実は・・・

岩国橋上駅の完成を見に行きたいというのが実は予定だった。　しかし土曜日の夕暮れになって、「式典は今日だったんだって・・・」と娘たち。　「えっ！！」

１９４８年にできた岩国駅で、様々な思い出があった。　高校通学も大学通学もこの駅から出発。　あの凸凹だった通路の床も思い出す。　どんな日もあの古びた駅から出発、そして帰宅・・・。　広島に通っていた時分には、冬には母にお土産だと言って二重焼きを買って帰宅したものだ。　カバンから良いにおいがするのかなあ・・・なんだか人が見てくるようにも思えたり・・・。　早く食べてほしくて急いで帰った。

広島からの電車が岩国までは本数があるが、岩国駅から先の本数が激減。　娘たちが広島に通うさいには大変だった。　帰宅時はつなぎがなくて、岩国駅で２０分から３０分待ち。　暗い季節には心配したものだ。　二人合わせて９年間。　南岩国駅に送迎もしたものだ。　暗くて寒い岩国駅のホームで待つ時間は長～い。　「ホームにおうどん屋さんがあって、その匂いがたまらなかったよ」と言う。　お腹は空くし寒いし・・・今となっては良い思い出。

まあでもすごいものだなあと思う。　戦後３年であの駅舎を建てたということだ。　駅前周辺一帯は焼け野原だったと聞く。　復興の速さ・・・そのエネルギー・・・。

皆ががむしゃらに働いた結果なのだろう。　その跡が古い駅舎には刻まれていたんだろうかと思う。

その駅舎のあとに新しくできた。　同じようにこののち何十年という歳月、岩国の玄関口として岩国市民を見守っていくのかと思うと、開通の日には見たかったというのが正直なところ。　その時にはもう私は過去の人・・・だろうな。

家族によると、「マニアックな人がいるから、きっと早朝から並んだんじゃない？」

「そうか知らねえ・・・」と呑気に構えているから日時も思い違いをし、「まあ

駅は逃げないから・・・そのうちに」となった。

 

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