mapio's STREETS OF MOVIE

観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

レッド・サイレン La SIRENE ROUGE (THE RED SIREN)

2006年09月02日 | Weblog
監督:オリヴィエ・メガトン
製作:キャロル・スコッタ シモン・アルナル
原作:モーリス・G・ダンテック
脚本:ノーマン・スピンラッド  ロバート・コンラス アラン・ベルリネール
オリヴィエ・メガトン
撮影:ドゥニ・ルーダン
音楽:ニコラス・ビキアロ
 
出演:ジャン=マルク・バール (ヒューゴー)
アーシア・アルジェント (アニータ警部補)
フランシス・バーバー (エバ)
アレクサンドラ・ネグラオ (アリス)
アンドリュー・ティアナン (ケスラー)
エドュアルド・モントート (オリベイラ)
ヴァーノン・ドブチェフ (ビターリ)
ヨハン・レイセン (トラピス)
ジャン=クリストフ・ブヴェ (ルーカス)
カルロ・ブラント (ボンド大佐)
フランソワ・レヴァンタル (ソルパン)
2002/仏/1h58m ☆☆☆☆

 母親に追われる一人の少女と東欧独立戦争中に子供を誤射殺して心に大きな傷を負った元傭兵との逃避行を描いたサスペンス&アクション映画。元傭兵役に扮するのは、85年に映画「グラン・ブルー」のジャック・マイヨール役でセザール賞主演男優賞を受賞した、ジャン=マルク・バール。またイタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェントの娘でもあり「トリプルX」で人気を博したイタリアのアーシア・アルジェントがアニータ警部補役として、映画初出演ながらポルトガル出身のアレクサンドラ・ネグラオが母親に追われる少女を熱演している。さらに、「101」シリーズのグレン・クローズ扮するクルエラをより残酷で強烈な感じにした母親エバを演じるのは英出身の女優フランシス・バーバー。国際色豊かなこの映画の監督・脚本はリュック・ベッソンがプロデュースを買って出たスリラー映画「EXIT イグジット」で長編デビューしたオリヴィエ・メガトン。
 冒頭、モノトーン調のやるせない東欧の戦争場面の後、いきなりドイツのへヴィ・ロック・バンド、ラムシュタイン(Rammstein)の『Sonne』(アルバム“ Mutter”収録) という激しい曲と共にアーティスティックなオープニング・タイトルとなる。この時点で監督のセンスに付いて行けず観るのをやめる人がいるかも!?
 東欧の戦争が終わった頃のパリ。ある日、12歳の少女アリスが1枚のDVDを携え警察を訪れる。アニータ警部補が映像を確認すると、そこにはアリスの母エバがメイドを殺害した残虐なシーンが記録されていた。アニータは早速アリスを保護しようとするが、大富豪で政界や役人と深い繋がりが有り、武器商人でもあるエバに不干渉を上司から警告される。そしてアリスは母の元へ戻されることを恐れ、警察から逃げ出して1台の車に身を隠す。その車の持ち主は、元傭兵のヒューゴーだった。2人は、アリスの父親が住むポルトガルへ向かうが、その頃、娘を取り戻したいエバ、そして自分を頼ってきたアリスを救おうとアニータも後を追っていた。タイトルの「レッド・サイレン」は父からのハガキに描かれた「赤い海の精(セイレーン)」を指し、美しい容姿と声で船乗りを殺すギリシャ神話の怪物の事。邦題は「原題をカタカナ表記しただけ」という悪いパターンで、日本では普通に訳して「赤い警笛」と思えば緊急事態的なイメージを与えると思う。内容的にはそれでも合っていそうですが、製作者の意図とは明らかに違うのが残念。
 それと人物設定だが「レオン」を見た方なら、きっとその2番煎じ(デ・ジャ・ヴー)感を受けると思う。そしてジャン・レノの演じた殺し屋やナタリー・ポートマン扮するマチルダの魅力、ゲーリー・オールドマンの悪ぶりには一歩届かない気がしそうだ。でも観ているうちにどんどん引き込まれていく勢いがあるから最後まで飽きは来ないです。
 あと疑問だが、アリスはアニータ警部補を指名して母の犯罪映像を記録したDVDを渡すのだが、なぜアニータ警部補なのかという理由が最後まで明かされなかった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿