曇り、23度、85%
私は九州の福岡の育ちです。つまり、関西以西、福岡では、「豚まん』と呼んでいるのか、「肉まん」と呼んでいるのか、定かではありません。きっと、「豚まん』だと思います。小さい頃は、食べ物に興味も無く、食の細い子供でした。それが、アイスクリームとイチゴと餃子と豚まんだけは、よく食べました。好物です。しかも、一人っ子ですから、大人たちは私の好きなものは、全部私のものとして取って置いてくれました。
餃子と違って豚まんは、今のように一年中食べられたわけではありませんでした。今は倒産して無くなった「鹿鳴春」という中華料理にテェーン店に、北からの寒い風が吹き始める頃になると、「豚まん』ののぼりが上がって、店の前で蒸かしていますから、いい香りにあの暖かな湯気がたっていました。必ず、この前を通ると豚まんを買ってもらいます。夕方だと、この豚まんだけでお腹が一杯、夕飯など食べれませんでした。
18歳で福岡を出てから、確かに東京では「肉まん」と私もそれなりに呼ぶようになりました。東京の肉まんは、福岡のに比べて大きく皮もしっかりして、美味しいと思いました。横浜の中華街の肉まんなんて最高です。そんな私が、ここ香港に住むようになりました。香港は、焼きギュザ、豚まんは、それほどポピュラーな食べ物ではありません。焼き餃子は上海料理、豚まんは北の方の食べ物です。中国に入ると、夏でも至る所でこの肉まんが売られています。湯気と匂いでその場所を突き止めます。種類だって豊富です。カレーまんなどはありませんが、シイタケの一杯詰まったものやチンゲンサイだけのもの、それぞれのおいしさがあります。「狗包」と書かれたものだけは絶対に手を出しません。犬の肉を使ったものです。肉まんの朝ご飯、でんぷん質とタンパク質が手軽に取れて、中国の冬の朝、肉まんの屋台には人が並びます。主人も私も、そういう人の列に並び寒い朝の空気の中、立ったまま、肉まんにガブリとかぶりつきます。ほんとに幸せな瞬間です。
先週、東京の本社に戻っていた主人が買って来てくれたのは、崎陽軒の「肉まん」でした。早速、朝ご飯に蒸し直します。決して、チンなどはしません。日本の肉まんです。一口、かぶりついて二人して、やっぱり日本の味だね、と喜びます。ところが、全部食べ終えた私、何となく満足いたしません。皮も、中のお肉ももう少し柔らかな甘みが欲しいなあ、と欲を言います。
東京に住んでいた頃は、たまのご馳走に、維新號の肉まん、高菜まん、あんまんを食べました。とても高い肉まんですが、中のお肉はしっかりと饅頭状です。今でも、時折香港に買って帰ります。「肉まん」と呼ぶのか、「豚まん』と呼ぶのか、私の中では並立状態。どちらでも構いません、おいしい豚まんは、この年になっても大好物です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます