チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

男の人のハンカチ

2015年01月13日 | 身の回りのもの

雨、12度、98%

 はい、朝からチクチクと励んでいる毎日です。チクチクと刺している間は、目数を落さないように集中していますが、意外に心ではあれやらこれやら考えています。今日みたいな雨の日には、麻布を通る糸の音と膝の上の方の寝息と遠くの部屋の古い時計の音だけが耳に心地よく感じます。でも、ちょっと物足りないなとDVDをかけました。ジョニーディップの古い映画、つまり、ジョニーディップの若い頃の映画です。もう何度も見ている映画ですが、画面に写るディップの顔に惚れ惚れ。やっぱり若い時からいい男だわ、若いから顎の線がきれい。などと手元の針は止まります。挙げ句に、あれ?どこを刺してたのかしら、とたった30分の間に、4回も糸を切りました。やっぱり、ジョニーディップを見るのはいけません。そこで、衛星放送のNHKワールドをかけます。このチャンネルは同じ番組を6時間ワンセットで繰り返して流しています。人によってはつまらない局だとおっしゃいますが、日本に疎くなっている私にとっては、繰り返し見ても飽きないものがあります。殆ど全て、英語で流れています。

 画面に写っているのはジョニーディップではないので、男の人でも女の人でもお構いなく手は進みます。ふと見ると、大写しの中年の男性が、ポケットからハンカチを取り出して、眼鏡をあげて目頭を押さえました。インタビュー番組のようです。感無量なことがあったのでしょう、50代初めに見える男性の手元のハンカチとその涙の拭い方が、すっと胸に落ちます。ほんの一瞬の映像ですが、ハンカチが印象的に頭に残りました。色といい、きちんと折りのついたハンカチです。まさか、泣くために用意していたものではないと思います。

 急に、私は立って主人のハンカチを入れているタンスへ向かいました。ただ今出張中なので、家に残っているハンカチの枚数は少なくなっています。もちろん洗って、アイロンをかけるのは私です。一年を通してハンカチは必ず持って出かけます。当然ハンカチはなくすものでもあります。ハンカチを買い足すのも私ですが、考えてみるとここ数年、あの小さなタオル地のハンカチぐらいしか買った覚えがありません。タオル地の小さいのは、自分は好きでないのですが、汗をかく夏場にと思って買います。それにアイロン要らずです。女の私でもあの小さなタオルのハンカチはちょっと思っているのに、主人には平気で持たせていました。男の人が、あの大きさのタオルをポケットから出すのは、見方によっては様になりません。お若い男性ならまだしも、50もとうに半ばを過ぎた主人です。

 香港、やっとハンカチが売られるようになりました。でも、あまりいいと思うハンカチはありません。地元の方にお返しなどにハンカチをあげても使っているのを見たことがありません。日本のデパートのハンカチ売り場は、独特なものだと思います。日本らしく、ブランドの名前の入ったハンカチが一年に2回、シーズンに合わせて並ぶのですから。つまり、私は日本に帰った時にハンカチを調達してきます。あのテレビの映像以来、気になっているのが、出張先での主人のハンカチです。新調していないので、どのハンカチも、腰がなくヨレヨレ。アイロンをかけても、あのテレビの男性が出していたハンカチのようではありません。腰がなくなったハンカチは、それなりに風合いがありますが、男の人が人前で出すハンカチは、ぴしっと角がたっていなくてはと思います。なんだか、主人にすまなく思います。

 次に日本に帰ったら、まずは男物のハンカチの調達です。


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