読書記録

とりあえず、読了本をあげていくつもりです。
…もしかしたら、映画とか、ゲームとかまで…たどりつくのかww

ジェレミー・ドロンフィールド

2006年05月25日 | ミステリー(翻訳)
サルバドールの復活〈上〉

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サルバドールの復活〈下〉
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◆「サルバドールの復活」

 「飛蝗の農場」で衝撃のデビューをしたドロンフィールドの2作目。

 旧友の死に、同じ下宿に暮らしていた3人の友達が集まる。すると故人の姑から館に招待を受ける。そこで待っていたのは、恐怖だった。

 「飛蝗の農場」でも、一体何が面白いのかよくわからないままに引き込まれて、最後はああよかった。やっぱ、このミス1位になるのは違うわね、と思ったんだが、今回もうーーーんと思ってたらあれよあれよと踊らされて、最後は「やっぱりドロンフィールドは面白いわ」って思ってる。
 小説家というより、マジシャンですな。
 
 これは、過去と現在、そして聞き伝えの話とか、とっても交錯しているし、主観が変わっていても説明なしにぶんぶん進んでいくので、気を抜いてると振り落とされます。まぁ、その振り回されるのが快感といえば、いえるのでは。
 ただ、このオチというか、過程に、笑っちゃう人もいるだろうし、怒る人もいると思う。でもって、その笑ったり怒ったりする人を想像して、ほくそ笑みながら書いてるドロンフィールドが想像できて、また笑っちゃったり怒っちゃったりする。
 やっぱり、マジシャンですなww

 面白かった。でも、今年の「このミス」ははいってこない、だろうなぁ(苦笑)

尾田栄一郎

2006年05月19日 | コミック
ONE PIECE 巻41 (41)

◆「ONE PIECE 41」

 ニコ・ロビンの過去が語られる41巻。

 もう涙なしには読めません。
 麦わらのメンバーの過去話は、ほとんど親(もしくは育ての親)の広い愛と犠牲があるので、ロビンちゃんの話もねぇなんて思ってたけど、やられました。
 尾田栄一郎、まだまだ才能を隠してるみたいです。
 今回は、それを取り巻く人間たちがね。
 
 ともあれ、読みましょう!!
 

ローレンス・ブロック

2006年05月19日 | ミステリー(翻訳)
皆殺し

◆「皆殺し」

 マッドスカダーシリーズ。
 友人ミックが謎の集団に襲われ、マッドも事件に巻き込まれていく。

 最近、生活が安定してきてるせいか、ハードボイルドしてなかったこのシリーズだが、今回はものすごくハード。
 物語の中盤すぎても、敵対する相手がわからない状態っていうのは、すごいはらはらした。
 でもって、やっぱり最後がいい。
 ブロックはそういう意味で、職人なんだと思う。仕上が上手い職人ww

 にしても、かなり流血シーンが多いので、そういうのが苦手な方は覚悟したほうがいいかもね。
 ま、スカダーシリーズ読んでる人は、以前に倒錯の3部作ってこれでもかっていうのがあったから、特にどうってことはないんだろうけどさww

よしながふみ

2006年05月19日 | コミック
フラワー・オブ・ライフ (3)

◆「フラワーオブライフ3」

 春太郎の高校生活の漫画。
 今回は冬休みまえにクリスマス会しようぜって話。

 相変わらずさりげないところで上手さを爆発させているよしながふみなのであった。友達と買い物にいくっていうとこなんて、あの微妙な気まずさや、でもその後のなんでもないしゃべりが楽しくてたまらないのとか、ああああよくわかりますって。
 とはいえ、今回の目玉は、シゲと真島なのであった。
 
 ま、そのあたりは手にとって読んでくださいww

 夏目房之助も書いていたが「近頃の漫画が面白くないという人は、よしながふみを読んでからいえ」って。
 同感ですm(__)m

北村薫

2006年05月19日 | ミステリー(邦人)
街の灯

◆「街の灯」

 北村薫の新シリーズ。
 昭和7年の東京が舞台で、社長令嬢の花村英子とその運転手別宮(べっく)みつ子がささいや謎から、殺人事件までを解いていく。

 雰囲気としては、覆面探偵に近いが(すっごいお金持ちなので)あそこまで軽くは無く、むしろ昭和の始めがかかえていて、その後の戦争へ進んでいく時代の暗黒面が見え隠れしている。
 
 しかし、北村薫はどーして女の子描くのが上手いんでしょうねぇ。
 主人公の英子はもちろん、彼女の学友、宮家のお嬢様であったり、元大名の家だったり、そういうところからきちっとかけている。人を形成する大部分の要素は環境だ。そこに筋が通っているから、ともすれば虚構のような世界が、しっかり息づいている。
 そう、読み進めれば進むほど、風景が色づいてくる感じがした。
 
 と、日本語って美しいなぁ。

荒川弘

2006年05月19日 | コミック
鋼の錬金術師 13

◆「鋼の錬金術師13」

 TVアニメとは全く別になったハガネ。
 でもってこうきましたかぁ。

 多少、予想はしてたけど、つか覚悟はしてたけど、13巻の最後は「えええええええ」って絶叫してしまったよ。ああ、○○○さま(一応ネタバレ配慮)

 にしても、どんどんハード&ダークになっていってるんだが、大丈夫なのか?
 いや、大丈夫なんだろう。アルを思いやってなでるエドの手のやさしさや、なんだかんだと笑って切り抜けている強さ。二人の魂の健全さが、全ての救いとなるのだろう。そんな気がする。

岩合光昭

2006年05月19日 | ノンフィクション
きょうも、いいネコに出会えた

◆「きょうも、いいネコに出会えた」

 も、タイトル通りの本です。
 ネコ好きは、即買いましょう!!!!

 写真家岩合氏による、そこらの普通のネコの写真とエッセイ。
 自然の中で、ゆったり暮らしているネコがすごくいい表情してて、間違いなく見るだけで幸せになれます。
 エッセイも、ちゃんとネコにピントがあった文章で、よかった。
 某写真家の建築の本とはエライ違いだww

 岩合氏、ネコの本が他にもあるみたい。
 うーーーー、買いたいなぁ。



ちょっとネコぼけ     ニッポンの猫


  旅ゆけば猫―ニッポンの猫写真集      海ちゃん―ある猫の物語


メアリ・H・クラーク

2006年05月19日 | ミステリー(翻訳)
20年目のクラスメート

◆「20年目のクラスメート」

 ミステリーの女王、クラーク! まさに王道。

 20年ぶりにクラス会のために故郷に戻ってきたヒロイン。そこでかつて一緒にランチをとっていた7人の仲間のうち5人がすでに亡くなっていることを知る。そしてヒロインのもとには不気味な脅迫状が届く…。

 こう書くと、まぁなんとなくストーリー展開は予想がつくものなんだが、クラークはこの王道の話を、王道のまま、見事に構築している。なんつーか「お城」だねぇ。
 にしても、犯人かもって思わせてる同級生の男性達、そろいもそろって変なヤツ(つか性格悪いよww)で読んでて、うんざりしないわけでもない。が、それだからこそ最後まで犯人がわからないわけで……うーん、ジレンマ。

 1929年生まれのクラークは、すでに77歳。
 娘との共著を出したり(でも娘はいまいち面白くないんだよねぇ)しているが、ほぼ年に1冊のペースは崩していない。
 も、それだけで頭が下がるよ…。

今邑彩

2006年05月19日 | ホラー(邦人)
よもつひらさか

◆「よもつひらさか」

 今邑彩の短編ホラー。
 
 うんこれはミステリーってより、ホラーでしょう。
 
 面白かったし、怖かったです。
 今邑彩は文体が淡々としているほうだと思うので、淡々と怖いのがやってきてさらに怖いって。
 にしても、普通に言われてるけど、何より怖いのは人間ですな、やっぱり。
 ああでも表題作は……こわかった。
 夜トイレいけないって、マジで思ったよww

恩田陸

2006年05月19日 | ミステリー(邦人)
黒と茶の幻想 (上)

黒と茶の幻想 (下)

◆「黒と茶の幻想」

 Y島(っても屋久島ってすぐわかります)にJ杉(縄文杉)を見に来た男女4人の物語り。

 3泊4日の旅の間、一人づつの視点で過去と現在が語られる。ただそれだけの話だ。それだけの話を、これだけの「物語り」に仕上てくる恩田陸はやっぱりすごい。
 しかし、出版社的には売りにくいのか「美しい女が消えた夜へ、幻影の森を歩き続ける」と帯びの文句はなっている。美しい女っていうのは、「麦の海に沈む果実」の梶尾憂理なんだが…。彼女の存在の必要性はわかるし、それは成功してると思うんだが、帯びの文句となるとどうなんだろう?
 ともあれ、屋久島という一種浮世離れした場所で、ハイキングしながら現実を幻想を行き来しているような感じは、彼らの30代後半という年齢のあやうさとシンクロしていて上手いなぁとつくづく思う。

 数年前に恩田陸の本が立て続けに出版されたので、そろそろそれらが文庫おちしてくるはずだ。
 楽しみ、楽しみ。

今邑彩

2006年05月19日 | ミステリー(邦人)
つきまとわれて

◆「つきまとわれて」

 今邑彩の短編集。

 やっぱり今邑彩は面白い。
 これといって派手なところがあるわけでも、すごい凝ってるところがあるとか、特徴を言えといわれると困るんだが、読んだあとは「ああ面白かった」って素直に思える。一体この人の魅力って何なんだろう。…うーん。

 短編といっても、1に出てきた人が2では主人公になったり、2で出てきた絵が3の家に飾られていたり、さりげなく物語りは絡みつながっている。それが非常にさりげないので、好感度が高い。(これみよがしにやってるやつってたまにあるけど、それはないだろってすごく思うのだ)
 
 ともあれ、今邑彩を読んだことない人は、何でもいいから即読むべし。
 それが全てだと思う。

北森鴻

2006年05月19日 | ミステリー(邦人)
桜宵

◆「桜宵」

 ビアバーシリーズの2作目。

 ま、1作目と同じような趣向で、安心して読めます。
 うん、これは間違いのない作品って言えるだろう。

 しかし、薄紙を通して見え隠れしているような、人間のしたたかさや醜悪さ。ああ、やっぱりこのあたりもバランス感覚がさえているのだろう。

 にしても、ビール飲みたくなるよww

北森鴻

2006年05月19日 | ミステリー(邦人)
狐闇

◆「狐闇」

 旗師宇佐見陶子シリーズ。

 銅鏡を手に入れたために、事件と陰謀に巻き込まれた陶子は、骨董業者の監察まで奪われてしまう。

 この絶対絶命の状態でも、したたかに戦っていくのが陶子の最大の魅力か。
 まぁ、相変わらず作者にいたぶられてますww
 が、これはちょっと動機とか、やり方とか、ちょっと無茶かなと。まぁ、骨董の魑魅魍魎の世界だからっていうのでかろうじて保ってるけど…。ああ、真犯人の動機はいいんだけど、目くらましになっているような事件のほうの結末がねぇ。
 と、ビアバーがでてます。
 ついでに、那智もでてきます。
 北森作品のオールライナップですか…。
 新聞小説だったとかで、やりすぎではないかと。
 つか、あのTVドラマがやっぱりいかんかったよな。あれで那智のイメージがかなりひどくなってしまったもの。
 映像化って、ホント難しいねぇ。

北森鴻

2006年05月19日 | ミステリー(邦人)
花の下にて春死なむ

◆「花の下にて春死なむ」

 ビアバーシリーズの1作目。

 シリーズだと知らなくて、何かのついでにBK1で2作目を買って、あわててこれも買った。ポイントの関係でBK1を愛用してるけど、作品の情報が少ないから困るんだよね。

 マスターがすっごい美味しい料理を出すビアバーに集う客たちが、謎を運んできて、それをマスターや他の客が解いていく。通常なら、マスターがホームズで客がワトソンなのかもしれないが、必ずしもそうではない。つか、作品によってはマスターは何も解いていない。ヒントは出してるけど。
 このバランスが妙技。
 ここのところ、北森鴻を読んでいるが、この人の最大の魅力はバランスなのかもしれない。
 旗師シリーズもそうだし、これも、マニアックに傾いて危ういところできちっと平衡を保っている。

 ただ、マスターの料理がねww
 何も言わないでも出てくるって、偏食家には拷問のようだ。
 読みながら、それはかんべん、って何度かつぶやいちゃったよww

ジョナサン・キャロル

2006年05月19日 | ミステリー(翻訳)
蜂の巣にキス

◆「蜘蛛の巣にキス」

 ダークファンタジーのジョナサン・キャロルの9年ぶりの新作。

 作家である主人公が、自分の高校時代にあった殺人事件の本を書こうとする。すると周りでまた殺人事件がおこる。

 ……ファンタジーかと思ってたら、普通のミステリーでした。
 どーしたキャロル。やっぱり、今までの作品ではマニアックすぎて売れないのか。でもって、お金が必要になったのか? と、勘ぐりたくなりました。
 が、中身は、やっぱりキャロルだった。
 なんてことない表現が、独特のキャロル節だし、展開や結末もキャロル以外にこういうもっていきかたをする人はいないだろうって。
 にしても、キャロルってどっかいっちゃってる人描かせると上手いよなぁ。

 ミステリー作家ジョナサン・キャロル。新作出たら買うから、出版社さまさくっと出してくだいませm(__)m