読書記録

とりあえず、読了本をあげていくつもりです。
…もしかしたら、映画とか、ゲームとかまで…たどりつくのかww

アンソロジー

2004年10月21日 | ミステリー(邦人)
「恋愛ホラーアンソロジー 邪香草」
 恋愛ホラーと銘打ってる通りの、内容<をい
 恋愛ってくくってしまうと、どーしてもこういう展開になるよねっていうのは、いなめないが、非常に面白かった。最近読んだアンソロジーでは、ベスト5に入ると思う。
 それにしても、「女の堕落を止めるのは知性」と昔、村上龍が言ったとかなんとか聞くが、さもありなんと読んでて思った。つか、恋愛って結局は知性とか理性とかそういうものを捨ててしまう、ジャンピングボードたるものなのか。
 山藍紫姫子の短編、作者紹介に「…やおい系同人誌の世界に入る。以降、同人誌の活動も続けている」とあったが、まさにそーいう感じの作品を出してて、ある意味すごいなぁと思った。
 でも、こーいうのはちょっと反則だよね。うん、百合とか蘭とか香りの強い花の横に、桜とかをもってくるよーなもんだ。

ベルトラン・ピュアール

2004年10月20日 | ミステリー(翻訳)
夜の音楽(集英社文庫)
ベルトラン・ピュアール〔著〕・東野純子訳

◆「夜の音楽」◆
 こうだと、別にここにタイトル書く必要はないんだよね…。でも、なんか書かないと気持ち悪いのはなぜ?(苦笑)
 ロンドンでおきた連続殺人を追う警部とフランス人研修生。
 なんでフランス人研修生なんだ?って思ったら、作者がパリ生まれだった。まぁ、そのせいかどうか、ロンドンを舞台にしてるミステリーでありながら、妙にフランスっぽい。音楽(クラッシック)でもよく、ドイツものとか、フランスものとか、ロシアものとか、作曲家かが何人であるかで曲の捉え方が変わるっていうか、そのもののニュアンスが違うっていうのがあるんだけど、翻訳されたものでもあるもんだなと、そういう点は興味深かった。
 で、面白かったんだけどね、だいたいは<をい タイトル通り、音楽の使い方や、謎解きの部分や、そういうのは面白かった。が、警部のキャラが…。でもって、最後の結論のもっていきかたが…。なんか、枚数が足りなくなってぱっぱと書きましたって、感じがしていかん。
 この作者、『同じ主人公の作品が3作ある』そうなんだけど…って、主人公は一体どっちなんだ??(自爆)

望月諒子

2004年10月11日 | ミステリー(邦人)
神の手(集英社文庫)望月諒子

◆「神の手」
 失踪した小説家志望の女性をめぐる謎。
 これが第1作で、電子出版で出され大ヒットになった作品ってことだ。
 確かに面白い。後半に向ってぐんぐんひきつけてくる吸引力がものすごい。全てのカギを握る小説家志望の女性像がまたいい。なんというか、書く事にとりつかれいわゆる「日常」を失っていく、そういった閉塞感が不思議と透明に感じられる。まるで、薄い透き通る布を幾重にもかぶせているかのようだ。そして、物語の謎もその布を引き裂くのではなく、剥ぎ取るように顕わになってくる。
 ただ、読み手にはちょっと不親切かな。主人公が木部で、主要人物が三村、広瀬、高岡…その上、視点も文中でころころ変わる。ついていくのがしんどかった。

加納朋子

2004年10月10日 | ミステリー(邦人)

「沙羅は和子の名を呼ぶ」
  ミステリーというより、ファンタジーと言った方がいいような短編集。
 今まで読んだ加納朋子のなかで一番よかった。うん、偽善的でもなく、ご都合的でもない。へんに苦いわけでもなく、もしかしたら加納作品の中では特徴がないと言われるものなのかもしれない。が、私には肩の力がすとんと抜けた感じがあって、その自然さがよかったように思う。
 もっとも、また同じような短編集ってなったらもういいやって言うんだろうけどさ<おいおい

バリ・ウッド

2004年10月05日 | ミステリー(翻訳)
「殺したくないのに」
 超能力を持っているため幼少の頃から阻害されてきたヒロインの物語。
 エラク字の小さい文庫だと思ったら、昭和58年発行だった。小さくてびっしりつまってます。でも、どんどん読める。色々つっこみたい部分はあるんだけど、バリ・ウッドはそういう些細なことなんて無問題なのよ、って突き進めてしまうパワーがあるんだよね。とはいえ、ヒロインそのものとか、彼女を追う刑事とか、最後の展開とか、うーん、って思ってたら、これはバリ・ウッドの処女作でした。どうりで。
 バリ・ウッドってキャラクターの設定が上手いのかなぁ。
 今回のヒロインは、とんでもなくお金持ちのお嬢様でした。そのお金持ちってところが各箇所で生きてるし、刑事がユダヤ人っていうのも、しっかり隠し味になってる。過去読んだ作品(ちょっとタイトル思い出せないが)も設定が上手いよなと思った記憶があるんだが…。
 が、何を読んだがよく思い出せないところが、バリ・ウッドなのであった<おい

高橋克彦 他

2004年10月02日 | ホラー(邦人)
「ゆきどまり」
 高橋克彦、篠田真由美、新津きよみ、草上仁、牧野修、伏見健二、森真沙子、小林泰三、唯川恵、によるホラーアンソロジー。
 面白かったんだけどね、なんか妙にテーマが似たような話が続いていて…。結局、ホラーっつーのは、自分を見失うことなのか、と強引に結論をもっていきたくなる(苦笑)
 アンソロジーって、やっぱり難しいんだよね、って改めて認識。
 ってこんなことを思うということは、ちょっとなぁって思ってるのか。うん、そーいうことなんだよね。