ちょこっと❤ 楽しい 音楽授業

小学校 音楽授業の、楽しい工夫をご紹介。
遊びのように夢中になり、何度でも繰り返す学習活動。

二拍子・・1・2・1・2・・そして四拍子  行進曲(マーチ)でリズム打ち

2016-01-16 11:39:01 | リズム
先生「今日は、行進曲にのせて、手拍子しよう。
   行進曲はマーチとも言うね。1,2,1,2,1,2,1,2、・・・・」
   その場で、行進する。
先生「左、右、左、右・・・足は何本?」
児童「2本!!!」
先生「そう、2本。行進するときは、左足、右足で2本。1,2、の2拍で曲が進んでいくね。
   これを『2拍子』と言います。」
   黒板に『2拍子』と書く。
   2拍用の紙をはる。

先生「最初の曲は、『トルコ行進曲』(ベートーヴェン)。」
   
先生「リズムは・・・」
   
*赤丸は4分音符、手形のグーは4分休符。
児童「簡単!」
先生「そう?  よーく、音楽を聞いて。1,2,1,2を体で感じて、手拍子しよう。」
   前奏を聞いた後、「そぉれぇ!」と手拍子をスタートさせる。
児童 音楽の拍を体で感じながら、手拍子する。
先生 途中、音の大きさが大きく変わるところで、弱く手拍子したり、強く手拍子したり、変化をつける。
児童 先生の動きを見たり、音楽の流れを聞き取りながら、手拍子する。
先生 切りのいい40~50秒くらいのところで、音楽を止める。
  「うん、いいねぇ~。2拍の流れをよく感じて手拍子できました。
   次は、『軍隊行進曲』。」

先生「リズムは・・・」

児童 先生の合図で手拍子を始める。
先生 途中、リズムを変える。一拍目の赤丸をはずし、休みにする。
   切りのいい40~50秒のところで止める。
  「すごい! 途中で休みの入った難しいリズムになっても、1,2,1,2を感じて手拍子できた!
   これができたら、次のこともすぐできちゃうかなぁ。」
児童「できる!」
先生「今度は、4歩分のリズムを繰り返すよ。4歩分だから、この紙がもう1枚必要だね。」
   紙を黒板にはる。

児童 自主的に練習を始める。
先生「『軍隊行進曲』でやってみよう。」
   20~30秒くらいで、リズムがきちんと取れたと思うところで音楽を切る。
  「できた!!4歩分でも大丈夫だね。
   では、もっと難しくなるよ。でもきっとできる。
   赤丸はみんな、青丸は先生。自分が手拍子するところと、先生が手拍子するところと分けます。」

  「一回、練習してみよう。」
児童 赤丸のところを手拍子する。
先生 混乱する児童がいたら、赤丸を上にずらしたり、青丸の上に先生の似顔絵を描いたりして、補助の情報を入れる。
児童 音楽にのって赤丸の拍の頭を手拍子する。
先生「すばらしい!!できた。
   変えるよ!」音楽の途中でリズムを変える。

児童 体で拍を取りながら、赤丸のところを手拍子する。



次の授業では・・・
先生「前の授業では、行進曲(マーチ)にのせて、手拍子できたね。
   行進曲は、何拍子だった?」
児童「2拍子。」
先生「そう、2拍子だった。
   今日も行進曲、マーチにのせてリズムも学習をするんですが、今日のマーチは、4拍子。」
児童「えっ、4拍子・・・」「足が4本?」
先生「曲の名前には、『マーチ』って付いているんだけど、みんながイメージしているような胸をはって、足をあげて、1、2、1、2と行進している感じではないんだ。
  堂々として、勇ましい感じは、2拍子のマーチと同じ。誰かの、何かの『テーマソング』みたいに思ってください。その誰かや何かが、登場するときに流れる音楽。
   最初の音楽は・・・」

先生「リズムは・・・」


 次々、いろいろな音楽を手拍子しながら楽しむ。






 8分の6拍子ですが、2拍子の流れで「コンバットマーチ」も楽しみました。打楽器の『決め』のリズムを手拍子すると、爽快です。元気が湧いてきます。
 

 拍を感じる学習では、様々なテンポ・曲想ものを教材にしたいです。
次々に、テンポや曲想が変われば、必然的に、よく聞き、よく感じるようになります。「あれ?さっきと違うぞ。これは、どうなってる?」と脳が働きます。そこが、この学習のポイントです。

 また、リズムは、効果的に休符を入れます。手拍子のない、休符の部分の音楽の流れも聞き取り、拍の流れを感じるようになります。

 「トルコ行進曲」で、同じリズムでも、曲に合わせて、強弱をつけました。どの曲も、同じように手拍子を繰り返すのではなく、曲想にあわせて、「弱く」「強く」「勢いよく」「ふんわりと」「やさしく」「あやしく」「堂々と」「活発に」「軽快に」「重々しく」「楽しげに」「生き生きと」手拍子の打ち方に変化をつけました。



 

どんどこどん! 龍神太鼓どん! まとめ

2015-11-24 14:52:07 | リズム
先生「今まで練習してきたリズムを順番に演奏しよう!
   まず最初に、口唱歌で。
   どんどんどんどん どどんがどん!」

先生「どどかかどどかか どどんがどん!」

先生「どどどど、どどどど どどんがどん!」

先生「どこどこどんどん、どこどこどんどん どどんがどん!」

先生「どんどんかかかっ どどんがどん!」

先生「どんかかかっ それ! どどんがどん!」



児童 既習のリズムを順番に演奏する。

先生「みんなしっかり、良い音で打てるようになったね。
   今日は、グループに分かれて、太鼓のリズムを創作します。
   グループで一つのリズムを打ちます。
   ①グループの5人または6人で、リズムを作ります。創作メモに書き込みます。
   ②リズムを作ったら、後ろに置いてあるタイヤで練習します。
   ③タイヤで練習してできるようになったら、前に来て先生に聞かせてください。
   
   リズム作りは、この前学習したカードを使って作るか、言葉を使ってリズムを作るか考えて
   ください。
   長さは、『どんどこどんどこ』の地打ちが4回分。16拍です。
   では、グループに分かれて話しあう前に、自分でリズムを考えてみよう。
   リズムカードを出してもいいです。リズムカードだと、8枚分の長さです。
   言葉のヒントは、ワークシートに書いてあります。」


*学習したリズムカード


*ワークシート
先生「たとえば、『あめ!!ふれ!!しとしとと。』という言葉は、『どどウンどどウンどこどこどん!』というリズムになるね。」
児童 リズムを創作する。

 個人でリズムを考えた後、グループに分かれて相談、練習をする。

 全グループのリズムが創作できたら、龍神太鼓のまとめに入る。


龍神太鼓まとめ・・・・グループの人数5,6人ごとに発表する。使用する太鼓は2台。

  ☆先生の地打ち

①既習のリズムを三つ、順番に演奏する。(2台の太鼓で、一人ずつ演奏する)

  ☆先生の地打ち

②グループの創作(2台の太鼓に2、3人ずつ一緒に演奏する)

  ☆先生の地打ち

④基本のリズム「どんどんどんどんどどんがどん!」を3人(または2人)一緒に、1台の太鼓
 で演奏する。


⑥基本のリズムをだんだん速度を上げて演奏する。


⑦これ以上打てないくらい速くなったら、乱打(出来るだけ速く連打)する。「どこどこどこどこ・・・・・」


⑧最後にゆっくりしっかり基本のリズムを演奏する。


 まとめの演奏のとき、リズムの速さや流れを先生の地打ちでコントロールする。

 ワークシートを見ながらや、黒板に掲示されたリズムを見ながらでは、まとめの演奏ができません。
毎回の授業で、既習のリズムや基本のリズムは繰り返し演奏しているので、すぐに暗譜できます。

 難しいのは、創作の部分です。リズムカードを使って作ることもオッケイと言いましたが、言葉からリズムを作る方が、暗譜しやすいようでした。

 最後の部分は、児童が大好きな連打の「どこどこ・・・」
 細かく、素早く連打し、音量は下げさせます。この連打が続いた後、先生が「そーれっ!!」と叫び、決めの基本リズムの「どんどんどんどんどどんがどん!」の演奏になります。

 ここまで太鼓の練習を続けると、児童のバチさばきが美しくなります。
また、児童の演奏しているときのスッと凛々しい感じ、演奏後の力みなぎる感じが素敵です。
 

どんどこどん! 龍神太鼓どん! つづき

2015-11-03 22:45:47 | リズム
先生「どんどんどんどん、どどんがどん。どうぞ!」
児童「どんどんどんどん、どどんがどん。」
先生「それ!」両手を前に出して、太鼓をたたくマネをする。(エア太鼓)
児童「どんどんどんどん、どどんがどん。」先生をマネてエア太鼓。
先生「それ!」
児童「どんどんどんどん、どどんがどん。」先生をマネてエア太鼓。

先生「前の授業で演奏したリズムだね。今日も『龍神太鼓』を練習します。
   きょうは、今の基本のリズムと、もう一つ新しいリズムを演奏します。」

   黒板にリズムをはる。
先生「もう一つのリズムは・・・」


先生「どどかかどどかか、どどんがどん。『かか』は、枠打ちです。こうやって太鼓の縁を軽く叩きます。」やってみせる。
先生「どどかかどどかか、どどんがどん。どうぞ!」
児童「どどかかどどかか、どどんがどん。」
先生「それ!」両手を前に出して、太鼓を叩くマネをする。『かか』のところは、手の位置を変える。
児童「どどかかどどかか、どどんがどん。」先生をマネてエア太鼓。
先生「それ!」
児童「どどかかどどかか、どどんがどん。」先生をマネてエア太鼓。

先生「では、太鼓を四つ準備します。」


先生「1,2列はこの太鼓、3,4列は・・・」演奏する場所を指定する。
  「今日は、①基本のリズム、②新しいリズム、③二つのリズムを合わせる、の順番で演奏します。」
  「構え!そーれー!」先生は、地打ち「どんどこどんどこ」を繰り返す。
太鼓「どんどんどんどん、どどんがどんそれ!」一人、二、三回演奏する。
先生「やめ!」バチをカンカンカンと鳴らす。
  「新しいリズム、そーれー!」
太鼓「どどかかどどかか、どどんがどん。」一人、三、四回演奏する。
先生 途中、バチの持ち方、バチさばき、足や腰の位置、演奏後の動きなど、その都度指導する。
 
*イラスト・・・音楽指導ハンドブック(24)日本の音楽の指導 音楽之友社

先生「では、二つのリズムを合わせるよ。ちょっと長くなるね。演奏していない人は、太鼓の言葉で応援してください。
   構え!そーれー!
太鼓「どんどんどんどん、どどんがどんそれ!どどかかどどかか、どどんがどんそれ!。」数回、繰り返す。

先生「バチの動きが、美しくなってきたね。四つの音がそろってきました。
   この二つのリズムの最後、『どどんがどん』の音が雷の音のように、広く、深く響き渡るように演奏してみよう。まず、バチを上から、素早く振りおろしてみよう。自分でも、いろいろ工夫してみて。」


*イラスト・・・音楽指導ハンドブック(24)日本の音楽の指導 音楽之友社  
  
  「構え!そーれー!」地打ちのテンポをおとして、ゆっくり演奏する。
太鼓「どどんがどん!!」一つ一つの動きを確かめながら、自分の出した音を聞きながら演奏する。
先生 バチさばきの美しい児童、音の響きがいい児童を取り上げる。
  「最後に一人一回ずつ、演奏して終わります。」

 先生の地打ちは、締太鼓で演奏しますが、カウベルもなかなかいいです。
太鼓の音に、カウベルの音が沈まないで、はっきり聞こえてきます。

 先生の地打ちが児童の太鼓の伴奏になります。けれども、新しいリズムが少し乱れるときは、地打ちを止めて、児童のリズムをカウベルで打つと正しいリズムに導かれていきます。
 また、カウベルは持ち歩きながら、動き回れるので、指導の言葉をかけたい児童のところに、演奏を止めることなく行くことができます。
 カウベルのときは、短い言葉、「いい音!」「響いてる!」「腰、いいね!」「パッと変わる!」「思い切り!」など、必要に応じて、児童のすぐそばで言えます。

 この授業で部分的に取り上げた「どどんがどん!」は、雷のような音にしたいなぁと思います。龍神太鼓が雨乞いの太鼓と言われ、天空の神と地上の農民の願いをつなぐのが雷と考えたからです。

 神棚に飾られる紙垂(しで)は、雷の稲妻を表していると言われています。雷は神様とつながりますね。また、太鼓などの大きな音は、邪気を払うと言われています。

 


 雷といえば、楽しい思い出があります。

河口湖のホテルに泊まり、夕食を食べているとき、雷が鳴り始めました。空気を揺るがすような大きな雷がなった後、パッと電気が消えました。
 その瞬間、隣の年配のグループから拍手が沸き起こりました。「えっ!?何で?」と一瞬思いました。そして、その方々の表情を見て分かりました。雷を、停電を楽しんでいるんです。

 普通だったら、雷が落ちたことからの停電は、避けたいことで嫌なことですが、こんな状況もおもしろがって楽しんじゃう❤姿は驚きでした。
 いつも、家庭でも仕事でも授業でも、うまく流れること、いつも通りにできることが一番大切なことで、そうならなっかたら、イライラしたり、怒ったり、誰かを責めたり、「不愉快だ」の空気をまき散らす毎日でした。

 停電の後、自家発電でまかなえる最低限の薄暗さとロウソクの灯りのもと、夕食をとりました。その間、河口湖が一望できるレストランの窓から、稲妻の光のショーを楽しみました。

 

セブンステップス クラップ&ポーズ&キック&ターン

2015-05-15 21:57:33 | リズム
先生「手をたたきます。何回、たたいたか数えてね。パンパンパン。何回?」
児童「3回。」
先生「OK!パンパンパンパンパンパンパン。何回?」
児童「7回。」
先生「OK!目をつぶって、音だけ聞いて数えよう。パンパンパンパンパン。何回?」
児童「5回。」
先生「OK!パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン。何回?」
児童「13回。」
先生「すごい!よく数えたね。目を開けて。
   先生が、7回手拍子をするので、みんなは8回目に手拍子をしよう。
   パンパンパンパンパンパンパン、」
児童「パン。」
先生「いいね❤ 今度は、3回手拍子するので、みんなは4回目に手拍子しよう。
   パンパンパン、」
児童「パン。」
先生「おう、バッチリ! では、私が『セブンステップス』という歌を歌うので、
   みんなは、赤丸のところで手拍子をしよう。」

先生 歌う。
児童 赤丸のついた8か所、手拍子する。
先生「よく歌を聞いて、手拍子できたね。テンポを速くします。」歌う。
児童 手拍子する。

先生「ちょっと、歌を短くするよ。今度は、手拍子ではなく、ポーズをしてね。」歌う。

児童 歌を聞きながら、ポーズをとる。
  「ウィッシュってどうやるの??」「こんな感じ?」「え~指はこうか~。」少し混乱・・・
先生「ウィッシュ!!」決めポーズをする。「では、もう一度。」
児童 歌を聞きながら、ポーズをとる。

この後、児童からポーズを募集する。

先生「では、今度は足も使ってみよう。この上履きマークでは、足をこうやって鳴らそう。」
   床を片足でどん!と踏む。

児童 足と手を使って音楽に参加する。最後、足も手も一緒に鳴らす。
先生「すごいね~!最後のところ、できるかなぁと不安に思ったんだけど、できたね~。すごい!!
   歌いながらやってみようか。」
児童 もう一度、歌いながら足と手を使ってリズムをとる。



先生「最後、ステップするよ。立ちましょう。
   その場で、1,2,3,4,5,6,7足踏み、キック。
   1,2,3,4,5,6,7足踏みキック・・・」
   教室には机といすがあるので、自分の席のところで足踏みする。
児童 先生のやり方を見ながら、一緒にステップして8拍目にキック。
先生「次は、右側見て。1,2,3,4,5,6,7足踏みターン。
   左向きになって、1,2,3,4,5,6,7足踏みターン・・・・
児童 マネをして足踏みターン。


 この学習では、先生のアカペラの歌だけで進めています。
 アカペラで歌うと、歌いながら手ぶり身振り足踏みの見本を見せられるます。
また、歌の速さを自由自在のい変えられます。児童の反応がいいときは、どんどんテンポを速めてスリリングにします。反対に、児童の理解や反応がよくないときは、ゆっくりやってみせます。

 この7拍+1拍、3拍+1拍の流れは、曲の流れを感じる学習になります。
四分の四拍子の曲では、4拍(3拍+1拍)のかたまりと、8拍(7拍+1拍)のかたまりが耳で体で感じられることが大事です。この曲は、両方のかたまりを感じることができます。そして、歌うと拍の動きと歌詞が一緒なので、拍を感じることもできます。

 上記の授業のように、一気に、いくつもの活動をするのではなく、ひとつひとつの活動を何週かに分けて行ってもいいと思います。その方が、短い時間で、集中して活動でき、繰り返すことで学習が定着するからです。