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有居恵・小林由佳・中田百合子ジョイントコンサート

2011-03-28 21:21:22 | コンサート

これは、コーエッド。外国産の椿もたくさん入ってきています。この白と赤のマーブルの入り方は一輪ずつ違います。
まだ寒いですが、咲いている花が増えてきて春を感じます。

昨日、兵庫県立芸術文化センターでの、3人のピアニスト「中田百合子・有居恵・小林由佳ジョイントコンサート」音の職人たち~その祈りと軌跡~vol.2に行ってきました。

有居さんはリストの巡礼の年第二年の「イタリア」から、第一曲と第7曲。

小林さんは、ヴァイオリンの井上敦子さん、チェロの伊原直子さんと、ドヴォルザークのピアノ3重奏曲第4番「ドゥムキー」。

中田さんは、クラリネットの古賀喜比古さんと、チェロの伊原さんと、ブラームスのクラリネット3重奏曲op114を演奏されました。

同じ会場の同じピアノがこれほど違うか?と思うほど、奏者により、音色が変りました。
有居さんは、作曲はリストですが、ダンテらしくイタリア風に、おおらかに歌えていたと思います。小林さんは打って変わって、軽妙。チェロの井原さんが落ち着いていて、なかなか良いアンサンブルでした。

中田さんたちの演奏したブラームスは、フルートに曲を遺してくれませんでしが、このトリオを聴くと、なるほど、それもそのはずだなと思います。
フルートのつやつや過ぎる音や、華やかな音色は、ブラームスの日常の延長にある音楽を表現するには、過ぎる。
クラリネットやチェロこそブラームスにふさわしい。
そしてそれにふさわしいピアノを中田さんはたくみに表現されててさすがの演奏でした。

中田さんのパンフレットの解説文より
「ブラームスは深い愛情を持ってこの不条理な世界をみていたのではないでしょうか?人生は常に苦しみの連続であるけれど、この世界は美しく、決して捨てたものではない・・・どうかブラームスからのメッセージがひとりでも多くの方の心に残りますように」

優しく力強い現実に絡み合う演奏でした。

3人は阪神淡路大震災の時の被災者でもあり、コンサートの収益金を全て今回の震災の被災者に送られるそうです。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございました。 (ゆり)
2011-03-28 23:22:52
パスカルさん
ご来聴くださり本当にありがとうございました。
たくさん言いたいことがあるのにうまく言葉になりません…。
私の心の声を代弁してくれているような曲です。またこの曲と出会ってなかったら、私は今ピアノを弾いていないと思います。
解説文は、地震の前に全く個人的な私の心情で書き上げたのですが、今思えば地震後の今の世界とリンクしていますね。
私にとって大切なこの曲の演奏を聴いて頂いて、本当に有難うございました。
素敵な演奏ありがとうございました。 (パスカル)
2011-03-29 00:08:06
あの文章は、震災の前に書かれたのですか、こういうことがあるのですね。
今の私達に必要な言葉と音楽ですね。

ゆりさんが苦しみながらも真摯に音楽に向き合ってこられた末に出会ったブラームス。

音楽に具体的な出来ることは何も無い。
誰の苦しみが一番だとか、比較する必要は無いのに、具体があるとすぐ私達は比較して、競争してしまいます。
ブラームスの苦しみと今の日本の苦しみのできごとはそれぞれに違うかもしれないけれど、具体がないからこそ、人間として共感できるだと思います。そして、共感こそつらい孤独な人生を和らげる唯一のことで、音楽のできる大切なことではないかな?と思います。
被災者の皆さんにもきっと、ゆりさんや、コンサートを聴いた人たちの思い届くと、思います。
Unknown (ゆり)
2011-03-29 14:21:34
パスカルさん

ありがとうございます。
私も本当にそう思います。
私がこの曲に救われたように、人が音楽に癒されるのは、ただ美しいからではなく、そこにある作曲者や奏者の苦しみや喜びに共感し、心がリセットされるからだと思います。傷口に塩をぬる感じで。
だからこそ苦しんでなんぼ、とことんどん底に落ちて這い上がれ!とブラームスに言ってもらって、苦しくても続けようと思えたのだと思います。
おこがましいですが、それが自分が音楽をする理由だと思っています。
本当にありがとうございました。

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