ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

97.職場の風通し

2018-08-28 23:17:24 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「風通しの良い職場」とはどんな職場だろうか、自分の職場はどうだろうか。働く人々にとって関心の高い問題だが、その基準や評価はよくわからない。一番の理由は、人事異動などによって人が変われば職場の雰囲気も変わるし、特に上司の影響は大きいからだろう。あるアンケート調査では、上司と部下のコミュニケーションに何らかの問題があると答えた職場が半数以上だった。また、同じ風でも、人によって涼しいと感じたり、寒いと感じたり、何も感じなかったりと、感じ方や価値観も人それぞれだから。

 一般論だが、風通しも含めて職場環境整備やコミュニケーションの改善は、基本的にリーダや管理職の責任(安全配慮義務)が大きい。とは言え、会社は全ての事情をくみ取ることはできないから、風通しが良かろうが悪かろうが、まずは自分の役割や仕事に忠実に向き合う姿勢が大切だ。ただ、その職場に長く在籍し権限を有する立場の者などに、その職責を曖昧にし組織を私物化するかのような不公正な兆候が見られる時は、事実関係を確認したうえで冷静に周りに相談したり援助を求めることが必要だ。私物化の対象は、人、物、金、情報、時間など。これらのうちの一つでも兆候があればイエローカードだ。例えば、身内贔屓、備品や場所の占有、カラ出張、情報漏洩、サポタージュなど、犯罪要件に該当する場合すらあるかもしれない。「そんなつもりはなかった。」では、責任ある立場の者としては倫理的にも許されない。最近は情報社会でありコンプライアンス意識も高まっているので、内々に処理することはまず不可能だ。

 職場の風通しは心の窓を開ければ改善するかもしれないが、腐敗した部分は除去しないと周囲のモチベーションが下がる。組織は冷徹だ。風通しの変化は、結果的に自分にとって良い転機となるかキャリアの挫折となるかわからないが、忍従は組織の中で必ずしも美徳ではないと思う。
 
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96.ボランティア

2018-08-19 22:25:07 | 時代 世の中 人生いろいろ
 この夏、ボランティアの災害支援がクローズアップされた。豪雨の被災地へ赴き、救助、輸送、後片付け等に、自衛隊、消防、現地の人々と共に汗をかく様子が、ニュース等で繰り返し報道された。被災地の人々や自治体にとっては、ボランティアの支援は不可欠のものだったし、その精神や活動自体は尊いものだと思う。被災地復旧のために、被災地の家族や人々のために力になりたいとの純粋な思いのボランティアが大多数だろう。

 一方、辟易したこともある。一つは、十分な準備や装備もなく被災地へ駆けつけ、かえって足手まといになったという話。報道での批判は抑えられているが、被災者の精神的な負担や自治体等の活動の迷惑になるケースもあったようだ。善意のつもりだろうが、受け入れ態勢ができていないのにボランティアが多数やってきたり不要な物資が大量に送られてきたりして、対応や整理に手間取ったケースなどはその例だ。

 もう一つは、SNSの投稿。「勇気ある仲間が真っ先に現地に駆け付けました。」とか「遅ればせながら私も行ってきました。」など。現地の状況やボランティアの必要性を伝えることを目的に、被災者にも配慮した良心的な投稿もあるが、物見遊山にでも行ってきたかのような晴れやかな表情や露骨な被災地画像の拡散。偽善とまでは言わないが自己満足なのか。

 ボランティアとは、自発的に行うものでありライフキャリアの一部にもなる。仕事や生活を犠牲にしてまでするものではない。仕事の都合や、準備や体力が足りなくてできないこともある。募金などの形で密かに支援することもある。ボランティア活動は、相手の状況や心情に配慮しつつ、できる範囲で無理なく尽力し続け、見返りは求めず静かに終えるのが本当ではないだろうか。

 先日、行方不明の子供を発見したボランティアの老人の、力強くも謙虚な表情と言葉には素直に拍手を送った。

 
 
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95.グループアプローチ

2018-08-11 22:41:41 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 先日、ある公的機関のキャリア支援関連のセミナーでグループアプローチを取り入れた。個別相談による支援と合わせて、自己理解支援や仕事理解支援に有効な場合がある。

 比較的大人数のセミナーだった。参加者の年齢層は20代から70代まで。大多数は初めて参加した方々だった。テーマは、仕事の価値観に関することなど。時間は約2時間。単なる意見交換の場ではなく、簡単な個別作業の後、ファシリテーションによって各自が仕事の芯になる価値観に気づいたりヒントを得たりすることを目的とした。パートナー講師と二人態勢でファシリテーターを務めた。

 正直なところ、始めるまではうまく場を回して行けるのかと不安もあった。しかし、始まるとほぼ全員が席を立ち、動き、用意した様々な形の色画用紙やマジック、クレヨンなどを使って作業に取り掛かった。シンプルなもの、手の込んだもの、カラフルなものなど様々な「作品」ができ上って行った。そして、各自の「作品」を5、6人のグループメンバーでシェアしてもらった。真剣に、笑顔で、メンバーそれぞれの話にうなずいたり、拍手を送ったり。最初緊張気味だった参加者も、自分の話を初対面の相手にも聞いてもらい、他人の話を聞くうちに、和やかな表情になり場の空気は温まって行った。

 起業予定者、移住希望者、個人事業主、主婦、就職活動中やシニアの方など様々だったが、特に組織から離れている方々の中には、自分の考え方や価値観を誰かに認めてもらいたいという思いを持っている方が多いと感じた。自分の考え方と違っていても、「そういう考え方もあるんだ」と認める。新たな発見があれば素直に取り入れる。

 グループアプローチの効果を実感し、ファシリテーターの役割を再認識したセミナーだった。それから忘れてはいけないことは、「参加してよかった」と言ってもらえる場づくりの準備とスタッフとの協働だと思う。

 

 
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