オシャレでファッショナブルなマンハッタン島。 その地下を縦横無尽に走りまくる地下鉄。 ニューヨークの中での移動は、この地下鉄をほんの少し使いこなせば、これ以上スピーディで安価で便利な輸送手段はありません。
で、今回はちょっと地下鉄の中で見つけた、宣伝広告"アド"のお話をさせて頂きたいと思います。 ある意味、こういったアドって、華やかなニューヨークの裏の一面を表しているような気もするんです。
9・11のテロ事件以降、こういう地下鉄の構内の写真を撮ったりすると、通報されたり、職務質問を受けたりというリスクも無い訳ではありません。 実際、ロンドン野郎も警官に職務質問を受けたこともありますが、『何撮ってるの?あ、観光客ね』で終わりました。 地下鉄には本当に色んな階層、人種の人が乗っています。
車内のアドの中で特に目立つのがこういうやつ。 少しでも収入を上げ、社会の中できちんとした仕事を得るための専門学校なんかの教育の宣伝。 Now It's Your Turn To Get Ahead! (さあ、キャリアアップするのは、あなたの番です! )、Start an Exciting Career as a Medical or Dental Assistant(医療または歯科助手として輝かしい職歴をスタートさせましょう)。 アメリカは実力社会と言いながらも、先ずは何らかのちゃんとした職歴や学歴が無いとどうにもならない世界です。
なんか妙に閑散とした車内ですね。 最近のニューヨークの地下鉄は、まず身の危険を感じるような事はあまりありません。 勿論、特に夜間は特定の地域を走る路線では相応の注意は必要ですけど。 『他の人から目が届く』というのが重要です。
Coose your trade at Apex(あなたの職業をApexで選ぼう)。 これも専門学校のアドです。 よく読むとこの学校で教えているのは、自動車サービス・修理、エアコン・冷蔵技術、自動車板金、溶接技術といったところです。 特に学歴も無い移民の人たちはこういうところから、キャリアをスタートさせるんですね。
少々怖いのは、GOT AN ILLEGAL GUN? NEST STOP PRISON(違法な銃を手にしたら、次の停車駅は刑務所です)。 犯罪撲滅のアドです。 逆に言うと”合法な銃”といのがあるというのがやっぱりアメリカでしょうかね。
これはスペイン語らしいのですが、意味はよく分からないながらも、『違法行為を見つけたら通報しましょう』という公的機関のキャンペーンです。 こういうスペイン語で書いてあるのも、中南米から移民した貧しい人の中には、犯罪に手を染めてしまう、というケースも少なからずあるのでしょう。 写真はありませんが、車内アドで意外に多いのが『英語を学ぼう!』というアメリカらしからぬ宣伝。 別の見方をすると、英語力がネックになってまともな仕事につく事ができない底辺の移民がどれほど多くいるかということです。 技術も資格も無いロンドン野郎だってそのままニューヨークに放り出されたらきっとその一人になると思います。
You are probably tired of seeing pictures of hungry children. So are we. (あなたは多分おなかを空かせた子供たちの写真を見るのにうんざりしているでしょう。 我々も同じです)。 少し分かりにくいですが、教会系の慈善団体のアド。 可愛そうな子供たちに手を差し伸べましょうというメッセージです。 他にも冬場には、『着古したコートをホームレスの人たちに寄付しましょう』といったキャンペーンもあったりします。 社会福祉がいい加減なアメリカの中で、こういう慈善活動がぎりぎりのところで社会のバランスを保っている部分もあるんです。
これも写真はありませんが、ロンドン野郎がかなり驚愕したアドはある弁護士事務所のもので、こんなことが書いてありました。 『怪我をしたある人は訴訟を起こし、450百万ドル(約400億円)勝ち取りました。 訴訟は宝くじではありません。 正義です!』 まさに生き馬の目を抜く訴訟天国アメリカの真骨頂。
こんなところからもあまり表に出ることがないアメリカの社会の現実の一端を垣間見ることができます。
直訳すると、「昨年1,944人のニューヨーカーが何かを見て、何かを言った。」で、その後の青字が「もし、何かYESなら、何か言おう」になると思います。
確かに通報の奨励みたいですね。
政府系自動車会社と揶揄される某会社の旧中南米統括部門は、マイアミにあったそうですが、マイアミ方面やメキシコとの国境周辺には、もっとスペイン語の看板が氾濫しているのでしょうか。
広告の横に、ロンドン野郎様らしき方が反射して映っているようですが。
ロンドン野郎はマイアミは飛行機の乗換くらいしか寄った事はことはありませんでしたが、スペイン語といえば、メキシコ系の移民、或いは不法移民の人たちが大勢いるロサンゼルス近辺では、マックの店員さんでも英語がかなり怪しかったですね。
確かに、写ってます。
ロンドン野郎が勤務していたインガソルの工場にも鉄製の黄色い衣料品寄付ボックスがあったのを覚えています。 名前は忘れましたが、確かラバトの工場の並びにもそういう事務所があって、日本に帰るときに結構大量の衣料品なんかを直接持ち込んでドネーションしましたよ。