6
年中無休と銘打って始めた「閑話」なのに近ごろ休んでばかりいる。公約違反とお叱りを受けても甘受しなければならないほど頻繁に休刊に追い込まれているのだ。休刊せざるを得ない原因の大部分は病院とのかかわりである。
去年の春に患った脳梗塞、この春に白内障の手術した左目の経過を追跡するために病院から呼び出しがかかるのである。治療のやりっ放しではなく、その後の経過まで気配りしてくれるのはありがたいが、こちらの都合は一切お構いなし、医師の都合で病院側が一方的に決めた日付と時間に従わなければならない。
そして大概は朝の早い時間から午前中いっぱい、時には午後まで潰れてしまうこともあるから「閑話」を書く時間がなくなるのである。嬉しいことに今月の診察で両方とも12月まで呼び出しがないことになった。「経過良好」とお墨付きをいただいたのである。
しかしまだ無罪放免になったわけではない。いわば仮釈放の身であるから、脳の方は処方された薬を飲み続け、目の方も酷使を慎むなどの注意事項は守らなければならない。それは分かっているのだが痛くも痒くもないから病気を抱えていることをつい忘れてしまう。
去年の春まで病気らしい病気をしたことがなく、ほとんど病院とは無縁の生活を送ってきただけに、病気になって初めて健康のありがたさを知った。人間80歳にもなると、あちらこちらの部品にガタが来るのは当たり前かもしれない。そのいかれた部品を騙し騙し長持ちさせるには病院とも良い関係を維持することが大事だと思うようになった。
--------------------------------------------------------------------------------
6月24日(木)参院選公示
参院選が今日公示される。7月11日の投票で有権者はどんな選択をするのだろう。民主党が改選前の勢力を維持できれば引き続き政権運営することにGOサインが出たと思うだろうし、野党が議席を伸ばせば政権与党への批判が勝利したと言うことになろう。
菅総理の誕生で一時V字形の人気回復を見せた民主党だが、ここに来て支持が足踏みしている。消費税引き上げ発言が足を引っ張っているとの見方もあるが、消費税については自民党も同じような姿勢を示しているから増税批判とばかりはいえない。
有権者がいちばん迷うのは与野党どの政党を信頼したら良いのか判断材料が決定的に不足していることだと思う。政権交代を実現させた民主党は、政治とカネ、沖縄問題で味噌をつけ、子ども手当ては財源難で頓挫するなど、鳩山政権はこれといった実績を残さず政権の座を降りた。
自民党にとっては与党攻撃のチャンス到来と見えたが、現執行部に対する不信・不満が渦巻いて離反者が続出し、とても戦える状態ではない。そうなると政党不信に陥っている有権者の浮動票の行方が今度の選挙を大きく左右する要素になりそうだ。
浮気な1票をどう引きつけるか、選挙参謀の腕の見せどころである。しかし散々騙されてきた有権者の目は、容易なことで甘言に惑わされなくなっている。各種業界団体も中立の立場をとるものが多くなった。
地元選挙区から立候補する人の訴えを良く吟味して投票する以外に意思表示の術はない。果たしてどんな結果が出るのか、注目して投票日を待とう。
--------------------------------------------------------------------------------
6月25日(金)すごいぞ日本チーム
これが同じチームかと目を疑った。サッカーワールドカップの対デンマーク戦に臨んだ日本チームのことである。本田と遠藤の目が覚めるようなフリーキックが生んだ2点、岡崎が押し込んだ1点、いずれも相手に防ぐ余地を与えなかった文句なしの3点である。許した1失点はペナルティーキックによるものでこれは致し方ない。
岡田監督は試合前「負けるとは全く考えていない」と語っていたが、まさにその通になった。これで日本は決勝トーナメントに進むことが決まった。第一の難関を突破したばかりで目標としているベスト4進出ははるか彼方であるが、監督・選手とも自信を深め希望に満ちていることだろう。
開催地南アフリカへ乗り込む前の強化試合で日本チームは見るべき成績を残せなかった。それだけに最悪の場合1勝もあげられないのではないかと悲観的な見方すらあった。対戦相手は世界ランキングでみな日本より上位のチームだから無理もない。
流れを変えたのは緒戦の対カメルーン戦で勝利を収めたことだろう。これで日本チームは勢いづいた。次のオランダには惜敗したけれども、世界ランキング4位の強豪相手に善戦したことが、さらに日本チームを奮い立たせたに違いない。
日本チームは高さに勝るデンマークチームの壁に果敢に挑んだ。その攻撃的な姿勢がフリーキックのチャンスを生み正確なシュートが結果を導き出したともいえる。
決勝トーナメントで最初に当たる相手はパラグアイである。早いパス回しと粘り強い戦いが持ち味のチームだ。次回も4強といわず「優勝を目指す」と公言している本田を先頭に据えた陣容で臨むことになろうが思う存分暴れまわって欲しい。
--------------------------------------------------------------------------------
6月26日(土)サッカーと野球
サッカー日本チームの決勝トーナメント進出決定は一夜明けても興奮冷めやらず、日本中が沸き立っている感じである。子どもは「世界でプレーする選手になりたい」と目を輝かせ、にわかサッカーファンが日本チーム関連グッズを扱う店を繁盛させた。参院選が大事なことは承知しているが、いささか霞んでしまった感じである。
4年に1度開催されるワールドカップは、オリンピックと同じように世界中のサッカーファンの目を釘付けにする。そしてその度に良くも悪くも記憶に残るゲームが展開される。決勝トーナメントは16チームで争われるが優勝の栄冠を勝ち取るのはどのチームであろうか。
日本ではサッカーに比べて野球の方に人気があり、テレビ放映も野球に重点が置かれているけれども、世界的に見ればプレーヤーも愛好家もサッカーの方が断然多いのではないか。何度も訪れたヨーロッパ諸国で野球場を見かけたことは一度もない。またバットで球を打つ野球に似たクリケットのテレビ放映は観たことがあるが野球試合の中継は皆無であった。
世界的にサッカー人口が多いのは歴史が古いせいもあるだろうが、野球に比べて取っ付き易いことも関係しているようだ。野球は最低限野球ボールとグラブ、バットなどの道具と一定の広さのグラウンドを必要とするが、サッカーの練習なら手製のボール一つあれば狭い路地裏でも始められる。
もちろんサッカーも一流選手になるためには、それなりの道具やグラウンドと指導者を必要とするけれども、裸足で布製のボールと戯れる子どもたちの広い裾野が今日のサッカー隆盛を支えていることは間違いない。
野球とサッカーと、どちらかの肩を持つわけではないが、テレビでは同じくらいの比重でプロの試合を見せてもらいたいものだ。野球偏重は困るのである。
--------------------------------------------------------------------------------
6月27日(日)ゴーヤの花
ネットに絡ませて緑のカーテンを作ろうと植えたゴーヤ(ニガウリ)の花が咲き出した。直径2cmほどの黄色い花である。キュウリの花を小型にしたものだと思えば良い。オバナとメバナがある。両方なければ実を結ばないから、同じ時期に開くように出来ているのだろう。
メバナには将来実になる子房がついている。長さ3cmほどの小さなものであるが、立派なゴーヤに育つぞと宣言しているように、小さくてもイボイボがたくさんついている。野菜売り場に並んでいるゴーヤは緑であるが、完熟するまで蔓に成らせておくと次第に黄色になり、最終的には真っ赤に熟れて実が割れ黒いタネが飛び出す。完熟果は甘味があって食べられると聞いたが試したことはない。
ゴーヤはインド原産で、おもに熱帯アジア、中国、日本などで栽培されている。日本へは江戸時代に中国から入ってきた。最初は涼しげな葉と果実を観賞するために植えられていたが、沖縄や九州で未熟の果実を食用とするようになった。全国的に食べられるようになったのは最近のことである。
仄かな苦味があって夏場向きの食べ物であるが、キュウリなどに比べると傷みやすく保存が難しいので、消費は長い間生産地周辺に限られていたのだろう。豚肉(卵)、豆腐などと一緒に炒めたゴーヤチャンプルーが一般的な食べ方であるが、三杯酢で食べたり漬物にしてもおいしい。
わが家でゴーヤを初めて植えたのは20年ほど前のことだったと思う。沖縄からタネを取り寄せて栽培していた友人O君からタネを分けてもらって植えたのが始まりだった。まだゴーヤが珍しかったころである。ゴーヤチャンプルーをご馳走になったのもO君のヨットの上だった。O君はこの春帰らぬ人となった。ゴーヤの花を観てO君との交友の日々を思い出している。
--------------------------------------------------------------------------------
6月28日(月)野球賭博処分
野球賭博問題で腐りきった相撲界を立ち直らせるために、日本相撲協会の特別調査委員会は27日厳しい勧告をまとめ、今日協会側に通達する。勧告の内容は大嶽親方と時津風親方、大関琴光喜の3人はいちばん重い解雇を含む懲戒処分、武蔵川理事長を含む12人の親方に謹慎処分、さらに15人の力士と床山1人にも謹慎を求めるものである。調査委員会は今後約千人の協会員全員の調査を進めるというから、場合によっては処分者がさらに増える可能性もある。
勧告には強制力はないけれども、調査委員会は協会側がこの厳しい勧告を受け入れれば名古屋場所開催を「可」とする判断を示した。協会は今日の臨時理事会で対応を協議するが、おそらく勧告を受け入れて名古屋場所開催の道を選ぶものと思われる。
麻薬や賭博と関係なくまじめに稽古に励み土俵上で力を発揮したいと思っている大勢の力士、その姿を観たいと期待している相撲ファンのためにも名古屋場所開催は実現してもらいたい。
特別調査委員会は野球賭博問題の調査と処分を検討するための委員会だから、相撲協会そのものの改革については触れていない。しかし、麻薬や賭博などに汚染され易い体質を改めるには、前にも書いたように協会組織そのものにまで踏み込んだ根本的な改革が必要だと思う。
根本的改革には協会運営にもっと幅広い人材を投入すること、閉鎖社会の温床となっている部屋制度にもメスを入れることなどが不可欠であろう。そのどちらも長年の伝統と仕来りを突き崩すものだから強い抵抗が予想される。けれどもそれを乗り越えなければ協会の透明性が確保できないし、近代スポーツとして大相撲が生き残る道も開けないような気がする。土俵際に立たされた相撲協会に残された再生への道は険しい。
--------------------------------------------------------------------------------
6月29日(火)アジサイ
アジサイが梅雨を楽しんでいるようだ。さして広くもない庭に8種類のアジサイが植えてある。初めは山野に自生しているガクアジサイとありふれた青いアジサイだけだったが、頂き物で次第に種類が増えて梅雨時の庭が賑やかになった。
葉がカシワの葉そっくりで長い花穂に真っ白い花をつけるカシワバアジサイ、夜空に大輪の花を咲かせたようなガクアジサイの1腫・隅田の花火、名前は忘れたが咲き始めは薄緑で次第に純白に変化するものなど、それぞれに個性があって面白い。
アジサイは古くから日本にあった植物でガクアジサイが原種と見られている。それが園芸化されていろいろな品種が作り出されるようになったのは鎌倉時代からだと言われ、江戸時代には一般的な庭園植物になった。
アジサイが中国経由でヨーロッパへ紹介されたのは18世紀後半だった。それが元になって改良が重ねられ、多様な花色を生み出した。それが西洋アジサイあるいはハイドランジアの名で逆輸入され、在来種と並んで愛でられている。
わが家の庭にあるのは国産品だけのようである。しかし、昨日知人から頂戴した鉢植えのアジサイはどうもあちらものらしい。葉も花も分厚くて、ごつい感じがする。ブルー、緑、赤紫が入り混じった花色も変わっている。花が長持ちしてドライフラワーにしても色が変らないらしい。花が終わってら地植えしようと思っているが、わが家の環境に順応してくれるかどうか。
--------------------------------------------------------------------------------
6月30日(水)お疲れさん日本チーム
サッカーワールドカップ、日本チームの8強入りはパラグアイに阻まれた。しかし、PK戦にまでもつれ込むいい試合だった。監督も選手も応援した大勢のサポーターも悔しい思いをしたけれども、日本チームの活躍はすばらしかった。そして多くの人に感動と勇気を与えてくれた。お疲れさん、本当にありがとうとお礼を言いたい。監督も選手も胸を張って帰ってきて欲しい。
日本チームは姿を消しても、今朝までに決まった8強による戦いは続く。7月12日の決勝戦で栄冠を勝ち取るのはどのチームか。ヨーロッパ勢か南アメリカ勢か、最終的にはその辺りに絞られて来そうであるが、いずれ劣らぬ強豪ぞろいだからこれからの試合がますます面白くなる。
サッカーの面白さって何だろう。最大の醍醐味は一瞬も目を離せないほど目まぐるしく変る攻めと守り、スピード感にあるような気がする。サッカーから生まれたラグビーに比べるとその違いが際立っている。サッカーボールは絶えず動いている。それに正確なパス回し、神技とも思えるドリブル、意表つくロングシュートなど個人技の冴えも観客を魅了する。
先日の米誌TIMEにペレ、マラドーナ、ジダンと名だたる往年の名選手がマドリードのカフェでサッカーゲームを楽しんでいる写真が載っていた。これは世界的な有名ブランドの宣伝であるが、日本のサッカー選手の中からも長く記憶に残る世界的な名選手が誕生してほしいものである。
年中無休と銘打って始めた「閑話」なのに近ごろ休んでばかりいる。公約違反とお叱りを受けても甘受しなければならないほど頻繁に休刊に追い込まれているのだ。休刊せざるを得ない原因の大部分は病院とのかかわりである。
去年の春に患った脳梗塞、この春に白内障の手術した左目の経過を追跡するために病院から呼び出しがかかるのである。治療のやりっ放しではなく、その後の経過まで気配りしてくれるのはありがたいが、こちらの都合は一切お構いなし、医師の都合で病院側が一方的に決めた日付と時間に従わなければならない。
そして大概は朝の早い時間から午前中いっぱい、時には午後まで潰れてしまうこともあるから「閑話」を書く時間がなくなるのである。嬉しいことに今月の診察で両方とも12月まで呼び出しがないことになった。「経過良好」とお墨付きをいただいたのである。
しかしまだ無罪放免になったわけではない。いわば仮釈放の身であるから、脳の方は処方された薬を飲み続け、目の方も酷使を慎むなどの注意事項は守らなければならない。それは分かっているのだが痛くも痒くもないから病気を抱えていることをつい忘れてしまう。
去年の春まで病気らしい病気をしたことがなく、ほとんど病院とは無縁の生活を送ってきただけに、病気になって初めて健康のありがたさを知った。人間80歳にもなると、あちらこちらの部品にガタが来るのは当たり前かもしれない。そのいかれた部品を騙し騙し長持ちさせるには病院とも良い関係を維持することが大事だと思うようになった。
--------------------------------------------------------------------------------
6月24日(木)参院選公示
参院選が今日公示される。7月11日の投票で有権者はどんな選択をするのだろう。民主党が改選前の勢力を維持できれば引き続き政権運営することにGOサインが出たと思うだろうし、野党が議席を伸ばせば政権与党への批判が勝利したと言うことになろう。
菅総理の誕生で一時V字形の人気回復を見せた民主党だが、ここに来て支持が足踏みしている。消費税引き上げ発言が足を引っ張っているとの見方もあるが、消費税については自民党も同じような姿勢を示しているから増税批判とばかりはいえない。
有権者がいちばん迷うのは与野党どの政党を信頼したら良いのか判断材料が決定的に不足していることだと思う。政権交代を実現させた民主党は、政治とカネ、沖縄問題で味噌をつけ、子ども手当ては財源難で頓挫するなど、鳩山政権はこれといった実績を残さず政権の座を降りた。
自民党にとっては与党攻撃のチャンス到来と見えたが、現執行部に対する不信・不満が渦巻いて離反者が続出し、とても戦える状態ではない。そうなると政党不信に陥っている有権者の浮動票の行方が今度の選挙を大きく左右する要素になりそうだ。
浮気な1票をどう引きつけるか、選挙参謀の腕の見せどころである。しかし散々騙されてきた有権者の目は、容易なことで甘言に惑わされなくなっている。各種業界団体も中立の立場をとるものが多くなった。
地元選挙区から立候補する人の訴えを良く吟味して投票する以外に意思表示の術はない。果たしてどんな結果が出るのか、注目して投票日を待とう。
--------------------------------------------------------------------------------
6月25日(金)すごいぞ日本チーム
これが同じチームかと目を疑った。サッカーワールドカップの対デンマーク戦に臨んだ日本チームのことである。本田と遠藤の目が覚めるようなフリーキックが生んだ2点、岡崎が押し込んだ1点、いずれも相手に防ぐ余地を与えなかった文句なしの3点である。許した1失点はペナルティーキックによるものでこれは致し方ない。
岡田監督は試合前「負けるとは全く考えていない」と語っていたが、まさにその通になった。これで日本は決勝トーナメントに進むことが決まった。第一の難関を突破したばかりで目標としているベスト4進出ははるか彼方であるが、監督・選手とも自信を深め希望に満ちていることだろう。
開催地南アフリカへ乗り込む前の強化試合で日本チームは見るべき成績を残せなかった。それだけに最悪の場合1勝もあげられないのではないかと悲観的な見方すらあった。対戦相手は世界ランキングでみな日本より上位のチームだから無理もない。
流れを変えたのは緒戦の対カメルーン戦で勝利を収めたことだろう。これで日本チームは勢いづいた。次のオランダには惜敗したけれども、世界ランキング4位の強豪相手に善戦したことが、さらに日本チームを奮い立たせたに違いない。
日本チームは高さに勝るデンマークチームの壁に果敢に挑んだ。その攻撃的な姿勢がフリーキックのチャンスを生み正確なシュートが結果を導き出したともいえる。
決勝トーナメントで最初に当たる相手はパラグアイである。早いパス回しと粘り強い戦いが持ち味のチームだ。次回も4強といわず「優勝を目指す」と公言している本田を先頭に据えた陣容で臨むことになろうが思う存分暴れまわって欲しい。
--------------------------------------------------------------------------------
6月26日(土)サッカーと野球
サッカー日本チームの決勝トーナメント進出決定は一夜明けても興奮冷めやらず、日本中が沸き立っている感じである。子どもは「世界でプレーする選手になりたい」と目を輝かせ、にわかサッカーファンが日本チーム関連グッズを扱う店を繁盛させた。参院選が大事なことは承知しているが、いささか霞んでしまった感じである。
4年に1度開催されるワールドカップは、オリンピックと同じように世界中のサッカーファンの目を釘付けにする。そしてその度に良くも悪くも記憶に残るゲームが展開される。決勝トーナメントは16チームで争われるが優勝の栄冠を勝ち取るのはどのチームであろうか。
日本ではサッカーに比べて野球の方に人気があり、テレビ放映も野球に重点が置かれているけれども、世界的に見ればプレーヤーも愛好家もサッカーの方が断然多いのではないか。何度も訪れたヨーロッパ諸国で野球場を見かけたことは一度もない。またバットで球を打つ野球に似たクリケットのテレビ放映は観たことがあるが野球試合の中継は皆無であった。
世界的にサッカー人口が多いのは歴史が古いせいもあるだろうが、野球に比べて取っ付き易いことも関係しているようだ。野球は最低限野球ボールとグラブ、バットなどの道具と一定の広さのグラウンドを必要とするが、サッカーの練習なら手製のボール一つあれば狭い路地裏でも始められる。
もちろんサッカーも一流選手になるためには、それなりの道具やグラウンドと指導者を必要とするけれども、裸足で布製のボールと戯れる子どもたちの広い裾野が今日のサッカー隆盛を支えていることは間違いない。
野球とサッカーと、どちらかの肩を持つわけではないが、テレビでは同じくらいの比重でプロの試合を見せてもらいたいものだ。野球偏重は困るのである。
--------------------------------------------------------------------------------
6月27日(日)ゴーヤの花
ネットに絡ませて緑のカーテンを作ろうと植えたゴーヤ(ニガウリ)の花が咲き出した。直径2cmほどの黄色い花である。キュウリの花を小型にしたものだと思えば良い。オバナとメバナがある。両方なければ実を結ばないから、同じ時期に開くように出来ているのだろう。
メバナには将来実になる子房がついている。長さ3cmほどの小さなものであるが、立派なゴーヤに育つぞと宣言しているように、小さくてもイボイボがたくさんついている。野菜売り場に並んでいるゴーヤは緑であるが、完熟するまで蔓に成らせておくと次第に黄色になり、最終的には真っ赤に熟れて実が割れ黒いタネが飛び出す。完熟果は甘味があって食べられると聞いたが試したことはない。
ゴーヤはインド原産で、おもに熱帯アジア、中国、日本などで栽培されている。日本へは江戸時代に中国から入ってきた。最初は涼しげな葉と果実を観賞するために植えられていたが、沖縄や九州で未熟の果実を食用とするようになった。全国的に食べられるようになったのは最近のことである。
仄かな苦味があって夏場向きの食べ物であるが、キュウリなどに比べると傷みやすく保存が難しいので、消費は長い間生産地周辺に限られていたのだろう。豚肉(卵)、豆腐などと一緒に炒めたゴーヤチャンプルーが一般的な食べ方であるが、三杯酢で食べたり漬物にしてもおいしい。
わが家でゴーヤを初めて植えたのは20年ほど前のことだったと思う。沖縄からタネを取り寄せて栽培していた友人O君からタネを分けてもらって植えたのが始まりだった。まだゴーヤが珍しかったころである。ゴーヤチャンプルーをご馳走になったのもO君のヨットの上だった。O君はこの春帰らぬ人となった。ゴーヤの花を観てO君との交友の日々を思い出している。
--------------------------------------------------------------------------------
6月28日(月)野球賭博処分
野球賭博問題で腐りきった相撲界を立ち直らせるために、日本相撲協会の特別調査委員会は27日厳しい勧告をまとめ、今日協会側に通達する。勧告の内容は大嶽親方と時津風親方、大関琴光喜の3人はいちばん重い解雇を含む懲戒処分、武蔵川理事長を含む12人の親方に謹慎処分、さらに15人の力士と床山1人にも謹慎を求めるものである。調査委員会は今後約千人の協会員全員の調査を進めるというから、場合によっては処分者がさらに増える可能性もある。
勧告には強制力はないけれども、調査委員会は協会側がこの厳しい勧告を受け入れれば名古屋場所開催を「可」とする判断を示した。協会は今日の臨時理事会で対応を協議するが、おそらく勧告を受け入れて名古屋場所開催の道を選ぶものと思われる。
麻薬や賭博と関係なくまじめに稽古に励み土俵上で力を発揮したいと思っている大勢の力士、その姿を観たいと期待している相撲ファンのためにも名古屋場所開催は実現してもらいたい。
特別調査委員会は野球賭博問題の調査と処分を検討するための委員会だから、相撲協会そのものの改革については触れていない。しかし、麻薬や賭博などに汚染され易い体質を改めるには、前にも書いたように協会組織そのものにまで踏み込んだ根本的な改革が必要だと思う。
根本的改革には協会運営にもっと幅広い人材を投入すること、閉鎖社会の温床となっている部屋制度にもメスを入れることなどが不可欠であろう。そのどちらも長年の伝統と仕来りを突き崩すものだから強い抵抗が予想される。けれどもそれを乗り越えなければ協会の透明性が確保できないし、近代スポーツとして大相撲が生き残る道も開けないような気がする。土俵際に立たされた相撲協会に残された再生への道は険しい。
--------------------------------------------------------------------------------
6月29日(火)アジサイ
アジサイが梅雨を楽しんでいるようだ。さして広くもない庭に8種類のアジサイが植えてある。初めは山野に自生しているガクアジサイとありふれた青いアジサイだけだったが、頂き物で次第に種類が増えて梅雨時の庭が賑やかになった。
葉がカシワの葉そっくりで長い花穂に真っ白い花をつけるカシワバアジサイ、夜空に大輪の花を咲かせたようなガクアジサイの1腫・隅田の花火、名前は忘れたが咲き始めは薄緑で次第に純白に変化するものなど、それぞれに個性があって面白い。
アジサイは古くから日本にあった植物でガクアジサイが原種と見られている。それが園芸化されていろいろな品種が作り出されるようになったのは鎌倉時代からだと言われ、江戸時代には一般的な庭園植物になった。
アジサイが中国経由でヨーロッパへ紹介されたのは18世紀後半だった。それが元になって改良が重ねられ、多様な花色を生み出した。それが西洋アジサイあるいはハイドランジアの名で逆輸入され、在来種と並んで愛でられている。
わが家の庭にあるのは国産品だけのようである。しかし、昨日知人から頂戴した鉢植えのアジサイはどうもあちらものらしい。葉も花も分厚くて、ごつい感じがする。ブルー、緑、赤紫が入り混じった花色も変わっている。花が長持ちしてドライフラワーにしても色が変らないらしい。花が終わってら地植えしようと思っているが、わが家の環境に順応してくれるかどうか。
--------------------------------------------------------------------------------
6月30日(水)お疲れさん日本チーム
サッカーワールドカップ、日本チームの8強入りはパラグアイに阻まれた。しかし、PK戦にまでもつれ込むいい試合だった。監督も選手も応援した大勢のサポーターも悔しい思いをしたけれども、日本チームの活躍はすばらしかった。そして多くの人に感動と勇気を与えてくれた。お疲れさん、本当にありがとうとお礼を言いたい。監督も選手も胸を張って帰ってきて欲しい。
日本チームは姿を消しても、今朝までに決まった8強による戦いは続く。7月12日の決勝戦で栄冠を勝ち取るのはどのチームか。ヨーロッパ勢か南アメリカ勢か、最終的にはその辺りに絞られて来そうであるが、いずれ劣らぬ強豪ぞろいだからこれからの試合がますます面白くなる。
サッカーの面白さって何だろう。最大の醍醐味は一瞬も目を離せないほど目まぐるしく変る攻めと守り、スピード感にあるような気がする。サッカーから生まれたラグビーに比べるとその違いが際立っている。サッカーボールは絶えず動いている。それに正確なパス回し、神技とも思えるドリブル、意表つくロングシュートなど個人技の冴えも観客を魅了する。
先日の米誌TIMEにペレ、マラドーナ、ジダンと名だたる往年の名選手がマドリードのカフェでサッカーゲームを楽しんでいる写真が載っていた。これは世界的な有名ブランドの宣伝であるが、日本のサッカー選手の中からも長く記憶に残る世界的な名選手が誕生してほしいものである。