goo blog サービス終了のお知らせ 

ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

43.運転手の仕事の基本

2016-08-10 23:50:04 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 先日、2回続けて県内の沿岸部と山間部に仕事で出張した。沿岸部の出張先に行く際は路線バスを利用し、山間部に行く際はJRローカル線を利用した。

 おそらく50代後半のバス運転手は、態度が荒かった。たまたまそんな運転手だったのだろうが、田舎町の海岸沿いのカーブの多い国道でスピードを落とさない。バス停に人がいなければ、アナウンスせず通過する。人がいれば、急ハンドル切って寄せて止まる。停車ボタンを押し忘れた老人男性が停留所前で降ろすよう求めると、怒る。怒られた老人が慌てて千円札を小銭専用の料金箱に入れてしまうと、苛立ちながらお釣りを渡して降り際に説教する。乗っていて、見ていて、ハラハラした。

 一方、30代半ばくらいのJRローカル線の運転手は、まじめさがにじみ出ていた。1両編成の車内では、高校生が口をあけて寝ていたり、スマホを見たり、外の景色をぼんやり眺めたり、20人程度の乗客のほとんどが一人の世界に入っている。そんな中でも、「出発よーし」「信号よーし」「前方よーし」などと、一つ一つ声を出して指差し確認している。そして、駅に着くと料金箱の蓋を開けて「ありがとうございました。」と声をかける。特別愛想がよいわけではないが、業務を丁寧に遂行している印象があった。

 公共交通機関の運転手は、乗客に「乗っていただいている」のか、乗客を「乗せてやっている」のか、「ただ運転が仕事」なのか、それぞれの本心があるだろう。最初は運転手の仕事に憧れや意欲をもって始めたとしても、毎日同じことの繰り返しで競合相手のいない世界での仕事が続くと、緊張感が緩むこともあるかもしれない。

 基本動作に忠実に、当たり前のことを当たり前に続けて行くことが、その仕事のプロに近づいてゆく道だと思う。運転手は、乗客を安全に時間通りに、できるだけ快適に運ぶことが責務。

 

 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする