ロンドン野郎

カナダのオンタリオ州ロンドン市で4年半暮らしたロンドン野郎。 この度本家大英帝国ロンドン市(近郊)へ参上。

ハミルトンの軍用機歴史博物館 其の⑤(最終回)

2008-12-14 22:58:55 | ロンドン周辺の街歩き

カナダ軍用機歴史博物館航空ショーの続きです。

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ハンガーからは大型機が外に出され、妙に広々ですが、ハンガーの中もショー会場の一部になっていて、普段は見掛けない飛行機が展示されたりしています。

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これも、どこからか飛んできたチャンス・ヴォートF4Uコルセア。 第二次大戦中のアメリカの艦上戦闘機です。 プロペラの径が大きすぎるせいか主翼が妙な形のガルウィングになっているのが特徴でしょうか。

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F4Uは艦上戦闘機ですから、ちゃんと航空母艦の飛行甲板への着陸に不可欠な着艦フックが装備されています。 勿論、実際にこんなのを今使う事はありませんが、これもオーナーのオリジナルへのこだわりなんでしょう。 新造機と見間違えるくらいピッカピッカに整備された機体です。

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そして、博物館の所蔵品の目玉の一つ。 カタリナ飛行艇です。 この飛行機、もちろん飛行艇なので、水上から離着水するのが基本ですが、この機体は脚が強化されて、水陸両用となった後期型の機体です。 よく見ると分かるのですが、胴体にドアが無い。 機内に乗り込むためには、後部の出っ張った窓のところへ梯子でよじ登って、這いつくばって入って行くんですよ。

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原型機の初飛行は1935年。 とんでもなくクラシックな飛行機です。 カタリナ飛行艇は小型飛行艇としては、大成功した飛行機です。 ちなみに第二次世界大戦中の世界の飛行艇の最高傑作は日本の川西二式大型飛行艇と言われています。 よかったらクリックしてみて⇒二式大艇

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これも、博物館の目玉の一つ英国のスーパーマリン・スピットファイア。 後ろに見えるのが、同じ英国製の重爆撃機ランカスター

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ランカスターが離陸準備です。 実はこのランカスターとスピットファイア、大きさはかなり違いますが、共通点は同一の英国製水冷エンジンを搭載しているんです。 アメリカの戦闘機P51も最終的にはこの英国生まれのRolls-Royce Merlinエンジンを搭載して生まれ変わったと言われています。 当時のイギリスはこのエンジン一つのおかげで欧州の航空戦に勝ったというくらい大成功した飛行機用のエンジンだったそうです。 今でもロールス・ロイス社は世界最高性能のジェット・エンジンを生産し続けています。

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世界で二機だけの残った飛行可能なランカスターが博物館の上空を旋回します。 なにしろ貴重な機体なので、北米中で行われる航空関係の催しには時々出張して参加しているようです。 ちなみに飛行可能な他のもう一機は英国にあるそうです。 さすがに、今この飛行機が大西洋を越えて飛行することはありそうも無いので、二機が揃って飛行することは絶対にないでしょうね。

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1993年2月15日、このカナダ軍用機博物館の建物は一度火事で焼失してしまったのですが、幸いにもランカスターを始めとした、最も貴重な所蔵品の飛行機は何とか助かりました。

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カナダのトロント、ロンドン近辺に在住の皆様、このカナダ軍用機歴史博物館はナイアガラ観光の通り道(403号線)みたいな場所にあるので、是非一度気軽に立ち寄ってみて下さい。 場所の目印は隣接のハミルトン国際空港です。

Canadian Warplane Heritage Museum
9280 Airport Road
Mount Hope, Ontario
Tel: 905-679-4183


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