幼い頃の5歳の違いは絶対的で、彼も私のことをずいぶん頼もしく思っていた事でしょう。
どこに行くにも、何もするにも、私の後をくっついて歩いていました。
そんな彼と、私の立場が逆転したのは、彼が大学を卒業して社会に出た頃からです。
社会の中でどんどん成長していく彼に、専業主婦となって家に入った私は、大きく引き離されていきました。
でも、それは私にとっては嬉しい事でもありました。
ただ、お互いに忙しく、めったに会うこともなくなり、さびしく思っていました。
そんな彼でしたが、昨夜、久しぶりにテレビのニュースで姿を見ることが出来ました。
彼の企業が同業他社と統合・合併することになり、それについて記者会見をしていたのです。
見かけは元気そうでしたが、きっと、神経をすり減らす毎日を送っているのではないかと、親心ならず、姉心で胸が痛くなるようでした。
大きく重い責任から、早く弟を解放してあげたい思いですが、せめて任期中は身体に気を付けて欲しいと願っています。
