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自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

The Lightning Box by Bob Kohler

2023-05-14 13:00:00 | カップ&ボール以外

 カード・イン・ボックスを続けます。今回はBob Kohler氏の「Lightning Box」です。前回紹介したミステリーボックスが出てから10年以上経った2010年のリリースのようです。試作を重ね,具体的に形にし始めてから4年以上かかったと商品説明に書いてありますので、Bob Kohler氏の思いが込められた力作だと思います。個人的にはとても面白い作品だと思いました。しかしながら「Mystery Box」ほどのヒット作とはなりませんでした。その後、透明ボックスが出てきて主流がそちらになった感じがします。

PVを示します。


 私はI-Magicさんで購入しました。I-Magicさんとしても割とオススメで、確か取り寄せだったように記憶しています。補助原稿もつけて頂きました。今はもう恐らく生産中止で、商品ページを見つけることはできませんでした。Penguin Magicでは、まだ商品ページが残っていたので示します。

The Lightning Box (Props and DVD) by Bob Kohler - DVD

HISTORYGerman magician Bruno Hennig invented the "Signed Card To Box". This powerhouse effect has seen countless improvements and modifications over th...

Penguin Magic

 

 Bob Kohler氏がいろいろメリットを説明していますがどうでしょうか?私が思うこの商品のメリットは、①サインカードを出した後、蓋を開けた状態のまま置いておくことが可能。②少し工夫が必要ですが、最初にカードが入っていないということが示せる。③箱に入っているカードは立体的で本物のカードである。だと思います。①と②は「Mystery Box」でも示せるので、その条件のもとで③であるというところ強みですね。

 メリットを追求した作品だとは思いますが、やはり皆が使いたくなる「完璧なボックス」にはならなかったように思えます。デメリットもあります(あくまで私が思う点です)。①値段が高い。189ドル、今の日本円だと25000円くらいします。Bob Kohler氏は「The Lightning Box looks like a high quality jewelry box」と書いていますが、確かにしっかりしたかつ、良い出来だと思いますが、やはりABSプラスチックなので高級感がでてるか?と言われると、木製や金属製の方が高級感が出る気がします。②マジック専用の入れ物に見える。木製の指輪ボックスや木の小さな箱ならどこにでもありそうですが、このサイズのこの形のこの素材の入れ物はやはり、マジック専用の入れ物?何か仕掛けがある?と思ってしまうかもしれません。③少し大きい。ミステリーボックスやトミーワンダーのボックスに比べて少し大きいです。ポケットに入れて持ち運ぶことはできますがちょっと膨らみそうですね。

 これらのデメリットはどれも決定的にダメというものではありません。しかし、ボディーブローのように全体評価には効いて、ミステリーボックスは③が気になるけど、小さくて見た目がいいから自分はこっちがいい!という人も出てくると思います。

 一方、「Mystery Box」の最新バージョンを私が持っていないので改善されているかもしれませんが少なくとも私が持っているバージョンの「Mystery Box」のギミックに少し違和感を感じる人も多いと思いますし、「Mystery Box」の手順の中でのカードセットが少しイヤだなと思う人もいると思います。そのような人で例えば上記のデメリットが気にならない方には「Lightning Box」は良い作品だと思います。また、この商品には1時間を超える(ほぼ1時間ですが(;^ω^))解説DVDがついてくる点もよいと思います。歴史、ボックスの仕組み、マーキュリーホールド、コツ、ルティーンなど、かなりしっかりした解説だと思います。

 この「Lightning Box」は少し大きいので予めダイスなどを入れておくことが出来ます。カードだけ出現させてそれを取り出してもいいのですが、以下のような、ダイスを使ったボックスの手順が解説されています。まず、ダイスしか入っていないボックスを見せます。ダイスを取り出し、何か簡単なマジックをします(別にマジックをしなくてもよいですが、ダイスを取り出す「理由」が必要です)。ダイスをボックスに戻し、テーブルにおいておき、カードマジックを始めます。観客のカードが消えて、ボックスを開けるとダイスの下に折りたたまれたカードがあります。ダイスと共にそれを取り出してみると観客のサインしたカードなのです。この手順では、まず、箱を開けたとき、「ダイスの下」にカードがあることが不思議度合いを上げています(多分(;^ω^))。続いて、ダイスと共にカードを取り出しますが、ダイスが箱から出てきますので、カードの出現に非常に説得力がでます(多分(;^ω^))。

 このカードケースにものを入れておいて一緒に出すというアイディアはジェイミー・イアン・スイス氏考案のようで、「ジェイミー・イアン・スイスのクロースアップ・マジック」という訳本にこのムーブの歴史なども出て面白いです。この本には氏のカード・イン・ボックスの手順も書かれていますし、以前書いたカード・イン・ボックス自体の歴史も書かれていますので興味のある方は是非ご覧ください。ソリッドカップの歴史などもあり、すべて読んだわけではありませんが好きな1冊です。

 話がそれましたが、今回は、なかなか面白い解決策でカード・イン・ボックスの欠点に挑んだBob Kohler氏の「The Lightning Box」を紹介しました。











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