読書記録

とりあえず、読了本をあげていくつもりです。
…もしかしたら、映画とか、ゲームとかまで…たどりつくのかww

カーロン

2000年06月30日 | ミステリー(翻訳)
ささやく壁
ささやく壁
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パトリシア・カーロン 富永 和子 扶桑社 (1999/03)売り上げランキング: 520,382通常2日間以内に発送

◆「ささやく壁」
 突然の発作で寝たきりになった老婦人が、壁伝いに殺人計画を聞いてしまう。けれど話せないし、動けない彼女には、それを伝える術がない。彼女のそのもどかしさや、下宿人のシングルマザーとその子供の孤立無援の奮闘ぶりに、思わず「がんばれ」って言いたくなった。最後が、ちょっと肩透かしだったかな。ま、そういうあっさりと終わるのを狙ったんだろうけど。
 オーストラリアの作家で、本邦初紹介なんだって。他の未訳の本の紹介が解説に出てたけど、面白そうだった。

矢野直明

2000年06月29日 | 学術
インターネット術語集―サイバースペースを生きるために
◆「インターネット術語集」
 新聞の書評で誉めてたので、読んでみた。確かに、切り口は今日的で、わかりやすい。実際的な説明もされてる。が、いかんせん、私が基本的なことを理解してないもんで、チンプンカンプンなところも、多々(爆) まぁ、それは仕方ないでしょう(違うか?)
 でも、PCってやっぱり、アメリカ的で、その言語もいくら訳しようが米語的なのだ。思考パターンが、違うよなぁと思った次第です。

今邑彩

2000年06月25日 | ホラー(邦人)
「死霊」殺人事件
「死霊」殺人事件
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今邑 彩 光文社 (1998/11)売り上げランキング: 471,937在庫切れ

◆『「死霊」殺人事件』
 ありゃと思ってたら、i の殺人の刑事さんがでてた。シリーズものなのかと思ったけど、違う感じがする。確かに、その刑事が主人公で謎を解くのだけど、魅力を感じない。そういうのが狙いだったら、成功してるのだろうけどね。
 …今邑彩でも、なんだかなっていうのもあるのね(笑)
 と、〇〇社文庫(一応自主規制)って、面白くない!!

綾辻行人

2000年06月23日 | ミステリー(邦人)
十角館の殺人
暗闇の囁き
◆「十角館の殺人」「暗闇の囁き」
 あっと驚くトリックが魅力なんだろうけど、私にはあまり魅力的に感じない。特に、十角館の方は、犯人の動機があんまりで、むかついた。結局、ミステリーって極限状態(というか、普通じゃない状態)での心理を読むもんじゃないのかな? トリックって、そのあとのもんだと思うのだけど…。暗闇の、もかなり無理矢理。獲り付かれもの(?)なら、ジョン・ソールの「暗い森の少女」の方が、何十倍も怖い。

エヴァンス

2000年06月21日 | ミステリー(翻訳)
最後の娘
◆「最後の娘」
  最初、読みずらかったんだけど、じわじわくる不気味さに一気に読んでしまった。(時間をおくのが怖かったの)下宿屋に1人の娘が引越ししてくるのを、同じ下宿に住んでる1人暮しの老人が語る、のだが、これがすごい嫌。彼は、単に親切にしてるつもりで、そのお返しにちょっと話し相手になってくれることを望んでいるのだけど、それがとんでもなく独善的なのだ。老人だからなのか、元々の性格なのか、それとも異常なのか、読んでる方の混乱とともに進んでいく。
 まるで、少しずつ空気を抜かれていくような、息苦しさを感じた。

ジョーン・M・ドゥルーリー

2000年06月20日 | ミステリー(翻訳)
噤句
◆「噤句」
 母の遺言の謎を追う、ってやつだけど、ほとんど事件らしい事件はおこらない。スペリオル湖畔の田舎町(というより高級別荘地)の生活が描かれている。それはそれで面白かったし、特に隣人の老姉妹は口の悪さやテンポが、おすきとピーコっぽくていいキャラクターだった。いや、彼女達だけでなく、主人公の従姉(未婚で出産し、他に養子もそだててる)や、主人公の祖母の友人など、面白いキャラクターだらけだ。ま、そのせいで?ストーリー自体は、そんなに「孤独な捜査。忌まわしき秘密」(帯びの文)じゃない。
 同じ主人公で、他に2作上梓されてるらしい。(噤句、は2作目なんだって)翻訳が出たら買おうと思ってる。ぐらい、印象はよかったのよ。

T・J・マグレガー

2000年06月18日 | ミステリー(翻訳)
閉ざされた刻
◆「閉ざされた刻(とき)」
 <クィン&マクレアリ>シリーズ完結とあったので、予想はしてた。が、やっぱりこういう終わり方はないだろうと、思う。きっと、マグレガーがこのシリーズに愛着がなくなったんだろう。それとも、倦怠期の夫婦には救いがないと言うことなのか?(このシリーズは夫婦探偵のリアルな生活感が魅力だったのに)
 それししても、一応探偵ものに幽霊はないだろうと、強く思う。ま、もともとSF色の強い作家だけどね。
 シリーズ物は、続けるのは勿論、終わるのも難しいもんですね。

リチャード・ハル

2000年06月17日 | ミステリー(翻訳)
伯母殺人事件
◆「伯母殺人事件」
 性格の悪い主人公が好きだ、と日頃言ってるが、一応基準があるらしい。
 リチャード・ハル「伯母殺人事件」 は、主人公も伯母も、性格が悪い。それも私の嫌いなタイプに嫌いなもんだから、読むのが辛かった。犯罪者が独白する見込み犯罪、って発刊当時は斬新だったのだろうけど、今読むとなぁ…。最後の伯母の独白はなかなかだった。最後の一言も。名言です。
 性格の悪い主人公でも「QUIZ」は、好きなんだよ。筋の通った性格の悪さ?が、好みなんだろうか。さぁ、来週は最終回。顔がわからなくなった遺体は別人って、法則?があるが、今回はどうなんだろう。皆怪しいけど、テロップに役名が出ない人は、少なくとも犯人じゃないでしょ(笑)

貴志佑介

2000年06月15日 | ミステリー(邦人)
黒い家
◆「黒い家」
 映画の(見てないけど)大竹しのぶと西村雅彦の映像が、どうしてもちらついて困った。最初の保険のウンチクが、必要なんだろうけど、ちょっと辛かったな。噂通り確かに面白かったけど、それほど怖い訳じゃなかった。実子を殺した山口の事件や、和歌山の毒入りカレー事件って、現実の方が先を行ってる?からだろうか。最後のサイコパスに対するヒロインの考えは希望的だけど、私には現実味がないように思える。

綾辻行人

2000年06月14日 | ミステリー(邦人)
緋色の囁き
◆「緋色の囁き」
 「黒猫館の殺人」は、以前に読んでたのだけど、特別ひかれるものはなかった。今回のも面白かったけど、あんまり読後がよろしくない。ようするに、私は不必要に人が死ぬ小説って好きじゃないんだと思う。それに、とんでもなく規律の厳しい名門女子高って設定が、ちょっと苦しい。犯人も、かなり無理矢理(笑) 雰囲気を読む小説ですね。

宮部みゆき

2000年06月12日 | ミステリー(邦人)
ステップファザー・ステップ
◆「ステップファーザー・ステップ」
 りっちゃん、お奨めの奴。近くの古本屋でゲット。古本屋って、ありがたいです(笑)
 正直言って、宮部みゆきって面白いんだけど、出てるだけ買って読むぞって(ハマルと市内の本屋全部回って探すんだよ)気にはならなかった。でも、これは文句なしに面白い。これを最初に読んでたら、絶対宮部みゆきを求めてうろうろしたと思う。なんか、この主人公達で長編の予定があるらしい。今の私は、ハードで出ても買いそうである(爆)
 結局、ストーリーも勿論だけど、人物がポイントなんだと思う。双子くんが、やっぱ、いい感じです。じいさまもいいけど。

リンダ・ラ・プラント

2000年06月10日 | ミステリー(翻訳)
顔のない少女―第一容疑者〈2〉
◆「顔のない少女-第一容疑者(2)」
  イギリスの警察ドラマのノベル版の2作目。テニスンって女性の主任警部を通して、地味な捜査と推理で解決していくのだけど、このテニスンの性格が悪い(笑)愛想はない、口は悪い、容赦がない…。リアルを追求したドラマってことで人気がある番組(NHKで放送してるよ)なので、警察内部の女性蔑視やキャリア重視とかそういうのがえがかれてて、それに立ち向かっていくヒロインはこれっくらいじゃないと、やっていけないのかもしれない。でも、私はテニスンの生き方って、好きだ。
 外国のドラマって面白いよな。日本のって、ぱくりが多い気がやっぱりするの。

 NHKさん、地上波で海外ドラマ放送して下さいm(__)m

リンダ・ラ・プラント

2000年06月09日 | ミステリー(翻訳)
温かな夜(ハヤカワ・ミステリ文庫 HM 203-6)リンダ・ラ・プラント著・奥村章子訳

◆「温かな夜」
  刑事だったけど酒で、落ちるとこまで落ちた(これが半端じゃない)ロレインが、立ち直り私立探偵としてやっていく3部作の完結編。推理としては、どんどん登場人物が死んでいくので、消去法で甘いんだけど、結末は唸ってしまった。なんでも、モデルがいてその話から書いたそうなんだけど、そのモデルは突然姿を消してしまったらしい。それがこの完結と関係あるかはわからないが、現実って案外こんなものなんだろうかと思った。
 アル中探偵って、ローレンス・ブロックのマッド・スカダーも有名だけど(元刑事で誤殺事件をきっかけにどうしようもないアル中になるってのも一緒)アルコールから立ち直ってからの立場?は、両者で全く違う。
 やっぱ、女の方が切り替えが早いし、タフなんでしょうかね。

マリリン・ウォレス編

2000年06月08日 | ミステリー(翻訳)
シスターズ・イン・クライム〈2〉優しすぎる妻
◆「シスターズ・イン・クライム(2)優しすぎる妻」
  「クリニック」の前から読み始めてたんだけど、つい、後回しになってしまいました。
 女性作家による推理小説のアンソロジーの第2弾。1の「メアリードアを閉めて」が面白かったので期待してたけど、やっぱり面白かった。アンソロジーの楽しみは、知らない作家に出会える喜びと、知ってる作家の意外な面を見る驚きだ。クラークは安定したタッチでそれでも叙情的な面を見せ、マクレガーは不思議な空間を作っている。マーガレット・マロンの「真っ赤な嘘」は、新しい発見だった。
 しかし、アメリカのミステリー界って、裾野が広いよなぁ。

佐藤多佳子

2000年06月07日 | 文学ww 邦人
しゃべれどもしゃべれども
◆「しゃべれどもしゃべれども」
  様々な理由でちゃんと会話ができない人達が、噺家に落語を習う話なんだけど、すごく個々が生き生きとしていて上手い。最後の発表会のシーンなんて感動的だった。誰だって、自分に自信はない。不安ばかりを膨らませて生きているようなもんだ。でも、その悪循環から抜け出すのは、自身の力、それだけなのだ。