ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

29.履歴書は丁寧に心を込めて作りましょう

2016-06-29 19:40:22 | 仕事 キャリア ライフキャリア
カウンターの店で食事をしていると、一つ隣の席に30代半ばくらいの男性が座った。注文をするとトイレに立ったが、席に戻るとすぐにスマホで声を落として話し始めた。電話が行き違いになって折り返したのだろう。奥の席で外は雨だったせいか、そのまま話し始めた。ポロシャツにカジュアルなパンツ。平日の夕刻だから、サラリーマンや公務員ではなさそうだ。服装の割に、注文の口調や食べ方が丁寧な感じだったので、何か接客・サービス業の店長か自営業の印象だった。

 「あ、ごめん。今日面接したコなんやけど、やっぱりひっかかるところがあるんよ。あの履歴書は雑。ちゃんと書いたと思えんし、仕事に対する丁寧さが感じられん。それに、家が遠いから、結局続かないんやないかな・・・、どう思った?(間)そうやな、今うちは、人を入れないと回して行けんから、入れなしょうがないな。〇〇さん、まだ体調悪いからいつ戻って来られるかわからんし、△△さんは来月から異動することになってるし・・・。とりあえず試用期間3か月やって続いたら、もう1回3か月でやって、その間に成長するかもしれんから、半年して正規にするかどうか考えよ、それで行こ。もう一回話しするから、電話して来てもらって・・・。」-おそらく部下に指示していたのだろう。だんだんと声が大きくなってきて、つい聞き耳を立ててしまった。

 就職支援関連のセミナーで履歴書の書き方を細かくアドバイスすることがあるが、応募書類の印象はやはり大事と実感した。丁寧さが求められる仕事の求人ならなおさらだろう。外見や面接に自信があっても、採否はトータルで評価されるし、見るポイントはどんな仕事も基本は同じと思った。

 「今日面接したコ」は、試用期間からと説明されても入社するのか、辞退するのか?本来ならアウトかもしれないのに、タイミング良く採用になりそうなのだが・・・。

 
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28.講師のスキルとマインド

2016-06-27 19:15:01 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 最近、キャリアコンサルタントとしての仕事の依頼が増えた。特にセミナー・研修講師の仕事だ。セミナー講師というと、あちこちを講演して回るようなイメージもあるかもしれないが、自分は地道な仕事が多い。なるべく地元の仕事を優先しているので、講師料単価も、中には有り難い金額のものもあるが、概ね地味な金額だ。

 それでも、仕事が増えてきたことはありがたいし、やりがいを感じている。何がやりがいかというと、続けてやれることだ。例えば、職業訓練生対象のキャリア支援講義やキャリアコンサルタント養成講座などは、同じ受講生と数か月間密接なかかわりを持つ。よって、その間に受講生が成長してゆく過程が見られることがある。単発一回限りのセミナーは、スキルやノウハウ等の表面的な話や情報提供に終始しがちだが、数か月間何回も一日がかりの講座を担当するとなると、準備もしっかりしないといけないし、受講生が飽きないような工夫もする。講師としてのスキルも磨かれる。

 また、「楽しく、厳しく、ためになる」をモットーにしてやっているが、なるべく一人一人の状態や感情、個性や価値観に対する配慮を大切にしている。そして、自分の体験談や価値観も含め、本音の話をする。決して、押しつけや独りよがりにならないように気をつけながらも、表面的でない少し深い話もする。

 もちろん、皆に気に入られようとか、わかってもらおうとか、そんな期待もゼロではないが、無理なことも十分わかっている。でも、こちらが本気で正直で相手のことを思うマインドでかかわらないと、相手も本気にはならないし、本当の姿は見せないし、お互いの成長にもつながらない。パートナーともよく話すことだが、講座終了後に受講生から、おもしろかったとか、楽しかったといってもらえると、やはり嬉しい。そして、終了後も対等な付き合いが続くとなお嬉しい。
 
 
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27.働くシニアの本音のひとつ

2016-06-25 15:09:56 | シニア 人生100年
先日、仕事のお付き合いのある60代男性お二人と飲む機会があった。お二人とも、ある企業や機関に再就職して、相談窓口で働いている。定年退職先からの紹介で再就職した訳ではなく、早期退職後にいくつかの仕事を経て今の仕事に就いている。もともと、肩書や会社の看板がなくても仕事ができる方々なので、これまでも縁や信用を生かして自力で就職先を決めている。

 お二人とも、今までの再就職先でも与えられた仕事や役割を一生懸命やってこられた。勿論、自分自身やご家族のためだろうし、まだ元気でじっとしていられない性質なのだろうが、何か人の役に立ちたいという気持ちも強く持っている。人生の少し先輩だが、とっつきにくかったり、上から目線であったりすることがなく、一緒に仕事がしやすいタイプである。

 
 そんなお二人も、時々腹立たしいことがあるという。それは、自分たちへの配慮がない時だという。特別な配慮を求めているのではなく、同じ職場で働く者同士の、普通の気配りやコミュニケーションがあればよいということらしい。自分たちをうまく使ってもらった方が嬉しいし、お役にも立ちますよ、とのこと。余計な遠慮や、逆に一方的な命令や否定、それくらいわかってるだろうというような曖昧な指示は、ストレスになるという。人生経験を積み、酸いも甘いもかみ分けてきた先輩方も、一緒に働く一人として尊重されたいというプライドがあるのだろう。

 確かに、退職後も前職の看板や肩書を背負い高慢な態度を取る者や、頑固過ぎるシニアもいる。働くシニアの側も受け入れてもらう姿勢が必要だが、受け入れる側も寛容であることと、人生の先輩として頼ってみることも必要かと思う。そのためにも、日頃のコミュニケーションが大切。挨拶をしよう、声を掛け合おう、目を見て話そう。年齢関係なく、職場ではあたりまえのこと。

 
 

 
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26.人生いろいろ、キャリアもいろいろ。

2016-06-23 11:01:39 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「キャリア」という語感からくるイメージは、人それぞれだろう。教科書的な定義は「人が生涯を通じて関わる一連の労働や余暇を含むライフスタイル」とあるが、簡単に言うと「人の進路、職業、生き方」という意味だ。官庁や大企業などのエリートコースや、転職を重ねて出世することだけが「キャリア」ではない。人の生き方という意味と考えると、地方の中小企業の一社員、自営業者、職人、スポーツ界、学生、主婦、定年後の高齢者や障害を持つ人なども含め、いろいろな人生そのものが広い意味のキャリアである。

 「キャリア」の語源は、「轍」(わだち=馬車が通った後に残る車輪の後)を意味している。よって、「キャリア」のイメージは、人それぞれが積み重ねてきたすべての経験と、今の自分、そこから描く将来像のようなものと考えてもよい。

 写真にこじつけて高速道路に例えると、一本道をすいすい行くこともあれば、渋滞もあるし視界不良の時もある。制限速度を守って行くこともあれば、スピード出し過ぎて覆面パトカーに捕まることもあるかもしれない。景色の良い場所もあれば長いトンネルもある。SAや休憩所もある。ただ、どこかで下りないと目的地には着かない。

 高速道路(キャリア)は逆走できないから、出口やインターチェンジ(転機)では進路を間違えないように気をつける。でも、そんなに緊張しなくてもよいかもしれない。もし間違えても、一度下りて方向転換してまた乗ればよいし、一般道の方が早く目的地に着くこともある。あまり肩肘張らずに、安全(健康)運転する(生きる)方が長距離は楽かもしれない。

 高速道路は舗装された路面や頑丈な橋脚、吊り橋に支えられている。常に整備、点検、清掃、補修等の管理をする人々に守られている。自分らしい人生も、人の支えや助けがあってこそ近づいて行けると思う。

 

 
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25.職業倫理はお題目?

2016-06-21 20:50:54 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 昔、「・・・リンリ、リンリと夜も眠れず」という川柳か何かを習った記憶がある。

 前回のブログの最後に、人の話を「聴く」時に大切なことは、「他者を尊重するマインド」と書いた。その「マインド」を形にしたものが「倫理」だと思う。どのような業界でも、何らかのルールや規則、慣例があるが、「職業倫理」が確立されている仕事は案外少ないように思う。「お題目」としての倫理綱領のような形はあっても、本音では「現場でそんなきれいごとは言っていられない」とか、「倫理で飯が食えるか」などと考えている者も少なくないと感じる。多少ルールに反しても、ばれないように要領よくやればよいという思いもあるかもしれない。何度も起きる企業や公務員の不祥事や謝罪会見を見ていると、そう思う。

 サラリーマンだった頃、ある取引先の社長に「倫理は自分の身を守るため」と教えられたことがある。当時勤めていた会社は、営業至上主義で、現場では「数字を作り上げる」ことがほぼ絶対的な使命だった。そのため、少なからぬ社員が無理をしたり時にルール違反をして、結局、会社として監督官庁や社会から制裁を受けることになった。しかし、「数字を作らせた」成果は自らの手柄としながら、批判や制裁を受けることになると「ルールを破れとは言ってない」と責任を下に転嫁した“上司”もいた。一方、実力や正攻法で結果を出していた者もいたし、責任を取らされた上司もいた。

 今でも、その社長の言葉を時々思い出す。そして、今は個人事業主であり会社というバックがない分、倫理観を身に沁みこませるよう心がけている。体に必要な水分のようなイメージだ。

 現場ではいろいろな問題が起き、判断に迷うこともある。でも、迷った時こそ倫理観と言う水分を補給する。それは、自分を守るためだけでなく、他者を尊重するマインドを潤すからだ。

 

 
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24.「聞く」と「聴く」の違い

2016-06-21 00:09:07 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 講座が始まった。仕事や職業を軸にして人の成長や生涯に関する、対人援助職を目指す講座である。試験対策の講座ではないが、講座で基礎理論や面談技法をしっかり習得すれば、自ずから関連する国家資格取得の可能性も高まる。

 講座内容の大きな柱として、人の話の聴き方(傾聴)を習得することがテーマになっている。そこで、「聞く」と「聴く」の違いをイメージしてもらうため、カリキュラムを少し変えてみた。講座初日に、受講者の自己紹介をすることになっているのだが、「他己紹介」に変えてみた。ペアで相手の自己紹介を聞いて、相手のことを簡潔に他の受講者に紹介する方法である。やり方を説明して、「さあ始めてください」と言うと、案の定、皆がペンとメモを持って「聞き取り」を始めた。そこで、ペンとメモは使わないよう指示すると皆が戸惑ったが、そのかわり相手の話を集中して聞いていた。一人3分程である。その後、他己紹介をしてみたら、皆、相手のことを大きな過不足なく紹介できた。

 対人援助の仕事にも様々なやり方があるが、「こちらの聞きたいことを聞く」ことと「相手の話したいことを聴く」の違いを身につけておくことが大切だと実感している。「聴く」は耳と目と心で「聴く」。相手の話す事柄ばかりをメモしても、それは「聴いてるつもり」に過ぎないのかもしれない。

 「傾聴」は、対人援助の現場だけでなく、営業や士業の相談業務においても活用できるスキルだ。口がうまい、プレゼンがうまい、アドバイスがうまい、それぞれ必要なことかもしれないが、「聴き上手」が相手の信頼を得やすいという現実もある。頭ではわかっていても、身についてないとできないもの。

 14日間の講座の中で何度もトレーニングする。大切なことは、スキル(技法)よりも相手を尊重するというマインドである。
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23.数字を見るより話を聴く

2016-06-18 23:47:52 | 生活 お金 ファイナンシャルプランニング
 家計の見直し相談を受けることがある。よくあるのは、無駄の節約とか保険見直しといった、まだ余裕のある方々の相談である。借金で首が回らないような切迫した状態でなければ、まずは相談に来た経緯や現状に対する考えなどを聴くようにしている。1回の相談時間は限られているが、いきなり収支明細や保険証券を見て、ここを節約しましょうとか、この保険は解約しましょうとか、金額に着目したアドバイスをするよりも、まず話を聴いた方が相談者の納得感がある。
 
 最初に話を聴こうとすると、「えっ?」という戸惑いを浮かべる相談者もいるが、聴く姿勢を示すことで、多くの相談者は安心感が増したり気持ちや頭の中が整理できたりするようだ。
 

 先日もある50代女性が相談に来た。子供は手を離れ、週4日パートで働いているが、夫が役職定年で給料が減り家計が厳しくなったと言う。何かを節約しなければとは思うが、生活レベルは下げたくないと言う。そこで、世帯収支の明細を見せてもらうと平均以上の世帯収入はあり、貯蓄は少ないほうだが、支出に特別過大なものはない。この状態でどこに生活の厳しさを感じるのか聴いてみた。すると、以前はもっと生活に余裕があり、旅行に行ったり高級ブランド品なども買えたという。それが、今はできないので夫に相談したら、我慢して節約しろと言われたと辛そうに言った。

 その女性の話を聴いて気持ちを認めた上で、ただ節約しろと言われても難しいだろうから、節約して貯めたお金で何かを買うとか、定年後資金を増やすような目標を作ったらどうかとアドバイスしてみた。それから、具体的に節約できる費目や保険見直しを行うと、現状の生活とほぼ同水準で年間にそこそこのお金が手元に残ることがわかった。

 女性の行動が本人の気づきによって散財から貯蓄へ変わるきっかけができた。

 



 
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22.ちょっと誇らしい?仕事に向かう人

2016-06-17 23:44:50 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 ある日の昼、小さな警備会社の古びたビルの前を通ると、青地に白線の入った警備服を着た7,8人の若者らが、日に焼けた顔の警備員を囲み何やら話をしていた。赤い交通誘導灯の使い方などを指示されている様子だった。一人の若い警備員が、年輩の警備員に腰からはみ出していたシャツを直され、ポンと尻をたたかれると皆の笑いが起きていた。

 少し離れた大通り交差点の手前に停めた車の前では、黒のスーツにイヤホンをつけた7,8人の大人が集まって、地図のようなものを見ながら何か確認していたかと思うと、2,3人づつに分かれて散っていった。

 大通りに出ると、反対側からTVカメラがこちらを向いて並んでいた。「報道」の腕章をつけたスタッフらが行き交う様子から、誰かVIPが来るのだろうとわかった。この時期、国政トップの遊説かと思いつつ少し待ってみたが、始まらないので仕事に向かった。

 警備員の仕事は、普段は工事現場や大型イベント会場などで行われることも多いのだろうが、身勝手なクレームを言われたり、邪魔者扱いされることも少なくないらしい。黒スーツの大人たちは、要人警護の県警SPや若手刑事だろう。普段は地道な捜査活動をしているのだろうが、仕事柄身の危険を感じることもあると思う。

 両者ともに、ミスや万一の事態は許されないという緊張感はあったと思うが、VIP到着(本番)前の気合と言うか、高揚感のようなものも感じられた。聴衆や交通の混乱を予防し、VIPの安全と円滑な遊説を担保する役割。多くの人が見ている前でやる仕事ながら、問題なくやって当然の裏方仕事。それでも、短い時間ながら手ごたえのある仕事を任された、信頼されたという気持ちが、彼らの表情を生き生きと、どこか誇らしげにさせていたのかもしれない。

 仕事帰りに同じ場所を通ると、いつもの夕暮れの雑踏があった。
 
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21.感じのよい面接官

2016-06-15 21:02:25 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 大企業の新卒採用がほぼ終了しているこの時期に、市民会館2階ロビーに面した一番小さな貸会議室で“新卒”採用面接が行われていた。

 部屋のドアが開いて、ポロシャツにジャケット、ジーンズにリュックの若い男性と、30代半ばくらいの長身男性が談笑しながら出てきた。長身男性は、丈の短いグレーのスーツ、白のシャツにノーネクタイ、スリムパンツ、あご髭にパーマ。「じゃあ、今日はこれで!」と挨拶すると、若い男性が階段を下りて行くまで頭を下げて見送っていた。階段まで20メートルくらいだが、よくガソリンスタンドなどで見かける光景である。おそらくアパレル関係の採用面接だろう。長身男性は、裸足にブラウンのローファーだった。


 開いたドアから室内が見えたが、机椅子の配置から1対1面接と分かった。長身男性が部屋に戻りしばらくすると、今度はカジュアルな服装の若い女性が少し緊張した面持ちで階段を上がってきた。部屋を探していると、男性が部屋から出てきて声をかけた。「〇〇さんですね、お待ちしてました、こちらへどうぞ!」と部屋へと笑顔で招き入れた。座った女性の背中が見えたのに、男性は椅子の横に立ち何か話しかけている。「後ろのドア閉めても大丈夫ですか?」「あっ、はい。」そんなやり取りがあってから男性はドアを閉めた。しばらくすると、室内から何か談笑する声、笑い声が漏れてきた。


 若い男性も女性も、採用になるのかどうかはわからないが、応募先に対する印象は良くなったことだろう。不採用としても、お客様にはなってくれるかもしれない。採用する側も、応募者がたとえ未熟で自社と合わないイメージだったとしても、人として尊重し、良さを引き出すようなコミュニケーションを取る姿勢が大切だと思う。面接官も(応募者に)見られているという意識が大事と感じた現場だった。
 
 
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20.「社会人基礎力」がアンバランスな人

2016-06-13 19:36:22 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 ベテラン講師がぼやいた。ある事業で協働した、60代の女性キャリアコンサルタントである。キャリア関連の事業の企画委員になっているが、(私に)研修講師を依頼できないかという。ありがたい話ではあるが、他県で行われる事業であり詳細も未定だったので「改めてお話を伺ってから、お役に立てることがあればお願いします。」と答え、「地元に講師のできる方はいらっしゃらないのでしょうか?」と聞いてみた。

 彼女は少し苦笑しながら言った。「候補は何人かいるんだけど、その中の二人が、言いたいことばかり言って会議をまぜくりかえして困っているのよ。決めたことも後からひっくり返すし、他のメンバーとも対立するから、一緒にやっていくのは難しいのよ・・・。」

 私も現在、個人事業主であるが一人でやってきた仕事はあまりない。特に、公共関連のキャリア支援事業などは、受託企業から依頼を受けて協働して進める。講義や個別面談は一人でするが、全体を見れば、複数の講師やパートナー、受託先の関係スタッフらと役割分担して連携している。チームワークが大事なのである。

 経済産業省が定義づけた「社会人基礎力」の3つの能力のひとつに「チームで働く力」(多様な人々とともに、目標に向けて協力する力)という柱がある。厳しい言い方だが、その二人は「社会人基礎力」の大切さを教える立場でありながら「社会人基礎力」が足りないのではないか。当然、誰しも強み弱みはあるが、それらを自分で認識してバランスを取る努力は必要だと思う。

 もう少し具体的に言うと、「社会人基礎力」能力要素の中の、「傾聴力」や「状況把握力」等を高める努力が必要なのかもしれない。頭(考える力)が良くて、行動力や自己主張(踏み出す力)が強いが、チームワークの意識の足りない人。どこの業界にもいるのかもしれないが・・・。
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