ちょこっと❤ 楽しい 音楽授業

小学校 音楽授業の、楽しい工夫をご紹介。
遊びのように夢中になり、何度でも繰り返す学習活動。

威風堂々 音を重ねて1

2014-05-25 10:45:11 | 日記
先生「『威風堂々第一番』を聞きます。
   『堂々』という言葉は知っているね。『威風』はどんな意味か分かるかな?」
児童「?」
先生「勢いがさかんで、立派という意味です。『堂々』にも同じように、すぐれて立派にみえる様子という意味がありますね。
  『一番』ということは・・・」
児童「二番がある」
先生「その通り。何番まであるかというと、」
児童「五番まである。」
先生「よく知ってる。あっ、教科書に書いてあるね。
   今日は、曲の前半部分を聞いてみよう。みんなの知っているメロディーが流れてきます。」
(CDをかける。有名なメロディーが一回目に出てきた前半まで。)

先生「最初の部分、勢いがあったねー!ダンダンタラティラタラィラ、かっこいいね。
   次に、みんなのよく知っているメロディーが出てきました。」
児童「知ってる。」「CMで流れてる。」「聞いたことがある。」
先生「このメロディーをリコーダーで吹いてみよう。
   『ファのシャープ』、『高いファ』が出てきます。おぼえているかな。」
(リコーダーの難しい運指を確かめた後、教科書、またはプリントを見ながらリコーダーを吹く。)

先生「難しい指使いのところだけ、繰り返して吹いてみよう。今日は、『ファのシャープ』ができるように繰り返すよ。」
(♪ミーファソーラ*ファはシャープ だけ取り出して練習する。)

先生「では、最初から全部通して吹こう。」
児童 リコーダーを吹く。

先生「『威風堂々』の一番、二番、三番、四番のメロディーが出てくるアニメーションをみんなで見よう。ディズニーのファンタジアから『威風堂々』。ひとつのお話に、曲が付いています。」
児童 DVDを見る。
先生「みんなで吹いた、このメロディーは堂々していて、さらに力がみなぎっていく感じ、パワーが増していく感じがするね。
このメロディーは、多くの人が大好きで、イギリスでは第二の国歌と言われています。
アメリカでも日本でも、卒業式のとき、この音楽で入場したり、退場したりします。
日本では、CMで使われたり、このメロディーを自分流にアレンジして使ったミュージシャンがいます。
次回、平原綾香さんの歌を聞いてみよう。
では、今日の最後は、ひとりずつ、「ミーファソーラ*ファはシャープ」を先生に聞かせて帰ろう。

準備のできた児童から、「ミーファソーラ*ファはシャープ」を先生に聞かせて帰る。

 この曲を、この後合奏にしていきます。

 児童全員に、技術的なことで身に付けてほしいことは、必ずひとりひとりチェックします。すぐにできそうな予感がするくらいの、短いフレーズで、全員を五分以内で、聞けるようにすると、児童の待つ負担も、先生の聞く負担も少なく、効率的に技術が身に付きます。




聴覚・嗅覚で海を感じる~われは海の子

2014-05-24 21:26:56 | 日記
先生「今日、学習する歌は、『われは海の子』です。
  『われは海の子』って、他の言葉で言うと・・・」
児童「海のそばで、育った子ども。」「海が好きな子ども」「海と仲良しな子ども」
  「海の恵みで育った子ども」「海でよく遊んだ子ども」「海を見ながら生きてきた子ども」
先生「なるほど・・・いろんな言い換え方があるね。
   どんな気持ちがあって、どんな思いを伝えたくて『われは海の子』って、曲の名前つけたんでしょうか。学習しながら、考えていこう。
   CDでこの歌を聞いてみよう。」
(CDで『われは海の子』を聞く。)

先生「難しい言葉がたくさん出てきたね。みんなで意味を確かめながら読んでいこう。」
(縦書きの詩を音読する→言葉の意味を教える→もう一度、音読する 1,2,3番ごとに行う。)

先生「教科書の写真をよく見てね。
   この写真から見て分かることは?」
児童「松の木がある。」「波が寄せている。」「大きな岩がある。」「遠くに木がたくさんある。」
先生「では、この写真の中で、耳に聞こえてくる音はどんな音だと思う?」
児童「波の音。」「風が木を揺らす音。」「波が岩にぶつかる音。」

先生「次は、この写真の中で、どんな匂いがすると思う?」
児童「海の匂い。」「潮の香り。」「日向の匂い。」

先生「みんな、すごいね。この写真は目に見えるものしか、写していないのに、みんなは音も匂いも感じたんだね。
これから、先生が『われは海の子』の歌詞を読みます。歌詞から、『あっ、これは耳を使って感じるところだな』と思ったら、手を挙げてね。」

(先生は、歌詞を読んでいく。児童は、耳を使って感じることだと思ったところで、手を挙げる。止まらずに最後までいく。)

先生「いいね。みんなよく反応しているよ。
   次は、『匂いを感じるところ』だなと思ったら、手を挙げてね。」

(先生は、歌詞を読んでいく。児童は、鼻を使って感じることだと思ったところで、手を挙げる。止まらずに最後までいく。)

先生「すばらしい!よくできました。(子どもが反応しないところがあったら、教師が教える。)
   この歌は、海の近くに育った子どもが、毎日、見て、聴いて、嗅いで感じてきた海と自分のことを歌っているね。
自分も海の近くにいると想像しながら、もう一度、歌を聞いておぼえよう。」
(CDをかける。)
児童 覚えて歌う。

 初めて、外国に行って驚いたことは、街の匂いが違うことでした。いつも、当たり前だと思って気にしたこともなかった街の匂い・・・また、吸う空気の湿り気が全く違いました。
 街を出て、見る風景の中にある木々も、自分の国とは全く違い、改めて「自分の住んできた場所」について思いを巡らしました。

 
 小学生のとき、自分の育った場所を他のどことも違う特別な場所と思える子どもは少ないと思います。私のように、大人になって生まれ育ったところから出て、別の場所に行ったときに「ああ、自分が過ごしてきた場所は○○な場所だったんだ。」と考えるのでは・・・なので、この歌はちょっぴり大人の香りがします。


 小学生で『われは海の子』を歌うとき、「海への思いがあふれた歌」「海とともに生きることの誇りが感じられる歌」という想いに向かう途中で、歌詞を視覚、聴覚、嗅覚で感じて楽しむ時間を少し作ってみました。(この歌詞の三分の二近くが、音や香りに関する言葉になっています。)


上昇気流にのって~とんび

2014-05-23 22:00:28 | 日記
先生「みんなは、トンビという鳥を知ってる?」
児童「知らない。」「ニュースで見たことがある。お弁当を取っていちゃう・・」
先生「教科書の写真を見よう。口ばし、鋭いね。体の形は、タカの仲間という感じがするね。
   カラスより一回り大きくて、羽を広げると150~160㎝になるんだよ。」
児童「すごい!」「大きいんだ。」
先生「この鳥、特徴が二つあります。
   一つは、飛び方。ほとんど羽を動かさないで、大きな円を描いて飛ぶんだよ。
   (先生、鳥になって飛ぶマネをする。)
   二つ目は、鳴き方。『ピ~ンヨロロロ』って鳴きます。
   では、この歌をおぼえてね。CDをかけます。」

(児童、歌を二回聞く。二回目は、歌えそうなところを小さな声で歌う。)

先生「では、一段ずつ先生の後について歌ってみよう。」
(先生、児童、一段ずつ交互に歌う。)
*三段目、♪ピンヨローピンヨロー・・少し強く ♪ピンヨローピンヨロー・・少し弱く 歌う。

先生「三段目のトンビの鳴き声のところ、最初は強く、次は弱く歌ったのに気が付いた?」
児童「気が付いた!」「マネをして、強く、弱く歌った。」
先生「何で、鳴き声の強さを変化させたと思う?」
児童「近くで鳴いてる時と遠くで鳴いてる時。」「すぐ真上で鳴いてる時と、空高く上がって鳴いてる 時。」「二羽が会話している。」
先生「うん、いいね、どの考え方も。
   三段目を歌う時、どこにトンビがいるか、どんな様子で鳴いているか、イメージしながら歌おう。」
(最初から、通して歌う。)

先生「♪とーべとーべーと→んび のところだけ歌おう。音の階段を上るように。」
児童「♪とーべとーべーと→んび 」
先生「下から順番に上まで上れたね。
   今度は、上に向かってエネルギーを感じて。
   ぐんぐんぐんとエネルギーが『と』のところで湧き上がるように。」
児童「♪とーべとーべーと→んび 」歌う。

 身近に見る機会のない鳥の歌を児童それぞれがイメージしながら歌うのは難しい。
先生が、トンビがいる景色、周りの様子、飛んでいる様子を見て思うことなどを話したり、写真からイメージできることを話したりしてトンビが生きて動く鳥になるようにしたい。(最近は、人の食べ物を横取りする困った鳥の印象が強いですが・・・)
 上昇気流にのって輪を描きながら飛ぶトンビのように、メロディーラインができていると思う。その勢いを使って、この曲の最高音『ド』をきれいに響かせてみたい。


   

タンタタ楽しいリズム 4

2014-05-19 21:22:55 | 日記
先生「四分音符、八分音符、四分休符、上手にリズムを打てるようになりました。二枚のカードを出します。復習するよ。」
(エレクトーンやキーボードのリズムボックスを使って、ビートの効いたリズムを流す。)



児童 カードを見ながら手拍子
先生「どちらのリズムも、手拍子できてるね。四分休符、正確だね。
   では、クラスを半分に分けます。こちらは、上の段のリズム。こちらは、下の段のリズム。
   一回だけ。いくよー。」
児童 クラスで半分ずつ、異なるリズムを手拍子する。

先生「もう一回。相手の音をよく聞いて。」
児童 手拍子
先生「できた!今とちがうリズムでやってみよう。」
児童 手拍子
先生「どちらも大丈夫。
   では、リズムにのって繰り返し手拍子しよう。途中、交代するよ。」リズムボックスを使用。

 まず、正確にリズムを打てるか確かめた後、二つのグループに分けて手拍子していく。休符の拍がとれなかったり、八分音符のリズムが速くなったり、相手のリズムにつられたりするので、その都度指導する。
 自分の音と相手の音が交互になるパターンと交互にならないパターンと両方、経験する。







 クラス全体ができるようになったら、グループや二人組など人数を減らして挑戦してみる。

先生「では、このリズムを4回繰り返したら、ストップしよう。自分で4回、数えるんだよ。
   そーれー!」
 
 さらに、リズムを打った回数を自分で数えられるようになったら、このリズムパターンを使って、楽しく合奏の伴奏リズムができるようになります。






タンタタ楽しいリズム 3

2014-05-17 21:03:13 | 日記
先生「四分音符、四分休符、八分音符のカードを正しく手拍子できるようになってきましたね。
   今日は、カードを増やして、2枚にします。よーく見て、手拍子しよう。」

(エレクトーンやキーボードの機能、リズムボックスを使う。テンポの調節ができる。)


児童 手拍子を繰り返す。
先生「いいね、次いくよ。」

児童 手拍子を繰り返す。
先生「タタタタタタは軽く!」
児童 繰り返す。



先生「次は、難しいよ。」

児童 手拍子を繰り返す。
先生 休符のところを指でさしたり、身体表現で示したりして、手拍子がそろうようにする。
  「そろってきたねー。タタの切れ味がいい。
   では、テンポを上げます。速くなるけど付いてきてね。」
(リズムボックスのテンポをあげて、前出のカード2枚を次々出す。)
児童 一度、練習しているので、上手にテンポよく、手拍子する。
先生「すばらしい!!速くても、ちゃんと正確にできるね。
   最後に、超スローでやってみよう。」
(超スローテンポにリズムボックスをセットする。2枚カードを選び、大きな流れるような動きで、児童と一緒に手拍子する。意外と難しいが、これを合わせることができると、みんなで合わせる楽しさが味わえる。)
児童 スローモーションで手拍子する。

 2枚カードが正しく手拍子できるようになると、打楽器でいろいろなパターンのリズムを演奏できるようになる。打楽器の演奏は、自分のリズムを拍の流れに乗って、正しく打てるだけではだめで、自分以外の他のリズムも聞きながら打てなければならない。次回は、この聞き合う練習をします。