マドンナのナイショ話

あなたに話したいあれこれ

紀州の郷土料理・なれずし

2006年06月11日 | グルメ&美味しいもの
      「あがら なれずし党」

紀州にはなれずし党がいて、なれずしがあれば酒を飲み
「わしとこのなれずし」の味自慢で果てしなく話がはずみ
「なれずしにはおかい(茶がゆ)がええ」と言ってまた食べる。

日本の古い時代のすしはすべてこのなれずしであった。
そんな歴史のあるすしを生活の中に残していることを
紀州人は誇りにしている。

この伝統と先祖から受け継いだ味感覚でうまい「なれずし」を作る。
すし飯の味は現代風に酢を使い、うまいサバを抱き合わせ
アセ(暖竹)で包み、重石をして樽に漬け込む。
アセの葉の匂いとサバがかもし出す味なすし。

今ではすっかり紀州の名物すしである。

随筆家、梅田恵似子氏は紀州に根強く残る「なれずし」のことを
このように語っています。

この「なれずし」のことは以前ブログでも書いたことがありますが
いよいよなれずしの季節がやってきました。

紀州を代表する郷土料理が「なれずし」です。
気温の上昇と共に
乳酸菌の作用で発酵し美味しくなるのが「なれずし」
鵜飼が始まる今頃の季節から秋祭りの頃までが
「なれずし」の最も美味しい季節と言われます。

Narezushi060611

昨日母のところに行ったら、私の訪問を知っていたので
兄嫁が「なれずし」を届けてくれました。
今年、お初の「なれずし」です。
私にとっては何よりのご馳走です。

故郷の有田でいた歳月より、大阪で暮らす歳月の方がずっと長いのに
未だに有田にはかなりの執着心があり、折りに触れては思い出します。

みかんの花咲く頃、有田川の鵜飼、紀州みかんが色づく秋
そして食いしん坊の私にとって、無性に食べたくなるのが「なれずし」です。
これはほとんど発作的に食べたくなると言っても嘘ではありません。

さてさて・・・
今年お初のなれずしの味は・・・・。
これは和歌山県・御坊市の「八つ房」が販売するなれずしで
私が食べたのは「本なれ」です。

なれずしには「早なれずし」と「本なれずし」があります。
早なれずしはすし飯を使って、一晩寝かせたもので癖が少なく
本なれずしは10日ほど発酵させたもので
味通の者にとってはこれこそ究極のなれずしの味です。

独特の癖のある味を他府県の人が初めて食べたらなんと言うでしょう。
なれずしは別名「くされずし」とも言われ、塩だけで発酵させているので
強烈な匂いです。
きっと一口食べただけで降参するかもしれません。

1本1200円なので、購入もお手軽です。
大阪のデパートにはこのなれずしは販売していません。
「八つ房」さんは宅配便もしているようです。
ほとんど発作的に食べたくなったら、ためらわずに注文しよう。
楽しみが出来ました。

今日のなれずしはとても美味しかったです。
この味をわかる人と酒を飲み、それぞれの郷土自慢をしたいものです。

「うちは大阪も和歌山もどっちも好っきやねん」



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