ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

85.意地を通せば窮屈?

2018-03-25 01:54:37 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 A氏とB氏はL社において、個人事業主(フリーランス)の立場で行政からの受託事業(プロジェクトX)に携わっていた。公共の事業は、毎年入札により指名業者が決まる。よって、年度末には一旦区切りがつけられるので、継続されるか否か気がかりになる。フリーランスとしては、仕事の予定や収入にも影響するからだ。

 そのプロジェクトXの委託先が、ある年L社から競合のS社に変わった。A氏は、入札結果を見て次年度S社へ移りプロジェクトXに携わることにした。一方、B氏はそのままL社に残り他のプロジェクトの入札結果を待ったが、指名を得られることはなかった。それでも、B氏はS社には移らずに担当者と新たな仕事を開拓することにした。

 A氏もB氏も、フリーランスだからどこで仕事をするのも自由である。収入の安定のためには、仕事は欲しい。では、B氏はなぜS社に移ってやり慣れた公共プロジェクトXに携わろうとしなかったのか。L社で、当てのない新規事業開拓に携わることにしたのか。それは、長年L社で仕事をさせてくれた人への恩義、L社のスタッフと協力して仕事の質を維持向上させてきたという自負、そして仕事の筋を通す意地である。

 私は昔、企業の営業職として取引先との関係構築に腐心した。その中でも、逆風の状況でお互いに関係維持に努めた取引先とは、信頼し合えた。そのような取引先には、かえって甘えずに緊張感を持ってメリットのある提案に努めたものである。一方、多少の条件や金額差等でも自利を求め右往左往する取引先は、頭は下げながらも心では軽んじていた。

 筋を通すことは、時に窮屈な思いをする。頑なな姿勢はチャンスを逃すこともあるだろう。しかし、長い目で見ると、意地を通すことが信頼関係の維持や双方の利にも繋がると思いたい。ただ、信頼関係は相手のあること。筋や意地が自己満足にならないようにしないと・・・。

 

 

 
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84.潮目が変わる

2018-03-21 05:49:10 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 政治の世界で「潮目が変わる」という表現がある。情勢、流れ、パワーバランスなどが変わることを潮の流れや干満に例えたものである。そのような事は、職場においても起きる。退職、入社、人事異動、あるいは年度末総括や新年度方針等の影響で、職場の雰囲気や仕事のやり方が大きく変わることがある。特に3月から4月にかけては、程度の差こそあれ環境変化が起こりやすい時期だ。自分にとって良い方向に変わることもあれば、逆の場合もある。

 中学生の頃、夏の海水浴場で友人とのんびり貸しボートを漕いでいたら、気づかぬうちに沖合に流されて遭難しかけたことがあった。潮の流れに逆らって必死で陸に戻ろうとして焦っていたところ、幸い監視員のモーターボートで引っ張ってもらって陸に戻れたことがある。叱られた記憶もあるが、その時の疲労感や恐怖感、助かった時の安堵感の方が脳裏に残っている。

 仕事や職場においても、気づかぬうちに自分のあるべき姿や目標から遠く離れたところまで流されてしまい、自力で戻ったり軌道修正したりすることが難しくなっていることがある。飛躍した表現かもしれないが、「キャリアの遭難」という状況である。そうなる要因には、上司や同僚などとの人間関係や任される仕事の質量の問題など、個人の力では抗えない事柄もあるだろう。

 「潮目を読む」という言葉がある。状況の変化を見極め先を読むという意味である。潮の流れに身を任せるのも逆らうのも人生だが、節目では自分の身の振り方は自分で決めたいものだ。様々な環境変化から不安になりやすいこの時期。不安から逃れようと焦れば焦るほど追いかけられるもの。腰を据えて潮の変わり目を読み、できることから先手を打つことが必要と思う。もし、変えたくても変えられない状況なら、力のある人の助けを借りてもよい。漂流したり遭難したりするよりは避難する方が良い場合もある。潮目がいつか変わる。

 
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