晴れ、29度、86%
人口100万の地方都市、福岡。香港から帰るたびに、のんびりとした空気の流れに戸惑います。
上空から見る福岡、確かに街は西に東に南にと広がっています。中心の天神あたりには、高いビルも見えます。それでも、海と山に囲まれたのどかな街です。海に面し、山を背にして街はできています。特に産業がある訳でもなし、観光都市でもありません。
山陽新幹線ができたのは、高校の頃です。これを機に、福岡の町は変わり始めました。と言ってもその後すぐに、私は、福岡を離れました。東京から戻る、香港から戻る、そのたびそのたび、町は変わって行きます。それでも、街の真ん中に、昔のまんまの商店街が残っています。
入り口を入ると、向こうの道に抜けられます。中はこんなに細い通路です。
朝早くて、まだお店は開いていません。向こうの道の角の八百屋さん、おばあさんが野菜を並べていました。そして、手作りのぬか漬けが売られています。両側のビルに挟まれた、この商店街。ここを通ると必ず思い出すのが、
でも、ここは商店街。「小さいおうち」のように引っ越しできません。それでも、この商店街が生きているのは、毎日、ここで生活する人がいる事、この小さい通路を愛する人がいる事だと思います。こうした一角が残っている、私の生まれた福岡、じっとこの風景を見ていたい思いが残ります。
私のふるさとは人も通らぬ商店街しかありません。
「小さなお家」の舞台はいつの頃からか、
NY、シカゴだと勝手に決め付けていました。