ちょこっと❤ 楽しい 音楽授業

小学校 音楽授業の、楽しい工夫をご紹介。
遊びのように夢中になり、何度でも繰り返す学習活動。

世界の音楽 アンクルン ジェゴグ ガムラン ケチャ

2015-06-27 14:12:11 | 鑑賞
先生「日本の国旗はどんな色?形?」
児童「白と赤。」「白に赤い丸。」
先生「そうだね。長方形の上が赤、下が白の国旗、知ってる?」
児童「えっ?」「どこの国?」
先生「インドネシアです。今日はこの国の音楽を聞いてみよう。
   最初に、この楽器を紹介します。アンクルンという楽器です。」
   楽器をひとつ、取り出す。



  「竹で作った楽器です。どうやって音を出すと思う?」
児童「う~ん・・・」
先生「こうやって揺らして音を出します。」アンクルンを鳴らす。
児童「わ~っ、鳴った!」
先生「今、鳴らした音は『ミ』です。今、実は二つの『ミ』が鳴っているんです。もう一回、聞いて見てね。」高いミが出る竹を指で押さえて音を出す。次に、低いミが出る竹を押さえて音を出す。最後に、両方の竹を鳴らす。
  「どう?二つの音が鳴っているの分かった?」
児童「分かった!」「おもしろい!」「やってみたい。」
先生「では、みんなにも鳴らしてもらいます。こうやって、細かく振動させて。
   『ミ』があるといいことは・・・」
児童「ドもレもある。」「ファもソもラもシも!」
先生「その通り!自分の音が何の音か鳴らして聞いてみよう。
   列ごとにアンクルンを渡すので、十回鳴らしたら、次の人に渡してね。」列ごとに、音程の異なるアンクルンを渡す。
児童 十回鳴らして、隣に渡す。
先生「いい音なってるね~。最後の人、楽器を持って前に来てね。
   これから、一曲、演奏するよ。」
   楽器を持ってきた児童を前に横一列に並べ、先生の指示で「きらきらぼし」を演奏する。
先生「すごい!!できたね。」
児童 拍手する。

先生「このアンクルンという楽器は、みんなが二年生のときやったミュージックベルと同じような演奏の仕方だったね。
   次に、インドネシアの楽器で、アンクルンと同じ竹でできた『ジェゴグ』という楽器を紹介します。」子どもたちが演奏している写真を見せる。
  「この楽器は、木琴みたいに、長さの違う竹を並べてバチで鳴らします。低い音を鳴らす竹は、こんなに太いんだよ。」写真の中の楽器を見せる。弾いている人の体と比較する。





  「CDをかけます。旋律を演奏している音、伴奏をしている音を聞いてみよう。」CDを流す。
児童 写真を見ながら音楽を聞く。
先生「迫力ある音楽だね。」
児童「低い音がすごく響いている。」「竹のカラカラした感じの音がした。」「体がリズムにのっちゃう。」
先生「もう一つ、インドネシアの音楽『ガムラン』を紹介します。この音楽に、木琴に似た楽器が出てくるのでよく見て聞いてね。」DVDを流す。


 この後、インドネシアの『ケチャ』をTV「世界不思議発見~インドネシアのケチャ~」を見る。どんな話のミュージカル(?!)か説明する。子どもたちは、「なんか非常におもしろいことになってるな(笑)」という感じで見ています。そこで、ケチャの体験をします。短いフレーズをみんでやってみます。そうすると、「おもしろい(スゴイ!」になります。




教育音楽・小学校2007・12から



 教育芸術社(6年)の教科書では、世界の音楽として、五カ国を紹介しています。
時間の制約があると思いますが、ぜひもっと多くの国の音楽を紹介したいです。教科書に掲載された音楽の学習が終わったら、授業の始めの(児童が入室してくる時)5分を使い、次々、いろんな国の音楽をかけて世界の音楽を学習し続けました。
 



 

世界の音楽 フォルクローレ

2015-06-21 10:38:24 | 鑑賞
先生「日本の首都は?」
児童「東京!!」
先生「日本一、高い山は?」
児童「富士山!!」
先生「標高・・・」
児童「3776メートル。」
先生「みんなよく知ってるね。日本一高い山、富士山と同じくらいのところに首都がある国を知ってる?」
児童「あー聞いたことある、どこだっけ?」
先生「ボリビアの首都、ラパス。」地図で指さす。
  「高山病って聞いたことがある?ここに住んでいない人が、この場所に初めてくると空気が薄くて、頭が痛くなったり、気分が悪くなったり、ちょっと動いただけでたくさん運動したみたいに疲れてしまったり・・・富士山くらい高いところでも、首都があって、人がたくさん暮らしているんだね。
  ペルー、パラグアイ、アルゼンチン、ボリビア(地図で指さしながら)ここの音楽を『フォルクローレ』と呼びます。DVDで見てみよう。」
児童 DVDで「コンドルは飛んでいく」の映像を見る。

先生「いろんな楽器があったね。まず、太鼓。教科書の写真には、みんなの使っている大太鼓に似た太鼓だけど、DVDで出てきたのは、長い胴の太鼓だったね。
   弦楽器は、どうだった?」
児童「ギターがあった。」「あと、ギターより小さい楽器。」「ウクレレみたい。」
先生「そうだね、二つの弦楽器があったね。一つは、ギター。もう一つは、チャランゴという名前です。
   みんなが言ったようにウクレレぐらいの大きさだったね。音は、マンドリンという楽器に似ているね。
   吹く楽器、管楽器は?」
児童「リコーダーみたいな笛。」「たて笛。」「たくさんの木を並べた笛。」「これもたて笛?」
先生「よく見ていたね。リコーダーみたいな笛はケーナ。管をたくさん並べた笛はサンポーニャ。」





先生「ケーナを持ってきたから見てみよう。」ケーナを見せる。
  「リコーダーと比べてみよう。」リコーダーとケーナを両手に持ち比べる。
児童「ケーナの方が少し長い。」「少し太い。」「穴の数が違う。」「穴が大きい、ケーナの方が。」
先生「ここも良く見て。」吹き口を比べる。
児童「あれー、ケーナって筒だ。」「ホントだ、吹くところも管だ。」
先生「実はケーナの音を出すのは難しいんだ。リコーダーは息を吹き込めば音がでる。」ピーピっと吹く。
  「リコーダーはホイッスル方式で音がなる。ホイッスルは体育の時間に審判が使っている笛。この窓の部分が大事。ここを押さえると音はならないよね。
   ケーナは尺八やフルートみたいにビン鳴らし方式。角度を工夫して息をうまく入れないと鳴ってくれない。
   もうひとつのサンポーニャもビン鳴らし方式。葦や竹を長さを変えて並べています。こんな感じだよね。」大きさの違うビンやペットボトルを三つくらい準備して音の高さの違いを聞かせる。
先生「尺八も持ってきたよ。」


尺八とケーナ。

先生「尺八とケーナ、似ているね。もう一度、音色を聞いてみよう。みんなが吹いているリコーダーとの音の違いを感じながら。」

児童 もう一度DVDを見る。リコーダーとケーナの音の違いを席が近い人と話す。

児童 もう一度、CDで「コンドルは飛んでいく」を聞いて、頭に浮かんだことを発表する。



 DVDで楽器や演奏の様子をしっかり見る。CDで音楽から受ける印象や頭に思い浮かんだことに集中する。
二つを使い分けました。

 今回は、ケーナ(とても安い・・・)ちう実物があったので、身の回りの楽器と比べてみました。比べてみることで、ケーナがどんな楽器なのか分かると同時に、いつも使っているリコーダーがどんな楽器なのかもわかります。

 楽器の音色について話すとき、多くの児童は、「音が高い」「音が大きい」のように、音の高低や音量については、よく話します。もっと、音の感じや音の表情について話せないかなぁと思うことがよくありました。同時に、自分の話す語彙も、音については少ないなぁと反省していました。
 その時、書いたのが下に示した表です。
 まだまだ足りていないけれど、少し語彙を広げることができるかな?






世界の音楽 アルフー

2015-06-14 09:41:16 | 鑑賞
先生「今日はお隣の国、中国。アルフーという楽器を聞こう。」
児童 アルフーの独奏DVDを聞く。
先生「弦が何本あったか分かった?」
児童「一本?」「二本?」「三本?」
先生「四本?(笑) よく見えなかったね。実は、この楽器のもう一つの名前を見ると何本の弦か分かるよ。」黒板に『二胡』と書く。
児童「分かったぁ!」「二本!」
先生「そう、二本の弦を弓でこすって音を出します。
   この『胡』ってどんな意味かというと、『中国の西側の地域』っていう意味。
   ということは、この二胡は西側のペルシァから伝わってきたということが分かるね。
   みんなのよく知ってる物の名前を漢字で書くと『胡』がつく名前があるよ。」
   黒板に字を書く。クイズ形式で児童に問題を出す。
   クイズ①胡椒 答え「こしょう」
      ②胡麻 答え「ごま」 
  「次からは難問だよ。『胡』を『こ』って読まないから。」
      ③胡瓜 答え「きゅうり」
      ④胡桃 答え「くるみ」

先生「日本の楽器に『胡弓』があります。三味線に似ています。だけど、三味線はバチで音をだすけれど、胡弓は弓でこすります。二胡の仲間だね。
  二胡の弓は楽器と一体化しています。胡弓は分かれています。
  もう一度、弦の様子、弓の動きをDVDで見てみよう。」
児童 もう一度見る。

先生「ヴァイオリンも弓で弾くね。二胡の音とヴァイオリンの音は似ている?似ていない?」
児童 感じたことを発言する。
先生 発言がでないときは、ヴァイオリンの演奏CDを用意し聞き比べする。また、席の近い児童同士、感じたことをつぶやき合う。その中に、先生が入っていき、児童のつぶやく言葉を拾う。

先生「どんな楽器もとても上手に演奏する人は、周りの人から『すばらしい!』『すてき!』と言われます。中国では、特にこの二胡を上手に弾く人がモテモテです。みんなうっとりしちゃうんですね、きっと。

*教育芸術社6年教科書

  今日は、もう一つDVDを見ます。十年ちょっと前に、日本で大人気だった中国の『女子十二楽坊』の演奏です。今日、みんで聞いた二胡も出てきます。他に、どんな楽器が出てくるか、お楽しみに。」
児童 DVDを見る。



 女子十二楽坊のDVDでは、二胡・琵琶・竹笛・古筝・楊琴が登場します。
琵琶や古箏は、後で学ぶ雅楽につながっていきます。中国と日本の文化が密接に関係していることが分かります。

 また、楊琴は、ハンガリーのツィンバロムやイランのサントゥールに似ています。(弦が箱にたくさん張ってあるのを上からバチでたたいて音を鳴らす)DVDがあれば、その同じ奏法を確かめ、音色の違いを聞きわけ、音楽を楽しむ・・・世界の楽器がどんどんつながっていきますね。



  

世界の音楽 メヘテルハーネ

2015-06-13 15:41:52 | 鑑賞
先生「今日は、トルコの音楽を聞きます。トルコはどこにあるか知ってる?」地図を出す。
児童「う~ん。」「どこだろう・・・」
先生「ここです!」地図を指さす。
  「ヨーロッパやアフリカに近いね。ここは、アジアの西の端。(一部はヨーロッパ)日本はアジアの東の端。DVDでトルコの音楽を見てみよう。」
児童 DVDを見る。

先生「どんな打楽器があった?」
児童「大きい太鼓。」「二つになってる太鼓。」「シンバルがあった。」
先生「よく見ているね、すごい!!大太鼓を打つバチを見た?違う音がでるように、二種類のバチを使っていたね。スズのような飾りのついたのぼりに気が付いた?」
児童「えーっ、ちゃんと見なかった・・・」
先生「教科書で確認してみよう。」教科書で軍楽隊のシンボルを確かめる。


*教育芸術社6年教科書から

先生「打楽器は後ろの方だね。前の方にある管楽器『ズルナ』は木管楽器です。オーケストラの学習のとき学んだオーボエみたいに、リードが二枚です。
   もう一度、DVDで見てみよう。打楽器の音や演奏の仕方、ズルナの音にも注目!!」
児童 もう一度見て確認する。
先生「これはトルコで『メヘテルハーネ』と呼ばれている軍楽隊です。」
   黒板に『軍楽隊』と書く。
先生「『軍』は兵士の集団、隊は『組・集団』。では、『楽』は?」
児童「楽しい・・・」「音楽の楽!」
先生「そうだね、音楽の楽。
   戦うときに、戦士の士気、意気込みを高めるために演奏しました。また、戦いが終わって勝利をみんなに知らせるために演奏したと言われています。
   DVDでみた軍楽隊の歩き方は独特だったね。『どうだ!』というように勇ましい感じだね。」

 この後、もう一度、DVDを見て、現在、演奏されている行進曲やブラスバンドの曲と雰囲気や音色を比べます。

 トルコについては、親日派が多いこと(明治時代のエルトゥールル号遭難時の救護)やトルコアイス、トルコ行進曲など、その時にタイムリーな話題を見つけて話します。

 オーケストラで学んだオーボエ→世界の音楽で学んだズルナ→これから学ぶ雅楽の篳篥
同じ二枚リードの仲間です。
 

世界の音楽 バグパイプ

2015-06-13 11:19:55 | 鑑賞
先生「今日から、世界のいろいろな国の楽器を学習します。その楽器の特徴や良さを聞き取ってね。
   一回目の今日は、最近、プリンセスが生まれた国です。」
児童「あっ、知ってる!イギリスだ!」
先生「そう、よく知っていたね。イギリスの正式名称を知っている人、いるかな?」
児童「グレート・・・なんだっけな・・・」
先生「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国。」
児童「そうそう!」
先生「王国なんだね。だから、プリンセスが生まれたって言っているんだ。
   地図でいうと・・・・」
児童「もっと左。」「もっと上」
先生「はい!ここです。グレートブリテン島と北アイルランド。」世界地図で確認。
   では、イギリスのバグパイプを聞いてみよう。楽器の音をよく聞いて。楽器の形も良く見て。」
   DVDでバグパイプの演奏を見る。

先生「旋律がタータータタターって聞こえてきた?」
児童 うなづく。
先生「旋律ではなく、ずっと同じ、低い音でなっている音も聞こえた?」
児童「ブーーってなっていた。」「えっ、気がつかなかった。」
先生「もう一度、聞いてみよう。」もう一度演奏を聞く。
児童「聞こえた!」
先生「楽器一台で、旋律と伴奏ができる楽器です。教科書に写真があるので見てみよう。」
児童 教科書を出して見る。



先生「右手左手があるところは、メロディーを演奏するチャンター管と呼ばれているところ。
   肩のところに、三本ある管がドローン管と呼ばれる伴奏の音が出るところ。
   口のところを見よう。ここから息を入れて両腕で抱えている袋に空気をためて、そこから空気を押し出して演奏しています。」黒板に『バグパイプ』と書く。
先生「バグはバッグ、袋という意味。みんがが吹いているリコーダーと違って、袋に空気をためると何かいいことがある?」
児童「音が切れない。」「リコーダーは息を吸うとき音がなくなっちゃう。」「ずっと音を出していられる。」
先生「そうだね。空気をためておくから、音が途切れないね。聞いて確かめてみよう。」
児童 3回目、バグパイプの音を聞く。
  「本当だ!切れてない!」
先生「よく聞けたね。もう一つ、袋にためると、大きな音を出せると言われています。」
児童「あ~そうだ、○○ランドに行った時、聞いたのを思い出した。音が大きかった!」

先生「この写真、もう一度見て。男性なんだけど、スカートをはいてるね。
   イギリスでは、男性がスカートをはくのが伝統なんです。前に、イギリスの力持ち大会を見たら、こんな感じの(ムキムキの体を表現)人が、スカートをはいて電信柱くらいあるかな・・と思うくらいの丸太を投げて、力持ちを競争していました。
   絵本で伝統的なスタイルを紹介しています。」絵本でタータンチェックのことにも触れる。




*絵本「ジス・イズ・エジンバラ」より

先生「実は、身の回りにあるもので、バグパイプに似たものを作れるよ。」
   しっかりしたビニール袋、ラップの芯、ソプラノリコーダー1本、テナーリコーダー3本を出す。
   児童とどう組み合わせたら同時に四つのリコーダーを鳴らせるか考える。

先生「こうやったら、リコーダーでもバグパイプみたいに演奏できることが分かったね。
   では最後、リコーダーとバグパイプの音の違いを考えながら聞いてみよう。
児童 最後にもう一回(四回目)バグパイプの演奏を聞く。
   音の違いを近くの児童同士でつぶやき合う。
   クラス全体に話す。



 「この国のこの曲を聞こう。」「この楽器を聞こう」だけでは、児童は、聞く対象に親しみをもちません。また、その「良さ」に気がつくことがなかなかできません。

 「初めて聞いた」「今までに聞いたことがない」音を「変だ。」「おかしい。」と切り捨ててしまう児童さえいます。

 楽器の仕組みや文化、その楽器が生まれる歴史などを話題にし、聞く対象への興味や関心を向けるように学習を進めると、しっかり聞こうという意欲、楽器にたいする親しみが生まれてきます。
 意欲と親しみが生まれると、音の特徴を聞き取ろうとか、この音楽全体の雰囲気を楽しもうとか思うようになります。