先週末、朝ドラを見終わった夫が
ボヤく。
「前作と違って面白いと思っていたのに、段々と怪しくなってきた」
…と。
「だいたい、ちょっと料理が好きだからシェフになりたいとか、飛行機が好きだからパイロットになりたいとか…安直すぎるだろう」
…とも。
「それに、フツーは思っても言わないぞ」
と、遠い目をして自分の若かりし頃を振り返る。
確かに…それも全く的外れとは言えないな。
私だって、若い頃は将来のビジョンが全く描けなかったもの…
だいいち、《夢》とか無かったし…
《夢》は口にした途端、《夢》でなくなるのだ。
ヒロインとは《夢》を持たなくてはいけない存在らしい。
しかし、
その夢が、あまりに現実と離れていると夫や私のような視聴者はシラケる。
もっと現実を見ろと言いたくなる…
それより気になるのは主人公の幼馴染みのタカシくんだ。
彼の疲れた表情は、
ブラック企業で働く若手社員の典型だ。
主人公の親友で看護師の専門学校に通うクルミちゃんも同様で、
悩む彼らを見ていると、
主人公より彼らを応援したくなる。
世間知らずで現実を知らない主人公より、
現実の世界で喘ぐ今の若者像に近い脇役たちの方が魅力的に思えてしまうのだ。
大学を中退してパイロット養成学校って…莫大な費用もかかるし、
いくら親の町工場が持ち直したとは言っても今後も何があるかわからない。
人力飛行機のサークルをサッサとやめる理由もわからない。
「琵琶湖を飛んだまではサイコーに面白かったのに…」
と夫は残念がる。
「それに何でいきなり旅客機なんだ?」
と夫は言う。
「空を飛びたいならセスナだっていいじゃないか」
私も、そこは同感だ。
自分が空を飛びたいと思った時に、
最初に思い浮かべるのは大勢の人を乗せるジャンボではないような気がする。
違うかなぁ。
(~_~;)