声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

いつも同じ場所に

2022-11-08 10:42:00 | Diary
車で5、6分の所にある墓地公園の道は緩い傾斜がついていてゆっくり歩いても息が切れる…

足腰の弱いシニア犬のHalにとっては、
わずか50mの登り坂を歩くのでさえ3、4分かかることもあるが、

少し負荷がかかっても歩かないとますます足腰が弱るのではないかと思い、
ここには週に2回のペースで訪れている。

その上り坂の先に、
いつの頃からか1台の軽自動車が止まっている…

去年の今頃も、その前の年も同じ場所にあったように思う。

道の左端ギリギリの所で進行方向むきに止まっているので、
リヤガラス越しでしか確認できないが、
運転席の辺りに人の肩と頭が見える

中にいるのは多分、40〜50代の大柄の男性だと思う…
定かではないのは、遠目でしか確認できないからだ。

ややメタリックの入った薄茶のボディが30m先に見えているのに近づけない。

ドライブや散歩に来ているようには見えない…

そういえば一度だけ、
止まっていなかったことがあった。

多分あれは公園内で業者による大がかりな清掃作業があった日だ。

それ以外の日は、
まるで枠線を引いてあるかのように寸分違わない場所に静かに止まっている。

人目を避けているようにみえるのは、
道の両側に植えられた常緑樹のせいで全く陽が差し込んでこない薄暗さのせいでもあるが、
それ以上に、他者を寄せつけないネガティブな空気が周辺に漂っているからだ。


「今日も止まってるね」

いつもの場所に車が止まってると、
夫も私もホッとする反面、
何か事情があるのではないか…と考えずにはいられない。

車中生活…のようにもみえるが、
それにしては荷物らしいものが見えない。

猛暑の時期はウィンドウを開けても蒸し暑いし、
だいいち藪蚊の多い場所で眠れるのだろうか…

冬の間は、
エンジンを止めたままで暖をとる方法はあるのだろうか。
夜間は、さぞかし寒かろう…などと考える。

何か余程の事情があってのことだとは思うが、
行政の助けを借りる事は考えないのだろうか?
もしや体調を崩して動けないのでは…?

そっとしておいてあげたほうがいいのか、
声をかけたほうがいいのか…

迷いつつ、あれこれ考えるうちに、いつも30分の散歩が終わる。


この車の存在を公園の管理者は知っているのだろうか?

車中生活といえば、

数年前、街中の児童公園内に止まった車で寝泊まりしていた夫婦の妻が体調を崩し、
車中で亡くなっていた事があった。

公園を管理する職員が心配して何度も様子を見に行って声をかけていたらしいが、間に合わなかったと…話していた。

困っている人を助けるのは、人として当たり前だけれど、
声をかける事によって居場所が無くなる場合もある…どうしても慎重にならざるを得ない、難しい問題だ。

この不景気で、これから家を失う人が増えるのではないか…
都会では路上生活者、地方では車中生活者が増えるのではないだろうか…

この冬は一段と寒さが厳しいらしい。

過去最高の税収68兆3500億円、税の無駄は455億円。

この国は、いったいどうなっているのだろう…

なんだか、とても虚しい。







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