くろうさぎ

ソーイングにパン作り、日常のことや 大人になって始めたピアノのこと♪ そして、小説もちょこっと書いてます・・・。

新しいチャレンジ…♬

2018-04-27 23:52:39 | 童話
今月からフェリシモで新しく始まった
「わくわく絵本塾」に
チャレンジすることにしました。




絵本作りは少しずつですが
本を読んで勉強もしていますが
こういう機会の方が試行錯誤しながら
作っていけそうなので…。


毎月、どんな風に作っていけるのか
とても楽しみです。

自分に負けずに…。

2014-05-30 13:23:54 | 童話
久しぶりに童話を書きました。

そして、ウン十年ぶりに投稿しました。



自分に負けずに仕上げられて良かった。
出来はさておき、もの凄い充実感です。

何度も諦めかけたけど、やり切らなければ
いつまでも同じだと思って
少しだけ頑張ってみました。


タイトルだけはすぐに浮かんだのに
それから先が進まなかった~!

私は書く時はいつも頭に浮かんできた
情景を文にしていくのですが
シーンが浮かんだのは、ほんの2日前でした。

それから、バタバタと書き上げ
昼休みに残りの清書を仕上げ
さっき投函してきました。

原稿のコピーをコンビニでとったのに
郵便局の帰りに見ると、ないっ!

間抜けにコンビニに忘れていたという…。
急いで戻ったら、残っていて良かったです。

まぁ、そんな原稿なんて
誰も興味ないでしょうし…。

とりあえず、自分に課してた課題を
ひとつクリアできて良かったです。

今日はゆっくり眠れそう~♪

たんぽぽの小道

2011-05-19 23:50:34 | 童話
ずっと以前にワープロで書いてた童話です。

感熱紙にプリントアウトしてたので、原稿が劣化してきたために

記録に残そうと思って書き写してみました。



よろしければ、おつきあい下さい・・・。




たんぽぽの小道


原っぱの片すみに、一輪のたんぽぽが咲いていました。

雑草の中に、ひっそりと咲いているその姿は

とてもちっぽけな存在でしたが

たんぽぽは、誰にも負けない大きな夢を持っていました。


それは、一目でいいから『海』を見たいということでした。


だいぶ前のことです。

たんぽぽは、自分のそばで羽を休めていた

ツバメたちの話を耳にしました。


「海って、本当に広いね。海の上を飛んでいると

とっても気持ちがいいと思わないかい?」

「そうだね。それに、僕、どこかで聞いたことがあるんだけど

海はこの世の中の全ての生命の源なんだって・・・。」


(すべての生命の源・・・?

そんなものがこの世の中にあったなんて・・・。

なんて素晴らしいことかしら・・・!

あぁ・・・私も『海』というものを見てみたいものだわ・・・。)


たんぽぽは、あまりの感動に花びらが震えるのを感じました。


それからずっと、たんぽぽは、『海』を見たいと思いながら

どうすることもできずに時を過ごしていました。

なぜなら、たんぽぽは、動くこともできなければ

『海』がどこにあるのかも知らなかったからです。


やがて、たんぽぽは、自分の姿が変わっていることに気がつきました。

花びらはなくなり、代わりにたくさんの種が綿帽子のように

たんぽぽのからだを覆っています。


でも、その種がすべて風に飛ばされた時

自分は枯れてしまうのだということを

たんぽぽは知っていました。


(もう、あまり時間がないわ・・・。)


そう思ったたんぽぽは、考えた末に

命がけで夢をかなえようと決心しました。


それは、次に自分のそばを通りかかったものに頼んで

『海』まで連れて行ってもらうということでした。


やって来たのは、一匹の犬です。


たんぽぽは、勇気を出して犬に話しかけました。


「お願いです!私を『海』まで連れて行って下さい。

この目で『海』が見たいのです。」


犬は、初めは声の主がわからずに、きょろきょろしていましたが

ようやく、足元のたんぽぽに気がつきました。


「君を『海』へ?でも、どうすればいいの?」

犬は、不思議そうに尋ねました。


「簡単なことです。私を地面から引き抜いて

連れて行って下さい。」

「そんなことをしたら、君は枯れてしまうじゃないか!」

「それでも、いいんです・・・。」


枯れるとわかっていながら、それでも『海』が見たいという

たんぽぽの熱意に負けて、犬は傷つけないように注意しながら

そっと、たんぽぽを引き抜きました。


たんぽぽは、生まれて初めて地面から離れて

ぶるぶるっとからだを震わせました。

それは、これから訪れるであろう、死の恐怖からではなく

やっと、『海』が見られるという喜びのせいでした。


「じゃあ、行くよ。」

犬は、しっかりとたんぽぽを口にくわえると

『海』に向かって歩き出しましたが

歩くたびに、種は少しずつ、風に乗って飛んで行ってしまいます。


やがて、あたりは潮の香りに包まれて

波の音がだんだん近づいてきました。


「ほら、ごらん・・・。これが『海』だよ。」


犬は、立ち止まると、たんぽぽにそう言いました。


「これが、『海』なの・・・?

なんて、素晴らしいのかしら・・・!

死ぬ前に一目見れて良かった・・・。」


あまりの感動に、たんぽぽはからだをガクガクと震わせたので

残っていた種は、すっかり飛んで行ってしまいました。


「あぁ、これで私の命もおしまいね。

犬さん、『海』に連れて来てくれてありがとう・・・。」


そう言い終わると、たんぽぽは、ぐったりとしおれて

それっきり動かなくなってしまいました。


「たんぽぽさん・・・!」


犬は悲しそうに鼻を鳴らすと、波打ち際まで歩いて行って

そっと、たんぽぽを海の中へ流してあげました。


波は、まるでたんぽぽを包みこむかのように優しく寄せては返し

やがて、たんぽぽの姿は波間に消えていきました。


それから、随分と月日は流れ

また、たんぽぽの季節がやって来ました。


犬は、あのたんぽぽのことを思い出して

原っぱへとやって来ました。


すると、どうでしょう!


まるで、道しるべのように、そこから海へと

一直線にたんぽぽが咲いているではありませんか。


「たんぽぽさん・・・これはきっと、君の子どもたちなんだね。」


犬は、そうつぶやくと、たんぽぽの小道をたどりながら

海岸へと歩いて行きました。


そして、ゆっくりと座りこむと

波の音を聞きながら、いつまでもいつまでも

あのたんぽぽのことを考えていました。






最後までおつきあい下さり、ありがとうございました♪