凝っているので駄作とは言い難い。舞台は雪山。観光ビデオと思えば楽しい。上記同様、Linda Blair主演。
 気分転換に6日は“なまいきシャルロット L'EFFRONTEE”(1985;97分)を見てホロリとした(涙)。
 一日置いて8日に観たのは“無邪気な悪魔におもちゃが8つ DEVIL TIMES FIVE”(1982;88分)。これは不快。やはり雪山の山荘で初老の夫婦が4組(という事は8人で、これが邦題の<おもちゃが8つ>の意味だろう)、バカンスを楽しんでいると、迷子らしき子供が5人やってくる。可哀相なので泊めてやると、子供達は楽しそうに1人ずつ夫婦らを殺し始める。これがエグい。1つ例を挙げると、シスター(尼僧)の格好をした、おとなしそうな女の子(年にして15,6歳)が、バスに浸かっている女性の背後に静かに忍び寄り、いきなり頭を押さえつけ浴槽に沈める。もがく女性を尻目に、水槽から持ってきたピラニアをそこへ入れ、動かなくなるまで押さえ続けるのである。お湯がだんだんと赤みを帯びてゆく様…それを楽しそうに見つめる少女。あ~、この映画は生理的に不快なのである。リーダー的男の子の役で、若き頃のレーフ・ギャレットが出ていた。
 翌日9日に観たのは“悪魔のしたたり BLOODSUCKING FREAKS A.K.A. THE INCREDIBLE TORTURE SHOW”(1978;89分)。随分長い原題だけど、邦題よりよっぽど魅力的である。直訳すると「血を吸う変質マニア達;目を疑うような拷問ショー」となる。邦題は何かと<死霊;悪霊;悪魔;恐怖;地獄>だとか<したたり;はらわた;いけにえ;惨劇;伝説>なんて付けたがる。区別しづらいので困る。この映画はどうだったかってぇと、凄い。悪役側は、P.セラーズの怪人フーマンチューとC.リーを足して2で割ったようなおじさんと、『007/黄金銃を持つ男』でスカラマンガの部下をやってた背の低い男みたいなのの2人。こいつらが見世物小屋で女の拷問ショーをやっていて、死ぬまで責め続ける。で、この女達はどうしたかと言うと、全部誘拐してきた女。小屋の裏には檻があって、獣同様に女達が裸で閉じ込められている。頭を割って脳味噌にストローを挿してチューチュー吸うところは悪寒が走る。最後は当然、黙っておくが、決してハッピーエンドじゃない。思いっきり中途半端に終わる。でも、それがかえって自主映画製作者には身近に感じるかもしれない。自分でも作れそうだなって。
 10日になってやっと観ました“チャイルド・プレイ CHILD'S PLAY”(1988;87分)。もうシリーズ5作目まで出来ていて見た人も多いと思うので説明抜き。後半、家の中で母親と人形チャッキーが逃げ隠れするところで、チャッキーが驚かそうといきなり飛び出して言ったセリフの字幕;「びっくりだー」は笑えた。
 11日は気分転換に“サティスファクション SATISFACTION”(1988;95分)。ご存知ストーンズの曲に乗って、夢あり、愛あり、挫折ありの音楽青春映画。今まで挙げた映画が全てR指定なのに、これはその口汚さでPG-13指定。『タイムズ・スクエア』のTrini Alvaradoと‘ブロンディ’の、あと恐怖映画絡みなら『フロム・ザ・ダークサイド』で好演していたDeborah Harryが共演していたのが嬉しかった。実は洋楽、音楽映画好きです。でも逸れると収集つかなくなるから。
 翌12日、<日本初の本格スプラッター・ホラー>とコピーされた“死霊の罠”(107分;脚本:石井隆、出演:小林ひとみ、中川えり子、前原祐子、橋本杏子、小野みゆき、島田伸助、桂木文、清水マリ)を観て、参った。キャストに騙された。往年のAV女優を使う必要が一体どこにあったのか?何がスプラッターだ、バカヤロー!
 前日に懲りて再び洋物をと観たのが“ミミズ・バーガー the WORM EATER”(1975;90分)。主人公の足の悪い老人がミミズに名前を付けて飼っているのだが、その溺愛ぶりが『ウイラード』のベンとソクラテスも、たじたじと言ったところ。ミミズを食べた人間は、自らもミミズになってしまうのを利用して、町中の食べ物にミミズを入れる。巨大ミミズが増える、増える。遂には自身もミミズを食べて変身してしまうミミズ三昧の映画。
 14日は監督で選びました。『(旧題)2000人の狂人』に代表されるスプラッター・ムービーの先駆者、Herschell G.Lewis監督が、『A TASTE OF BLOOD』の次に発表した“シー・デビルズ・オン・ホイールズ SHE-DEVILS ON WHEELS”(1968)。女だけの暴走族 MAN EATERSが画面狭しと抗争・愛欲・乱行の大暴れ。シーンが変わる時に毎回、同じバイクに乗ってる人の絵が画面に出るのは参った。質的にはC級以下。もう観まい。
 15日は“チャイニーズ・ゴースト・ストーリー A CHINESE GHOST STORY”(1987;93分)を観た。以前、劇場でも観たが、やはり香港映画独特のSFX(ワイヤーアクション)は見応えがあり、面白かった。
 16日は<B級映画の帝王>ロジャー・コーマンが製作総指揮を担当した“ストリッパー殺人事件 STRIPPED TO KILL”(1987;89分)。ストリップ・カフェのダンサーが、油をかけて焼き殺され、トレーラーに引き摺られた挙句に絞め殺され、と残虐な方法で次々に血祭りに…とこう書けば、上記同様の血みどろホラーか、と思うかも知れないが、ぜ~んぜん違った。単なるミステリーであって、寧ろお色気の方が強い。女性捜査官コディー役のKay Lenz(F.フォーセットに似ている)が可愛かった。William A. Graham監督の『カレンダーガール殺人事件』(1984)に感じが似ていた。
 さて夏も後半に差し掛かり見たのは、清楚な感じのCynthia Gibbが出ていた“ジャック・ザ・リッパー/殺しのナイフ JACK'S BACK”(1988;90分)。ホラーではない。なかなか考えさせるサスペンス・メロドラマである。『レス・ザン・ゼロ』『プリティ・イン・ピンク』等に出てたJames Spaderが1人2役で熱演していた。
 18日には“アマゾネス 地球最後の男 PHOENIX THE WARRIOR”(1987;90分)で82年の『メガフォース』以来、久し振りにPersis Khambattaを見た。遠い未来、細菌戦で全ての男が死んだために、女性が戦死になった頃のお話。女子プロレスなんか比べ物にならない。服装といい、装甲車といい、まるで『マッドマックス2』の女性版じゃないか。
 そして19日、“暴力教室’88 THE PRINCIPAL”(1987;110分)James Belushiが、不良達によって荒廃しきった高校へ校長としてやってくる。結局、番町グループと対決する事になるのは、お決まりのパターン。納得いかないのは、邦題のセンス。ミス・マッチ。ストーリー的には『処刑教室88』とか『クラス・オブ・1988』の方がいい。助演Louis Gossett Jr.。
 20日はホラーに戻って“エンティティー霊体 THE ENTITY”(1982;126分)。精力ムキムキの色情霊が夜な夜な現れては美女を強姦する。『ポルターガイスト』のソフト・アダルト版。
 
 今日はここまで。ホラー映画は、怖い・残忍・無残・冷酷だ、と言ったって所詮は映画=作り物。子供が『ウルトラマン』のような怪獣物を娯楽番組として喜んで楽しむように、ホラー映画は大人のための怪獣番組。この刺激を与え、体感をゾクゾクさせてくれる映像・音声を心ゆくまで楽しみたい所存です。
 


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