読書記録

とりあえず、読了本をあげていくつもりです。
…もしかしたら、映画とか、ゲームとかまで…たどりつくのかww

トマス・ハリス

2000年04月30日 | ミステリー(翻訳)
レッド・ドラゴン 上(ハヤカワ文庫 NV 1019)トマス・ハリス著・小倉多加志訳

レッド・ドラゴン 下(ハヤカワ文庫 NV 1020)トマス・ハリス著・小倉多加志訳

◆「レッドドラゴン」
 途中でやめて寝ようと思ってたのに、上巻の最後が怖くて、
最後まで読まないと寝れそうになかった(涙)
これの続きが、「羊たちの沈黙」で「ハンニバル」に続いていくらしいけど、
とにかく怖かったです。残虐なシーンとかも、もちろんなんだけど、それより
普通の人とそうでなくなった人の境界線のあやうさが、怖い。
ハンニバル・レスター(映画でA・ポスキンスがやってました)が捜査官に
「私達は同じなのだよ。だから私を捕まえることができたのだ」
と、語る不気味さ。そして、不安。
「死は生の対極にあるのではない。内在している」と、
村上春樹が書いてたと思うけど、それは正気と狂気の関係にもいえると思う。
狂気は内在し、普遍的に存在している。

「ハンニバル」は、映画化が決まってるんだって。
でも、J・フォスターはあまりの残虐さに出演を断わったらしいよ

今邑彩

2000年04月28日 | ミステリー(邦人)

◆「ブラッディローズ」
 今邑彩の「ブラッディ・ローズ」を読む。
っていうか、読みかけてる途中に、建築探偵が入ってきちゃってたの。
デュ・モーリアの「レベッカ」を髣髴させる内容だけど、結末は意外だった。
しかし、綺麗な薔薇の中で、ただ醜いのは人間なのか。
でも、読後には一種の透明感があった。
それは、内容が現実離れしているからというより、作者の力量なんだと思う。
今邑彩を読んだのは、これが始めてだったのだけど、いいもの見つけた感じです。

篠田真由美

2000年04月27日 | ミステリー(邦人)
仮面の島(講談社ノベルス)篠田真由美著

◆「仮面の島」
 今までの建築探偵の中で、一番よかった。
 トリック(?)が甘くないとは言わないが、それを蹴散らすものがある。主役の4人が少し引いた形が、かえってよかったのかもね。
「この世に仮面なしに生きている人などいない」という言葉が切ない。
 そして仮面の下の、悪意や絶望しか見えなくなってしまう状態の苦悩。その始まりは、それでも「愛」だったと思うし、愛だから余計に切ない。人間はこの愚かさから脱却することは、出来ないのか。

 しかし、京介の過去については、このままわからないままずっと、ひっぱっていくつもりなんでしょうか? それとも、いつかは書いてくれると期待してていいんでしょうかね。

グレイグ・ホールデン

2000年04月16日 | ミステリー(翻訳)
夜が終わる場所(扶桑社ミステリー)クレイグ・ホールデン著・近藤純夫訳

◆「夜が終わる場所」
 時間軸がわかりにくくて、ちょっと読むのが辛かった。簡単に言ってしまえば、子供への虐待を大人の視点から書いたものなのだけど、
「罪」って何なのか、なんだか解説の通りでなんだけど、考えてしまった。あの中学生の恐喝事件だって、あんなに金額が多くなったからこんなに騒がれているけど、それすら始まりは無視されてしまったものね。面に出ない「罪」は、罪にならないのか。そんなことは、ない。でも、面に出なかった故に、罰を与えられないことは人をさいなむのだ。
そんなことを、思った。