曇、15度、78%
毎朝走り始めて、そろそろ18年になります。2週間先に行われる香港マラソンが始まる前の話です。シューズは手に入れたものの、ウェアになるとらしきものはありますが、アディタス、ナイキの専門店もない頃です。外見から入るタイプではありません。まあ、コットンの汗を吸ってくれる素材のもので走り始めました。幾分にも、高温多湿の香港です。コットン素材のものは一夏着ると、いくら漂白しても黄ばみます。しかもタンクトップはおよそ10か月程も着ますから、消耗品でした。このスポーツウェアの世界の素材の進歩には驚きます。いかに軽く、いかに汗を感じさせず、しかも通気性と保温を兼ね備える、いやはや、びっくりの連続です。
dry-fitなどと呼ばれるものが出てきました。体に馴染むけど汗でべっとりと張り付かない素材です。新しい物にすぐに飛びつく私ではありません。ウェアが目的で走っているわけではないのですが、走る時間帯が超早朝、一つだけ気に掛けてウェアを選びます。出来るだけ白、反射板のついたものに限ります。これだけ黒好きの私が、走るときのウェアではパンツ以外に黒を持ちません。このdry-fitを買ったときの驚き、コットン素材と違ってすぐに乾きます。体にまとわりつきません。着るものでこんなに感激したのは、初めてカシミア100%に手を通して以来のことでした。
そしてありがたいことに、いくら汗をかいても漂白すると真っ白になります。つまり、ケチな私は、今着ているタンクトップ型のウェアはdry-fit2代目です。3枚を回して着ていますが、まだ次の夏も着ることが出来る程しゃんとしています。ここ香港でも、10度を切ると7分丈のパンツにウィンドブレイカーを着て走りに出かけます。このウィンドブレーカー、白ですが20年近く着ています。滅多に着ないので、まだ真っ白ですが、当時のサイズなので大きめです。昨年辺から、買い替えたいなと思っていました。
この私、12月の半ばから殆ど家からでていません。チクチク。チクチク。必要最小限度の外出しかしません。チクチク。要するに食料品だけです。チクチク。細い日本のごぼうが食べたくなりました。一番近くで売っているのは、セントラルのトラム通りにある地元のスーパーです。毎日行く市場から歩いて5分程。トラム通りを渡ると、スーパーのビルの角にナイキの店ができてます。ナイキの路面店がセントラルから消えて随分経ちます。ナイキのような店ですら、単価が安いのでセントラルでは家賃が払えないのです。ごぼうを買うつもりの私は、そのままナイキの店へと吸い込まれました。見るとこれまた新しい素材のものが出揃っています。そうだ、防寒用のものを一つ買おうと思います。走るのには袖のないベスト型が一番です。お店のポスターにもピンクのベストを着た女性が写っています。あれにしよう!ピンクのベストのxsをください。とお姉さんに言いました。お姉さん、調べもせずに売り切れです。とお返事。色違いはありますかと言うと、出してきてくれたのはブルーグリーンです。それも手渡す時に、xsはありません。とおっしゃいます。香港マラソン前のこの時期は、この手のものがよく売れる時期でもあります。迷いましたが、このブル−グリーンを買い求めて家に戻りました。私が初めて着るブルーグリーンです。家に帰って、今一度着心地を確かめます。
一部にグースダウンが使われているだけに確かに暖かです。ウェストはすぼまって、ナイロンの生地が腰をカバーしています。後ろ腰の部分には大きめのポケット付き。襟は少し立ち上がって、柔らかい素材が使われています。ウキウキとお家で着ていると、グーグー寝ていたモモさんが、顔を上げて私を見ました。その目は大きく見開いています。次の瞬間、飛び起きたモモさん、私に向かって吠えまくります。どうしたの?こんな珍しい色の服を着ているので、きっと私とは思わなかったのでしょう。
モモさんには驚きの色でしたが、この色なら早朝の道でも目立ちます。早く寒くならないかなあ。
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