MacTiger!

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幕末ブーム

2010-04-18 13:02:30 | Weblog
NHKの大河ドラマみても、日本人は幕末物が好きである。司馬遼太郎等の幕末マニア作家のせいでもあるが(笑)
真面目な、幕末、明治維新論は別の機会で論じることとし、幕末モノ漫画すこし検討する。
少年漫画の世界でも、幕末ものは結構あるが、ちょっとずれたSF人情、コメディ?の「銀魂」がある。少年ジャンプで連載中で、アニメ化されているので、メジャーな作品ではあるが。幕末っても、作品世界では、開国をせまったのはアメリカではなく、「あまんど 天人」という宇宙人。強引な開国で近代化ならぬ超科学化で、江戸風現代風SF風の変わった文化が形成。幕末の志士らのパロディ含め、かつて対天人戦争、攘夷戦争で攘夷志士だった坂田銀時の経営する「万事屋」の仲間(新八、神楽)ととものどたばた、人情、コメディ、たまにアクションの漫画。設定的には一種のパラレルワールド、架空歴史ものなんだが、実際は幕末パロディに仮託して、生き方、人情ドラマ中心のギャグマンガといってよいんでしょうね。
最初は、設定と話の流れについていくのが大変だが。そのうち慣れると、マッタリ感がたまらない。時代劇ものでわざと現代風で時代考証無視する漫画やドラマって、たとえば、テレビドラマ「浮浪雲」とか、「花のピュンピュン丸」とかありましたね。そういったギャグとしては伝統かもしれないが。
おっと話がそれました。この「銀魂」では幕末の志士らはテロリストのお尋ね者として描かれている。いたづらにヒーロー視していない。あたりまえといえばあたりまえなんだが。それと「明治維新」って結局、外圧からの変化で積極的に変わろうというよりは、変化の流れに身を任す的な日本人の庶民的処世術が根幹にあったような気がするんですね。この漫画をみてると、そういったことを考えさせるようなところがある。また、体制にとらわれあない、身近なものを守るための「武士道」の主張は、国家ナショナリズムとは離れた一種のヒロイズムですね。幕末明治は、攘夷思想=国家ナショナリズム形成、その中心として忠君であるし、武士道であった。封建的な主君への忠誠から、近代国家、国家元首たる天皇に対する忠誠への武士道の変化があった時代だけど、戦後敗戦後、国家ナショナリズムから開放された「武士道」は、実は少年漫画の世界で形成されていたのかもしれない。

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