読書記録

とりあえず、読了本をあげていくつもりです。
…もしかしたら、映画とか、ゲームとかまで…たどりつくのかww

ジョイ・フィールディング

2005年04月29日 | ミステリー(翻訳)
二度失われた娘
◆「二度失われた娘」
 突然娘が失踪し、それを探す母親の話。母親は離婚していて、その時娘は父親のところへいってしまっている。それを加算しての「二度」なんだが、うーん、どうなんだろう。
 原題は「LOST」 喪失とかそういうタイトルの方がいいかと思うんだけど、喪失ってタイトルの本、って死ぬほどあるからなぁ、そうできなかったんだろうけど、でも二度失われたっつーのはやっぱりピントがずれてる気がする。
 ともあれ、やっぱり上手いフィールディング。女性心理を書かせると、この人が一番上手いと思う。それも眉をひそめてしまうぎりぎりのところまで書けるから、すごいと思うんだが。
 でも、結末はなーんか気持ちよくないのであった。
 (決して最後の方をぺらっとなんて読んで読み始めちゃいけませんぜ。解説の方は大丈夫だけど)

M・H・クラーク

2005年04月27日 | ミステリー(翻訳)
魔が解き放たれる夜に
◆「魔が解き放たれる夜に」
 クラークです。も、どんな状況、どんな設定だろうが、水準以上のものはもってくる、こうなると職人ですなぁ。
 今回のクラークは始めての一人称だそうで。そーいわれてみればそうだなと思うんだけど、あまりにも違和感ないので…っていうのはどうなんだろうねぇww
 姉を惨殺した犯人が保釈になった。犯人は未だに犯行を認めておらず、妹はその証拠を探し始める。って話なんだけど、ここまで「犯人」と断言されて、ネットで実名で糾弾されるっつーのには、賛成しかねるんだが、クラークのヒロインなのでぎりぎりのラインで好感度を保っている。でもって、やっぱり脇が上手い。弟や、父を、微妙なさじ加減で使ってる。
 読み終わって冷静に分析していくと、???な部分もないわけじゃないが、ま、そんな小さいことは気にしちゃいけないさww

篠田真由美

2005年04月26日 | ミステリー(邦人)
胡蝶の鏡
◆「胡蝶の鏡」
 建築探偵の第3部の始まりになるんだそうで…。
 舞台はヴェトナムです。でもって、「桜闇」の中の1篇で駆け落ちしちゃった女性のその後です。と、90年前の殺人が絡んでくるんだけど。
 書いてると、なんだかなぁってなってしまうので、これ以上はやめとこうと思うんだが、大河ドラマだって、面白い回と面白くない回もあって、その面白くない回っつーのはそれはそれで必要なんだから…。
 まぁ、そんな感じ。

萩尾望都

2005年04月25日 | ファンタジー
左手のパズル
左手のパズル
posted with amazlet at 05.04.27
萩尾 望都 東 逸子 新書館 (1995/07)通常4~6週間以内に発送

◆「左手のパズル」
 萩尾望都<文>に、東逸子<絵>になる、ファンタジー。
 左右を間違えて覚えていた少年の話、と書くとかなり素っ気無いが、東さんのエッチング(だと思う)の美麗な絵と重なって、とても美しく切なく、そこはかとなく怖い物語になっている。
 目の保養になりました。

★★★★☆☆☆

2005年04月19日 | DVD

◆「プリズン」
 ヴィゴが出てるので、借りました。
 話は、おもいっきりB級。長年閉鎖されていた刑務所が再開されたのだけど、そこには無実の罪で処刑された男の怨念が巣食っていた。
 って、そのまんまのストーリーです。でも、なんか、妙に面白かったんだよね。
 監督は「ダイハード2」の方だそうです。うむ、そのせいなのか、ヘンに考え込むところはなく、クールにまとめあげてるからなんだろうか。
 ともあれヴィゴです。
 若いヴィゴは、それでもなんだかヘンに老成してて素敵です。でも、筋肉が薄いんだよねww って、これはなんだかんだと脱いでるので、ヴィゴの腹筋とかお尻とかも、楽しめます<殴
 にしても、ヴィゴってやたら無口な役が多いね。

萩尾望都

2005年04月18日 | コミック
残酷な神が支配する (10)
◆「残酷な神が支配する」1~10
 いきなり余談だが、BK1がリニューアルして紹介リンクが早く出るようになったんだが、なんか余計なんだよね。画像だけのシンプルなのがよかったのに…。
 ここでリンクしてるのは、アマゾンだったりBK1だったりしてますが、画像の有無が最優先されてます。それだけなので特に意味はないです。はい。

 母が再婚した男から性的虐待を受ける主人公。そして、その義理の兄。結局は主人公だけでなく、兄を含めた二人の成長の物語だったように思う。が、考えさせられる。もーさまの作品はいつもそうだ。読んだ時にもそれなりに受け止めているんだけど、時間がたってふいに自分の中に流れ込んでくるように「意味」がわかる。
 なので、これもきっと10年ぐらい(<おい)して、ある朝ふいに「あああ」って思うのだろう。
 解説の中で「トーマの心臓」になぞらえてるものがあった。それも複数。でも私は訪問者
「訪問者」
を考えていた。雪の上をたどって神様が罰を与えにくる。そのモチーフが頭の中をぐるぐるしていた。
 罪、罰、犠牲、人はどうして、そんなものを必要としてしまうのだろうか?
 そして物語は、真のカタルシスもなく終る。そして、そのことこそが萩尾望都の言わんとするところを示しているのではないだろうか。つまり、痛みは消え失せることはないから、人はそれを抱えて生きていかなければならないと。
 萩尾望都が読める今、生きててよかった。

秋月こお

2005年04月16日 | 文学ww 邦人
クラシカル・ロンド ―富士見二丁目交響楽団シリーズ
◆「クラシカル・ロンド」
 フジミの10周年ってことでの特別版。文庫じゃありません(苦笑)
 二人の出会いを圭の視線で語った「天国の門」他、3編。いつもながら、面白いところは面白く、しめるところはしめて、(小声で)HなところはHで、と秋月こお、テクニシャンですなぁ。うん、この人はツボを心得てるというか、決して物語を自分本位で進めずに、読者の視線つか観点を考えてる。いや、一番面白がってるのは本人かもしれん、と思わせるあたりが、フジミシリーズの底力なのかもしれない。
 しかし、私としては出会い以前の話をしてくれるなら、トラウマになったという初恋のあたりを書いて欲しかったなぁ。失恋→ゲイ、つーのはフジミに似つかわしくなく安直だと感じてるから。ま、それだと守村くんが出ないから、当然NGでしょうがww

山尾悠子

2005年04月01日 | ホラー(邦人)
少女怪談
少女怪談
posted with amazlet at 05.04.01
生島 治郎 大槻 ケンヂ 森村 誠一 大原 まり子 高橋 克彦 石原 慎太郎 村田 基
学習研究社 (1994/12)
在庫切れ

◆「少女怪談」
 少女を題材にしたホラーアンソロジー。
 山尾悠子がはいってたので買いました(文庫だけど)
 で、面白かったです。結構パターン化されてると思う「少女」なんだけど、こういう視点、観点もあったのかと、再発見しました。
 で、やっぱり山尾悠子はいいですねぇ。
 漫画家の波津彬子さんのように、耽美で、ノスタルジックで、切なくて、美しくて。好きなベクトルです。