ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

48.キャリアコンサルティングにおける心理学

2016-08-20 17:01:55 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 前回のブログ(47)にも書いた相談業務の現場では、様々な問題や事情を抱えた方の話を聴くことがある。その中には、いわゆる「メンタルヘルスの問題」「心の病」「発達課題」を抱えていると思われる方も少なくない。例えば、人生の転機において様々な問題や困難に直面した際に、精神的に不安定になることは誰にでもあり得ることである。また、職場の人間関係や仕事の負荷による過重なストレスから、「うつ状態」になる場合もある。

 キャリアコンサルティングのベースにはカウンセリングの技法や理論があるが、カウンセリングについて習得する際にはメンタルヘルスや心理学についても一定の学習をする。実際の相談の現場においても、学習した知識や理論を思い出しながら対応を考えることがある。

 ただし、その際に間違えてはならないことがある。それは、自分はメンタルヘルスや心理学の「専門家」ではないし、相手を「治療」しようなどと思わないということだ。「治療」は医師の仕事である。自分にできることは、あくまで相手が抱える問題の「見立て」の段階やカウンセリングの可能な範囲で心理学の知識を参考にするということである。

 最近、“最先端の心理学”などと謳う各種心理学がある。勿論それらを学ぶメリットはあるだろうが、中途半端な知識や理論のレベルなら、相手の心を操ろうなどと試みないことだ。相手を支援するためとは言っても、人の心や行動はそんなに単純なものではないし、こちらの思うようにはなかなか動かないというのが、カウンセリングを積み重ねてきた実感だ。宗教家なら良いかもしれないが、実務家が責任を持てないことはやらないことだ。

 やはり、私は時間はかかっても「答えは相手の中にある」という来談者中心カウンセリングをベースにして、手に負えない時は相手のためにも早くリファーするという冷静な姿勢を守りたい。

 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする