幻想伝説エッセイ

早く船を完成させて、大海原に飛び出したいのよ。

スクレイリングの樹

2007-02-14 18:05:50 | エッセイ
先月十日に買った「スクレイリングの樹」をようやく読み終えました。
忙しかったり体調を崩したりと色々ありましたが、とにかく読みにくかったというのが一番の理由ですね。
物語としてのおもしろさは後半だけで、序盤と中盤は哲学的なテーマが中心に描かれていて、論文とまではいかないまでも、それに近いようなものがありました。
これがエルリックの作品でなければ途中で投げ出していたかもしれません。
まあでも後半はおもしろかったですよ。

今回は今まで触れたことのなかった黒の剣の生まれや多元宇宙の根源的な部分が描かれていましたね。
また〈法〉と〈混沌〉をあえて狂った〈法〉と〈混沌〉としているところが従来の二項対立とは違うものを感じます。
ゲイナーの存在をあえて悪としているように、従来の二項対立とは別の〈善〉と〈悪〉といった対立概念を入れようとしているのかもしれません。

エルリックは次回で完結しますが、次はエレコーゼが発売されるんだそうです。
自分だったらエンターテイメント性の高いコルムにするところですが。
まあ先のことを考えるより、その前に「白き狼の息子」を楽しまないといけませんね(笑)。