くろうさぎ

ソーイングにパン作り、日常のことや 大人になって始めたピアノのこと♪ そして、小説もちょこっと書いてます・・・。

10月の話・・・「ハロウィンパーティー」

2009-10-31 09:32:55 | 小説
早いもので10月も今日で終わりだ。
今年がもう2ヶ月しかないなんて信じられないけど・・・。

月末が土曜日って何だかのんびりできていいよな・・・なんて思っていたのに、
あいつからの誘いで出かけることになっていて、のんびり朝寝坊もできやしない。
仕方なくいつもと同じ時間に起きて、コーヒー飲みながら新聞でも眺めていた。

「天気は良さそうだな。」
そんなことをつぶやいて窓の外をみる。
秋晴れって空が高くて、気持ちがいい。

ピンポ~ン・・・。

何時でもいいとは言ったけど、もう来たのかよ?張り切ってるな・・・。
ドアスコープを覗くと、ご丁寧にも魔女の恰好をしてるらしいあいつが立っていた。
朝からテンション高いなぁ・・・。俺は、素直に感心した。
車じゃないから、ドアの前でかぶったのであろう状況を想像するだけで笑ってしまうけど・・・。

「あいにくお菓子は持ち合わせてませんけど、いたずらはしないでね!」
ドアを開けながら、俺はこらえきれずに吹き出した。
「何だ!知ってたの?つまんないなぁ。」
俺だって今日が何の日かくらいは知っている。
「お菓子がないことくらいわかってたから、クッキー持参で来たわよ。」
「それ、作ったの?」
「当然っ!!」
誇らしげに俺に見せびらかすだけあって、かわいらしくラッピングまでしてある。
「かぼちゃのプリンも作ったのよ。」
「へぇ・・・。すごいじゃん!」

先月、数日間一緒にいて、料理の腕もいつの間にか上がっていたのは驚いたけど、
ここんとこお菓子にまで領域を広げているらしい。
こういうところは健気なんだよなぁ、こいつ・・・。

「帰ったら食べようね。ほら、さっさと支度して!!せっかくのお天気なんだから。」
勝手知ったる冷蔵庫にプリンをしまったかと思うと俺をせきたてる。

やれやれ・・・。これじゃあ、尻に敷かれるのは確実かも。
先が思いやられるなと思いながらも、自然ににやけてしまうのは何故なんだろう?
世話を焼かれるのも悪くないっていうか、だんだんこいつのペースに乗せられっぱ
なしな俺・・・。

しっかりしろ!!今なら、まだ間に合う・・・んじゃないか・・・?






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