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チャーリーとチョコレート工場

2005-10-08 16:32:55 | TV/映画/舞台
チャーリーとチョコレート工場 オリジナル・サウンドトラック
ダニー・エルフマン, サントラ
ワーナー・ホーム・ビデオ

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この秋は見たかった映画を何本か見落としてしまったのですが、『チャーリーとチョコレート工場』はなんとか行ってきました。ティム・バートンもジョニー・デップも好きなのです。この二人が組んだ『シザーハンズ』『エド・ウッド』『スリーピー・ホロウ』と、どれもお気に入り。(予算的にはA級のはずなのに)なんでもありのB級映画の雰囲気がぷんぷんしているところと、毒のあるところ、それからビジュアル的な魅力です。

原作が児童書なので、製作が発表されたときに、純粋お子様むきの話をバートンが本当にとれるのかしら?、いや、ビッグフィッシュ以来、ややまじめにセンチメンタルになったのか、と不安がないでもなかったのでですが、見てみると、いつものバートン節大爆発でした。

15年間、誰も働いていないにもかかわらず、世界中においしいチョコレートを販売しているウイリー・ウォンカ氏が経営するチョコレート工場。チョコレートに隠されている5枚のゴールデン・チケットを手に入れた子供5名とその保護者各1名をチョコレート工場の見学会に招待し、そのうちの一人には豪華な特別賞を提供するという発表があります。チケットを見事に引き当てた一人に、とても貧しい家庭のチャーリーがはいっていました。

コープス・ブライドも真っ青か、と思えるほど顔色の悪いウイリー・ウォンカは、ピーター・パンとドラえもんを足して二でわって、大いにひねくれさせたようなかんじ。ジョニー・デップが演じるのにうってつけです。他のキャスティングは考えられません(笑)子供の時に厳しい歯医者の父にお菓子を禁止されて育った恨みの上に、従業員に裏切られ、商売敵に企業秘密を盗まれてしまったトラウマを負っているので、とってもひねくれ者。招待された5人の子供たちのうち、チャーリーをのぞくと、食いしん坊、蹴落とすのもへいちゃらな競争心の塊、甘やかされすぎて育ったわがまま、技術オタクといやな子供たちばかり。そのいやな子供たちが次々と言いつけを破って脱落していくのは、勧善懲悪というより、いやなやつは目の前からいなくなっちゃえ、という子供のわがままそのままかも。なにせ、一人消えていくたびに、工場で働くウンパ・ルンパ族が毒のある歌詞の歌を歌い、踊りまくるんです。実はいやな子供をいじめるために工場に招待したのかなあ、と思うくらい。

そんな中、チャーリーだけが貧しいながらも優しい家族に囲まれて育ったせいかいい子なのです。いいつけを守るだけでなくて、昔、チョコレート工場で働いていて、見学についてきてくれたおじいさんには何かと気配りを見せてます。当然、最後にチャーリーが特別な贈り物をもらうわけですが、家族なんてについてきてくれたいらないというウォンカと家族こそ大切、というチャーリーは意見が対立してしまいます。原作ではたしか、仲たがいせずにハッピーエンドだったはず。

しかし、予定調和といいますか、児童文学らしいラストが用意されていました。、最後はウイリー・ウォンカが家族のすばらしさに気がついて、父親と仲直りし、チャーリー一家全員と仲良くなり、めでたしめでたしとなります。この流れは、前半の毒を消してしまったようなかんじで、どうせならもっとひねってほしかったような気がしないでもないですが、前半の毒についてこれなかった人にはほっとする終わりかもしれないですね。

セットや細かい設定が見所たっぷり。貧しいチャーリーの家がありえないぐらい傾いているのは、いかにもバートンがすきそう、というかんじです。チョコレート工場は外から見たところ、町の中に聳え立つお城みたいで、その中はもっとあっというような仕掛けがまってます。ウォンカのへんてこな発明品、ディープ・ロイがたった一人で演じるウンパ・ルンパ族、チャーミングで個性的なチャーリーのおじいさん、おばあさんたちと、見所はたっぷりありました。

特にウンパ・ルンパ族の歌と踊りは最高です。あのノリが忘れられず、サントラを聞きながらこの書き込みをしているのでした


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