暇人に見て欲しいBLOG

別称(蔑称)、「暇人地獄」。たぶん駄文。フリマ始めました。遊戯王投資額はフルタイム給料の4年分(苦笑)。

小説「アルバイトがやってきた」第1話「嘘の少年」(ノーカット版後編)

2004年12月20日 18時45分34秒 | 小説系
 だが、まだ事態は結末を迎えていない。  「で、どうする? 『1人で来い』と書かれていない以上、1人で行く必要はないけど。  まぁ、1人で行くってのも、度胸試しにいいかもしれないけどな」  タイチが、今度はいたずらめいたシニカルな笑みと声音で、恐い事を言い始める。 「や、やめろよ~……」  冗談に聞こえなかったのか、将太は少し怯えて言った。 (こりゃ、いいカモだわ……)  タイチは、気弱で、ネガ . . . 本文を読む

小説「アルバイトがやってきた」第1話「嘘の少年」(ノーカット版前編)

2004年12月20日 18時44分03秒 | 小説系
「長谷川、この問題を解いてみろ」  突然、どこか怒りを含んだような声が響いてきた。  妙に声が大きく感じられるのは、当の長谷川の席が一番前だからだ。 (なんで怒ってるんだ?)  呼ばれて、その少年――長谷川タイチ――は自分の机の上を見た。 (あぁね…)瞬時に悟る。  タイチの席は一番前だというのに、肝心の教科書が出されていなかったのだ。  タイチにしてみれば、ほとんど不要な物なのに。 「――=3 . . . 本文を読む

小説「アルバイトがやってきた」第1話「嘘の少年」(その8)

2004年12月20日 18時37分49秒 | 小説系
 帰り道。太陽は沈みかけ、夕日が街を朱に染めている。少し遅めの帰路についている2人も、同じく朱に染まっている。 「今日はホントにありがとう」  いきなり礼を言う将太に、タイチは、 「礼ならさっき聞いたぞ。それよりお前、聞きたい事があるんじゃないか?」  彼の心中を察しつつも、相変わらず抑揚のない声で言う。 「う、うん……。あのさあ……。  ほんとに、《ブラッドライカー》とは、何もなかったの?」 「 . . . 本文を読む