マドンナのナイショ話

あなたに話したいあれこれ

宝塚歌劇 堕天使の涙

2006年10月07日 | 観劇・ライブ
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宝塚歌劇・雪組の「堕天使の涙」を観てきました。
この物語は神から天上界を追放され
地獄におとされた堕天使(ルシファー)が
人間の姿をして地上に現れるという
ファンタジー・ミュージカルです。

デカダンスと背徳の香りに満ち
人間の夢と欲望が交差する20世紀初めのパリを舞台に
魅惑的な踊り子となった堕天使が人々を誘惑し
神への復讐を果たそうとする姿を描いたものでした。

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堕天使は醜さと欲望に満ちた人間の世界をあざ笑います。
舞台のワンシーンで堕天使は
「人間を知りたい。神はなぜ人間を創ったのか」と
問うくだりがあります。
「人間とは神に背き、悪の誘惑に逆らえない弱気生き物だ」と
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けれど人間の世界で多くの人たちと関わることで
堕天使は人間の苦しみ、悲しみ、優しさを知ります。
これが神の愛した人間の姿なのかと。

人間の真の姿、神が人間を愛した理由を知った堕天使は
神の心を受け入れ
人間への愛しさを感じながら天上界へと帰っていきます。

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作品を手がけた植田景子氏は
宝塚こそファンタジーだと語ります。
全く勝手な特論ですが、女性が演じる男役という
リアルな性を持たない宝塚は日常を離れた非現実なるものを
表現するのに最も適しているのではないか。

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女ながらに男として育てられた女性やら
皇后に恋する死神やら、現実には絶対に有り得ない設定が
妙にリアリティを持つのが宝塚だと。

私がファントム(オペラ座の怪人)を観た時もそうでした。
劇団四季のミュージカルで、また映画で観た時よりも
先日、宝塚で観たファントムの方が物語に入れましたし
怪人の切なさに涙をそそりました。

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二部のレビューは「タランテラ」
これは毒蜘蛛の名前であり、その蜘蛛にかまれた時
解毒のために人々が踊ったとされる音楽や舞踊の名前だそうです。
グロテスクな題材を唯美的に捉えると、とてもシュールで面白い。
蛇や蜘蛛といった奇怪な生き物はその代表でしょう。
生命の力強さと矜持に満ちた美しさ、そして孤独と儚さ
それゆえの気高さを宝塚は最高の演出で表現していました。

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今回の公演、「堕天使の涙」「タランテラ」の出演は
朝海ひかるさんや舞風りらさんの主演と共に
雪組85名と、専科から、高ひづるさん、矢代鴻さん
萬あきらさん、五峰亜季さんらによるものでした。

そしてこの公演は雪組主演コンビとして
長らく活躍してきた朝海ひかるさんと舞風りらさんの
サヨナラ公演となります。

きっとこの二人は千秋楽まで、これまでの集大成となるべく
素晴らしい舞台を見せてくれることと思います。


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