ちょこっと❤ 楽しい 音楽授業

小学校 音楽授業の、楽しい工夫をご紹介。
遊びのように夢中になり、何度でも繰り返す学習活動。

冬景色  3枚の絵

2014-12-30 17:08:27 | 日記
先生「教科書○ページ、『冬景色』を見ながらCDを聞きます。」
児童 教科書の歌詞を見ながら、!・2・3番通して曲を聞く。

先生「曲を聞いて、冬のどんな様子が、頭に浮かんできましたか。」
児童「なんかよく分からない・・・」
先生「そうだね、普段使わない言葉がたくさん出てきたね。この詞を みんなが分かるように、どんな意味なのかを書いたプリントを配ります。もう一回、CDをかけるので、プリントを見ながら聞こう。」
児童 プリントを見ながら、もう一度、3番まで通して曲を聞く。





先生「書いてある意味を追いながら、聞くことができましたね。次に、この意味を読んでみよう。」
児童 先生の読むのに合わせて、一緒に読む。
先生 「霜」「水鳥」「麦踏み」「雲が低く垂れこめた」「夕闇」など必要に応じて詳しく説明する。
  「では、この歌詞のだいたいの様子が分かったところで、歌を覚えて歌ってみよう。
   プリントは机の上に置き、教科書を手に持って、歌えそうなところから小さな声で歌っていこう。」
児童 CDに合わせて、それぞれが、歌えるところを歌う。(ここまでに、3番×3回=9回同じ旋律を聞いている。多くの児童は、歌えるようになっている。)
先生「今度は、CDなし、伴奏なしで、メロディーをていねいに追いながら歌ってみよう。」
児童 先生の声、他の児童の声を聞きながら歌う。

先生「しっかり、歌えるようになっていますね。
   ここで、問題です! これから、先生がある言葉を出します。その言葉が、1番の冬の様子なのか、2番なのか、3番なのか当ててください。言葉を出した後に、『何番ですか?』と聞くので、指で何番か示してね。
  では、第一問!この言葉です。」

先生「何番ですか?」
児童 指を2本出す。
先生「正解は、2番です。」
児童「やったー!」「やっぱりね。」
先生「歌詞のどの言葉から、『ポカポカ』だということが分かる?」
児童「はい、『げに小春日の のどけしや』です。」
先生「そうだね、冬なんだけど、日差しが暖かくて、ポカポカなんだね。
   第二問!この言葉です。」


先生 上記のように進めていく。

 *他に以下のような言葉を問題に出す。














先生「みなさん!すばらしい!全問正解ですね。最初は、何を歌っているか分からなかったけれど、今はどんな様子を歌っているか、頭に浮かべることができるようになったね。
 今日の最後は、ピアノ伴奏に合わせて歌います。教科書を持って、ピアノの周りに来ましょう。」




 この授業では、擬態語(ものごとの状態やようすなどを感覚的にあらわしたことば)と擬音語(物の音や動物の鳴き声などをまねてつくったことば)をつかって、実際に経験していないことや知らないことを心の中に思い浮かべる活動をしました。
 児童の生活に、港はない、船はない、麦畑はない、野辺の里もない・・・さぁ、どうやってこの歌の世界を想像させたらいいのだろうと悩んだ末に考えたのが、この擬態語、擬音語クイズです。

 たとえば「ポカポカ」という様子を表した言葉が、歌詞のどの部分に出てくるのかと考えるとき、児童の頭の中には、「ポカポカ」の感じが浮かんでいます。その感じを言葉とドッキングさせて記憶すれば、ひとつの風景が出来ると思います。

 この歌は、景色の中にいる自分というより、1枚の絵画または写真の風景に向き合っている自分のような気がします。情景だけが描写され、その情景についての思いや感情は入っていません。

 なので、歌う時、1枚目の絵「冬の水辺の朝」静・寒、2枚目の絵「冬の畑の昼」暖・動、3枚目の絵「冬の里の夕方」荒・暗というような3枚の絵が頭に浮かぶといいのかなぁと・・・

 この歌の旋律の9小節目から12小節目が、すてきですね。(ここだけ他の旋律とリズムが違います)「たーだ」と一回下がってから、「みずとりの」と一音ずつ階段を上り、「こーえ」と高音で解放される感じが好きです。ここにメゾフォルテが付いていますね。

 そして、この高みでみせた動きが、最後の4小節でまた静かな旋律に戻るところが、グッときます。

 
 
   

5人グループでクルクル、ドンドン学習

2014-12-26 11:38:43 | 日記
先生「今日のリズムは、GReeeeNの『ハレルヤ!!!!』にのって。」
   黒板にリズムをはる。

先生「先生の合い図で、1回だけ、手拍子します。それまでは、音楽を聞いて、拍を感じてね。」
   音楽をかける。
児童 リズムを合い図の後、手拍子する。集中している。
先生「では、このリズムを2回。」
児童 合い図の後、2回繰り返す。
先生「お休みが多くても、ちゃんと手拍子出来ているね。もっと休みを増やすよ。」

児童「えっ!」
先生「まず、1回、決めてみよう!」
児童 リズム譜をよく見て手拍子する。
先生「すごい!!1回で完璧!!4回繰り返そう。」黒板の前で、指でカウントする。
児童 4回、手拍子する。
先生「いいね❤ 次のリズムは、休みがないリズムです。八分音符の連続に気をつけて。
   まず、心の中で、手拍子してみよう。」

児童 リズム譜を見ながら、首を振ったり、体を揺らしたりして、拍を感じながら、心の中でリズムを刻む。
先生「では、合い図の後、1回、手拍子。」
児童 手拍子する。
先生「ワオ、できた!八分音符のところ、パーフェクト! 最後に、4回、手拍子!」
児童 合い図の後、4回、手拍子する。

先生「ファイルから『にじいろ』のプリントを出そう。
児童 プリントを見ながら、『にじいろ』を歌う。
先生 途中の「ララ~」の部分で、手で音の動きを伝える。

先生「今日は、『走れ、シベリア鉄道』のAの部分を合奏します。この前、Cの部分を5人グループで、いろいろな楽器に挑戦した時と同じように、Aの部分もやってみます。
   まず、どんな音楽か聞いてください。」
  アコーディオンのパートを演奏する。
先生「みんな、気が付いた? このAの部分とCの部分の関係・・・」
児童「分かった!」「Aの4段のうち、2段がCと同じ。」
先生「そう、その通り。Cが出来た君たちは、すぐに、Aも出来ちゃうね。
   この前も言ったけど、アコーディオンは初めてだから、全部、弾けなくてもいいよ。
   ♪ラー・・・・・・・ラー・・・・・ファミレみたいに、5つの音だけでもいいから、挑戦してみよう。」
先生 他の楽器も同じように、演奏して聞かせる。

  黒板に、回り方を書く。(リコーダー→待つ→打楽器→鉄琴→木琴→アコーディオン1回目→アコーディオン2回目)

  事前に書いた5人グループの名前カードをトランプのようにきる。
  「はるよー!」楽器名の下に、5人グループの名前をはっていく。
 
*このクラスは、34人なので、5人×6グループと4人×1グループの合計7グループ。
 回る楽器の数も7つしてある。

 この後、7つのグループが7つの場所に行き、練習時間1分半、1回全体演奏の流れで、全部の楽器を経験する。

 「待つ」の時は、次の打楽器の分担を話し合って決めて待つ。(大太鼓1人、小太鼓1人、トライアングル3人の分担)

先生「席に戻ったら、リズムレッスンのプリントを出して、練習しよう。」
児童 楽器の片付けが終わった児童から、プリントを見ながら、練習する。

*リズムレッスンのプリントには、今日、授業のはじめに行った手拍子のリズムと前回行ったリズムが書いてある。

先生「では、さっきのグループで集まって練習してみんなで出来るようになったら、先生に聞かせに来てください。

先生 譜面台とごほうびシールを準備して、グループが来るのを待つ。
児童 次々に受けに行く。合格と言われたら、シールをはっていく。



 5人グループは、座席にできるだけ近いように組みますが、必ず、みんなのリードをすることが出来る児童を一人いれます。
 また、自分のペースで動く児童、自己中心な行動をとりがちな児童も、グループに一人になるよう、調整します。

 手間がかかりますが、このように調整して、名前を書いてグループを示した方が、児童がスムーズに動き、グループ活動が楽しい時間になります。

 最初のリズム応用のために、何枚も四分休符や八分音符のリズムカードを準備しておきます。
今回は、やりませんでしたが、下記のような応用もできます。

 単純で、退屈なリズムレッスンにならないよう、応用リズムを入れたり、音楽を変えたり、検定を入れたりしました。
 リズム学習では、クラス全体の手拍子がピッタリ合う心地よさ、グループのみんなと合わせる喜びの両方を味わってくれたらいいなぁと思っています。

走れ、シベリア鉄道 3

2014-12-06 22:02:18 | 日記
先生「『走れ、シベリア鉄道』のAとCをリコーダーで吹きます。準備、練習しよう。」
児童 リコーダーを準備できた人から、練習を始める。
先生 ピアノの前奏を弾き始める。
児童 練習をやめて、伴奏を聞き、AとCを演奏する。Bはピアノが弾くメロディーを聞く。
先生「今まで、Bを何回か聞きました。吹けそうだなと思う人は、挑戦してみよう。
児童 ABCを続けて演奏するか、Bを聞くか決める。
先生 伴奏する。
児童 リコーダーを演奏する。
先生「ウワァ、すごいね。聞いて覚えて、Bを演奏できた人がいたね。今日は聞いていた人も、次、挑戦してみようね。」

先生「今日は、アコーディオンの演奏の仕方を覚えよう。」
児童「えーっ、アコーディオン??!」
先生「はい、これがアコーディオンです。」
児童「あっ、知ってる。音楽委員の人が弾いてる。」




先生「前に背負うか、背中に背負うか?」
児童 (笑)「まえー!」
先生「そうだね。みんな笑うけど、後ろに背負いそうになった人がいたよ。ランドセルと思っちゃったのかな・・・では、この鍵盤は、こちら?それともこちら? どちらに鍵盤がくるか分かる?」
児童「右手で弾くから、自分の右手の方に鍵盤。」
先生「その通り!はい、こうやって、鍵盤は右手の方に。蛇腹を止めているフックをはずします。下にも、上にも付いています。では、弾いてみますね。」♪ラーソファソーファミファーミーファミレ
児童 拍手。
先生「今日、これを何人かに挑戦してもらいます。今、見て、気が付いたと思うけど、蛇腹を動かさないと音は鳴らないね。」蛇腹を動かさないで、鍵盤を押してみる。
先生「蛇腹がどんな動きをするか見ててね。」空気抜きボタンを押しながら、蛇腹の開閉をする。






児童「誰かが、寝ているみたい。」「うん、スウウスウウって空気の音がする。」
先生「そう、空気の動きで、楽器の中の薄い金属の板を鳴らして、音を出すんだよ。もう一回、よーく見てね。」
児童 蛇腹の動きを見る。
先生「蛇腹の動きを手でやってみて。」
児童 蛇腹の動きをまねて、手を動かす。閉じるときの手の返しもまねする。
先生「いい感じです!閉じるときの動きがとてもいい。ひゅっと返すんだね。では、今日みんなが弾く予定の♪ラーソファソーファミファーミーファミレをもう一回弾きます。蛇腹の動き、よく見てね。」
もう一度、弾く。
先生「こうやって(一音一音、蛇腹を動かしながら弾く)弾くんじゃなくて、音の大きな流れを感じて弾くんだね。今、弾き終わったんだけど、蛇腹が、ほら、閉じられない・・・」
児童「空気がまだ入っているんだ。」
先生「そうなの、まだ、この中に空気が入っている。風船に空気を入れて口を閉じたときと同じ。じゃあ、どうやって蛇腹を閉じたらいいか・・・」




(掲載の写真は、「音楽の教科書」山と渓谷社より)

先生「このボタンを使います。見えるかな。この黒いボタンを押すと、ほら、閉じられる!
   左手は、このベルトを持つんじゃなくて、こうやって手をすべらせて入れます。この山になっているところまで手を伸ばして指をひっかけると動かしやすいよ。」


 この後、今日学んだアコーディオンの他に、今回までに学習した大太鼓、小太鼓、鉄琴、木琴も加えて、Cの部分だけ合奏します。



 どの楽器も経験してほしいので、グループや座席の列で楽器を指定して、楽器をローテーションさせながら、合奏します。

 短いCの部分でこの合奏の核になる部分をいろんな楽器を全員で取り組み、その後、ABC全体を楽器分担を固定させてやるか、授業の度に楽器の希望を聞いて合奏するか、迷うところです。学習時間と学級の実態、発表の有無などで決定します。