ちょこっと❤ 楽しい 音楽授業

小学校 音楽授業の、楽しい工夫をご紹介。
遊びのように夢中になり、何度でも繰り返す学習活動。

筝を弾こう!  たこたこあがれ さくらさくら

2016-02-06 16:56:37 | 筝演奏
先生「この前、筝を紹介して、みんなで筝を弾きましたね。今日は、曲に挑戦してみよう。」
児童「やったー!」
先生「今日弾く曲は、『たこたこあがれ』の最初。
   うたってみよう。」

児童「♪たこたこあがれ」
先生「どこで音が下がるか意識して。もう一回。」
児童「♪たこたこあがれ」
先生「♪たこたこあがれ」全部同じ高さで歌う。
児童 苦笑・・・
先生「どこで音を下げる?」
児童「『こ』のところで。」
先生「そうだね。♪たこたこあがれ」『こ』で音程を下げて正しく歌う。
  「糸が13本あります。真中は何番?」
児童「6?」「7?」
先生 筝の糸を見せながら、真中を確認する。「端から、1,2,3,4,5,6、7だ!!」
  「この糸から曲はスタートします。『こ』は、6の糸。今日使うのは、この7と6の二本の糸です。」弾いてみせる。
  「7676777♪歌ってみよう。」
児童「♪7676777」教師の筝の演奏に合わせながら歌う。
   
先生「今日は3面、筝を出します。筝は、1面、2面って数えます。
   先生のところで一回弾いたら、後ろの筝で自分で二回練習して席に戻ります。」
   教室の後ろに二面、前に一面筝を準備する。椅子二脚に筝を渡して置き、座って演奏するための椅子ももう一脚置く。爪のサイズを大小二つに分けて、缶に入れ置いておく。近くに濡らしたタオルを置き、爪をつけるときに、指を軽くぬらす。(爪が抜けにくくなります。)



  「先生のところで弾く、自分で二回弾く、席で友達の演奏を聞くの流れです。」板書する。
  「筝の爪はーーっ?」
児童「爪のない方につける!」

先生「オッケイ!今日は、3列目からどうぞ。」

 『弾いたら次の糸(弦)で止める』ことをひとりひとり指導する。
 
 7の糸には、あらかじめ赤の油性マジックで軽く印をつけておく。

 「たこたこあがれ」の調弦は、下記。


 「たこたこあがれ」の短い旋律ができるようになったら、伴奏をつける。使う糸は、1と2。
旋律は6,7を使い、伴奏は1,2を演奏する。二人並んで演奏する。




 筝の演奏に慣れたら、「さくらさくら」に挑戦!!

 「さくらさくら」の調弦は、下記。



最初は、グリッサンドと「さくらーさくらー」の「778-778-」だけ練習して、『次の糸(弦)で止める1』感覚を意識させます。



 爪のつけ方、弾き方の基本が身に着いたら、曲の糸番号を覚えて弾きます。高学年は、自分でどんどん音を追って、演奏していくことができます。
 中学年は、もう少し丁寧に区切って指導します。


 本校は、筝の数に恵まれているので、筝一面に2,3人の割り当てです。

 全員が最後まで「さくらさくら」を弾けるようになる間に、以下の「こと上手の道①②③」を指導します。








 児童は筝の演奏が好きです。

 音色が心地いいのか、糸番号を追えば曲ができあがっていくからいいのか、今までにない経験を楽しんでいるのか、まだ、好きな理由を分析していません。

 とくに、男子が筝の演奏に夢中になることが多いです。聞いていると、指の力があるからなのか、男子の弾く筝の音は、糸がしっかり震え、その震えが共鳴胴を通って、よく響きます。
 
 今回は、時間的な制限と場所の制限があり、筝を椅子の上に置いて、椅子に座って演奏しました。
数年前は、半畳の畳がたくさんあったので、それを敷いて、正座をして演奏したこともありました。

 

 
 

筝を弾こう!   最初はグリッサンド

2016-02-06 14:57:02 | 筝演奏


先生「日本の楽器です。名前を知っている楽器、ある?」
児童 ポスターのところに来て、指さす。「三味線。」
先生「はい、三味線ですね。」クエスチョンマークが書いてある紙をはがす。
  『三味線』と書いてある。
児童 指さして「こと。」
先生「ことだね。『そう』とも言います。
児童 指さして「太鼓。」
先生「そう、太鼓だね。詳しく言うと『締め太鼓』。二学期に歌の伴奏に使ったね。
   もう一つの太鼓は、『大太鼓』または、『宮太鼓』と言います。」
児童 指さして「横笛。」
先生「そう、横笛だね。『篠笛』とも言います。こうやって、笛を横に構えて吹きます。
   あと一つ残ったね。この笛の名前は知らないかな?」
児童「・・・・」
先生 紙をはがして「尺八という名前です。みんなが吹いているリコーダーと同じたて笛です。
   だけど、穴の数を見て。裏の穴は一つで同じだけど、表は四つしかない・・・
   みんなよく、名前を知っていたね。
   今日は、この中の『筝』『おこと』を弾いてみます。
   『おこと』って言う方がなじみがあると思うけど、この形のおこと以外に『おこと』と呼ばれている楽器があるので、正確に言うと『筝』と言います。
   では、筝をもってきます。」


   準備室から筝を出してくる。
児童「わーーー!!」「大きい!!」
先生 裏側を見せる感じで縦に置く。
  「大きい楽器だね~。先生とどっちが背が高い?」
児童「筝!!」
先生「ホントだね~。先生も背が高いのにもっと高いね。180㎝くらいあるかな・・・
   裏側に、穴があるの見えますか?」
児童「二個ある。」
先生「二個、こことここにある。ここから、筝の音がこの箱の中で響いて、出てくるんだね。」
   裏側を向けたまま、弦をはじく。
児童「おおう・・」
先生「いい音だね~❤ 
   今、糸をはじいて音を出しました。糸の数は何本か知ってる?」
児童「5本。」「6本。」「10本。」「分からない・・・」
先生「みんなで数えてみよう。」筝の弦が張ってある方を児童に向ける。
  「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10・・」
児童「えーっ、まだあるのぉ!」
先生「11、12、13。13本ある。
   ヴァイオリンやチェロは、4本。ギターは6本。筝は、13本。多いね。
   共鳴胴と呼ばれるこの箱も大きいし、糸の数も多いね。
   この糸を爪をつけて弾きます。」
   筝を低い机または椅子にのせる。

先生「筝の爪を、爪のない方に付けます。」




先生「本当は、親指、人差し指、中指の3本に爪をつけますが、今日は、親指だけ、1本だけに爪をつけます。筝の爪はーーっ?」
児童「爪のない方につける!!」
先生「その通り。では、弾いてみます。聞いてね。」
  『さくらさくら』を弾く。
児童 耳をすまして聞く。拍手!
先生「拍手ありがとう。みんなもこの曲が弾けるようになります。
   今日は、初めてなので、『しゃらららん』を全員弾きます。」
   親指でグリッサンドする。
筝「しゃらららん♪」巾の糸から一の糸まで、グリッサンドする。
児童「わー、キレイ☆」
先生 筝の側面を見せる。
  「筝の箱の上は、まっすぐじゃない。分かる?真中が山になっている。見える?
   自分の体に一番近い糸から、ぐーっと上って、一番遠い糸まで、下りてくる。
   もう一回、やるよー。」見本をみせる。

先生「筝の爪はーーっ?」
児童「爪のない方につける!!」
先生「手前からーーっ?」
児童「上って、下りる!!」
先生「爪のサイズは8から15まであります。8が小さい、15が大きい。小さめの爪は、この缶、大きめはこの缶に入っています。弾いたときに抜けないように、親指にしっかりはまるものを選んではめてください。では、4列目から。爪を選んでつけた人からここに来てください。」



児童 爪をつけ、グリッサンドを二回ずつ弾き、席に戻る。
先生 様子を見て、次々児童を前に呼ぶ。
児童 全員、筝を弾く。


 調弦は、「さくらさくら」を弾く時のまま使う。



 筝の指導をするとき、児童が迷うことの№1が、爪のつけ方です。
教師が、こうつけるよと、さらっと言っただけでは、三分の一近くの児童が、爪のある方に筝の爪をつけます。トホホ・・・
 今回は、言葉で三回言い、絵でも示しました。でも、やっぱり、一人、爪の方につけていました。最初なので仕方ないですね。

 
 
 また、筝の指導をするとき、児童がなかなか身につかないこと№1は、糸をはじくのではなく、次の糸で止めることです。
 弦があると、どうしてもはじきたくなります。次の糸で止める感覚は、それまでの経験ではないことです。でも、この次の糸で止めることは、筝を弾く上でとても大切です。これができるようになると、指の力を効率よく糸に伝えることができます。



 今回は、筝のグリッサンドから始めました。グリッサンドは、糸をはじくのではなく、次々に糸を鳴らしていくので、『次の糸で止める』感覚を身に付けるには、いい方法だと思います。それは、自分の親指で、『向こう側に押していく』感覚です。
 今日は最初なので、グリッサンドは一気に巾から一の糸に向かいましたが、途中で止めて、またそこから続けることもやってみると、この感覚が磨かれるかもしれません。