ちょこっと❤ 楽しい 音楽授業

小学校 音楽授業の、楽しい工夫をご紹介。
遊びのように夢中になり、何度でも繰り返す学習活動。

オーケストラを知ろう! 指揮者♪

2014-06-28 10:23:29 | 日記
先生「今日は、まず、このVTRを見よう。」
児童 小澤征爾さんとビートたけしさんが出演するテレビ番組を見る。(かなり昔の放送・・・)
   指揮者の棒振り一つで、演奏が変わることを知る。

先生「オーケストラの中で、唯一、楽器を持たない音楽家がいます。楽器を演奏しない、音を全く出さない音楽家。」
児童「指揮者!!」
先生「そう、指揮者。今、見たVTRでも分かるように、指揮者によって音楽が変わるね。指揮者はなんのためにいるのか、具体的にどんなことをしているのか、考えてみよう。」アンケート用紙を配る。
児童 自分の考えを紙に書く。


☆児童の意見を集約し、印刷する。


先生「みんなの意見をまとめました。
   大きく分けると、1合図をする 2合わせる 3曲の感じを教える 4オーケストラをまとめる の四つがありました。
   詳しく、見てみよう。」
児童 友達の意見を一つ一つ、順番に読み上げる。
先生「なるほど~という意見がたくさん出ましたね。すばらしい!

   ひとつ、言葉を覚えたほうがいいと思うところがありました。『リズムを合わせる』とたくさんの人が書いていました。指揮者は、こうやって(リズムを指揮棒で細かく振る動作をする。)指揮していた?」
児童「おかしい・・・」「してない」
先生「では、リズムを合わせるために、何を振ってるの?」
児童「うーん、いちにさんしって・・」「何拍子かって・・・」
先生「そう、『拍』を振るんだね。(拍の漢字を黒板に書く。)リズムを合わせるために、『拍』を指揮棒で振ってるんだね。

   これを見てください。」今、みんなで練習している合奏のスコアを拡大したものを広げる。
  「今、みんなが演奏している曲の全部の音が入った楽譜です。この全部の音を合わせるために、指揮では、四つの拍を振るんだね。ここに、書いてみるよ。」(色ペンで縦に、上から下へ四拍を書き込む。)
  「指揮者は、この四つの拍を振って、全体の音、リズムを合わせています。」

  「実はね、みんなの意見で出たこと以外に、指揮者はとても大変なことをしているんだよ。」
児童 ピラミッド型が印刷されたものを見る。

先生「オーケストラのみんなと一緒に演奏する前に、指揮者は、楽譜を読みこまなければならないの。どこでどんな音が鳴って、どんな演奏にするか考え、全部頭の中にいれます。
みんなが今度聞く、ジュピターの指揮者の楽譜(スコア)をコピーしたのを見てみよう。これ、全部、覚える、考える、イメージする。広げるよー!!」(巻物になったスコアを、児童の目の前に広げていく。とても長いので、児童全体を取り囲むようになる。


児童「わー!!」「長い!!」「何これ?こんなに音符がいっぱい。」「えーっ!!全部覚えられない、無理」



 指揮者の役割についての児童の意見が、広い範囲で出揃わなかったときには、ネットの「クラシック音楽情報」に載っていた「指揮者の役割」を児童の意見集約のとなりに印刷することもあります。


 この学習で、児童は指揮者が「ただ、何か手を振っている人、ちょっと楽そうな人」から、「音楽を作り上げる人、とても大変な仕事をする人」に認識が変わります。

オーケストラを知ろう! トランペット♪

2014-06-22 16:44:12 | 日記
先生「今日は、金管楽器のトランペットを持って来ました。」ケースから取り出す。
児童「おおぅ!」「すごい!」「ピカピカだ!」
先生「吹いてみるね。」リコーダーと同じように息を吹き込む。
トランペット「スーーーーーー。」

児童「あれー?」「ん~?」
先生「リコーダーみたいに吹くだけじゃ、音は出ないんだ。どうすればいいと思う?」
児童「そこに付いてる指を動かすところを押す。」「管を伸ばしたりする。」唇を指さす児童がいる。
先生「そうそう、実は唇を震わせないと音にならないんだよ。」
児童「??」
先生「やってみるね。」唇をブルブル、震わせる。
児童「??」


先生「こうやって、唇を震わせて、マウスピースを当てます。」音がブーになる。
児童「クククッ・・」「なんかおならの音みたい・・」
先生「マウスピースを楽器にドッキングすると・・・」パーン!トランペット本来の音になる。


先生「もう一回、やってみるよ。」ブルブル→ブー→パーンパーンパーンの変化を聞かせる。
児童「音の高さがが変わった!」
先生「よく聞いていたね。今、三つの高さが違う音を吹きました。唇の振動で音が変えられます。でも、それだけでは、ドレミファ・・・は作れません。
   では、どうやってドレミファ・・を作ると思う?」
児童「三つの指を押すところを動かす。」
先生「その通り!三つのピストン(ピストンを指さす)の押し方は、何通りあるかな?」
児童 考える。

 この後、「トランペット吹きの休日」をDVDで見て、三人のトランペット奏者の演奏を楽しみました。

 授業の最後は、トランペットを吹いてみたいと言っていた児童に声をかけて演奏させました。一回で音が出る児童、なかなか音が出ない児童、ロングトーンで音を出し、ピストンを押して音の高さを変える児童・・・どの児童も、いきいき!!うれしそうです。音が出る度、聞いている児童の歓声が上がりました。

 

オーケストラを知ろう! ヴァイオリン♪

2014-06-17 17:57:36 | 日記
先生「オーケストラの中で、一番人数の多い楽器は?」
児童「ヴァイオリン!」
先生「そうだね。曲の主な旋律を演奏することが多いね。(廊下に、巻物のように掲示したスコアが貼ってあり、ヴァイオリンが主な旋律を演奏しているところに、蛍光ペンで色づけしてある。)
   みんな、よく知っているヴァイオリン。音色や弾き方、楽器をよく見よう。」
児童 DVDで、ヴァイオリンの演奏「熊蜂の飛行」を見る。

先生「弓で弾く時と、指ではじく時があったね。
   ここに、ヴァイオリンの箱だけがあります。足りないものを教えてください。」

児童「糸。」「弦。」
先生「弦という言葉、よく知っていたね。この糸は弦と呼びます。」弦を出す。

  「さぁ、この弦、どうやってこの箱の上に張ったらいいかな?」
児童「渦巻のところに、止めるところがある。」「それだけじゃ、張れないよ。」「両方から引っ張らないと・・・」
先生「そうだね、この糸巻きとこのテールピースが必要だね。」二つを出して、一本、弦を張る。
児童「これで、音が鳴る。」

先生「音が出るかな?弾いてみるよ。」弓を持って弦をこする。
弦「グィゥィ~ン、ゴゴゴグゥィ~」
児童「あれ???」「えっ!どうして?」
先生「もうひとつ、大事なものがあるんだけど・・・」
児童「えー、なに?」「分からない・・」「あっ、もしかしたら、真中に何かあったかも・・・」
先生「そう!!真中に駒があるんだよ。これです。」駒、登場。
  「目立たないんだけど、とっても大事な役割をもっているんだよ。」

弦「ターーーーーー♪」
先生「ヴァイオリンの音になったね。
   弦が震えて、駒が震えて、この箱(共鳴胴)が震えて、中の空気が振るえて、良い音になるんだね。
   駒がないと、弦の震えが箱に伝わらないんだね。ということは、弦楽器は、弦も駒も箱も必要なんだ。」


 この後、一人ずつ、ヴァイオリンを弾きました。

 このヴァイオリンは、かなり昔に大特価で買いました。保管場所が悪かったらしく、共鳴胴が少し割れてしまいました。
壊れても、学習に何か使えないかと考え、この学習の流れを作りました。

 駒がないと、本当に情けない音しかしません。駒が弦の振動を共鳴胴に伝えること、共鳴胴が弦の振動を豊かな音色にしてくれることがよく分かると思います。

 

教育実習生と一緒に

2014-06-11 20:27:39 | 日記
先生「今日は、実習生の○○さんと一緒に授業します。
   ○○さんは、大学のオーケストラでコントラバスを弾いています。
   まず、コントラバスの音色を聞いてみましょう。」
児童 ○○さんの演奏を聞く。
先生「とても、低い音でしたね。この曲の名前は、動物の名前がついています。何だと思いますか?」
児童「カメ。」「カバ。」「ゾウ。」「サイ。」
先生「正解は、『ゾウ』です。当たった人がいましたね。
   次に、○○さんにコントラバスについて、教えていただきます。」

実習生 コントラバスの奏法(ボーイング、ピチカートなど)、音、仕組みの説明。ヴァイオリンと楽器の大きさ比べ。

先生「コントラバスのことが、いろいろ分かったところで、一曲聞いてください。」
児童 「エンタテナー」を聞く。ピアノ伴奏付き。

先生「すてきな音だったね。これを聞いて、コントラバスを弾きたくなった人がいるかな?」
児童 挙手。数人、指名。コントラバスを弾いてみる。
   聞く人、弾く人、楽器の大きさに、またまたビックリ!!実習生の補助で児童が楽器を弾く。

先生「さあ、今度はみんなで演奏するよ。『しっぱれー!』と『笛星人』の二曲。みんなは、リコーダーの準備をしよう。」
児童 実習生のコントラバス、先生のピアノの伴奏で、リコーダーを吹く。

先生「今日は、もう一人、フルートを演奏してくれる△△さんが来てくれています。今日は、特別に『カントリーロード』をフルート、コントラバス、ピアノで伴奏します。すてきな伴奏になってます。伴奏の音を聞きながら、歌ってください。」
児童「カントリーロード」を歌う。

先生「今日の最後は、みんなで『ミッキーマウスマーチ』を合奏します。担任の□□先生に小太鼓とシンバルを演奏していただきます。それから、○○さんのコントラバス、△△さんのフルート、先生のピアノ。豪華ですねー!!みんなは、鍵盤ハーモニカの準備をしよう。」
児童 豪華な伴奏にのって、鍵盤ハーモニカを演奏する。

 
 最後は、演奏してくださった先生と教育実習生に感謝の気持ちを伝えて終わります。

 毎年、6月は教育実習生が学校にやってきます。いろいろな特技をもった若者がいます。今回は、コントラバスとフルートでしたが、トランペットのときもありました。進んで自分から、授業の参加や指導を申し出てくれる人が多く活用しています。児童にとって、身近な人の特技やそれにまつわる話を見たり聞いたりするのは、とても心に残ります。

 今回は、クラスでの授業参加でしたが、音楽集会で全校に向けて発表したりもしました。また楽器の演奏の得意・不得意によって、音楽集会の伴奏を手伝ってもらったり、歌に付けた踊りや手話の見本をしめしてもらったりしました。その場にいるみんなが楽しめる場を上手に設定できると、音楽の喜びが広がる気がします。

ラとシで吹けるリコーダー

2014-06-07 14:56:48 | 日記
先生「先生とジャンケンするよー。みんなは後だしで、必ず勝ってね。
   後だしジャンケン、ジャンケンポン、ポン!!」
児童 後だしで、ジャンケンに勝つ。
児童と先生、だんだん速くジャンケンする。すぐ反応するよう促す。

先生「次は、必ず負けて。今度は、左手でジャンケンしよう。
   後だしジャンケン、ジャンケンポン、ポン!!」
児童 後だしで、ジャンケンに負ける。

何回か繰り返し、チョキで負けるところで止める。
先生「みんな、今、左手でチョキを出しています。
   この二本の指と親指を、リコーダーで今日は使います。三本の指先を合わせて。」
児童 親指、人差し指、中指を指紋のあたりでくっつける。
先生「三本のくっついている指を中指だけ離して。」
児童 中指を動かす。
先生「その動きを超ー速くできる?」
児童 サッサッと動かす。
先生「いいねぇ、そうそう、二本は、くっついたまま。中指だけ動かす。
   このくらい速くできる?」先生、頑張って中指を速く動かす。
児童 先生のマネをする。

先生「わー、みんなの方が速い!
   この中指を使って、リコーダーのラの音を出します。」リコーダーでラの音を鳴らす。
   シーラーも鳴らす。
先生「リコーダーを出したら、シーラーを鳴らしてみよう。親指と人差し指はリコーダーにぴったり、くっつけて、中指だけを動かすよ。」
児童 楽器の準備ができた児童から、シーラーの練習をする。
先生「左手の人差し指、親指を使ってる?
   みんなで、一緒に繰り返しシーラーと吹こう。いくよー!」
児童 シーラーを繰り返す。
先生「中指の動き方がいい。音が割れないで、きれいなラが出てるよ。
   では、次に、ラの音から始まる♪ラーラシラララー(ゆうやけこやけ)を吹こう。
   先生の音を聞いてから、練習しよう。」ラーラシラララーをリコーダーで吹く。
児童 ラーラシラララーを練習する。
先生 最初のラができているか、児童ひとりひとりの指の動きを見て回る。
   『またあそぼ』の楽譜を配る。最初の12小節をピアノと歌に合わせて演奏する。


 前回、リコーダーのシの運指をマスターした児童。今日は、ラの運指を学習します。
大人が考えると、一本指を増やせばすぐにラの音が出ると考え、難なく動かすことができます。しかし、児童の中には、中指を加えるのではなく、人差し指と入れ替える児童がいます。

 この間違いを事前になくすため、親指と人差し指は動かさないことを遊びの中で習得させました。ジャンケンはなくてもいいのですが、これがまた楽しい❤ 後だしジャンケンで勝つまではいいのですが、左手で負けるとなると頭も手も大混乱。授業の最初に脳のトレーニングです。

 シとラで吹ける『またあそぼ』は織田ゆり子作詞、上柴はじめ作曲です。シーラーの後、わらべうたのメロディーが出てきます。しっとりときれいな伴奏が付いています。

 この後、『さくら笛』『おやすみ』北村俊彦作曲、『夕焼け超特急』金子健治作曲に挑戦です。