会社にケンカを売った社員たち~リーガル・リテラシー~

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No.617 今週の事件【学校法人 A学園事件】の概要(2024年7月17日号)

2024年07月17日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

今回の事件は、A1法人が設置、運営していた甲中学校・高等学校(本件学校)において数学科教員として勤務していたXが、A1法人から乙中学校・高等学校(乙校)への配転命令を受けたことにつき、同命令は無効であると主張して、A1法人に対し、乙校での就労義務がないことの確認(事件1)を求めるとともに、本件学校の設置者がA1法人から、新設されたA2法人に変更されたことに伴い、Xの労働契約上の権利関係がA1法人からA2法人に承継されたと主張して、A2法人に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認および乙校での就労義務がないことの確認(事件2)を求めたもの。[福岡地裁小倉支部(2023年9月19日)判決]

※ この判例の本文は、『会社にケンカを売った社員たち』公式note に掲載しています。

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No.616 今週の事件【中央労働基準監督署長事件】の概要(2024年7月3日号)

2024年07月03日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

今回の事件は、ファミリーレストランの経営等を業とするA社に雇用されていたXが通勤中の電車内において、迷惑行為を行っていた男性に注意したところ、男性から蹴られて左脛骨顆間隆起骨折の傷害を負うという通勤災害に遭遇したとして、C労基署長に対し労働者災害補償保険法に基づき療養給付たる療養の給付、療養給付たる療養の費用ならびに休業給付および休業特別支給金の請求をしたところ、同労基署長から、上記の傷害は通勤に起因する負傷とは認められないとして、2020年7月31日付でこれらをいずれも不支給とする旨の処分を受けたことから、上記の各処分には違法があると主張し、上記の各処分の取消しを求めたもの。[東京地裁(2023年3月30日)判決]

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No.615 今週の事件【明治安田生命保険事件】の概要(2024年6月19日号)

2024年06月19日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

今回の事件は、XがM社に対して、同社との間で締結されていた労働契約は、(1)主位的には無期労働契約であり、(2)予備的には有期労働契約であっても、M社の行った雇止めは無効であると主張して、当該労働契約に基づき、次の各請求をする事案である。[東京地裁(2023年2月8日)判決]

1)労働契約の権利を有する地位にあることの確認

2)2020年8月から本判決確定の日まで、毎月24日かぎり、賃金として月額25万円およびこれらに対する遅延損害金 

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■【長門市事件】最高裁第三小法廷判決の要旨(2022年9月13日)

2024年06月05日 08時00分00秒 | 会社にケンカ!の判決

1.

▼ 地方公務員法28条に基づく分限処分について、免職の場合には公務員としての地位を失うという重大な結果となることを考えれば、処分の重さの判断については、特に厳密、慎重であることが要求されるものと解すべきである。

2.

▼ 約80件に上る本件各行為のような、9年以上の長期間にわたる悪質で社会常識を欠く一連の行為に表れたXの粗野な性格につき、公務員である消防職員として要求される一般的な適格性を欠くとみることが不合理であるとはいえない。

▼ 本件各行為の頻度等も考慮すると、上記性格を簡単に矯正することはできず、指導の機会を設けるなどしても改善の余地がないとみることにも不合理な点は見当たらない。

▼ 本件各行為によりN市の消防組織の職場環境が悪化することは、公務の能率の維持の観点から看過し難いものであり、特に地域住民の生命や身体の安全を守る必要がある消防組織においては上記職場環境悪化を重視することも合理的であるといえる。

▼ 本件各行為の中には、Xの行為を上司等に報告する者への報復を示唆する発言等も含まれており、現にXが復帰した後の報復を懸念する消防職員が相当数(消防職員約70人のうち16人)に上ること等からしても、Xを消防組織内に配置しつつ、その組織としての適正な運営を確保することは困難であるといえる。

▼ 以上の事情を総合考慮すると、免職の場合には特に厳密、慎重な判断が要求されることを考慮しても、Xに対し分限免職処分をした消防長の判断が合理性を持つものとして許容される限度を超えたものであるとはいえず、本件処分が裁量権の行使を誤った違法なものであるということはできない。

3.

▼ 以上によれば、本件処分が違法であるとした原審の判断には、分限処分に係る任命権者の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法があるというべきであり、原判決は破棄を免れない。

▼ 上記事実関係等の下においては、本件処分にその他の違法事由も見当たらず、Xの請求は理由がないから、原審判決を取り消し、同請求を棄却すべきである。

1)原判決を破棄し、第1審判決を取り消す。

2)Xの請求を棄却する。

3)訴訟の総費用はXの負担とする。

 

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No.614 今週の事件【長門市事件】の概要(2024年6月5日号)

2024年06月05日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

今回の事件は、N市の消防職員であったXが部下への暴行、暴言、卑猥な言動およびその家族への誹謗中傷を繰り返し、職場の人間関係および秩序を乱したなどとしてN市消防長から2017年8月22日付で分限免職処分を受けたことについて、処分の基礎となった事実に誤認があり、地方公務員法28条1項1号および3号のいずれにも該当しない上、適正な手続がとられていないとして、同処分の取消しを求めたもの。[山口地裁(2021年4月14日)判決]

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No.613 今週の事件【TWS Advisors事件】の概要(2024年5月22日号)

2024年05月22日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

今回の事件は、XがT社に対し、同社との間で締結した契約は業務委託契約ではなく労働契約である旨主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認ならびに未払賃金の支払を求めるとともに、XがT社で就労していたにもかかわらず、同社がXに対し失業等給付を受給するよう指示したことにより、失業等給付に係る返還債務268万7448円の損害が発生した旨主張して、不法行為に基づき損害賠償の支払を求める事案(甲事件)、およびY社がXに対し、XとT社との間の業務委託契約が解消されたことにより、XとY社との間の使用貸借契約も終了したにもかかわらず、Xが違法に居住を継続した旨主張し、債務不履行、不法行為または不当利得に基づき、賃料相当損害金86万7225円の支払を求める事案(乙事件)の2つの事案である。[東京地裁(2022年3月23日)判決]

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No.612 今週の事件【医療法人社団A事件】の概要(2024年5月8日号)

2024年05月08日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

今回の事件は、A法人の職員であったXが複数の女性職員に対してその身体に触れ、性的な発言をするなどのセクシュアル・ハラスメントをしたことを理由として解雇(本件解雇)されたことから、本件解雇は解雇権を濫用したものとして無効であると主張して、同法人に対し、雇用契約上の地位の確認を求めるとともに、雇用契約に基づき、(1)2018年12月分の賃金57万6667円および2019年1月分から本判決確定の日までの賃金月額84万円ならびにこれらに対する遅延損害金、(2)2018年12月分以降の冬季賞与100万円および2019年6月分以降の夏季賞与40万円の各支払を求めたもの。[横浜地裁(2021年10月28日)判決]

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No.611 今週の事件【社会福祉法人A事件】の概要(2024年4月17日号)

2024年04月17日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

今回の事件は、A法人の従業員として勤務していたXが同法人に対し、労働基準法37条の割増賃金請求に基づき、(1)2019年2月から2020年11月までの夜勤時間帯の就労に係る未払割増賃金合計312万9684円、ならびに遅延損害金の支払を求め、(2)労働基準法114条所定の付加金312万9684円およびこれに対する遅延損害金の支払を求めたもの。[千葉地裁(2023年6月9日)判決]

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No.610 今週の事件【スタッフメイト南九州・アンドワーク事件】の概要(2024年4月3日号)

2024年04月03日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

[本訴]

S社は、従業員であったXが在職中にA社を設立し、S社の他の従業員を引き抜いたと主張し、Xに対しては不法行為または債務不履行に基づき、A社に対しては不法行為に基づき、損害賠償金および遅延損害金の支払を求めたもの。

[反訴]

XおよびA社は、S社がXの名誉およびA社の信用を毀損する行為を行っていたと主張し、S社に対し、不法行為に基づき、損害賠償金および遅延損害金の支払を求めたもの。[宮崎地裁都城支部(2021年4月16日)判決]

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No.609 今週の事件【東急トランセ事件】の概要(2024年3月19日号)

2024年03月19日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

本件第1事件は、バスの自動車運送事業等を営むT社が従業員であったXに対し、運転免許取得のための教習費用等にかかる消費貸借契約に基づき、貸金31万0800円およびこれに対する遅延損害金の支払を求めたもの。 

本件第2事件は、XがT社で就労中、上司から退職強要、パワハラ、不当な減給等を受けたために精神的苦痛を受け、退職や離婚を余儀なくされたなどと主張して、不法行為(使用者責任)に基づく損害賠償として、民法709条、715条1項に基づき、損害合計1882万円の支払を求めたもの。[さいたま地裁(2023年3月1日)判決]

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No.608 今週の事件【渋谷労基署長事件】の概要(2024年3月6日号)

2024年03月06日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

Xは甲社の型枠解体工として、マンションの新築工事に従事していたところ、元請会社の現場所長から、Xの人格を否定する嫌がらせやいじめを受け、法令により義務づけられている酸素濃度測定が行われないまま地下ピット内作業への従事を強要させられたこと等により、適応障害を発症し、休業を余儀なくされたとして、S労基署長(処分行政庁)に対して労働者災害補償保険法(労災保険法)に基づく休業補償給付を請求した。 同労基署長は、上記請求につき、2020年3月25日付で全部の不支給処分をしたが、その後、同処分を取り消した上、請求期間のうち2018年11月30日から2019年1月21日までの53日間(本件期間)および待機期間を除いた期間について休業補償給付を支給する旨の変更決定(本件処分)をした。

今回の事件は、Xが国を相手に、本件処分のうち休業補償給付が不支給とされた本件期間に係る部分の取消しを求めたもの。[東京地裁(2023年3月15日)判決]

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No.607 今週の事件【龍生自動車事件】の概要(2024年2月21日号)

2024年02月21日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

今回の事件は、R社と労働契約を締結したXが会社解散に伴う解雇をされたことについて、同社に対し、(1)当該解雇が無効であると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認ならびに解雇後の賃金月額19万3894円およびこれらに対する遅延損害金の支払を求めるとともに、(2)R社による違法な解雇および本件訴訟における不誠実な態度が不法行為を構成すると主張して、同社に対し、慰謝料100万円の支払を求めたもの。[東京地裁(2021年10月28日)判決]

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No.606 今週の事件【グッドパートナーズ事件】の概要(2024年2月7日号)

2024年02月07日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

今回の事件は、G社との間で有期労働契約を締結していたXが2019年3月31日をもって雇止め(本件雇止め)をされたところ、本件雇止めは無効である旨主張して、同社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに(請求1)、上記労働契約に基づき、同年4月分から2021年12月分までの未払賃金合計1108万8000円およびこれに対する遅延損害金の支払(請求2)ならびに2022年1月分以降の未払賃金として月額33万6000円の支払を求め(請求3)、さらに、本件雇止めが不法行為に当たると主張して、不法行為による損害賠償請求権に基づき、慰謝料50万円およびこれに対する遅延損害金の支払(請求4)を求めたもの。[東京地裁(2022年6月22日)判決]

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■【熊本総合運輸事件】最高裁第二小法廷判決の要旨(2023年3月10日)

2024年01月24日 08時00分00秒 | 会社にケンカ!の判決

1.

▼ 使用者が労働者に対して労働基準法37条の割増賃金を支払ったものといえるためには、通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の割増賃金に当たる部分とを判別できることが必要である。

▼ 雇用契約において、ある手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものとされているか否かは、雇用契約に係る契約書等の記載内容のほか、具体的事案に応じ、使用者の労働者に対する当該手当等に関する説明の内容、労働者の実際の労働時間等の勤務状況などの諸般の事情を考慮して判断すべきである。

▼ その判断に際しては、労働基準法37条が時間外労働等を抑制するとともに労働者への補償を実現しようとする趣旨による規定であることを踏まえた上で、当該手当の名称や算定方法だけでなく、当該雇用契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置づけ等にも留意して検討しなければならないというべきである。

2.

(1)

▼ 新給与体系の下においては、本件割増賃金の総額のうち、基本給等を通常の労働時間の賃金として労働基準法37条等に定められた方法により算定された額が本件時間外手当の額となり、その余の額が調整手当の額となるから、本件時間外手当と調整手当とは、前者の額が定まれば当然に後者の額が定まるという関係にある。

▼ そうすると、本件時間外手当の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたものといえるか否かを検討するに当たっては、本件時間外手当と調整手当から成る本件割増賃金が、全体として時間外労働等に対する対価として支払われているか否かを問題とすべきである。

(2)

▼ 新給与体系は、その実質において、時間外労働等の有無やその多寡と直接関係なく決定される賃金総額を超えて労働基準法37条の割増賃金が生じないようにすべく、旧給与体系の下においては通常の労働時間の賃金に当たる基本歩合給として支払われていた賃金の一部につき、名目のみを本件割増賃金に置き換えて支払うことを内容とする賃金体系であるというべきである。

▼ そうすると、本件割増賃金は、その全体において、その一部に時間外労働等に対する対価として支払われているものを含むとしても、通常の労働時間の賃金として支払われるべき部分をも相当程度含んでいるものと解さざるを得ない。

(3)

▼ すなわち、本件割増賃金のうちどの部分が時間外労働等に対する対価に当たるかが明確になっておらず、本件割増賃金につき、通常の労働時間の賃金に当たる部分と労働基準法37条の割増賃金に当たる部分とを判別することはできないのであり、K社のXに対する本件割増賃金の支払により、同条の割増賃金が支払われたものということはできない。

(4)

▼ したがって、K社のXに対する本件時間外手当の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたものとした原審の判断には、割増賃金に関する法令の解釈運用を誤った違法がある。

1)原判決中、1070万1572円および遅延損害金の支払請求に係る部分を破棄する。

2)前項の部分につき、本件を福岡高等裁判所に差し戻す。

 

※参考

■【熊本総合運輸事件】福岡高裁判決(2022年1月21日)

1)K社の控訴に基づき、原判決中同社の敗訴部分を取り消す。

2)前項に係るXの請求をいずれも棄却する。

3)Xの本件控訴を棄却する。

4)訴訟費用は、第1、2審を通じてこれを10分し、その9をXの負担とし、その余をK社の負担とする。

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No.605 今週の事件【熊本総合運輸事件】の概要(2024年1月24日号)

2024年01月24日 07時55分00秒 | 会社にケンカを売った社員たち

今回の事件は、K社に雇用されていたXがその就労期間中に時間外割増賃金の不払があった旨主張して、同社に対し、雇用契約に基づき、(1)時間外割増賃金813万1174円および遅延損害金62万8519円の合計875万9693円および内金813万1174円に対する遅延損害金の支払を求めるとともに、(2)付加金473万3030円(上記時間外割増賃金813万1174円のうち除斥期間対象分339万8144円を控除した額)およびこれに対する遅延損害金の支払を求めたもの。[熊本地裁(2021年7月13日)判決]

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