今日も ぺこぺこ

ジョリ夫婦&ぺこ。3匹とも、今日も元気に「ぺこっ」てます。

中世の人々の息遣い

2006-09-22 00:16:04 | Weblog

最近、寝る前に少しずつ読み進めている本が、コレです。
10年以上も前に買った本で、途中まで読んで止めていたのですが、ふと“呼ばれて”手に取って
みたら、これが非常に面白くって、ハマッて読んでます。

買った当初は内容的にかなり難しく感じて、読んではみたものの、アタマにちゃんと残らないので
途中で挫折していたんですが、今はちゃんとアタマに残るし、イメージできる。だから読んでて
非常に楽しいです。(でも出てくる言葉がドイツ語だらけなので、なかなか記憶に残らないんだけど。汗)
とはいえ、別に愉快な話なんかじゃあなくって・・・けっこう暗い世界の話。


この本はまず、「ハーメルンの笛吹き男」の伝説の検証から始まります。

笛吹き男は実在し、現実に起こった事件を元にしてこの話が作られた・・・という視点で、あらゆる
見解を示しています。
その検証自体も非常に面白いんですが、それ以上に興味深いのが、当時の民衆たちの生活を
表現する記述。娯楽の無かった時代に、祭りのような形で音楽を奏でて踊ることは特別な楽しみで、
子どもたちがそれに我を忘れて陶酔さえした、というような。(今の子たちを見てたら、絶対にこんな
こと起こらないって思いますね。苦笑)
そしてもう一つ面白いのが、この↑挿絵の右側、丘が描かれてますが、丘の中腹左側にあるもの・・・
首吊りの場所です。中世の絵によく登場するコレ。大体において、丘の上の吹きさらしの場所に、
必然のように描かれてます。なんでわざわざこれを絵の中に描いたのか?ってところも、非常に
気になります。

笛吹き男の話につづいて・・・

中世の一般の人が書いた自伝をもとにして、当時の生活風俗などを読み解いています。
面白いのが、当時まだ多くの人が文盲であったのに、文字が読める・読めないに特に階級の別が
無かった、という点です。
文字を扱うのが特権階級だけのことではないというのは、ちょっと驚きでした。

さらに続いて・・・

「刑吏(けいり)」、つまり、処刑人の生活に注目して、当時のに対する意識を浮き彫りにして
います。
日本でも昔に実際にあったように、一部特定の人たちを(意味も無く)差別する、意識。
処刑人が忌み嫌われて差別されるのは、まぁ、こじつけとはいえ何となくわからなくもないけれど・・・
それにしても、「一緒に杯を交わしただけで、その市民が家族・友人に見捨てられてに落ちる」
という、当時の現実。ヒジョーに驚きです。
しかしながら、そういったの職業に「歯医者」や「理髪師」、「皮なめし職人」なんかがあって、
でもそのである「歯医者」さんのところで歯を抜かれようとも、市民はに落ちることが無い
というのが非常に不可思議です。しかし、それが当時(中世から近世にかけて)の現実で、当然視
されていたことだと言うのですから。非常に理解しがたいけど、興味深いです。


こんな本を読んだ後なら、(実は意識的に一時中断している)「暦を作った人々」を再スタートしても、
少しはアタマに余裕が持てるかも。

やっぱり、読書は、詰め込むようにして読んでも楽しくないですね。
自分の中で何かが育っていくような感覚を楽しめないと。。。


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2 コメント

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中世大好き! (あつこ)
2006-09-22 19:52:54
最近yacoちゃんオークションにはまっています!(まだ購入はないけれど・・)

私がカリグラフィーを習っている先生はスイス人で写本の研究家。だから私も中世にとっても興味があるんですよ!写本の細密画の描き方も学んでいます。「暦をつくった人々」も早速購入してみよっとv( ̄ー ̄)v。



紋章学も習っていて、パリ市紋章のアンティークポストカード早く気づいていればエントリーしたのにっ(w_-; ととっても残念でした。



日本にいては手に入らない写本(ページ)や古本、紋章の資料など手に入ったらぜひgetしたいと思っています!



(元気そうでなによりです♪笑顔を大切にして毎日を丁寧に過ごしていってくださいね♪)
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Unknown (あつこ)
2006-09-22 19:54:59
(私も名前をポチッとしてみてくださいねd(^-^)ネ!)
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