チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

FANNIE FLAG 「The Whole Town's Talking」

2017年06月26日 04時00分40秒 | 

曇、23度、91%

 アメリカ南部出身の作家ファニーフラッグ、日本では映画化された「フライドグリーントマト」が翻訳されているだけでご存知の方も少ないかと思います。私がファニーフラッグを知ったのもこの映画がきっかけです。ですから、かれこれ20数年前に遡ります。以来、ファニーフラッグの新作は読み続けて来ました。

 「ザ ホールタウンズトーキング」昨年11月に出たファニーの新作です。アメリカ南部のスウェーデン人が開拓した村から話は始まります。アメリカ南部といえば「風と共に去りぬ」「カラーパープル」などでしか知る機会がありませんでした。アメリカの南部というのは北とも東とも西とも違うのだと、ファニーは教えてくれます。

 長年読み続けている作家は幾人かいるのですが、私も歳を重ねてくると、「この作家の作品はもういいわ。」と思うようになることがありました。そうした作家の本は香港からの引越しの荷物には入れませんでした。なぜファニーの本を読み続けているのか、おそらく楽しいからです。とても身近なお話です。小さな村でそこに住む人のその時の話題であったり、どう生きてどう死んでいくのかを普通に書くのがファニーのお話です。難しいことではない、普通の人たちの日常です。「日常の向こうに天国への階段があるだけよ。」と彼女の生まれ育ったアメリカ南部を舞台に語りかけてくれます。

 この本を香港の家で受け取ったのは昨年の12月の初めでした。読み終えるのに半年近くもかかりました。大きな引越しをしました。その上、モモさんのことがありました。いつもテーブルの上に出ていた本ですが、開くこともない日が続きました。朝から梅雨空のきのう、いつものようにベットにひっ転がって読み進めました。

 やっと私の日常が戻って来たように思います。ひっ転がって本を読んでいると、必ず私の腕で寝ていたモモさんがいなくなっただけです。「いなくなっただけ」ではなくモモさんの不在は大きいと本を読みながら思います。

コメント
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