4年と8ヶ月前。
ずいぶん昔のことだ。
1年先、半年先でさえも想定外の何が起こるかわからない
時代だというのに。
そんな昔、飼い犬と公園をのんびり歩くなんてことは
想像もしていなかった。
仕事が終わった後、突然に閃いて犬を見に出かけた先で
偶然にも20年も前から漠然と欲しかった犬種の犬に出会う。
断固としてオスがよかった。
そのきょうだいはメスが2匹でオスが1匹だった。
メスの1匹は目が大きく人懐っこそうな愛くるしい顔で
いくらパピーとはいえ、誰が見てもかわいい美人顔といえた。
一方のオスはというと、いかにも生意気そうで利かん坊な顔してる。
その顔をジッと見ているだけでも、自己主張満々の子犬だった。
そしてその出会いから2日後、オスのパピーは我が家にやって来た。
体長 35cm、体高 19cm、体重 1.6kg の
片手で簡単に持てる小っちゃなパピーだった。
そう、そんな彼が家族になったのが4年と8ヶ月前だ。
小さい頃の顔の表情のとおりに、自分を主張する犬に育った。
ときには生意気に、あるときは頑固に、そしてたいていは素直に行動する。
飼う前には思ってもみなかったが、犬は驚くほど豊かな感情をもった動物だ。
彼がオトナっぽくなったのか、最近わかったことに
尊重なのか思いやりなのか、そんな行動もめだつ。
ともに生活をしていくうちに、家族の気持ちや感情が読み取れて
思いやれる、形ばかりではない家族になっていく。
犬との生活がこんな風なものになるなんて想像もできなかった4年と8ヶ月前。
そんなことを思い出しながら、遅い夏休み、公園を散歩する。
今もこれから先も愛犬と宝ものの日々を過ごしたい。