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◆「初恋よ、さよならのキスをしよう」
柚木草平シリーズ2作目。
スキー場で偶然、高校の同級生と再会した柚木。その後、彼女は殺され、彼女の姪から事件の捜査を以来される。
飄々としてとぼけてる感じの柚木だが、結構ハードボイルドな生い立ちなのだ。それを語りながら、美しかった同級生への憧憬を語るあたりは、職人技ですな。
そして人の心の闇というか、深淵というか、ウィスキーのような後味の苦さがある。が、それは不愉快ではない。
苦さがあるから、甘いものが愛おしいのだし、闇を拒絶するだけでは光を得ることはできない。
ハードボイルドなのだ。
でも、とぼけてる。
このバンランスの妙。
4作目もあるそうなので、さくっと出してください。創元推理文庫様m(__)m