曇り、20度、77%
もう20年ほど前になりますが、キャセイパシフィック航空の日本人初めてのスチュワーデスだったという方と親しくさせてもらっていました。まだ現役で飛んでいるスチュワーデスの方に頼んで、タイからランの切り花を買って来てもらっていました。時々お裾分けにあずかる私に、ランの切り花は香港にはタイから入ってくるのよと、教えてくださいました。不思議なもので、最初にそう覚えてしまうと疑いもなく、香港のランの切り花は全てタイからの輸入物だと思い続けていました。
とにかく明るい色の花が欲しいと思って、花市に向かいました。モモさんの足の調子が悪くなって、寝不足、寝違い気味の朝です。花市に足を踏み入れると、まあ、本物偽物のモミの木が荷下ろしされています。小さなコニファーなども2週間前に来た時にはありませんでした。クリスマスに向けて、一直線の花市です。
クリスマス、ニューイヤー、旧正月にヴァレンタイン、これから花市は一年で一番の書入れ時を迎えます。花の値段もぐっと上がり、世界中から入ってくる花の種類も一気に増えます。花市に限らず、香港中、一番街が華やかになるシーズンです。大して買い物もない私ですら、胸がワクワクするほどです。
明かるい花と思いながら、花市を一巡します。夜来香のいい香りがしてきますが、花は地味そのもの、珍しく、オンシジュームが入荷されています。雀蘭とも言われる黄色い小さなランです。洋名は、ダンシングレディと聞いたことがあります。明かるい黄色といい、軽やかな花の感じに、今日はこれっと決めました。大きなバケツに、12本一束のオンシジュウムが10束ほどあります。2束は、 花の中心にチョコレート色の斑が入っています。後は、ただ黄色いだけのオンシジュームです。この斑の入った方が、なぜかインパクトがあって好きなので、つぼみの多い一束を取り上げて、おじさんに渡しました。くるくると新聞に巻いてくれるおじさんに、タイからの花なの?と尋ねると、シンガポールからだといいます。真っ黄色のオンシジュームは、タイからのものでシンガポールのより安いよ、とも。値段を聞くとシンガポールのものが300円ほど高めです。他の花とのアレンジならまっ黄色でもいいのですが、一種活けですから。斑入りを求めました。
自生のオンシジュームは木に寄生しているそうです。シンガポールのランの植物園には2度ほど行きました。日本の皇室の方達の名前がついたランを初めて見たのも、そのシンガポールの植物園です。自生させているもの、温室で育てているもの、見事なラン園で、急に久しぶりに行ってみたくなりました。一年中、高い気温と、時折降る雨、ランの栽培にはタイやシンガポールは格好の土地なのかもしれません。
鉢植えの蘭は一年中売られています。これからの季節、信じられないくらい高い鉢植えのランが出てきます。はい、もちろん日本からの輸入のランです。胡蝶蘭、シンビジュウム。とても手が出ませんが、日本のものが高値で売られていると、なぜか誇らしく思います。
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