ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

122.ネガティブな感情

2019-10-27 17:12:29 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 知人のⅩさんは、60代後半。若い頃にはご苦労されたようだが、今も現役で事業を手がけている。穏やかで紳士的な方だ。そんなⅩさんは、地元の同級生とは付き合わないという。なぜなら、飲みに行ってもつまらないからという。大体、「嫁の悪口、孫の自慢、病気の話」が三大話。何の生産性もなく、聞くのも嫌らしい。

 私にも嫌な人はいる。講師の仕事に関していうと、立場をわきまえない人。例えば、公共のセミナー等で、自分が主役であるかのように目立とうとして上から目線で話す独りよがりの講師。本来話すべき事を話さず、自分の言いたい事ばかり話す。受講者目線や主催者への配慮もなく、偉そう。チームでする仕事に関していうと、皆が力を合わせて難局を乗り切ろうとしている時に、他人事のような態度で評論家的な意見しか言わない人。普段は調子の良い事を言いながら、自分のチーム内での役割や責任に無頓着で信用が置けない。

 人間だから喜怒哀楽や好き嫌い、相性、気分の浮き沈みがあるのは自然なことだ。私は、ネガティブな感情については、「他人は変えられないと割り切る」「言うべき時は言う」「コントロールしてもそのものを否定しない」ことを心がけるようにしている。とは言っても、聖人君子ではないので、ネガティブな感情に捉われてしまうことはある。そんな時は、なるべく「こんなことでストレス抱えたり、腹を立てて時間や気力を消耗したりするのはアホらしい」と、感じるのを止めることにしている。それが、必要以上に相手を傷つけないし、自分を守ることにもなると思う。
 
 三人寄れば、二人と一人に分かれる。どちらにしても、意見の対立や葛藤も起き得る。そのような状況で感情をコントロールするには、できるだけ他人を尊重することも必要だろうが、働き動き回ってネガティブな事を考える暇もないくらいになった方がいいのかもしれない。「貧すれば鈍する」という諺もある。
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121.AIにはできない仕事

2019-10-10 00:42:23 | 時代 世の中 人生いろいろ
 NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」を見た。最先端のAI技術を駆使して、30年ぶりに美空ひばりをよみがえらせるという企画だった。歌声や歌唱力だけでなく、目や口の動き、振り付けや立ち居振る舞いまで、4K・3Dホログラム映像で再現していた。技術者や作詞作曲家、衣装デザイナーやファンクラブの高齢者などの関係者が、膨大な音源と映像データをもとにAIが出現させた「30年ぶりの美空ひばりの歌と姿」に心を揺さぶられるかという点が一つの見どころだった。

 私の感想は、プロジェクトの関係者の苦悩や努力、試行錯誤を繰り返しながらもあきらめずに取り組む姿勢には感銘を受けたし、日本のAI技術の高さにも驚嘆したが、「美空ひばり」はやはり「AIの美空ひばり」の印象だった。長年のファンの方々が感涙にむせぶ場面も、テレビの画面で見ているせいか違和感があった。30年前の録画映像と、30年ぶりの再現映像を比べて、これらをどう見たらよいのかわからなくなったのだ。なぜなら、「美空ひばり」の歌と姿に、30年間に刻まれたであろう「年輪」を感じなかったからだ。確かに、AIは30年前からさらにデビュー当時までさかのぼったデータを解析して合成することはできたのだが、30年前から現在までに刻まれたであろう皺や年輪、磨かれたであろう艶や綾までは予測し再現しなかったからだろうか。

 どんなに技術が進歩しても、人間にしかできない事やわからない事はある。以心伝心。阿吽の呼吸。人情の機微や心の琴線は、AIには表現し得ないものだろう。私が携わっている対人支援や相談業務のコミュニケーションには、勘や加減や曖昧さ、洞察力や寛容さ、そして倫理観も大切だ。理論やデータ分析も必要だが、理屈だけでは済まない世界だから、AIに取って代わられることはないだろうと思っている。経験と研鑽を積んで、年輪を刻んで行けば。
 
 

 

 
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